2012年10月25日

打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」〜外付けHD〜2

151 :再会 [saga]:2012/05/01(火) 21:35:36.76 ID:QiNXqYXw0

頬を擽る風が心地良い。
柔らかく撫でていくように、小さな子供が囁くように温もりを帯びる風を瞳を閉じて受け止める。
瞳を開けると、一面赤橙色が広がる。

赤橙の雲

赤橙の空

赤橙の川

赤橙の草原

自分が見晴らしのよい川原に立っていることに一方通行は気付く。
空気すら赤橙色に染まりきった世界は物寂しさと同時にどこか胸を締め付ける。
鼻の奥がツンとするような、切なさが込み上げてくる。
泣きたい気持ちは悲しいからではない、寂しいけれども嫌なわけではなく。
原風景、そんな言葉が脳裏を過ぎる。


「おい、何ボーっと立ってやがるんだよ」


川べりから軽く手を振る男に、極自然に手を振り返す自分に一方通行は小さな驚きを覚える。
白衣姿でもなく、アロハシャツにジーンズという今まで一度も見た事のない服装の木原数多。
一方通行が驚いたのは木原の服装ではなかった。


「オマエこそ何やってンだよ」

「水切りだよ、水切り。研究室育ちのもやしっ子は知らねーか」

「ぶっとばすぞ」


初めて見る木原の笑顔。
他者を威圧し、侮蔑し、嘲笑する為に浮かべていたよく知った笑みではない、少しぎこちなくて照れ臭そうにした笑顔。
つられるように斜面を滑り降りながら自然と笑いがこみあげた。


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posted by JOY at 23:48| Comment(15) | TrackBack(0) | 禁書SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」〜外付けHD〜1

1 :不器用な人たち [saga]:2012/04/02(月) 23:53:42.43 ID:kSp3zOv30


男はただ少女が側に居てくれればそれで良かった。

少女は男の隣に立つに相応しい自分になりたかった。

男は少女が幸せであれば他の何を敵に回そうとも構わなかった。

女は少女と男が笑い合う未来を見られればそれでいいと思っていた。



それぞれが小さな小さな願いを胸に抱きながら、それを叶え様としていただけなのに、どうしてこうなってしまうのだろうか。
神というものがいるのだとすれば、それは余程意地が悪いのだろうか。
それとも幸福を迎えるための試練なのであろうか。



そンな訳ねェだろうとある男は吐き捨てる。



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打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」5

868 :滾る上条。マイペースな一方通行。 [saga]:2012/03/19(月) 00:13:24.85 ID:imzUfJVo0

男達は行く、自らの信念を貫き通す為に。

男達は行く、己に課した誓約に殉じる為に。

男達は行く、譲れないものがあるが故に。



上条当麻は行く、借りを返す為に。

「待ってろよインデックス……」




一方通行は行く、取り戻す為に、

「特急券二枚お願いします。禁煙席で、ええ、そうです」




男二人、自分の信じた道を突き進む為に、西へと向かう。



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posted by JOY at 00:25| Comment(1) | TrackBack(0) | 禁書SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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