2010年08月06日

キョン「学園都市?」3

713 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 01:44:09.99 ID:YZMUr7p80



黒子「初春ー?」

 白井黒子は同僚の名前を呼びかけながら風紀委員詰め所の扉を開ける。

初春「あれ、白井さんどうしたんですか? 今日は非番のはずじゃ……」

 目的の同僚、初春飾利はそこにいた。
 いつも通りに頭に花を乗せて、パソコンの前で情報処理をしている。

黒子「ちょっと頼まれてほしいことがあるそうですの」

初春「頼まれて、欲しいことですか?」

 初春が首をかしげるとかさりと頭の花が音を起てる。

美琴「すごく私的なことなんだけど、緊急事態なの」

 そこへ、白井黒子の憧れのお姉様、御坂美琴が続いて入ってきた。

初春「御坂さんまでどうしたんです? ま、まさか何か事件ですかっ」

御坂「いや、なんていうか、事件というか実験というか……とにかく、詳しい内容は話せないけど、協力してもらえないかな?」


716 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 01:55:32.53 ID:YZMUr7p80
 初春は驚いた。あの御坂美琴がお願いなんてただ事ではない。

初春「で、でも、私ができることなんてコンピューター関連ですよ?」

美琴「そのコンピューター関連のお願いなのよ」

初春「えっ……私にですか?」

 それこそ初春は驚いた。

 御坂美琴は電気使いのレベル5である。
 確かにハッキングの技術に関しては初春の方が上かもしれないが、電脳世界で美琴にできないことなどほとんどないのだから。

初春「でも、御坂さんにできないことなら多分私にもできないですよ……」

 頭の花が萎れそうな勢いで申し訳なさそうに初春は言う。

美琴「いやいや、そんな難しいことじゃないの。ちょっととある人のことを調べてもらって、その動きをナビゲートしてもらいたいだけ」

初春「動きをナビゲート、ですか?」

美琴「そう。ちょちょいっと人工衛星にハッキングして、あとできる限りの個人情報を集めて動きを予測して欲しいのよ」

初春「ってそれまるっきり犯罪じゃないですかっ!」

 何気なしに言った美琴にツッコミを入れる初春。

美琴「ダメカナ?」

初春「ダメですよっ!」




719 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 02:13:45.17 ID:YZMUr7p80
黒子「初春、本当に切迫した状況だそうですの、どうにか協力していただけませんか?」

初春「そんなこと言っても……というか、それなら御坂さんでもできるんじゃ?」

美琴「私はちょっとそいつに用があるから出向かなきゃいけないのよ」

 ばつの悪そうに美琴は言う。

美琴「自分勝手なお願いなのはわかってるけど、本当にお願い! お礼はなんでもするから!」

 そしてあの御坂美琴が手のひらを合わせて頭を下げている。
 あまりの事態に黒子はその様子を見て白くなってしまっている。

初春「うーん……わかりましたよぉ……」
美琴「ホント!?」

 御坂美琴直々に出て行かなければならないということは、やはり相当の事態なんだろう、と初春は判断した。
 しかも、ここまで頼まれてしまっては、友達として断るわけにもいかない。

初春「それで、誰のことを調べればいいんですか?」

美琴「えっとね、涼宮ハルヒって言うやつのことなんだけど――」

 と、そこで詰め所の電話がけたたましく一斉に鳴り出した。

 美琴は何事かと驚いたが、黒子と初春は意味が分かっている。

 事件発生の緊急電話だ。




724 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 02:25:18.18 ID:YZMUr7p80
初春「はい、こちら風紀委員第一七七支部!」

 初春と黒子は急いで電話を取る。

固法『事件発生よ! 推定レベル4の発火能力者が暴れてるわ!』

初春「事件ですかっ……!」

 初春は無言で御坂美琴を見上げる。

美琴「こんな時に……!」

 あまりのタイミングの悪さに美琴は親指の爪を噛む。

黒子「……私にお任せを!」

固法『あれ、貴方今日は非番じゃ……』

黒子「たまたま来ていたところですわ。今から至急、そちらへ向かいます」

 それだけ言うと、黒子は電話を切ってしまう。

黒子「私がさっさと片付けてきますわ。初春はお姉様のお願いを聞いてなさい」




728 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 02:32:47.69 ID:YZMUr7p80
初春「でも白井さん! 相手はレベル4の発火能力者ですよ!?」

黒子「例え初春のサポート無しでも、この私がただの発火能力者に後れを取るとでもお思いで?」

美琴「黒子……!」

 美琴は心配そうに黒子を見つめるが、状況が状況だ。黒子に頼るしかない。

黒子「安心してください、お姉様。私はお姉様の相棒ですのよ? もっと信頼なさってくださいな」

 そう言って黒子はウィンクする。

美琴「……っ頼んだわよ」

初春「御坂さん!?」

黒子「頼まれましたわ」

 それだけ言うと黒子は空間移動してどこかに消えてしまう。

初春「白井さん!」

美琴「初春さんお願い、黒子に任せてあげてくれないかな?」

 思わず追いかけようとする初春を美琴は抑えて、見つめる。

初春「……ああもう、わかりましたっ! 後で白井さんのお願いも聞いてあげてくださいねっ」

 そしてそんな美琴の、黒子への信頼に満ちた真っ直ぐな瞳に初春は屈服した。




730 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 02:43:22.40 ID:YZMUr7p80



 上条当麻は、善戦していた。

情熱女王「あぁ、もうなぁんなのよぉ、その右手はぁ!」

 『情熱女王』は両手を前に突き出すと、そこから火の玉を生み出し、上条の元へと飛ばしていく。
 何かに着弾すれば即爆発の超危険な砲撃である。

上条「『幻想殺し』って言ってな!」

 だが、上条にはそんなものは通用しない。
 それぞれの火の玉に触れるだけで、それらはガラスが割れるような音と共に消えていってしまう。

上条「異能の力ならなんだろうが打ち消してくれる不幸の源だ!」

 そして一気に『情熱女王』の元まで踏み込んだ上条は右手で思い切り殴りつける。

情熱女王「何それぇ! ふぅざけてるわぁ!」

 しかしそれは届かない。
 上条が自分の能力を打ち破ってくることを予見していた『情熱女王』は既にバックステップで退避していたからだ。

情熱女王「もぉ……仕方なぁいわねぇ……本気を出すわよぉ!」

 すると突然、『情熱女王』はタンクトップを脱ぎだした。




731 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 02:52:51.24 ID:YZMUr7p80
みくる「きゃあああ!」

 それを見たみくるは思わず両手で顔を覆うが、もう遅い。
 彼女の脳内にはあの筋骨隆々な逞しい姿が焼き付いてしまった。

上条「なっ……!」

 その次の瞬間、上条は息を飲む。
 『情熱女王』の全身が燃え上がったからだ。

情熱女王「ただの発火能力で『情熱女王』なぁんて名乗ると思ったのかしらぁ?」

 炎は見る見る内に燃え上がり、体積を広げていく。

情熱女王「これが私の能力、『情熱女王』よぉ」

 そしてそれは大きな炎の人型と化した。

上条「なん……だと……?」

 上条の脳裏に、知り合いの魔術師の使う『魔女狩りの王』という魔術が浮かぶ。
 だが、それは『魔女狩りの王』とは全く別物だった。




740 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 03:08:25.91 ID:YZMUr7p80
上条「ぐあっ!?」

 『情熱女王』は速かった。
 一瞬で上条との距離を詰めると、じゅあっという肉の焼ける嫌な音と共に上条を殴り飛ばす。

 元々、『情熱女王』は筋骨隆々の大男ではあったが、それでもこの身体能力は異常だった。

情熱女王「人の筋肉は激しく動くと発熱するの。そう、熱よぉ。
       だから熱を支配する私たち発火能力者の力を応用すればねぇ……」

 『情熱女王』は喋りながら、殴り飛ばした上条にさらに近づく。

情熱女王「こぉんなこともできるのよぉ!」

 そして、高速で連打連打連打。
 普通の人間の身体能力の限界を超えた動きで『情熱女王』は上条をたこ殴りにする。

上条「く、くそっ……!」

情熱女王「遅い遅い遅ぉいぃ!」

 それに対し、上条はカウンターを数発放とうとするが、全て空振り。

情熱女王「あなたに足りない物ぉ、それはぁ、情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さぁ――そして何よりも――」

上条「――ッ!」

情熱女王「速さが足りなぁいのよぉ!」

 そして『情熱女王』は思い切り上条当麻を右ストレートで殴り飛ばす。




745 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 03:20:19.41 ID:YZMUr7p80
 最悪だ、と上条は思った。

 上条の右手は確かに異能ならばなんでも無効化する、ある意味ジョーカーのような右手だ。
 だがしかし、上条当麻は、それ以外は至って普通の人間なのだ。

 上条当麻が高位の能力者に勝つ方法は一つしかない。
 相手が傲り、侮り、油断しているところを突くのである。

 だからこそ、自分の身体能力の一切通用しない、しかも傲りも侮りも油断もない相手には相性が悪い。

 最悪、路地裏の喧嘩でも負けることがあるのだ。

 そして、この相手は、その最悪の相手だった。

上条「がはっ――」

 殴り飛ばされて、上条は背中から地面に着地する。
 肺の空気が根こそぎ持って行かれる感覚がした。

上条「畜生……」

情熱女王「へぇー……やるわねぇ」

 それでも上条は起き上がる。上条に敗北は許されないのだ。




748 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 03:29:16.76 ID:YZMUr7p80
情熱女王「そのガッツは認めてあげるわぁ。でもやめときなさぁい。
      貴方の身体は限界よぉ。もぉふらふらじゃなぁい」

上条「関係……あるか……」

 上条は息絶え絶えに言う。

上条「俺が倒れたら……お前は次に朝比奈さんを襲うんだろ?
   俺はキョンのやつに頼まれたんだよ、朝比奈さんを守ってくれってな。
   代わりに、キョンのやつには、重い物を背負わせた。御坂妹たちの命だ。
   そんなもの背負わせたのに、俺だけ寝てるなんて許されるはずないだろ!」

 息絶え絶えに、言う。

情熱女王「色男ねぇ……惚れちゃいそうだわぁ」

上条「それにな、あんたは強ぇよ。本当に強い。
   だけどな、なんでその力をこんなことに使うんだよ!
   あんたの力があれば、もっとたくさんの人が救えるだろ!
   もっと色んなことができるだろ! なのになんでこんなつまらないことに使うんだよ!
   俺はあんたによく似た力を使うやつを知ってるよ。でもなそいつの力はこんなことに使うものじゃねぇ!
   大事な人を守る力だ! あんたはせっかくの力なのに完全に使い方を間違っちまってんだよ!」

 息絶え絶えに……言う。

上条「あんたがその力をまだ間違った方向に向け続けるっていうなら――


    ――まずはその幻想をぶち殺す!」




749 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 03:34:19.72 ID:6i4a7Ma+O
さすが上条さん




750 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 03:40:01.45 ID:YZMUr7p80
情熱女王「……言いたいことはそれだけか?」

上条「っ!?」

 すると『情熱女王』が低い声で言った。
 上条の本能は身構えるように命令する。

みくる「ま、待ってくださぁい!」

上条「朝比奈さん!?」

 だが、そこに場違いな甘ったるい声が響く。朝比奈みくるのものだ。

情熱女王「おとなしくしてな。気が変わった、俺はお前の相手よりもこいつの相手を本気でする」

みくる「そ、そうはいきませんよぉ! か、上条さんに何かしたらゆ、許しませんからぁ!」

 がくがく足が震えたまま、だがしかし、みくるは勇気を振り絞って声を張り上げる。

情熱女王「お前に何ができるんだ? こいつのような、根性も、勇気も、力もない、お前が」

みくる「で、できますよぉ!」

 上条は下がっていて、と言いたかったが、膝が崩れ落ち、言うことができない。

上条(くそっ……くそっ……約束なのに、守らなくちゃいけないのに……!)

 上条の思い虚しく、『情熱女王』はみくるに注意を向け始める。




751 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 03:43:55.32 ID:YZMUr7p80
情熱女王「じゃあ、見せてみろ」

 そう言って、情熱女王は上条に炎で包まれた右腕を向ける。
 手に形成されていく、炎の塊。

みくる「ビ、ビーム撃ちますよっ!?」

 その言葉を聞くと、『情熱女王』は酷く残念そうに、

情熱女王「そうか」

 と呟いて、上条に炎弾を放つ。


838 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 21:27:01.54 ID:YZMUr7p80



 斜陽の差してきた学園都市に二つの影が高速で舞う。
 古泉と絹旗だ。

絹旗「はぁっ!」

 何度目かの接触。
 しかし、単純なパワーは絹旗に分があるらしく、接触の度に古泉は疲弊していく。

 そうしてこの接触で、古泉はついに押し負けた。

古泉「くっ!」

 古泉が腕をクロスしてガードを固めたところに、絹旗の細腕が突き刺さる。

 踏ん張っていたはずの古泉の身体はその威力で宙を舞った。

古泉(力比べでは不利、ですね……!)

 それでも、能力で固めた防御により、ダメージは薄い。

 恐らく似たような能力の絹旗もそれはわかっているのだろう。
 絹旗はすぐに追撃を仕掛けるべく、古泉の身体の描く放物線をなぞるように追いかける。

古泉「っふん!」

 だが、素直にやられたままの古泉ではない。
 追いかけてくる絹旗に赤い球をお見舞いする。




845 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 21:52:14.19 ID:YZMUr7p80
 赤い球は高速で迫ってきた絹旗に直撃。爆煙が彼女を包み込む。

絹旗「そんな癇癪玉が通用すると思ったら超大間違いです」

 だが、それでも絹旗は無傷。煙の中から何事もなかったかのように飛び出してくる。

古泉(やはりこの程度の力では通用、しませんか!)

 両手を握って頭上に振り上げる絹旗。
 反撃を諦めた古泉は、そこで最大まで防御を固める。

 そこに絹旗のダブルスレッジハンマーが降り注いだ。

古泉「がっ――」

 重力と能力の二重が合わさった攻撃で、古泉の身体は激しく地面に叩き付けられた。
 それを背に、絹旗はすたっと地面に着地する。

古泉「さすがに……これは効きましたよ」

 砕けたコンクリートから古泉はなんとか這い出てくる。

絹旗「頑丈ですね、超しつこいです」

古泉「貴方ほどではありませんよ」

 それを見て、絹旗は構える。古泉の確認する限り、彼女にはまだ目立った傷は一つもない。

古泉「しかし……大体わかったことがあります」




848 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 22:07:04.10 ID:YZMUr7p80
絹旗「わかったこと、ですか?」

 絹旗は可愛らしく首をかしげる。絹旗は可愛い。

古泉「んっふ、そうです」

 それに対し、古泉は気持ち悪く解説を始めた。

古泉「貴方の能力は自分自身の身体能力を単純に強化する物ではありませんね?
   僕の見立てでは、恐らく、何かが貴方を覆って守ったり、その何かが怪力を発生させているのでしょう」

絹旗「そりゃあ、超アーマーですからね」

古泉「問題はその何かです。最初は超能力らしく貴方の言う、『念動力』か何かの不思議な力かと思っていました。
   だが、それはどうも違うようです。最初に貴方を殴った時に確信しました」

絹旗「……?」

古泉「僕は能力を使って爆発を起こすことができます。その爆発の瞬間、僕は拳がめり込む感触がしたんですよ。
   そこで僕は思いました、これは、空気の塊だと」

絹旗「へぇ……超よくわかりましたね。80点、ってところでしょうか」


862 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 22:24:11.64 ID:YZMUr7p80
古泉「まだまだもっとわかってますよ。爆発は酸素がなくなります。なので、その分、装甲が薄くなったのかと思いました。
   だけど、考えてみればそれはおかしい。それならば全て燃焼したとしても、代わりに二酸化炭素が発生します。
   空気の装甲なら、それを操られてしまえば終わりですし、そんなもので身体を覆っていれば窒息してしまいます。
   何より、酸素を伝って爆発が内部まで及ぶはずですので、無傷のはずがありません」

 そこで古泉はピッと人差し指を立てた。

古泉「だからこそ、僕は確信しました。貴方の周りを覆っているのはただの空気ではない、と。
   そして、僕の爆発で酸素を奪われないように遮断することもできるので、酸素で固めてるわけでもない。
   そこまでわかれば後は簡単です。ただの空気ではなく、そして空気中に多量にある酸素以外の気体と言えば一つしかありません。

   ――貴方の能力は窒素を操ることですね?」

 絹旗の愛らしい表情が僅かに驚きに染まる。

絹旗「……超すごいですね、100点満点です」

古泉「爆発で薄くなったのは、爆発で瞬間的にできた真空のため。
   燃焼が伝わらずに貴方の周囲の酸素が急激に消費されないのは、窒素が遮断しているため」

 その絹旗を見て、古泉は怪しい笑みをさらに深める。

絹旗「でもそれが超どうしたんですか?
   酸素でないから爆発ではどうこうできませんし、真空ができたからといって、そこに攻撃を叩き込むのは超不可能ですよ?」

古泉「それが、そうでもないんですよ」

 すると古泉はまた赤い力を生み出した。




868 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 22:34:03.85 ID:YZMUr7p80
 ただし、それはいつものような球体ではない。
 まるで円を引き延ばしたような、そう楕円形だった。

古泉「ふっんもっふ!」

 それを古泉は振りかぶって、投げつけるように発射。
 絹旗は当然、そんなものなど気にしない。

絹旗「だからそんな超ちんけな癇癪玉じゃ――」

 だがその瞬間、絹旗の脳裏にとあるサイヤ人の王子の言葉が過ぎった。

絹旗「ッ!」

 間一髪のところで絹旗はそれを避ける。

 するとそれは絹旗の装甲に激突したにも関わらず、彼女のすぐ横を過ぎ去った。
 絹旗の可愛い顔に傷が付いてしまう。頬に一筋の赤い線が通る。

絹旗「これは……!?」

 そこに拳を構えた古泉が接近。

 本来ならばなんてことのない攻撃のはずだが、危機感を感じた絹旗は思い切りバックステップをして背後に避ける。


878 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 22:45:11.48 ID:YZMUr7p80
古泉「どういう技か見切られちゃいましたか」

 その絹旗をストーカーのごとく古泉は追いかける。

絹旗「くっ……!」

 それに対して絹旗はさらに距離を取る。
 絹旗の選択肢は近接戦闘しかないのだが、今はその選択肢が選べない。

絹旗(なぜあんな超弱い攻撃が私の装甲を……?)

古泉「どんどん行きますよ!」

 だが、距離を取れば取るほど古泉の思う壺だということにそこで気がついた。

 古泉は楕円形の赤球をいくつも作りだし、遠距離攻撃を続ける。

 装甲を貫通されては絹旗はただのか弱い可憐な女の子だ。
 あんなものを食らったらひとたまりもない。

 絹旗はそうして避けるためにさらに距離を取る。

 距離を取れば取るほど、状況は一方的になるのはわかっていても、為す術がなかった。


894 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 22:55:57.60 ID:YZMUr7p80
古泉「不思議そうですね」

 余裕を手に入れた古泉は饒舌だ。

絹旗「そういう貴方は超余裕そうですねっ!」

 そんな古泉に苛立ちを感じながらも、絹旗は攻撃を避け続ける。

古泉「降参していただければ、優しく解説してあげますよ?」

 さらに球の数を増やす古泉。
 絹旗の逃げ道はだんだんとなくなっていく。

絹旗「超結構です!」

 つまりそれは未だ手加減されている、ということで、絹旗はそれが癪に障った。

 だが、逆にチャンスでもある。
 逃げ道のなくなるほどの球を出せるのに出さない、ということは、相手は自分を殺すつもりはまだない、ということだ。

 逆にこっちは仕事なのだから、あの気持ち悪い笑みを殺して壊すことも厭わない。

絹旗(今の内にあれの正体を超確かめないと……!)


898 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 23:01:41.85 ID:YZMUr7p80
古泉「――降参、しないのですね?」

 そこで、古泉の表情が真剣なものとなった。

絹旗「……!」

 眼前に生み出される数えるのが億劫なほどに多数の赤い楕円形。

古泉「残念です」

 逃げ道など、なかった。

絹旗「なっ――」

 そしてそれは放たれる。

絹旗(ここまでですか……!)

 苦し紛れに、絹旗はすぐ横にあった電気自動車を投げつける。

 しかし楕円形の赤い雨は、その自動車ごと絹旗に降り注いだ。

 超爆発。


905 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 23:09:11.66 ID:YZMUr7p80
絹旗「……?」

 しかし、絹旗は無事だった。

 尻餅を着いて、爆煙がなければ素晴らしい白の絶景が丸見えだが、
 それでも頬を走る傷以外、まだ無傷である。

絹旗(あの車が傘に……? いやそんなはずはない)

 これに驚いたのはむしろ絹旗の方だ。

絹旗(私の装甲を貫通する超威力のものが、車を貫通できないわけがないですし……あの量で当たらなかったというはずも超ないです
   ……もしかして!)

 そこで気がついた。

絹旗(あれが貫通できるのは私の装甲のみ? いや、超そもそも、私の装甲は貫通されていない?)

絹旗「……超そういうことですか」

 絹旗は立ち上がる。




916 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 23:23:40.64 ID:YZMUr7p80
古泉「おや……」

 煙が晴れて、無傷の絹旗を見て僅かに驚く古泉。

絹旗「わかりましたよ、その超くだらないトリックが」

古泉「トリックですか?」

絹旗「超とぼけないでください。その球、常に爆発してるだけなんでしょう?」

古泉「……!」

 今度こそ古泉は驚いた。

絹旗「楕円形なのは回転して遠心力が働いてるため。
   なぜ回転しているかと言うと、常に爆発し続けるために変わる形状を別の力で調節させるため」

 そう言って、絹旗はどこからともなくヘアスプレーのような缶を取り出す。
 何やらプリントされているようだが、古泉には判断できなかった。

絹旗「そしてその爆発で超常に周りが真空になり、装甲の邪魔が超入らないだけ、ですね?」

古泉「……すごいですね、貴方も100点満点ですよ」

 話を聞いていた古泉はぱちぱちと拍手をする。

古泉「しかし、わかったところで貴方の能力では、これに対抗する術はないでしょう?」

絹旗「確かに、私の能力だけではそうですね」


921 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 23:35:02.43 ID:YZMUr7p80
>>917
爆発すると温度上昇でほぼ真空になります→空気が入り込んできてもさらに連続で爆発させ続ければ真空を維持できます
→絹旗の能力では攻撃に介入できなくなってそのままそいつが突っ切ります→ふんもっふ
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絹旗「でも、対抗策くらい、ありますよ!」

 そう言って絹旗は大地を蹴る。

古泉「いいでしょう、付き合ってあげますよ」

 同じく、古泉も接近。

 速度は合成され、時間にして一瞬で二人は再び近接戦闘へと移行した。

 だが、状況は先程と違う。
 先程と同じく確かにダメージは与えられるものの、微々たるものしか与えられない絹旗。
 それに対し、拳の周りを常に爆発させることで装甲を貫通し、常に一撃必殺となった古泉。

 古泉は、勝てる、と踏んでいた。

古泉「はっ!」

 眼前まで絹旗が接近したことを確認し、必殺の正拳突きを放つ古泉。
 その攻撃で、終わるはずだった。

絹旗「超なよっちい攻撃ですね」

 だがそれは、絹旗に受け止められた。




924 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/08(火) 23:43:39.44 ID:YZMUr7p80
 間のスプレー缶のようなものが凄まじい音で破裂するが、お互いに能力を強化した二人にはそんなものは障害にならない。

絹旗「っ!」
古泉「ぐ!?」

 だが、古泉は拳に焼けるように強烈な痛みを感じた。
 絹旗も同じくそれを感じたようで、顔をしかめてる。

絹旗「このっ!」

 そしてそのまま絹旗は古泉を押し倒し、馬乗りになった。
 単純な身体能力では負けている古泉はそれを防げない。

古泉「なっ――」

 そして驚きで思わず口を開けた古泉の口に、先程のスプレー缶のようなものが突っ込まれた。

 その文字を見て、彼は驚く。

絹旗「チェックメイトです」

 文字はN2。

 缶の正体は、液体窒素である。

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 17:24:37.34 ID:ZaJ1l54e0
みくる「み、みくるビーム!」

 みくるの素っ頓狂な声が響く。
 だが、もちろんそんなものは出るわけでもなく、『情熱女王』は無情にも上条当麻を焼き殺そうとして、

情熱女王「がぁっ!?」

 できなかった。

 彼女、ではなく、彼は突然、腕を押さえて苦しみだす。
 思わず腕を振ってしまったため、炎は見当違いの方向に飛んでいった。

みくる「え、えっ?」

 驚いたのはむしろみくるの方だ。

 ビームなんて言ってみたものの、実際はそんなもの出るはずもない。

 いや、出せることには出せるようになってしまったらしいが、それは友人であり、仲間であるとある宇宙人の手によって封印されているのだ。

 と、そこへその疑問の答えが名乗りを上げる。


黒子「風紀委員ですの!」




16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 17:34:41.67 ID:ZaJ1l54e0
情熱女王「ジャ、風紀委員ですってぇ?」

 いつからいたのかわからないほど、突然現れたのは中学生、下手したら小学生くらいの女の子。

 みくるとは段違いに発育の乏しい肉体。だが彼女にはみくるには出せないエロオーラが滲み出ていた。

黒子「暴行罪の現行犯で逮捕しますわ!」

 『情熱女王』の注意はその風紀委員の少女に向く。

情熱女王「さすがに暴れすぎたかしらねぇ……」

 そこでみくるはとある動作を見た。
 僅かな予備動作、常人ならば歩き出す程度の筋肉の動き。

 だが、観察者として送り込まれる人材であるみくるは知っている。
 それは高速で襲いかかる動作だと。

みくる「避けてっ!」

 みくるの言葉に風紀委員の少女が反応を示した。
 その瞬間、『情熱女王』は砲弾のように少女へと飛び出していく。

 それでも燃えるオカマの速度は凄まじい。
 ばがん、という凄まじい音を起ててコンクリートごと少女のいた場所が砕けるのがみくるの瞳に映った。




21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 17:41:56.01 ID:ZaJ1l54e0
上条「白井ッ!」
みくる「きゃあああああああああああああああああ」

 上条、みくるは共に最悪の事態を予見した。
 特に上条は、彼女の能力を使うのに難しい計算が必要で、即座に対応できる能力ではないことを知っているからこそ、尚更危惧した。

黒子「あまり耳元で叫ばないでくださいですの。頭がキンキンしますわ」

みくる「え……?」

 だが、黒子はそこにはいなかった。
 いつの間にか、彼女はみくるのすぐそばにいる。

黒子「何を驚いているのですか。
   犯人の検挙も重要ですが、一番最初に行うべきは一般人の保護ですわよ」

 そう言って黒子はみくるの手を握ると、また消える。

みくる「えっ? えっ?」

 瞬く間に自分の位置が変わってしまったのを見て戸惑うみくる。

黒子「あら、『空間移動』は初めてですの?」

みくる「て、てれぽーとぉ? えっと、禁則事項による禁則事項ですかぁ?」

黒子「……何を言ってるんですの?」




27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 17:50:04.22 ID:ZaJ1l54e0
上条「あー、白井ー、その人はちょっと特殊だから気にすんなー」

 そうして安全圏に移動した二人に傷だらけのくせに安心した風の上条は言う。

黒子「特殊、とはよくわかりませんが……はぁ……また貴方ですの」

 そんな上条を見て、黒子は溜息を吐く。

黒子「お姉様の次はこの方ですか。本当に節操がないのですね。ともかく――」

みくる「左から来ます!」

黒子「!?」

 そんな安全圏にいたはずの二人に、『情熱女王』は再び突貫してきた。
 だが、またしてもみくるの言葉で間一髪、黒子はみくるを連れて逃げ出すことに成功する。

情熱女王「なぁんで避けられるのよぉ?」

 次はすたっと上条の横に立つ黒子。
 この相手に安全圏はないと判断したようだ。




31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 17:59:20.38 ID:ZaJ1l54e0
黒子「なんなんですの、あの能力は……発火能力者との通報でしたが」

 黒子は不思議そうに言う。初春のサポートがない今、相手の詳しい能力がわからないのだ。

上条「なんでもなんか熱くなって速いらしい」

黒子「……抽象的でよくわかりませんわ」

 はぁ、と息を吐いてボロボロの上条を見る。

黒子「でも、貴方がそこまでボロボロになるとは、相当な能力者のようですわね」

上条「買い被りすぎだっての」

みくる「あのー、私は大体わかってますけどぉ……」

 そこにみくるはおずおずと意見する。

情熱女王「いぃつまで話してるのかしらぁっ!」

 そこに『情熱女王』が戻ってきた。
 炎の渦を発生させ、三人まとめて巻き込む。

上条「くっ!」

 そこに上条が立ち上がって右手で打ち消す。




33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 18:02:47.28 ID:ZaJ1l54e0
情熱女王「まだ動けるのぉ!?」

上条「白井っ――」

 そんな上条を見て『情熱女王』は驚き、上条に接近しようとする。
 上条にしては相性が悪い相手だ。だが、ここには黒子がいる。

 だからこそ、対処を頼もうとしたのだが、

黒子「……壁役、頼みましたわよ!」

上条「ちょま――」

 その黒子はみくるとテレポートして、さらに背後に行ってしまう。

 上条は再び、炎のパンチの連打を食らうことになった。




35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 18:15:16.03 ID:ZaJ1l54e0
情熱女王「はっはっはぁっ!」
上条「んなろぉ!」

 上条はジャブを避けることを諦め、全て甘んじて受け入れる。
 重要なストレートなどの攻撃のみ、右手を使うことで立派な壁役を演じている。

黒子「で、あの、声は中○譲治みたいですけど……男、ですわよね? その男について教えていただきたいのですが……」

みくる「で、でも上条さんが……」

黒子「生憎、今はサポートがいませんの。あの殿方を助けるためにも情報が必要ですわ。
   見たところ、発火能力者のようですが、あの身のこなしはどういうことなのでしょうか」

みくる「ぱ、ぱいろきねしすと?」

黒子「……あの方の能力を説明していただければ、それでいいですわ」

みくる「え、えっとですね……あくまで私の予想ですけどぉ……あの人は多分、炎を操る能力ではないと思います」

黒子「……発火能力者ではない?」

みくる「それでですね……あの人、筋肉がすごいんですよ」

黒子「……筋肉?」




36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 18:23:27.62 ID:ZaJ1l54e0
みくる「だからですね……あの人の能力は、肉体を、特に筋肉を強化する能力で、炎はその副産物なのだと思います」

黒子「……もしかして、筋肉をすっごく動かすから熱が発生して、あんな炎を発生できる、と?」

みくる「はい、もしかしたらそうかなぁ、って」

黒子「そんな無茶苦茶な……」

みくる「だって、何かダメージを受けたにも関わらず、あの人は動き続けてるじゃないですか」

黒子「そういえば……」

 確かに、黒子は上条を助けるために一度彼の腕に鉄矢を打ち込んでいたのだ。
 炎を操る能力では、この傷は大ダメージのはず。。

みくる「彼は炎で筋肉を活発化してるって言いましたけど、そんなことありえないでしょう?」

黒子「確かに……ということなら!」

 そこで黒子は戦場に舞い戻る。

黒子「上条さん、そいつの攻撃を防御してはいけませんわ! 攻撃に徹してください!」




38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 18:32:02.52 ID:ZaJ1l54e0
上条「んな無茶な!」

 一瞬気を抜いた上条に拳が迫る。

黒子「防御ならお任せを」

情熱女王「ぐっ!」

 だが黒子はその拳に鉄芯を打ち込み、『情熱女王』は痛みで動きを止める。

上条(んなこと言っても、こんな大男を殴ったところで――ええい畜生!)

 やけくそ気味に、上条は巨大な腹筋に正拳突き。

情熱女王「がふっ」

 だが、その感触は驚くほど柔らかく、思い切り突き刺さった。

上条「え?」

 驚いたのは上条の方だ。
 なんだかんだ言っても上条は一般的な男子高校生。大男相手には分が悪い、はずだった。

情熱女王「く、くそ――痛ぅっ」

 燃える手で上条を押し潰そうとするが、また黒子が鉄芯を打ち込み、動きが止まる。

上条「ああ……――歯、食いしばれよ?」

 それを見て納得した上条は、思い切り『情熱女王』の顔面をぶん殴った。




42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 18:49:19.88 ID:ZaJ1l54e0
 不自然なくらいに軽々吹き飛ぶ『情熱女王』の巨体。
 炎が消えていく。『情熱女王』の偽りの鎧が剥げていく。

黒子「犯人、逮捕ですわ」

 そして黒子が手錠をかける。

上条「ふぅ……ってえ?」

 上条に。

上条「え、なんで俺に!?」

黒子「通報は、能力者同士が暴れていた、ということでしたわ。
   貴方がたも一応、容疑者として捕まえなければなりません」

 上条は古泉が赤い球を撃っていたことを思い出す。

上条「ちょっと待ってくれ、俺は無能力者って知ってるだろ!?」

黒子「貴方の能力はよくわかりませんもの。
   初春のサポートがない以上、戦っていた全員を捕まえなければなりませんわ」

上条「んな……俺たちには行かなくちゃいけないところがあるんだって!」

黒子「警備員たちが来て、機器で少し調べればすぐに解放されますから安心してくださいな」

上条「そんな時間ないってのに……!」

みくる「ま、待ってくださぁい!」




46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 18:56:56.77 ID:ZaJ1l54e0
黒子「なんですの?」

みくる「そ、その能力者は、わ、私ですぅ!」

上条「朝比奈さん!?」

みくる「ビ、ビーム撃とうとしたじゃないですかぁ!」

黒子「……確かにそうですわね」

上条「ちょっと待ってくれ、朝比奈さんは――」

みくる「私が犯人なら、上条さんを拘束する必要ないはずですぅ!」

 そこで上条は気がついた。みくるが身代わりになって上条だけでも行かせようとしていることに。
 しかし、そんなことすれば、もちろん罪になるのは当然である。

黒子「……ですわね。では、改めて犯人逮捕、ということで」

上条「ま、待っ――」

 と、そこで朝比奈さんの指が、上条の唇に当てられた。
 黙っていてくれ、というサイン。

みくる「さっきは何も役に立てませんでした。だから今くらいはかっこつけさせてください、ね?」

上条「……朝比奈さん……」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 19:05:28.59 ID:ZaJ1l54e0
>>43
あくまでみくるの予想では、ね
頭良くなさそうで高位、ってことで、察してくださいな
--------------------------------------------
 みくるの決意に満ちた表情で、上条は何も言えなくなる。
 だが、そんなことで納得できる上条ではない。

上条「……なあ、白井。お前は犯人を二人同時に逮捕できるか?」

黒子「……? そんなことできるはずありませんわ」

上条「だよな。そして、お前は今、何も言ってない朝比奈さんを逮捕するんだよな」

みくる「何を――」

 そこでみくるはハッとする。

上条「じゃあ俺が逃げ出す機会はあった、ってことだ!」

 そう言い残して、上条は手錠をしたまま逃げ去っていく。

黒子「ちょ――」

 黒子はその上条を追いかけようとする。だが、その黒子の手を、みくるが掴んだ。

みくる「今、上条さんを追いかけたら、私も逃げちゃいますよ?」

 それを聞いて、黒子は二人の意図をやっと理解した。

黒子「仕方ありませんわね。今回に限り、見逃してあげることにしましょう」




49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 19:11:13.12 ID:ZaJ1l54e0



キョン「長門、お前、言ってることわかってるのか?」

長門「わかっている」

キョン「やっぱり、お前にはギャグセンスないぞ。冗談はやめておけ」

長門「……冗談ではない」

キョン「そういう難しい冗談はやめろって」

長門「私は本気」

キョン「冗談はやめろって言ってるだろ長門!」

 俺はついに声を張り上げる。
 しかし、長門は眉一つ動かさない。

キョン「……俺は行くぞ」

長門「……行かないで」

キョン「そういうセリフは恋人でも作ってから言ってやれ」

 そう言って、俺は無理矢理にも長門の横を通り過ぎようとする。
 その瞬間、世界が回った。




52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 19:16:17.03 ID:ZaJ1l54e0
 次に、背中を痛みが襲った。
 そこでやっと気がつく。俺は長門に蹴倒されたのだと。

キョン「何しやがる!」

長門「行かないで」

 がばっと起き上がる俺にそれだけを言う長門。

キョン「いいや、行くぞ俺は!」

長門「……っ!」

 そう言って起き上がろうとする俺の横っ面に長門の蹴りが襲いかかる。
 太股の感触を楽しむ暇もなく、俺は思いきり吹き飛んだ。

キョン「いってぇなあおい!」

長門「行かないで」

 起き上がるとそこには既に長門が立っている。
 だが、それでも俺は進もうとする。

長門「行かないで」

 今度は腹を蹴飛ばされた。




55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 19:20:55.65 ID:ZaJ1l54e0
 面白いように吹き飛ぶ俺の身体。
 古泉の爆発なんかよりよっぽどこっちのが痛い。

キョン「げほっげほっ……冗談が過ぎるぞ長門……」

 起き上がるとやはり、そこには長門が。
 俺は構わず進もうとする。

長門「行かないで」

 だが、すぐに俺は長門にぶっ飛ばされる。
 それでも俺は諦めない。

長門「行かないで」

 殴り飛ばされる。
 諦めない。

長門「行かないで」

 吹き飛ばされる。
 諦めない。

長門「行かないで」

 蹴り飛ばされる。
 諦めない。

長門「お願い、行かないで」




62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 19:31:05.64 ID:ZaJ1l54e0

 ――そうしてしばらく俺は長門に痛めつけられ続けた。
 長門は壊れたレコードのように、「行かないで」を繰り返す。

 だが、俺にはわかる。

 お前が悲痛な顔をしてるってことくらいわかるんだよ。

「何をしてるの、長門さん」

 そこに聞き覚えのある声が響いた。

キョン「お前は――」

「さっさと情報連結を解除してしまえばいいじゃない」

 声はするのに、どこにもいない。
 声だけが不自然に響いてるような状況だ。

長門「……彼は冗談を言っているだけ。ユニーク」

「冗談だとしても、進もうとするなら不安分子として片付けないと、でしょ?」

キョン「お前までふざけるなよ……」

長門「……だから私はわからせている」

「まあいいわ。私がそっちに行けばすぐに片付けるから」

キョン「ふざけるなよ……朝倉ぁ!」




67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 19:40:12.73 ID:ZaJ1l54e0
長門「――っ!」

朝倉「やっほ。久しぶりね」

 そしてそいつは現れた。
 今や懐かしい青いの制服。

朝倉「そして、さようならかしら?」

キョン「……お前も、宇宙人だよな」

朝倉「そうね、正確には対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースだけど」

キョン「……じゃあ状況はわかってるんだよな?」

朝倉「そりゃあもう。長門さんしかこっちにいないから協力するために再び作られたんだし」

キョン「……じゃあ、なんでくだらない冗談を言ってやがる?」

朝倉「冗談に聞こえるのかしら、心外だわ」

 そう言って、朝倉は右手を俺に向けようとする。

長門「待って」




68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 19:47:16.40 ID:ZaJ1l54e0
 すると長門が俺をまた蹴り飛ばしやがった。

朝倉「長門さん?」

長門「これで彼は冗談を止める。彼を抹消する必要はない」

朝倉「まだ、わかってないみたいよ?」

 だけど俺は立ち上がる。

キョン「そこを退けよ二人とも」

長門「……もう止めて」

キョン「退かないなら俺はお前らを殴ってでも行くぞ」

朝倉「女の子の顔を殴るのは酷いんじゃないの?」

キョン「もっと酷いことになろうとしてるやつがいるのに、止まれるかよ!」

長門「もう止めて」

キョン「お前ら宇宙人の勝手な尺度で考えやがってなあ、何が自律進化だ、何が実験だ!
    んなもん成功しても御坂妹さんも、俺たちも、何より取り返しのつかないことをしちまうハルヒも傷つくだけじゃねえか!」

長門「その冗談は、ユニークではない」

キョン「これが冗談に聞こえるってのか長門!」

長門「……」




71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 19:51:29.17 ID:ZaJ1l54e0
朝倉「もういいわ」

 今度は、長門が蹴飛ばす暇もなかった。
 朝倉涼子は突然、手に何かを発生させた。

 見覚えのある、ナイフだ。

朝倉「さようならキョンくん」

 そして朝倉はそのまま俺に迫る。

 長門が動こうとするが、それより先に朝倉は突貫する。

 そして、俺の目の前が人で、見えなくなった。




73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 19:56:50.52 ID:ZaJ1l54e0

 だが、俺は刺されていなかった。

上条「――大丈夫か、キョン」

 同い年なのに、大きな背中が目の前にあった。
 ボロボロなのに、それでも人を守る背中があった。

キョン「……上条さん」

 俺はその背中の名前を呼ぶ。

 その人は、朝倉の手を掴んで、ナイフを止めていた。

朝倉「えっ――ちょ、何これ!?」

 そこで朝倉は焦り出す。
 見れば、身体が色が薄くなるように消えていってるではないか。

 そうか、朝倉は長門の力の力で作り出した仮の身体。
 異能で作られたものなのだ。




75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 20:00:54.76 ID:ZaJ1l54e0
上条「え、なんでこの人消えてんの!?」

 それを見て上条さんも焦ってる。

キョン「大丈夫だ、元の世界に戻るだけだ」

 まあ、大体合ってるだろうことを俺は言う。

朝倉「ちょ……私の出番これだけ――」

 そう言い残して朝倉は消えてしまった。

 その奥に残るは長門。


82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 20:11:20.93 ID:ZaJ1l54e0
上条「あー、長門も触ったら消えたりしないよな?」

長門「私は彼、古泉一樹、朝比奈みくると同じく、涼宮ハルヒの力でこちらに来ている。消えたりはできない」

 俺の代わりに長門が答えてくれた。

上条「で、その長門さんはなんでそこに?」

長門「彼を涼宮ハルヒに引き合わせてはいけない」

上条「なるほどな、大体わかった」

 わざわざ教えてくれるとは長門は優しいな。

上条「先に行け、キョン! お前が行くとなんかヤバいらしいな!」

 その瞬間、長門の目が変わった。

 俺の時とは違う、もっと殺人的な光線を放ってくる。
 上条さんはそれに反応し、右手を突き出すとそれを打ち消した。

上条「安心しろ、俺が長門を食い止める!」

キョン「でもな――」

上条「レベル5とほとんど遊んでた上条さんですよ、そう簡単にやられるかっての」

キョン「くそっ……頼んだ!」

 上条さんは本気だ。俺はぐだぐだやってその想いを無駄にするわけにはいかない。ハルヒの元へと駆けだして行く。




84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 20:16:19.38 ID:ZaJ1l54e0

 すたこらさっさと逃げていくように先に進むキョン。

上条「あー、あんなこと言ったけど、追おうとしないのですかね、と上条さんは聞いてみます」

長門「……貴方という朝倉涼子を倒すほどの邪魔が入った。私には彼を追うことはできない」

 長門は真っ直ぐに上条さんを見つめて言う。

上条「ああ、そういうことか。わかったよ」

 長門は理由が欲しかったのだ。

上条「長門さんよぉ」

 それで上条さんは納得した。

上条「――アンタの幻想は俺が守り抜いてやる」

 彼女も、結局はキョンたちと同じ意思だったのだと。


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 20:21:43.68 ID:ZaJ1l54e0



 涼宮ハルヒは困っていた。

 『妹達』の全てが見つからなくなってしまったのだ。

 彼女の能力では、言われた『制約』に引っかかり、探すことは不可能。

ハルヒ「絶対能力者になれば探せるんだけど……って本末転倒ね」

 冗談のように、独りごちる。

 そこで、今までの出来事を思い返してしまった。

 思い浮かぶ、彼の驚いた顔。

ハルヒ「――キョン……」

 そこで、ざりっという足音が聞こえた。

ハルヒ「……!」

 酷く覚束無い、怪我か障害を負ったような足音。
 もしかして、とハルヒは思った。

ハルヒ「……キョン?」




88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 20:23:13.98 ID:ZaJ1l54e0
 そうして現れたのは。



一方「――誰だァそいつは?」

 白髪に赤い目をした悪魔のような男だった。


103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 21:19:07.77 ID:ZaJ1l54e0



長門「――パーソナルネーム、上条当麻の情報結合解除を申請……失敗。情報開示を申請、失敗」

 何かを呟き、動かない長門。

長門「貴方の存在は異常。情報操作は通用しないと判断」

上条「何を言ってるんだ?」

 しかし、上条は訳が分からないという風な表情をする。

長門「――……」

 そこで長門はさらに何かを呟き、両腕を広げる。
 すると夜空のように広がる数々の光。

 それが上条に襲いかかった。

上条「いやいやいやいやちょっと待って多いって!」

 上条は必死に避け、無効化し、そして打ち抜かれ、それでも立ち上がり、避け、打ち抜かれ、無効化し、打ち抜かれ、打ち抜かれ、打ち抜かれた。

上条「はあはあ……」

長門「貴方の肉体は多量のダメージを負っている。なのに何故」

 それでも上条は倒れない。




105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 21:28:11.58 ID:ZaJ1l54e0
上条「そりゃあ、守るって決めたからな……」

長門「彼はもう行った。彼を守るならもう戦う必要はないはず」

上条「キョンのことじゃねえよ」

 そこで一拍置いて、さらに上条は言う。

上条「――お前の意思のことだよ」

長門「……わからない。私は貴方との協力関係を破棄し、利害は一致しないはず」

上条「協力? 利害? そんなものはどうでもいいだろ」

長門「わからない」

上条「わからないのかよ、人を助けたいって気持ちがわからないのかよ!」

長門「……」

上条「お前は、アイツを、キョンをぼこぼこにしてまで諦めさせようとしたんだろ!
   キョンのやつを殺したくなかったんだろ! 助けたかったんだろ!」

長門「……!」

上条「お前の組織とかがどんななのかは知らないよ、だけどな、お前がそいつに逆らえないことくらいわかる。
   だからお前なりの答えが、アイツを諦めさせるってことだったんだろ?」




108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 21:37:01.21 ID:ZaJ1l54e0
長門「……」

上条「だけどな、お前はキョンだけじゃねえ、御坂妹たちや人を殺めようとしてる涼宮ハルヒのことまで助けたかったんだろ。
   だけどお前は上から命令されて、そこだけは逆らえない。
   キョンに言っても聞かない、どっちか片方にしか取れない、そう考えてたんだろ」

 上条はそう言って、拳を握りしめる。

上条「だったらまずはその幻想をぶち殺す。お前なりの方法で、両者を助ける方法を俺が提供してやる。
   だから俺は倒れない」

長門「そう」

上条「さあ来いよ、お前のしなくちゃいけない攻撃、全部俺が受け止めてやる!」

 その言葉に応えるかのように、長門はさらに攻撃を展開する。

 ――と、そこで、キョンの向かった先、つまりは涼宮ハルヒの場所から大爆発が起こった。

 空気を振るわせて、音波は窓ガラスを砕き、地面を揺らす。

上条「なんだ……!?」

 そこで長門の顔が、僅かにだが、確かにショックに染まるのを上条は確認した。

 それは、やはり悲痛な表情。


長門「緊急事態。……命令が移行する」




112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 21:46:34.80 ID:ZaJ1l54e0
上条「どういうことだ?」

長門「涼宮ハルヒと、それに準ずる強大な力が激突しようとしている。
   このままでは、涼宮ハルヒも危険」

上条「ハルヒが危険……ってどういうことだ!?」

長門「詳細は不明。まずは、急行する必要がでてきた」

 そう言って、長門はキョンの後を追おうとする。

上条「お、おい待てよ!」

 一度だけ長門は足を止めた。

長門「……謝罪する」

 次の瞬間、上条は自分が思いきり吹き飛ばされたことしか、認識できなかった。
 そこで意識が暗転する。




115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 21:51:28.13 ID:ZaJ1l54e0


一方「qwdrftgy殺b!」

ハルヒ「な、何よこれ!」

 ハルヒは目の前の光景を疑った。

 人間だと思っていたものが、突然背中から黒い何かを羽のように生やし、理解不能の力で攻撃してきたのだ。

 その黒い何かを振り回す人間だと思っていたもの。

ハルヒ「止まりなさいよ!」

 ハルヒの一言でそれは確かに止まる。
 しかし、

ハルヒ「あぐっ――」

 訳の分からない何かにハルヒの身体は吹き飛ばされた。

ハルヒ(何よこれどういうことなの……!?)




119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 22:00:02.89 ID:ZaJ1l54e0

 『一方通行』は言っていた。
 助っ人に行ってくれと頼まれたと。

一方『長門とか言うやつが動けないらしくてなァ。それがあいつらの切り札らしいンで俺に代わりをしろだとよ』

 何を言ってるのかわからない。有希が何故絡んでくるのか理解できない。
 そう、ハルヒは思った。

 だからこそ、至極合理的な考えを提案し、持ちかけたのだ。

一方『……ふざけンじゃねェぞ』

 だが、『一方通行』はそれを拒否する。 交渉ケツ裂だ。

 だからこそ、ハルヒは一撃必殺を使った。

 能力さえ使えなくしてしまえば、目の前の男などただのモヤシなのだから。

 だから、事前情報から、彼の思考能力を奪うべく、こう言った。

 『全ての電波はここに来るな』と。

 その結果が、これである。


121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 22:07:00.26 ID:ZaJ1l54e0
一方「wpsty吹k飛b」

 『一方通行』はさらに黒い何かを振り回す。

ハルヒ「くぅ……止めなさ――きゃあっ!」

 ハルヒの一言でそれは確かに止まる、がやはり攻撃が防げない。

 これが、『制限』の一つだった。

 ハルヒの能力は、考えたことならば、なんでもできた。
 しかし、逆を言えば、考えないことはできない、つまり、わからないことはできないのだ。

 だから誰かを捜そうにも、その誰か自体を動かすことができても、 どこにいるのかわからなければどのように動かせばいいかわからないため、結局は見つけられない。

 眠くなれば当然思考力も落ちるし、能力が弱まったりする。
 だからこそ、常に自分の能力で自分の身体を強化して補っていた。

 それで十分だった。

 この意味不明な現象以外は。

ハルヒ「あうっ!」

 訳の分からない力に翻弄される。
 わかれば、完封なのだが、それがわからない。

 ハルヒは焦る。

 そうして、電波を元に戻してみるという、基本的なことを思いつけなかった。




125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 22:14:46.28 ID:ZaJ1l54e0
ハルヒ「あ……」

 そして、気がつけば目の前に、まるで天使のように羽を背負った『一方通行』がいた。

 思考が停止する。何も考えられない。

 全ての能力の庇護が消える。

ハルヒ「きゃああああああああああああああああああああ」

 そこでハルヒはただの女子高生に戻ってしまった。

 だが、そこでハルヒは予想外のものを見た。

ハルヒ「有希……?」

 何やらわからない黒翼を、当然のように手で受け止めている長門。

ハルヒ「どういう――」

 ことか、までは言えなかった。

 長門が何かを呟いた瞬間、ハルヒは消えてしまう。
 黒子がいればわかったであろう、この現象は『空間移動』によく似たものだと。

 その瞬間、ハルヒの能力で遮断されていた電波が復帰した。




128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/09(水) 22:29:12.99 ID:ZaJ1l54e0
一方「どォいうことだァ?」

 復活した言語能力と思考能力で、目の前の小さな少女を見つめる『一方通行』。

長門「このままでは危険だった」

一方「お前は確か長門ってやつだなァ。資料で見たことは見た。
   つまりお前は『幻想創造』側に付くってことだな? 面倒なことしやがって」

長門「私は面倒を回避した」

一方「あァ?」

長門「あのまま戦っていれば、貴方も、貴方以外も危なかった。
   涼宮ハルヒも危なかった。彼女の可能性が爆発を起こしていた」

一方「何わけのわかンねェこと言ってやがる」

 そう言って『一方通行』は距離を取る。

一方「そもそもテメェは何者だ? 俺の能力を受けても死なないってのはどういうことだ」

長門「私は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。貴方たちの言葉で言えば宇宙人」

一方「で、その宇宙人様は何をするつもりで?」

長門「本気の貴方と本気の彼女の接触が一番危険。追跡を阻止する」

一方「あァなるほど。ここは電波がよく入るンだな。
   テメェをぶち殺すのにはちょうどいい」


キョン「学園都市?」 4


posted by JOY at 17:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 禁書クロスSS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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