2010年08月15日

ダンテ「学園都市か」1(本編 対魔帝編)

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:21:52.19 ID:B5ACLTPv0

ダンテ「随分と小奇麗な街じゃねえか」

学園都市、とあるビルの屋上。
真っ赤なコートを羽織り背中に巨大なギターケースを担ぐ銀髪の白人が気だるそうに呟く。

ダンテ「ちょっとはやく来すぎちまったかな。なんならトリッシュと一緒に来ても…」

ふとその相棒の女の事を思い起こす。

気まぐれで、このダンテでさえ振り回されるやっかいな女。
ダンテ「いや…ねえな。」


ダンテ「…へえ」
すんっと何かの匂いを嗅ぐかのように鼻を小さく鳴らす。

ダンテ「…つまみ食いするか」

男はそう呟くと10階以上あるビルの屋上から飛び降り、街の喧騒の中へ消えていった。

―――3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:23:47.38 ID:B5ACLTPv0

黒子はとある廃ビルへ向かっていた。

数分前に奇妙な通報があったのである。
内容は廃ビル内でスキルアウトが銃撃戦。

それなら特に奇妙な話ではない。

だが問題はそれを通報した者のだ。
通報者自身がスキルアウトなのである。

その通報時の電話音声も異常だった。
通報者は叫び、助けて、助けてと懇願していた。
後ろからは多数の銃声と身の毛がよだつほどの絶叫。

スキルアウトがジャッジメントやアンチスキルに助けを請うなどありえない。
よほど切迫していて、とにかくなんでもいいから助けが欲しかったのか。

そして悲鳴と共に通話は途絶えた。

黒子は急いだ。

ぎりッと握る手に力が入る。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:25:03.53 ID:B5ACLTPv0

黒子が現場の廃ビルの前に着いた時は既にあたりは静かになっていた。

黒子「…」

アンチスキルも急行している。
待つべきか否か迷ったが、あの通報の状況ならば中には多数の負傷者がいる可能性が高い。

黒子「…行きますの…」

意を決して黒子は中へ入っていった。

悪寒を感じながら廃ビル内へと進んでいく。
時刻は午前、天気は快晴なのにもかかわらず中は薄暗かった。

黒子「…(不気味なほどに静かですの…)」

できるだけ足音を立てないように静かに歩くが、
その靴の裏と地面がこすれる僅かな音さえはっきりと聞こえるほどに静かだ。

万が一に備え、両手に釘を握る。
じんわりと冷たい汗が吹き出てくる。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:26:05.88 ID:B5ACLTPv0

一階のフロアを全て回ってみたが、何も見つからなかった。
続けて二階も回ってみたが同じだった。

黒子「(まさかいたずら…?)」

かもしれない。
まずスキルアウトが通報してくるなどと言うのがおかしい。
だがあの電話越しの銃声は解析によって本物と判明している。

わざわざその為に実弾を撃ちまくるのもおかしい。

そんなことをあれこれ考えながら三階に上がろうとした時。
疑念は全て吹き飛んだ。

黒子「(…この匂い…!!)」

湿った、鉄のような匂い。
階段を上がるにつれどんどん強くなっていく。

黒子の心臓の鼓動が急激に早まる。


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:27:01.68 ID:B5ACLTPv0

三階に上がった黒子はあまりの惨状に胃の中の物を戻しそうになった。

阿鼻叫喚の地獄絵図。
一面が血の海。
天井に飛び散った血がポタポタと滴っている。
床にはおそらく人体の一部であったろう肉塊が大量に転がっている。

黒子「…!!うぅ…!!!」

溜まらず呻き声を漏らす。

黒子「(落ち着きなさい!黒子!!)」

黒子「(生存者を!!!生存者を探すのです!!!)」

自分に言い聞かせる。


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:28:34.36 ID:B5ACLTPv0

恐る恐る見渡す。

大小さまざま銃、そして大量の薬莢が転がっている。
このスキルアウトはかなり重武装だ。

だがそんな彼らでさえこのざまだ。

黒子は考える。
彼らの傷は銃などの通常の武器によるものではない。
彼らを殺したのは恐らくかなり上位の能力者。

そして黒子の悪寒が更に強くなる。

ここまで躊躇無く人間を殺せるような相手がもしまだこのビル内にいたら―――

果たして確保することができるのか―――

ゴクっと黒子の喉が大きな音を立てる。

額から冷たい汗が雫となって滴る。

その時、後方からジャリ…と小さな音が聞こえた。

>>7出る

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:30:19.74 ID:B5ACLTPv0

バッと勢い良く振り向く。

その音の発信元はとなりの部屋へ繋がるドア。
大きく開け放たれている。
そしてその向こうにズリ…ズリ…と動く影が見えた。
本体は完全に向こうの部屋にいるため見えない。

だが何者かがいるのは確かだ。

黒子「…ジ、ジャッジメントですの!!!」

自分の弱気を払うかのように大きく叫ぶ。

その影が一瞬ピタッと止まるが、再び動き出す。

黒子「と、止まりなさい!!!」

だがその静止の声を無視して動く。
そして。
その何者かがそのドアから姿を現した。

黒子「…なッ…!」

それは黒いぼろきれを羽織った奇妙な人型の何か。
頭部には位置にはムンクの『叫び』のような表情をした仮面のようなもの。

ぼろきれの隙間から肉が全くついてない骨のような腕が。


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:31:47.77 ID:B5ACLTPv0

黒子「…一体…何ですの…!?」

ぞわッと背中を何かが這い回る感覚。 

その化物は黒子の姿をみるや
コォォォォォォォォ!!!っと奇妙な声をあげた。

その瞬間周りに砂のようなものがどこからとも無くザァッと出現し、何かを形作り始めた。

黒子「え…!?え…!?」

その塊はあの化物と同じ形になる。

そして。
更に二体、同じ姿の化物が彼女を囲むように現れた。

黒子「―――!!!」

手には巨大な鎌。
その姿はまるで絵本にでてくるようなステレオタイプの死神そのものだった。

コォォォ!!!っと奇怪な音を上げながらゆらりと鎌を振り上げる。

黒子「は…?!」

そして黒子目がけて振り下ろした。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:33:03.55 ID:B5ACLTPv0

黒子「ッ!!!」
咄嗟に後ろへ跳ねる。

ゴンッ!!!と鈍い音を立てて床に鎌が突き刺さる。

黒子「一体何ですのよこれは!!!」

死神もどき達はのろのろとあたりを見回し、黒子の姿を見つけるとのそりと体の向きをかえる。

黒子「(とにかく!戦わなければ!!)」

ダン!!っと前の死神もどきが一気に距離を詰めてきた。

黒子「―――!!!」

鎌の鋭い切っ先が黒子の顔面目がけて振るわれる。

だがその鎌は空を切った。

黒子「こっちですわよ!!!」


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:34:21.79 ID:B5ACLTPv0

黒子はその化物の真上にテレポートしていた。

そしてドロップキックを頭頂部にお見舞いする。

ゴン!!っと鈍い音。

黒子「(…ッ!!)」

ビリッと足が痺れる。
まるで石の塊を蹴ったような感触。
そしてかなりの重量があるらしく、死神もどきは微動だにしなかった。

トンッと離れた場所に着地する。

黒子「(…!あれだけ頑丈なら少しぐらい荒っぽくてもかまいませんわね!!)」

床に手をつく。
そして次の瞬間、彼女の手を中心にして直径1m程の穴が空いた。

それと同時に死神もどきの頭上に1mのコンクリート片が現れ、そのまま落下する。

ドゴン!!っと轟音を立てて死神もどきは地面に倒れこむ。

すかさず黒子は釘を飛ばし、拘束する。

黒子「(一体目ですの!)」


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:36:39.17 ID:B5ACLTPv0

そして二体目も同じ戦法であっさりと床に磔にする。
突然速く動いたりするものの、基本的に鈍いらしい。

黒子「(次がラストですの)」

最後の一体をジッと見据える。

死神もどきはコァ!!っと声をあげ突進してきた。
だが黒子はテレポートし、難なく交わす。
死神もどきはそのまま壁に突撃し、激突した。

黒子「おバカさんですわね」
すかさず釘を飛ばす。

三体目もあっさりと壁に磔にされた。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:38:21.10 ID:B5ACLTPv0

黒子「(確保完了ですの!!!)」
黒子「(最初は驚きましたが…それほど強くありませんわね)」

磔にされている死神もどきを見る。
奇妙な声をあげながらもぞもぞ動いている。

黒子「(…人間…には見えませんわね…)」

先の出現した時の光景を思い出す。

黒子「(おそらく…能力による産物ですの…)」

その時、一体がビキビキっと音を立てて拘束を引き剥がそうとし始めた。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:39:48.21 ID:B5ACLTPv0

黒子「!」

通常、人間では到底抜けられない拘束を強引に解く。
ゴバ!!!っとコンクリートの破片が飛び散る。

黒子「(やはり人間では…なら少々手荒にいっても問題ありませんの)」
自由の身になった死神もどきがコァァァァァ!!!っと咆哮する。

黒子は近くの壁に手を当てる。

黒子「では、本気でやらせて貰いますわ」

その言葉と同時に、壁に穴があく。

そして目の前の死神もどきの頭部に重なるように直径1mの壁の破片が出現した。

ゴリィン!!!っと音が響く。

頭部を失った死神もどきの腕が力なくダラリと下がり、巨大な鎌が音を立てて床に落ちた。

そしてザァッっと音を立てて崩れ、砂になった。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:41:07.47 ID:B5ACLTPv0

少し黒子は安堵する。

万が一人間だったら取り返しのつかないことになっていただろう。
客観的に見れば正当防衛が成り立つが、それでも彼女は人殺しには絶対なりたくない。

残りの二体が咆哮をあげ、拘束を破ろうとする。

黒子「悪いことは言いませんの。おとなしくしてなさい」

だがその声にかまわず二体は拘束から力づくで脱出する。

黒子は両手を壁につける。

黒子「残念ですわ」

その瞬間、残りの二体の頭部も巨大なコンクリート片に入れ替わり砂となって散った。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:42:23.64 ID:B5ACLTPv0

黒子「…もういないみたいですわね」

耳を澄ますが音は一切聞こえない。

黒子「…生存者を探しますの…」

戦闘からの緊張から解き放たれ、再び周囲の惨状に嫌でも意識が行く。
そこでふと疑問が湧く。

改めてみると、ここにいたスキルアウトは重装備だ。
それがあの程度の化物三体に皆殺しにされるだろうか?

釘で拘束できたくらいだ。

銃弾を叩き込めば倒せないにしても寄せ付けないくらいは簡単だ。
その間に逃げることもできる。
ここまで一方的に虐殺されるなら10体はいないと考えられない。

黒子「…」

まだいるかもしれない。

そう考えた時、背後から声が聞こえた。

「へえ。面白えな」


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:44:01.35 ID:B5ACLTPv0

振り向くとそこには派手な服装の大男がいた。

血のように赤いコート、銀髪に灰色の瞳。
30代後半あたりの、端正な顔立ちの白人。
背中には巨大なギターケース。
そして腰にはこれまた巨大な二丁の拳銃。

どう見ても怪しい。

「それが能力ってやつか?」

男は薄ら笑いを浮かべながら緊張感の無い声で黒子へ声をかける。
この惨状を目の当たりにしながらも一切動じていない。

そしてその問いかけを聞く限り、先の死神もどきとの戦闘も見ていたはずだ。

黒子は確信する。

この男は何らかの形で関係している。
恐らく―――真犯人。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:45:49.35 ID:B5ACLTPv0

黒子「ジャッジメントですの」
腕章を見せながら告げる。

「JudgmentDeath...No?」

『Judgment』が進化した和製英語とでも思ったのだろうか。
『ですの』を含めた一つの言葉と勘違いしているのか。
ネイティブの発音で聞き返してくる。

黒子「(…外の人間のようですわね)」

外の能力者は珍しいが、
黒子は現に目撃し戦った経験もある。

かつて巨大な像を操る金髪のゴスロリ女と戦った。

黒子「あなたを殺人の容疑で現行犯逮捕しますの。あなたには黙秘―――」

「おいおい、どういう事だい?お嬢ちゃん」

男がふざけた調子を崩さずに声をあげる。

黒子「頭に手をのせなさい」


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:50:36.57 ID:B5ACLTPv0

「ん?おまわりさんごっこか?」

黒子「命令ですの。頭に手を」

目の前の男は全く緊張していない。
あの黒子の戦いを見た上でのこの余裕。

釘を握る手に力が入る。

「俺なんか悪いことしたか?なら謝るぜ?」

完全に舐められている。
イラついてくる。

黒子「さもなければ力づくで拘束しますの!」

「そうしかめっつらすんなよ。せっかくの可愛い顔がもったいねぇぜ」

ピキッと黒子の額に青筋が入る。

黒子「これで最後ですわよ!!!」

「へぇ…改めてみると…こりゃ10年後が楽しみなお嬢ちゃんだ」

黒子の頭の中で何かが音を立てて切れた。


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:52:07.55 ID:B5ACLTPv0

黒子「だまりなさいですの!!!!」
男の頭上へテレポートする。
ドロップキックを食らわすべく。

だが。
男は軽く身を捻るだけでそれをかわした。

黒子「…は?」

予想外の事に動揺し、少し体勢を崩しながら着地する。

「…ぶふ!!おいおいすげぇの履いてるな!」

パンツを見られたようだがそんなのはどうでも良かった。

黒子「(…なぜですの…!?まさか読心系…!?)」

テレポートを使った攻撃をかわすなんて、
その出現位置を前もって知らないと不可能だ。


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:53:23.74 ID:B5ACLTPv0

だが黒子があれこれ考えを巡らせても目の前の男は特に反応していない。
本当に読心系なら、黒子の脳内の推理に何かしらの反応を見せても良いはずだ。

黒子「(…もう一度…試してみますの)」

「それにしても面白いなそr」

男の言葉が終わらないうちに再び頭上へテレポートする。

再びひらりとかわされる。

黒子「…!」

黒子「(…やはり何らかの形で読まれてるとしか…!)」
壁に寄りかかって腕組をしている男を睨む。

黒子「(フン…余裕たっぷりですこと…!)」

「生憎だが」

黒子「…なんですの?」

「何度も見せてくれるのは嬉しいんだがな、ガキのを見てもおr」

黒子「キィィィィィィィィ!!!!!」


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:55:12.39 ID:B5ACLTPv0

黒子「(…)」
ふと気付く。

男が壁に寄りかかっている。
今ならそのまま磔にできる。

だがそれもわざとなのか。

黒子「(どうせこれも避けられるでしょうが…)」

ダメもとで手にある釘を男の赤いコートへテレポートさせる。

「あん?」

黒子「…へ?」

男はあっさりと壁に磔になった。


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:56:50.81 ID:B5ACLTPv0

拍子抜けだった。
調子が狂う。

黒子「(一体何なのですの…この男は…)」

黒子「残念ですわね。終わりでs―――!」

終わったと思ったのもつかの間、男は一切力む様子も無く楽々とその拘束から抜け出した。
壁に深くめり込んでいる釘をスポスポと軽々と引き抜いていく。

黒子「(この男…!!)」
この男はとてつもない腕力の持ち主。

「で、次は?」

薄ら笑いを浮かべながら両手を広げ、黒子を挑発してくる。

黒子「上等ですわ!!」
そう言い放つと、黒子は床に手を付ける。

そして50cm程のコンクリート片が次々と男の頭上に出現する。


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 20:59:12.34 ID:B5ACLTPv0

ゴンガン!!!っと重いコンクリートの破片が連続で降り注ぐ。

だが男は人間離れした反射神経でひょいひょいかわす。
死角のコンクリート片すら見えているかのように華麗にかわす。

かと思いきや。

今度は降り注ぐコンクリート片をパンチやキックをして弾きはじめた。

黒子「…は…?」

普通なら大怪我をする。
だが男の拳や足には傷一つつかない。

そして更に黒子を驚愕させる光景が。
その弾いたコンクリート片がまるで積み木のように綺麗に縦に積みあがっていくのである。

黒子「うそ…?」

あまりの事に黒子はコンクリート片をテレポートさせる作業を止めてしまった。
男が反応する。

「ん?終わりか?」

男の周りににはコンクリート片が積みあがったタワーが四本ほど聳え立っていた。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:01:29.88 ID:B5ACLTPv0

余裕過ぎる。
攻撃としてすら認識されていない。

黒子「(完全に遊ばれてますの!!!)」

黒子「(これじゃ埒が明きませんわ!!)」

黒子「(…なんとかあの男の体に触れられれば…!)」

黒子「(しかしあのふざけた腕力の相手に体術を挑むのも無謀ですの…!)」

黒子は考える。
そしてふと閃く。

相手の余裕につけこめば良い。


黒子「…参りましたわ」

「へえ」

黒子「わたくしは白井黒子」

そしてスッと手を差し出す。


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:04:23.41 ID:B5ACLTPv0

読心系なら心を読まれる可能性もある。
それに敵なら普通は握手なんかしない。

これは一か八かの賭けだ。

「随分あっさりしてんな」

少し焦る。
が、

「まあいい。OK、仲直りしようぜ」

男は特に疑うそぶりも見せず近づいてくる。

黒子は自分でこんなバカらしい作戦を立てときながらふと思った。

この男は本当にバカなんじゃないかと。

男は黒子の小さな手をとった。

黒子「これで終わりですの!」

とびっきりの笑顔を向ける。
そして。
男の体をコンクリートの壁の中へテレポートさせた。


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:05:33.22 ID:B5ACLTPv0

「あん?」

首から先だけが壁から生えている。
首の付け根から下は全てコンクリートの壁の中。
これ以上の拘束具があるだろうか。
さすがのこの男でもこれからは抜け出せないはずだ。

黒子「これでようやく仲直りですわ」

「ハッハァ〜!すげえな!別の奴も飛ばせるんだな!」

黒子「…」

だが男は未だにふざけた調子を崩さない。
少しは焦っても良いはずだ。

黒子「(…まさか…いや…ありえませんですわね)」

この拘束から抜けるなど不可能だ。
頭からそのバカな想像を振り払う。

「ちょっと離れてな」

だが。
そのバカな想像が当たっていた。

ビキッ!!っと壁に亀裂が入る。

黒子「まさか―――!」


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:06:41.68 ID:B5ACLTPv0

ゴバァ!!!っと突然壁が爆散した。
破片から逃れるため黒子は後方へテレポートする。

黒子「(…!そんな…!)」

男は何事も無かったかのようにその粉塵の中から現れた。
パンパンと体のチリを手ではらっている。

黒子「(こうなったら…かなり手荒ですが…仕方ありませんの!)」

床に散らばっている小さなコンクリート片を手に取る。
そして男の足首。
ちょうどアキレス腱の位置へテレポートさせた。

ガクン!!っと男の姿勢が崩れた。

黒子「(これで!!本当に終わりです…の…?)」

だがそれだけだった。
男は再びスッと元の姿勢に戻る。

「へぇ…そういう使い方もできるんだな」
そういいながら調子を確かめるかのように足踏みをしている。

黒子「(まさか…アキレス腱は完全に切断されたはずですの!!立ってられるはずが…!!!)」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:09:14.19 ID:B5ACLTPv0

「で、次はどこだ?」

ありえない。
瞬時に体を治癒させる能力なんて聞いたことが無い。

黒子「…ッ!そ、そんな…!」
黒子「(こ、こうなったら心臓に…いいえ!それだと死んでしまうかもしれませんの…!!)」
男を生け捕りにする方法が思いつかない。

「おッ」

突然男が辺りを見回し始めた。
その瞬間、男の背後に砂の塊のようなものが現れた。

黒子「(あれは…まさか…!?)」
見覚えがある。
ついさっき同じ現象を見た。

あの死神もどき。

「やっとおでましか」

そして男の背後にあの死神もどきが鎌を振り上げながら現れ―――

ドンッ!!!と男の背中に突き刺した―――
胸から鎌の先が飛び出す―――


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:11:54.03 ID:B5ACLTPv0

黒子「…ッ!?」

周囲に次々と死神もどきが現れ、たて続けに男に鎌を突き刺していく。

ゾン!!ザン!!っと不気味な音が響く。

「へぇ、懐かしいなこのパターン」

男の声。
普通なら死んでいる。

だがその声には痛みすら感じられない。

「ハッ!やっとパーティの時間だぜ!」

黒子「…なッ…えッ…!?」

目の前の光景が理解できない。

「お嬢ちゃん、そこ動くなよ」

黒子へ言ったようだが、返事はできなかった。

次の瞬間、ゴギン!!!っという轟音と同時に男の両側にいた死神もどきが大きく吹き飛ばされた。


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:13:39.72 ID:B5ACLTPv0

黒子は動けなかった。
ただ呆然とその光景を眺めていた。

男がパンチやキックのようなものを繰り出す。
『ようなもの』というのも、あまりにも速過ぎて黒子の目では捕えきれないからだ。

ドギン!!!ズン!!っと地響きと共に死神もどきがバラバラに砕け、壁へ叩きつけられる。

男は踊っているかのように立ち回っていく。

自分の胸に突き刺さってる鎌を引き抜き、ぶん投げる。
ゾリィィィン!!!っと死神もどきの頭部が切断される。

今度は一体の死神もどきを倒し、その上に飛びのる。
そして地面を蹴り、イェア!!!っと楽しそうに叫びながら、
まるでスケートボードのように乗り回し始めた。

ギャギャギャギャ!!!っとスケートボード代わりにされている哀れな死神もどきがどんどん磨り減っていく。
そして男は突然ピョンと飛び降りる。
哀れな死神もどきはそのまま壁に激突し砂となる。

狂っている。

黒子の頭にその一言が浮かんだ。


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:15:18.02 ID:B5ACLTPv0

15体はいた死神もどきがあっという間に全滅した。

ビル内はその戦いで、というよりはその男にめちゃくちゃに破壊された。
壁や床、天井は大きく抉れている。

もう死神もどきが出てこないのを確認した男は突然ビシッ!!!とポーズを決め、
二の腕の部分を掴みながら

「JudgmentDeathNo!!!Yeah!!!」

と、なにやら勘違いしたままノリノリで叫んだ。
かっこいいのかダサいのか、
シリアスなのかコメディなのか良くわからない。

黒子「…」

「違うか?」

黒子「…それは…戦う前に言うものですの…」

「へえ」

黒子「…」

何から何まで調子が狂う。
凄惨な現場を見て、不気味な化物と戦った。
だがそんな事が全てこの目の前の得たいの知れない男の作り出す空気によって吹き飛ばされた。


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:16:33.80 ID:B5ACLTPv0

まるでB級映画の世界に紛れ込んだような奇妙な気分だった。
この男が主人公で、それを中心にして世界がまわっているような。


もうどうでもいい。
はやく帰ってお姉さまと一緒の日常に戻りたい。
そう黒子は思った。

黒子「…あれ?」

ふと気がつくとあの男の姿はどこにも無かった。
現れたときと同じように、音も無く消えていた。


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:17:59.02 ID:B5ACLTPv0

黒子「…」

あの男の事を考える。

あれで普通の人間だとは考えられない。
確実に何らかの能力者。


少なくともレベル4、いやレベル5相当かもしれない。
本気を見てないから底はわからない。

でもそれでも信じられない。
胸に大穴を開けられた人間が生きているなど。
そしてその後に大立ち回りを演じたなど。

黒子「はぁ…」

ため息。
遠くからアンチスキルのサイレンの音か聞こえる。

黒子「何て書けばいいんですの…報告書…」


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:19:59.30 ID:B5ACLTPv0

―――

真っ赤なコートを羽織り、背中に巨大なギターケースを背負った銀髪の大男が街を歩く。
かなり目立っているのか、周囲の視線が集る。
中には腰の銃に気付き慌てて目をそらす者もいる。

だが男は気にすることなく歩く。

ダンテ「……落ちつかねえ」

学園都市は少々居心地が悪い。

フォルトゥナのような様式美漂う荘厳な街並みもあまり好きじゃないが、
この近代的で、整っている明るい街並みも気に入らない。

ホームレスどころかヒゲ面で酒臭いジジイすらいない街。
チンピラっぽいガキまでがシャレた小奇麗な服を着てる。

むず痒くなってくる。

そしていたるところにある電子機器。
『故障したら殴って直す』レベルの機械音痴の彼を更にイラつかせる。

やはり彼にとっては薄汚く埃っぽいスラム街がお似合いだ。


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:21:36.73 ID:B5ACLTPv0

ダンテ「…まさかな…」

不安が頭をよぎる。
『真面目』という言葉がこれ程に合わない彼にだって、
本気で悩む事は一つくらいある。

ダンテ「あるよな…ピザくらい…」

ダンテ「無かったら本物の地獄だぜここは」

他人にとってはどうでも良いような事に本気に頭を悩ませていると、
ふと50m先の二つの人影に目が止まった。

ダンテ「お」

白い修道服を着た少女とツンツン頭の少年。

ダンテ「いたいた」

彼が学園都市来る事になった原因の人物。

ダンテ「禁書目録ちゃん」


プロローグ 完


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:33:37.93 ID:B5ACLTPv0

10時まで休憩する。

・DMC側の時間軸は4の数年後。
・禁書側の時間軸はイギリスクーデターの三日後あたり。

ダンテがややアホっぽいのは4の小説版の、
『あまりにも強すぎるからたまにわざと攻撃食らったり隙を作ったりして楽しんでる』うんぬんを参考にしてるので。

今のところ登場予定なのはダンテ、ネロ、トリッシュ、ベリアル、ボルヴェルク(2の好敵手)、魔帝ムンドゥス、そしてわれらが兄貴バー(ry


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:42:27.50 ID:B5ACLTPv0

第七区 とあるファミレス

禁書「とうまーとうまー! これがいい!!」

上条「お前これ4人用のピザだろ!なんか得体の知れないの乗っかってるし!」

禁書「えー」

上条「こっちのやっすいお子様ランチにしなさい!」
上条「(うう…帰国早々コンロとレンジが同時に壊れて水道も止まるなんて不幸すぎですよ…)」

「先ほど入ったニュースです。第七区の○×銀行に複数の強盗が押し入り…」

店内に置いてあるテレビからの結構重要なニュースも上条は「不幸」にも聞き逃す。

カランッ
いっらっしゃいませー

上条が自らを襲った不幸に頭を抱えてる中、一人の銀髪の大男が喫茶店に入ってきた。

上条「(うお…なんだあのメチャクチャかっけーおっさんは…でっけえギターだなってかすげえ派手なカッコしてる)」

店員に案内されたその男は通路を挟んで上条たちの真横のテーブルに来ると
ゴドンッ!と大きなギターケースを乱暴に床に置き、
ドサッ!っと椅子に腰を降ろした。


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:45:03.56 ID:B5ACLTPv0

上条「(何入ってんだあのギターケース…そういえば服装もどことなく魔術ちっくな…ッ!!)」

上条の頭の中を不安がよぎる。
そう、上条たちは今までに何度も魔術師に狙われ、襲撃を受けてきた。

上条「(まさか…いや、きっとあの人はイギリスかどっかから来た普通のパンクな人だ…!)」
上条「(いや!!油断するな!いつもこういうパターンからとんでもない事になってるじゃねえか!)」

上条の不安を露とも知らずにインデックスは幸せそうにお子様ランチをほお張っている。
そんな上条に更なる追い討ちが。

銀髪男「あー このピザのLと…このストロベリーサンデー頼む」

上条「(日本語ペッラペラじゃねえか!!魔術師って100%このパターンですよね!!)」


銀髪男「さて…お前が幻想殺しの坊やかな?」

上条「うきゃぁぁぁあぁッ!!」

禁書「とうま?どうしt…ッ!!!」

銀髪男「よう、禁書目録のおチビちゃん」

禁書「ダッダッダダダダ…!!ダンテ!スススススパーダの息子!!」


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:46:31.11 ID:B5ACLTPv0

ダンテ「…俺の事覚えてんのか?」

禁書「お、覚えてないけど見ればわかるんだよ!!」
禁書「かつて魔界を封じた伝説の悪魔スパーダの息子!!魔剣士ダンテ!!』
禁書「魔界の帝王ムンドゥスを封印した最強の半人半魔!!』

上条「な、なんか良くわからないけど物凄くヤバイお方ってのだけはわかりますよ!!」

ダンテ「グゥーッド。さすがだねえおチビちゃん。」

上条「う、うるせえ!!何しにきやがった!?何企んでやがる!?ローマ正教の魔術士か何かか?!」

ダンテ「…お前バカだろ。今説明してくれたじゃねえか」
ダンテ「用があるっちゃあるんだが、お前らをどうこうするつもりは無いから安心しな。」

上条「じゃあ何だ!?説明してくれ!!」

ダンテ「その前にピザだピザ。」

上条「へ?」


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:47:45.61 ID:B5ACLTPv0

とある喫茶店の一角、とある三人を中心にして重い空気が漂う。
とはいえ重い空気を垂れ流しているのはツンツン頭の少年と修道服を纏った少女で、
事態の原因になった銀髪の男は何事も無く
ンン〜グゥーッド等何やら英語で幸せそうに呟きながらピザをほお張っている。

上条「…で、何で来たんだ?何の用だ?」

ダンテ「…さて…どっから話そうかね」

とその時
バン!!ッと店のドアを乱暴に開け、何やら武装した男達が勢い良く入ってきた。

強盗1「床にふせろ!!ふせるんだ!!」
強盗2「死にたくねえなら言うことを聞け!オラァ!」

上条は頭に残っていたかすかな記憶を思い起こす。

上条「(ッ!!そういえば第七区で銀行強盗があったとか…!!)」

咄嗟にインデックスと一緒に机の下に潜る。
強盗犯達はアンチスキルとジャッジメントに追われていたのだろう。
サイレンの音が店を囲む―――。


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:49:27.74 ID:B5ACLTPv0

上条「(さて…どうしたものか)」

店内に居る強盗犯は三人。
それぞれが銃器で武装。
トラブルがあったのか、何か興奮気味に口論している。

上条「(能力頼りの連中ならどうにかなったかもだが…銃はなあ…)」

禁書「とうま。ダメなんだよ。ここはじゃっじめんとに任せるんだよ。」

強盗1「おい!テメエ!」

上条「(うお!やべ!!こっちに来る!!)」

禁書「!!」ビクッ

上条達は驚いたが強盗犯の矛先は彼らではなく、
その真横でストベリーサンデーを何事も無く食す銀髪の大男であった。


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:50:44.93 ID:B5ACLTPv0

強盗1「床にふせやがれ!」

ダンテ「いくら俺でも床に寝そべりながら食う程お行儀悪くないぜ。」

強盗1「うるせえ!死にてえのか?!」チャキ

銀髪の男は目の前に大口径の拳銃を突きつけられても平然と食し続ける。

上条「(あの余裕…インデックス曰くこいつメチャクチャ強いんだっけ…なんとかしてくれるんじゃね?!)」

強盗3「その余裕…お前能力者か? おい、やれ。」

強盗1「チッ!!」ガチ

ドンッ!!と炸裂音が店内に響く。


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:51:54.54 ID:B5ACLTPv0

上条「…ッ!?」

至近距離から額に銃弾をブチ込まれ、銀髪男の鼻から上が吹き飛ぶ。
周囲に肉片が飛び散り、辺りには硝煙と血が混ざった形容し難い匂いが立ち込める。

上条「うそ…だろ…?」

力なく銀髪男の体がドッとテーブルに突っ伏した。

上条「テンメェェェェエエエエェエエエエェェエエ!!!」

その無残にも変わり果てた男を目の当たりにして嘔吐感がこみあげたが、
それ以上の怒りが彼を包んだ。

強盗1「何だ!てめえも死にてえのか!?」

上条「うるせぇ!!なんで殺した!!?ああ!?」

強盗3「目障りだ。そいつもやr」

「おい」

上条&強盗三人「え?」


82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:53:43.80 ID:B5ACLTPv0

頭の上半分吹き飛ばされた死体がムクリと起き上がる。

ダンテ「ダイニングテーブルでは静かにしなさいってママに習わなかったか?坊や」


上条と強盗三人は驚愕の余り口をパクパクさせる。

その間にも銀髪の男の頭部はみるみる再生していき、
10秒も経たないうちに元通りになった。

ダンテ「お行儀の悪い坊や達はお仕置きTIMEだ。」


85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:54:56.14 ID:B5ACLTPv0

呟くと、先ほど自分の額に銃弾を放った男の腕をガッと掴む。
そしてふがしの様にクシャっと握りつぶした。

強盗1「ガァアアアアアア!!」

まるで関節が一つ増えた様に見える腕を押さえながらのた打ち回る強盗犯。
銀髪の男の手にはいつ奪ったのか、その強盗犯の拳銃が握られている。

ダンテ「このオモチャは没収だ。ママにもっと教育的なのを買ってもらうんだな」

と言うとこれまたいとも簡単にベキベキッと握りつぶす。


87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:56:56.62 ID:B5ACLTPv0

強盗3「テ、テメエ!やっぱり能力者だったか!!」
強盗3「どういう能力か知らねえが、灰なっても生き返れるかぁ!!?」

ダンテ「さあな。灰になったことは無ぇからわからねえ」

リーダー格の強盗犯の腕から炎が噴出し、
銀髪の男を覆いつくす。

上条「(くそッ発火能力者か!!さすがにヤバイんじゃね!?俺の右t)」

ダンテ「ン〜ンこれまたホットだな」


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:57:54.44 ID:B5ACLTPv0

強盗3「…は?」

上条「えっ?」

業火の中から声が続く。

ダンテ「だがこの程度じゃあ俺のハートに火はつかねえぜ」

その言葉と同時にゴバッ!!と破壊音。

次の瞬間には先ほどまでリーダー格の強盗犯が立っていた場所には銀髪の大男が、
そしてその前方3mの壁にリーダー格の強盗犯が泡を吹きながらめり込んでいた。

上条からすればまるでテレポートでもしたかの様に見えたが、
その銀髪の男は前に飛び出して殴っただけである。

ただ、『とてつもない速度』で。

ダンテ「で、次はお前か?坊や」

強盗2「…ひ、ひぃ」

―――
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 21:59:18.88 ID:B5ACLTPv0

―――

路上を奇妙な組み合わせの三人が歩く。
一人は白い修道服を着た小柄な少女。
一人は学生服を着たツンツン頭の少年。

そして真っ赤なコートに巨大なギターケースを担いでいる銀髪の白人大男。

上条「さっきの、あんた何の力を使ったんだ?やっぱ魔術か?」

ダンテ「いや 殴っただけだ。」

上条「…もしかして聖人?」

ダンテ「半分悪魔だ」

上条「…ほあ?」


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:00:22.83 ID:B5ACLTPv0

禁書「半人半魔、父親が悪魔で母親が人間なんだよ」

上条「悪魔って…あの天使と悪魔の悪魔?」

禁書「とうま、何言ってるかわからないんだよ」

上条「悪魔…」

禁書「悪魔とは魔界の住人なの」


94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:01:16.66 ID:B5ACLTPv0

禁書「もともとこの世界と魔界は繋がる筈がなかったんだけど、太古の昔にある大悪魔が穴をあけて繋げちゃったの」

禁書「それでこの世界は魔界に侵略されて、滅ぼされされかけたんだけど、」

禁書「その時立ち上がったのがダンテの父親、英雄スパーダ!!」

禁書「自分も悪魔なのに人間側に付き、そして戦争を勝利に導き穴を塞いで侵略を防いだんだよ!」

上条「んん…なんか半分くらいしか分からなかったけど…」
上条「つまりこの方は人類を救った大英雄の息子さんなんですね!?」

禁書「ちっちっち それだけじゃないんだよ」

禁書「このダンテも数々の世界の危機を防ぎ、何度も人類を救っているんだよ!!」
禁書「既に父親を越えたとも言われてるんだよ!!」

上条「な…なんか…とにかく色々規格外な方というのが分かりました…!!」

ダンテ「悪魔ってのがどんなのか分かったかい?」

上条「いいえそこは全く」

ダンテ「だろうな」


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:02:24.73 ID:B5ACLTPv0

ダンテ「あーあれだ、こっちの人間と同じく悪魔が暮らしていて、こっちの動物と同じく魔物が生態系を作ってる世界だ。」

上条「なんとなくわかった気がする…まてよ…俺がこの右腕で触ったらもしかしてダンテさんとか悪魔って消える?」

禁書「消えないんだよ。『悪魔』というちゃんとした『生命体』だから。」
禁書「全ての穴が塞がって、完全に魔界と切り離されたら『ありえない存在』になって消えるけど。」

上条「ん?穴は塞がったんじゃ?」

禁書「塞がったのは侵食が起こる大きな穴だけで、小さな穴は世界中に無数に残ったまんまなんだよ。」

ダンテ「そういう穴を通ってこっちに来るお客さんを、ブチのめすのが俺の仕事だ」

上条「そうそう、来た理由まだ聞いてなかったけど、ここに来たのもそういう悪魔をぶっ飛ばす為なのか?」

ダンテ「イェア」

上条「んで俺達になんか用があるって言ってなかったか?」

ダンテ「今回のお客さんの目的が禁書目録のおチビちゃんだ」


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:03:47.64 ID:B5ACLTPv0

上条「なっ!?」

ダンテ「思い当たる節はたくさんあるだろぅ??なあ、禁書目録のおチビちゃん。」ニヤニヤ

ダンテ「なんせフォルトゥナの魔導書もたんまりその頭に入ってるしなぁ」ニヤニヤ
ダンテ「原典は俺が片っ端から処分したから、もうそのプリティな頭の中にしか存在しないわけよ」

禁書「フォルトゥナの術式はどれも、世界中の魔術師を集めても、魔力が全然足りなくて発動しないようなのばかりだけど…」

上条「今回の敵は人間じゃなくて悪魔…か…なあ、その狙ってる連中って結構ヤバイ奴らなのか?」

ダンテ「ああ。魔帝ムンドゥスの部下どもだ」

上条「まてい…?」

禁書「ムムムムムムンドゥス!!!?」


99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:05:04.36 ID:B5ACLTPv0

上条「なんなんだその『むんどす』って?」

禁書「魔帝ムンドゥス!!魔界の神であり王!!かつて人間界を滅ぼそうとした張本人なんだよ!!」

上条「うぉっ!!待てよ!!なんでそんなやべえ奴がインデックスを狙ってんだ!?」

禁書「というかダンテ!あなたが10年前に魔帝ムンドゥスを封印したはずじゃ!?」

ダンテ「ああ。まだ封印されてるぜ」
ダンテ「だから、その封印を解く為に部下がおチビちゃんを狙ってるわけだ」

禁書「確かに…私の頭の中にはかつてスパーダが使用した封印の術式が…」

ダンテ「そいつを解析して封印を解くつもりなんだろう」
ダンテ「まあムンドゥスのことだ。復活したらすぐにまた人間界侵攻するだろうよ」

上条「やべえじゃねえか!!」

ダンテ「もう一回俺が封印してやるってのもいいが、確実じゃねえぜ」
ダンテ「俺だって死にかけのギリギリでやっとできたんだからな」

上条「…インデックスを守るのが一番ということか…」


102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:06:48.21 ID:B5ACLTPv0

上条「つまり、ダンテさんはその悪魔達からインデックスを守りに来たのか?」

ダンテ「んん、まあそんなところかな」

上条「おお!そいつは頼もしいぜ!!」

禁書「ちょっと…確認していい?」

ダンテ「ああ?」

禁書「その背中の箱に入ってるのは魔剣『リベリオン』だよね?」

ダンテ「まあな」

禁書「あの、それでね…今回、ムンドゥスということは…魔剣『スパーダ』も使う気なのかな?」

上条「…?」

ダンテ「…復活しちまった場合な」

禁書「そ、そっか…」


103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:07:47.00 ID:B5ACLTPv0

上条「なんだ魔剣『スパーダ』って?」

禁書「とうま。絶対に復活阻止しなくちゃダメなんだよ!もし『スパーダ』を使うことになったら…」

上条「?そんなやべえ代物なのか?」

ダンテ「まあな」

禁書「前回のダンテが封印した時の場所はマレット島っていう島なんだけど…」

上条「?」

禁書「その島は魔剣『スパーダ』の力の余波で最終的に崩壊して消滅しちゃったの」

上条「!!」


105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:09:03.29 ID:B5ACLTPv0

―――

同時刻
イギリス、ロンドンのバッキンガム宮殿のとある一室

この重苦しい空気漂う一室にイギリスの心臓部たるトップの者達が集っていた。
イギリス女王エリザード、
騎士派のトップ騎士団長(ナイトリーダー)、
イギリス清教のトップ最大主教の代理の神裂火織とステイル=マグヌス、

そしてこの重苦しい空気の原因を土産に持ってきたゲスト、『トリッシュ』。

外からは工事の音が聞こえる。
クーデターで破壊された部分の修復作業がはじまっていた。



神裂「そ、その…つまり、魔帝軍を止めないと再びムンドゥスが復活するということですね?」

トリッシュ「そう」


109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:11:06.17 ID:B5ACLTPv0

エリザード女王「ムンドゥス復活は持っての他」
エリザード女王「なんとしてでも禁書目録を守らねばならぬな」

トリッシュ「そゆこと」
トリッシュ「あなたたちは禁書目録を確保したらあとはこっちに任せて」

騎士団長「大丈夫なのか?」

トリッシュ「私とダンテがいればどうにかなるわよ」
トリッシュ「それにフォルトゥナのネロも上手くいけば増援に加わるし」

神裂「ネロさん…も…」

神裂とステイルは、ダンテ、ネロ、そしてこのトリッシュに面識がある。
数年前、フォルトゥナの術式をインデックスに記録する時にこの三人が同席していたのである。


111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:14:17.75 ID:B5ACLTPv0

※少し本筋から逸れるけど許して。
ねーちんとネロたちの出会いが書きたい。

〜〜〜〜〜〜数年前〜〜〜〜〜〜〜〜



伝説の魔剣士スパーダの物語。

悪魔でありながら、魔界を裏切り人間の為に戦い、そして救った英雄。

しかしスパーダ本人はその名や武勇伝が後世に残ることを由としなかった。
その為もあってか、いつしか事実は物語となり、数ある伝説となりの一つとなり人々の記憶から薄れていった。

天草式、必要悪の教会という裏世界に属している神裂すらスパーダの神話の神話は知らなかった。

しかしある時、人づてに『閻魔刀』の話を聞く。
全ての空間と次元を切断し、人と魔を分かつ、史上最強の刀。
その刃は神すら切り捨てると言われている刀。

その話に興味を持ち、神裂は必要悪の教会の蔵書を漁った。
そしてフォルトゥナという小さな城塞都市の教典を見つけた。
その中にスパーダの伝説と『閻魔刀』の事が書いてあった。


114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:22:56.73 ID:B5ACLTPv0

神裂はうすうす予想はついていたものの、その記述を見て落胆する。

『閻魔刀』とはスパーダが所有していた魔剣の一つ。
そこまでは問題ない。

だがこの大戦争の事は見ても眉唾だ。

そんな大規模な動乱があったのなら、世界中の書物になにかしら残ってない方がおかしい。
となると『閻魔刀』の存在自体も怪しい。

もし本当に存在したとしても、実際に見つけるのは不可能。
完全に失われたか、どこか人知れず厳重に封印されているだろう。
本物の聖杯を探し出すくらい困難なことだ。

その考えに行き着き、神裂の『閻魔刀』探求は終了した。

しかしその後しばらくした時、思わぬ形で再び『閻魔刀』の探究心に火がつく。

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:25:46.12 ID:B5ACLTPv0

ある時、神裂とステイルはインデックスの護衛としてフォルトゥナへ向かうことを命じられた。
フォルトゥナの魔導書をインデックスに記録する為だ。

『悪魔狩り』を生業とする魔剣教団の本拠地、フォルトゥナ。
かつて一時期スパーダが治めていたという城塞都市国家。

とある事件以前までははほとんど外界と接触を持たず、必要悪の教会ですらその実態をほとんど把握していなかった
魔術サイドの闇の最深部。

いや、魔術サイドというよりも、『悪魔サイド』という独立した勢力として表現したほうが正しいのかもしれない。

そのフォルトゥナの鉄壁ベールを剥す事件が、神裂達が行く一年前に起こった。

最大主教の話によると、魔剣教団の上層部が神を作り出す事を目論んだという。
それに使われたのがスパーダの血と魔剣『スパーダ』、そして『閻魔刀』。
それをスパーダの血族が防いだとの事だった。


119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:27:43.25 ID:B5ACLTPv0

この事件を機に、フォルトゥナはいくらかオープンになり、
外界の各魔術機関とも盛んに交流する様になった。

そしてこの事件は魔術サイド全体を震撼させた。
(とはいえこのフォルトゥナの動乱を知っている者は魔術サイドの中でも極一部なのだが)

神を作るというのもかなりの事だが、それ以上に驚かせたのはかのスパーダの神話が事実だったという事だった。


そして神裂は打ち震えた。

『閻魔刀』が実在した。
しかもつい最近フォルトゥナで使用された。

インデックス護衛という任務があるにもかかわらず、まるで観光にでも行くかのように神裂は嬉々としてイギリスを旅立った。


120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:29:01.43 ID:B5ACLTPv0

復興作業が続くフォルトゥナに降り立った神裂達がまず驚いたのは、
街の中心にそそり立つ巨大な黒い石版だ。

綺麗に斜め一閃で切断されており、
切り落とされた上半分が傍に横たわっている。
切断される前は高さ200mはあっただろうか。

案内のフォルトゥナの者曰く、あれは聖碑、地獄門、と呼ばれるもので、魔界への扉だったらしい。
先の事件でスパーダの血族の者が『閻魔刀』を用いて切断したとのことだ。
材質は未知の物質で、その硬度は鋼鉄を遥かに凌ぐため、撤去作業ができず事件当時からあのままだという。

神裂はその光景に息を呑んだ。

どうやって刀で切断したのか想像がつかない。
もしかして『閻魔刀』とはとてつもなく巨大な物なのかもしれない。
刀とは名前だけで、実際は全く違う武器かもしれない。


122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:31:04.40 ID:B5ACLTPv0

思いを巡らしてるうちに、とある聖堂へ案内された。
魔導書の記録は翌日に予定されていたが、どうやら同席する者が急かした為このまますぐに行われるとの事だった。

位の高そうな者に謝罪されたが、神裂は快諾した。
先に用件を済ませて、フォルトゥナ城等スパーダゆかりの場所を巡りたかったのである。
ステイルに 君はわかってるのかい?これは任務だぞ と注意され表情を引き締めたが、胸の高鳴りは収まらなかった。

聖堂はかつて歌劇場として使われていたらしい。
中央に台座があり、その周りを半円状に長椅子が何重にも置かれていた。

彫刻が施された何本もの柱、200人ほど収容できる広さ、そして天井は高く中央の部分にはステンドグラス。
そこから外の光が真っ直ぐに台座に降り注いでいる。
この建物自体が芸術品だ。


123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:32:28.40 ID:B5ACLTPv0

だが良く見ると、柱の上の方が欠けたりしている。
そしてかの事件でここも戦いの場になったらしい。

神裂は一目見てそれが剣によるものだとわかる。

台座の奥は妙にガランとしていた。
恐らく何かの彫像が置いてあったのだろうが、戦闘で傷がつき撤去でもされたのだろう。

神裂は屋内を見渡す。
すると、余りにも場違いな服装をしている二人を見つけた。
神裂も人の事を言えないのだが。


124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:33:43.90 ID:B5ACLTPv0

周りの物が質素な服を着、頭にフードをかけているので尚更その二人が目立つ。

一人は20代後半あたりの金髪の妖艶な女性。

女の神裂ですら照れてしまうほど美しい。
台座の近くにある手すりに座って足をプラプラさせている。
黒のチューブトップとタイトな皮のパンツがよりいっそうその官能的なオーラを引き立てている。


そしてもう一人は恐らく30代後半の、赤いコートの銀髪の男。

長いすにだらしなく寝そべっている。
良く見ればかなり端正な顔立ちだ。
腰には巨大な拳銃。
そして一際異彩を放つのは傍に立てかけられた銀色の不気味な大剣。


126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:38:33.35 ID:B5ACLTPv0

ステイルもその二人を見つけたのか、なにやら怪訝な表情をしている。

インデックスはそんな二人を気にすることも無く先ほど 小腹がすいていましたらどうぞ と差し出された料理を貪っていた。

そんなインデックスを見て、
あの金髪の女性とは正反対の清らかな美しさの、
その料理を持ってきたキリエと呼ばれる女性が苦笑いをしていた。

その時、神裂と長いすに寝そべっていた銀髪の赤いコートの男の目があった。


131 名前:さるさん激怒してる[]:2010/02/27(土) 22:46:48.72 ID:B5ACLTPv0

銀髪の男は神裂を見るや、むくりと起き上がった。
そして神裂の全身を舐めるように眺める。
その男の視線に気付き、近くの手すりに座っていた金髪の女性もこっちを見る。

神裂「(…?)」

銀髪の男は立ち上がると、傍に立てかけてあった銀色の大剣を背中にかけ、つかつかと向かってきた。
金髪の女も続く。

さっきから奇妙な感覚がある。
あの男と目があった時からだ。

妙に落ち着かない。
体の奥底がザワザワする。

ステイルも同じだったようだ。
ジッと近づいてくる奇妙な二人を睨む。

そしてその二人は神裂達の目の前に来る。

後ろで料理を貪っていたインデックスがその二人を見てピタっと動きを止める。
良く見ると手が小刻みに震えている。


132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:48:11.50 ID:B5ACLTPv0

「あなた達がイギリス清教の?」

金髪の女が口を開く。

神裂「は、はい」

「で、禁書目録はその子?」

金髪の女がインデックスを指差す。

ステイル「そうだが。あなた達は?フォルトゥナの方には見えないが」
ステイル本人は隠しているつもりだろうが、警戒心を抱いているのは見え見えだった。

「あ〜、助っ人ってところかしらね」

助っ人。
良く意味がわからない。
神裂がそれを聞き返そうか迷っていると、銀髪の男が口を開いた。

「ほぉ…あと三年…いやあと五年すりゃかなりホットになるぜお嬢ちゃん」
神裂をジロジロ見ながら意味不明な事を喋る。

神裂「…は?」


138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:51:18.41 ID:B5ACLTPv0

「あっちが禁書目録ってことはお嬢ちゃんとそっちの坊やは護衛ってとこか?」

銀髪の男は神裂の七天七刀を見ながら言葉を続ける。

神裂の横でなにやらチリッと音がした。
坊やと呼ばれステイルがイラついたのがわかる。
まあ実際に少年なのだが。

神裂「…はい」

「禁書目録ねえ…女ってのは聞いてたがこんなに若いとはねえ」

銀髪の男はインデックスに目を移す。

「へえ…こっちも将来が楽しみだな。いい女になるぜ」

その言葉を聞いて耐えかねたステイルが口を開く。

ステイル「おい!あんたさっきから何なんだ?!」

横から金髪の女性が銀髪の男に言う。

「あなた少しだまってなさいよ」

銀髪の男は苦笑いしながら両手を挙げ、へいへい という仕草でそれに答えた。


141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:53:21.06 ID:B5ACLTPv0

その時、聖堂のドアが勢い良く開き、一人の若い男が飛び込んできた。
目の前の二人ほどでは無いものの、その男も奇抜な姿をしていた。

青いコートに銀髪。

神裂達はその男の右手を見て驚いた。

異形の右手。
赤い甲羅のようなもので覆われ、その甲羅と甲羅の隙間が青白くぼんやりと光っていた。


143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:55:07.18 ID:B5ACLTPv0

キリエ「ネロ!」

インデックスに食事を出してくれたキリエと呼ばれていた女性が、その若い男のであろう名を呼んだ。

ネロ「悪い遅れた!って明日の予定じゃなかったのか?」
近くにいたフォルトゥナの者が事情を説明する。

その説明を聞くやいなや、ダンテの方を睨む。

ネロ「またあんたかよ」

ダンテへ声を投げかける。

ダンテ「いいじゃねえか。さっさと終わらせて帰りてえんだよ。今のこの街は退屈すぎてどうにかなっちまいそうだぜ」

ネロ「あんたがそう感じるならこっちとしては嬉しいね」

つかつかとネロが神裂とダンテ達のところへ歩いてくる。
なぜか近づいて来るにつれ右手の輝きが増す。

ネロ「で、あんた達がイギリス清教のか?」

神裂「は、はい」


144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:56:49.64 ID:B5ACLTPv0

それぞれが自己紹介を済ませる。

ネロ「それにしても三人とも随分と若いな」

ダンテ「だろ、その赤毛の坊やなんて昔のお前にそっくりじゃねえか。生意気そうな目つきとかよ」

ステイルが再びムッとする。
ネロはそのダンテの言葉をフンっと鼻で笑って流す。

トリッシュ「じゃ、役者がそろったことだし、早速はじめましょ」

その声を聞き、フードを被ったフォルトゥナの者達が魔導書を持って来て台座の上に乗せる。
その数は10冊。

ネロ「じゃあ皆出てくれ」
ネロが周囲の者達に外に出るよう促す。

神裂は少し困惑する。
大抵、魔導書を記録する時は厳かにやるものだ。
周囲に結界を何重にも張り、同席するものはそれ相応の霊装を着たりする。

だがここには結界が張られている気配も全く無いし、
神裂も人の事は言えないがこの目の前の三人の服装もおかしい。
そして何よりもこの三人には全く緊張感が無い。
ダンテにいたってはあくびして背伸びをしている。

神裂「(…舐めてるんでしょうかこの人たちは…)」


148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 22:59:28.46 ID:B5ACLTPv0

トリッシュが台座に向かい、なにやら魔導書を二つに分けている。
そして三冊積みあがった方にポンと手を載せ、

トリッシュ「こっちは記録しなくていい方ね」
と言った。

神裂は疑問に思った。
記録しないならなぜここに持ってくる?
そしてそれに返答したダンテの言葉は信じられないものだった。

ダンテ「今ぶっ壊せばいいのか?」

トリッシュ「やりたいならどうぞ」

魔導書を『ぶっ壊す』? ありえない。

魔導書とはただの本ではない。
それそのものが魔法陣と化しており、干渉を一切受け付けない。
しかもあれは原典だ。
たとえ傷をつけられたとしてもすぐに自己修復し、強力な迎撃術式が作動する。

どれだけ手を尽くしても封印するのが精一杯だ。
壊すなんて困難極まりない。

インデックスとステイルもそのやりとりに驚愕している。
神裂「(…何を言っているんでしょうかこの方達は…)」

いよいよ心配になってくる。


150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:00:41.36 ID:B5ACLTPv0

だが唖然としている三人を尻目に、トリッシュは三冊の魔導書をダンテに向かって適当に放り投げた。

インデックス「ね、ねぇ!!ちょ、ちょっと!!!」

耐えかねたインデックスが声を上げる。

インデックス「こ、壊すってどういうこと?」

ダンテ「その言葉のまんまだ」
そう返しながら床に落ちている三冊の魔導書を拾い積み上げる。

インデックス「む、無理じゃないかな?!」

ダンテ「まあ見てろって」
そういうとダンテは背中の大剣に手をかけ、

イェァァァ!!!

掛け声と同時に、積みあがっている魔導書目がけて一気に振り下ろした。

ゾン!!!っと三冊の魔導書が両断された。

バラッと切断された魔導書が無残にも散らばる。
そしてすぐに眩く燃え始め、5秒もたたずにしおしおと小さくなり跡形も無く消えた。


153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:03:56.26 ID:B5ACLTPv0

ダンテ「あん?なんだ。やけにしょぼいな」

イギリス清教の三人はあまりの光景に口が塞がらなかった。
目の前の男は魔導書の原典をいとも簡単に破壊してしまったのである。

ダンテ「おいトリッシュ。反撃なんかしてこねえぞこれ」

トリッシュ「あんたが強くやりすぎたんでしょ」
トリッシュ「少しくらい加減しなさいよ。本よそれ」

インデックス「そ、そんな…」

インデックスにはわかる。
決して魔導書が弱かったのではない。
むしろあの三冊は魔導書の中でもトップクラスの力を持っていたはずだ。

目の前の男には特に魔術を使った形跡も無い。
つまり腕力のみで破壊した。
力ずくでねじ伏せたのだ。

ありえない。

ここで神裂は先ほどダンテとトリッシュの姿を見た時に感じた違和感を思い出した。

まさか―――人間じゃない?


155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:06:23.50 ID:B5ACLTPv0

ダンテ「…なあ…帰って良いか?」

トリッシュ「うるさいわねすこし我慢しなさいよガキじゃあるまいし」

ネロ「さっさとやっちまおうぜ」

ネロはそう言い、インデックスに台座のところへ来るよう手で合図した。

ステイル「…質問は後にしとこう…済ませてきてくれ」

インデックス「…わかったんだよ」

ふらふらとインデックスが台座へ向かう。
ステイルと神裂は魔導書の中身が目に入らないよう、後ろに下がる。

トリッシュ「じゃあ最初はこれね」
ポンっとインデックスの前に一冊目を置く。

インデックスは首をかしげながらトリッシュの顔を見る。

トリッシュ「?どうしたの?はじめていいわよ?」


157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:08:03.09 ID:B5ACLTPv0

インデックス「…結界は?それとここにいるとあなた達も危ないかもなんだよ」

トリッシュ「心配ないわ」

インデックス「…一つ聞いて良い?」

トリッシュ「なあに?」

インデックス「あなた達、人間じゃないよね。悪魔?」

その言葉を聞いてネロはばつが悪そうに頭を軽く掻いた。
ダンテはニヤリと軽く笑った。

トリッシュ「そうよ。だから大丈夫」

すんなりとトリッシュは答えた。

インデックスは軽く頷き、魔導書の記録作業をはじめた。
15m程後ろではそのやりとりを聞いていた二人が呆然としていた。


158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:10:53.01 ID:B5ACLTPv0

―――

神裂はベッドに寝転がっていた。
魔導書の記録作業で疲れたのか、となりのベッドにいるインデックスは既に寝息をたてていた。

二人は今フォルトゥナ側が用意してくれた部屋にいる。
かつての騎士の寮であったらしい。
彼女達が泊まっているのは位の高い騎士専用の部屋であり、壁に見事な彫刻が施されている。

天井を見上げながら、ふーっと神裂は息を吐く。

色々ありすぎた。
『閻魔刀』の力の跡。
魔導書の破壊。
そして本物の悪魔に会うとは。

神裂の想像していた悪魔像とはかけ離れていた。
もっと異形の姿だと思っていた。

だがあの三人の姿はどう見ても人間だった。
ネロは右手が明らかに異形だったが、それ以外の部分や仕草等をみれば一番人間らしい。

トリッシュ曰く、神裂の悪魔像は当たっており、おかしいのはこの三人の方だと言っていた。

神裂「(なんか…私も疲れた…)」

睡魔が襲う。
そのまま身を委ね、まどろみの中へ落ちていった。


161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:13:10.15 ID:B5ACLTPv0

翌日、神裂ら一行はフォルトゥナの街を散策していた。

案内ということでネロが同行してくれている。
トリッシュもいつの間にかやってきて一緒に行動している。
だがダンテの姿がなかった。

トリッシュ曰く、仕事が入ったから嬉々として夜のうちにフォルトゥナを離れたとのことだった。

神裂「仕事…ですか?」

トリッシュ「『悪魔狩り』よ」

悪魔が悪魔を狩る。
一瞬奇妙に思ったが、よくよく考えれば人間の世界でも賞金稼ぎという職業がある。
特に突っ込まなかった。

一人で納得していると、トリッシュがいきなり別の話題を出してきた。

トリッシュ「あなた、聖人でしょ?」

神裂「…!?そ、そうですけど…なんでわかったんですか?」

トリッシュ「匂いよ」

神裂は一瞬ドキッとする。
理由がどうあれ、女の子としては匂いがどうこうの言われるのはやっぱりちょっと居心地が悪い。


164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:16:49.00 ID:B5ACLTPv0

トリッシュ「ネロ。やっぱりこの子聖人みたいよ」

ネロは特に興味なさそうに へえ と返す。

トリッシュ「ほら、この子も刀使うみたいよ」
トリッシュが神裂の腰にある七天七刀を指差す。

『この子も』
そこに神裂はピンときた。
ネロも刀を使うのか。

どんな刀を使ってるのか。
悪魔の剣術はどんなものなのか。
悪魔の体で繰り出される技はどんなものなのか。

神裂の中に一気に一人の剣士としての興味が湧いた。

一度、手合わせしてみたい。

神裂「あの…」

ネロ「?」

神裂「一度、お手合わせを…」
恐る恐る頼んでみる。


165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:18:40.39 ID:B5ACLTPv0

ネロ「…あ〜…」

ネロは困惑する。
神裂は非常に長い刀を持っている。
その何気ない身のこなしからも結構な使い手だというのがわかる。

だが年端も行かない女の子と刃を交わらせるのはやはり気が引ける。

ダンテなら相手が女だろうがなんだろうが速攻OKをだしているだろう。

トリッシュ「いいじゃないの?少しぐらい。楽しい旅行の思い出作ってあげなさいよ」

その旅行という言葉を聞いてステイルがムッとする。
任務だ!と叫びたそうにうずうずしていた。

ネロ「…しょうがねえな。わかったよ。少しだけな」


169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:24:11.69 ID:B5ACLTPv0

一行は場所をかつての騎士の修練場に移した。

ネロの左手には剣身が銀、柄が赤の大剣。

神裂は少し落胆した。
どんな名刀が出てくるのか期待していたのである。
あの剣はどう見ても刀ではない。

それを察してか、トリッシュが20m程離れた場所から口を挟む。

トリッシュ「それでやるの?!あっちは使わないの!?」

ネロ「バカいってんじゃねーよ!使える訳ねーだろ!」

神裂は少しムッとする。
どうやら刀を使っているのは本当らしい。
だが神裂程度ではそれを使うレベルではないということだ。

神裂「(舐められたものです)」

神裂「(上等というものです。使わせてみせます)」

彼女は一気にネロへ向かっていった。

172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:29:03.24 ID:B5ACLTPv0

>>170すまんキングクリムゾン

だがあまりにもあっさりと試合は終わった。

手合わせを始めて幾羽も無く、彼女の膝が地に着いた。

鍛錬に鍛錬を積み重ねた彼女の神速の刃は、全て軽くいなされかわされた。

そして彼女の七天七刀が。

あの火を噴く大剣に弾かれ宙を舞った。

そしてネロは無防備となった彼女の喉に刃を突きつけた。

レベルが違っていた。

確かに神裂は自分が最強だとは思っていない。

しかし聖人だ。
そして修練を積み重ねてきたプライドもある。
一対一の勝負は誰にも負けない自信があった。

だが圧倒的な力の差を証明された。


174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:32:08.11 ID:B5ACLTPv0

スピード、パワーもさることながら、何よりも異常だったのは反射神経だ。
目に見えない死角の攻撃すらまるでダンスでもしてるかのように華麗にかわす。

今まで真っ向勝負でここまで圧倒的に敗北した経験は無かった。

これが人間と悪魔の壁かと実感した。

厳密に言えば人間と悪魔の壁と言うよりはネロが特別なのだが。
実際神裂レベルならそこらの下等悪魔は簡単にあしらえるし、
かなり上位の高等悪魔とも充分戦える。

だがそんなことを露とも知らず、
神裂は初めての完璧な敗北感を味わいその場にうな垂れた。

その様子を見かねてネロが口を開いた。

ネロ「…わぁったよ。見せてやるよ『閻魔刀』」

神裂「…は?」


176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:33:49.17 ID:B5ACLTPv0

一瞬自分の耳を疑った。

『閻魔刀』

そう聞こえた。

神裂「…え?や、『閻魔刀』…ですか!?」

ネロ「ああ」
突然ネロの右手が光だした。

神裂「ほほほほほ本当ですか!!?あああの『閻魔刀』ですか!!?」

ネロ「?俺の知ってる『閻魔刀』はこれだけだぜ」
ズゥッ!とネロの右手から黒い鞘の刀がいきなり生えてきた。

神裂「そそそそそそそ…それが…!!!」

遠くから見ていたインデックスも硬直する。
一見するとやや長めの普通の刀だ。
だが少女はその刀が桁違いの代物だいうことがわかった。

まず人間界ではありえない程の存在だ。

インデックス「あれ…本物の…魔剣『閻魔刀』…!!!」


177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:36:13.13 ID:B5ACLTPv0

驚いてるのか怖がっているのか嬉しがっているのかわからない顔で神裂がとにかくバタバタする。

ネロ「そこから動くなよ」

ズウッとネロの目が赤く輝き始めた。

神裂「…え?」

次の瞬間、キン!!!と甲高い音が辺りに響いた。
神裂の目の前の空間に斜めの一筋の光の線。
そしてその線を境に上の風景がズズッと斜めにずりおちた。

神裂「…へ?」

ネロが『閻魔刀』で神裂の前の空間を切断したのである。
その後しばらくしてスウッとずれた風景が元に戻る。

神裂「…い、今のって…!?」

ネロ「こんなところだ」
『閻魔刀』が出てきたと時とは逆に右手にスウッと沈んでいった。


180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:40:57.02 ID:B5ACLTPv0

神裂はなぜネロが刀を使わなかったのかが分かった。

『閻魔刀』は余りにも力が高すぎるのである。

それも当然。
『閻魔刀』とは魔剣の中でも頂点の三本のうちの一つなのだから。

とてもじゃないが試合で使える代物ではない。
あんなのが使われていたら一瞬で神裂の体が真っ二つになっていただろう。



ネロ「でもあんたも強いぜ」
ネロ「あんたと同じくらいの頃の俺には勝ってるよ」

神裂「そ、そうですか?」

ネロ「あんたはもっと強くなる。機会があったらいつかもう一戦やろうぜ」

神裂「…ッ!はい!!!」


182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:44:47.85 ID:B5ACLTPv0

ネロとふらふらとしている神裂はギャラリーの三人と合流した。

ステイル「つ、つまり…あの地獄門を切り落としたのは…」

ネロは否定した。
一瞬喋って良いのかと聞くかのようにトリッシュの顔を見て、そして言った。

ネロ「あれはダンテがやった」

ダンテ。
先の事件を解決した者はスパーダの血族。

つまりダンテはスパーダの血を引いている。

イギリス清教の三人は皆その答えにたどり着いた。


185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:46:59.57 ID:B5ACLTPv0

―――その日の夜―――

前日は衝撃の連続だったが、
今日はそれ以上だった。

ベッドの上で昨日と同じように息を吐く。
インデックスもまだ起きている。

日中の興奮がまだ冷めぬのか、もぞもぞとしきりに体を動かしている。

あの後トリッシュは 一応記録としてちゃんと残しておいたほうがいいかもね と、
ダンテの武勇伝をおおまかにインデックスらに聞かせた。

伝説の魔剣士スパーダの実の息子であること、母親が人間であること、

そしてダンテ自身が最強の存在として伝説になりつつあるということ。

そしてあの銀色の大剣は魔剣『リベリオン』。
『閻魔刀』と並ぶ、最強の剣の一つ。

あのふざけた調子の男がそんな英雄とは到底思えないが、
現に目の前で簡単に魔導書を破壊したのである。

直にその力の片鱗を目撃している。
信じる信じない以前の話だ。


186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:49:45.65 ID:B5ACLTPv0

>>183すまん、説明入れるの忘れた。
※この話の時期は数年前と言うことで、神裂はまだ唯閃すら会得していない未熟な頃

トリッシュは最後に付け加えた。
ダンテ自身は称えられるのをとにかく煙たがるから、この話は記録するだけにして。
ダンテが死んだら、その時は任せるわ。公開するもそのまましまっておくのも好きにして と。

三人はあの男が死ぬ状況など全く想像がつかなかったが。


その話が終わった時、インデックスが聞いた。

ネロ。あなたもじゃないの?と。

神裂とステイルはその質問の意味がいまいち理解できなかった。

だがネロはそれがわかったらしく、
らしいな とそっけなく答えた。

それにトリッシュが付け加えた。
次の伝説の候補ね ダンテと同じくその事をあんまり前に出したがらないけど と。

それの言葉を聞いて神裂とステイルも理解した。

ネロもまたスパーダの血を引いていると。


193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:53:22.39 ID:B5ACLTPv0

神裂「なんか…おとぎの世界へ紛れ込んだ気分です…」
そうベッドの上で呟き、少し滑稽に思う。

神裂は聖人だ。
表の世界からすれば彼女もファンタジーの登場人物だが、
だが今日会ったあの人物達は本物の生きる伝説・神話だ。

インデックス「…うん…」
隣のベッドから小さな返事。

神裂「さ、寝ましょう。明日は早いですからね」

インデックス「うん」

明日の朝、フォルトゥナを発つ。
ステイルによると最大主教から至急帰還し報告しろとの命が下ったそうだ。

報告は建前で本当は土産話を早く聞きたいんだろうとステイルは言っていた。

神裂「おやすみなさい。インデックス」

インデックス「おやすみ。かおり」

―――

195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:56:17.71 ID:B5ACLTPv0

ちょっと休憩、一服する

次からは時間軸が現代へ戻ります

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/27(土) 23:59:35.32 ID:B5ACLTPv0

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
時間戻って現在
イギリス、ロンドンのバッキンガム宮殿のとある一室



トリッシュ「防衛戦はあなたたちに任せるわ」

エリザード女王「拒む理由は見当たらないな。」

エリザード女王「それに、どうやって嗅ぎ付けたのかは知らぬが、ついさっき学園都市側からも支援要請が届きおった」

騎士団長「それで、敵の兵力は?」

トリッシュ「たくさん、というところかしら」


202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:01:21.23 ID:05pn8HxA0

エリザード女王「ステイル、騎士団長。こちらが送れる兵力は?」

ステイル「必要悪の教会から即展開可能な戦闘要員は310名です。三日ほどお時間を下されば1200名程揃いますが…」

騎士団長「即展開可能な騎士は900名…ですが先日の件によって皆疲労がピークに達しています」

この部屋にいる、トリッシュを省く全員は先日のクーデター勃発時からほとんど一睡もしていない。

エリザード女王「むう…」

エリザード女王「迎撃はダンテに任す。我らは禁書目録の守備に徹する」

エリザード女王「神裂火織、ステイル=マグヌス」

エリザード女王「人選はそなたらに任す。強者のみを率いて少数精鋭で学園都市へゆけ」

ステイル&神裂「はっ」


205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:03:10.23 ID:05pn8HxA0

エリザード女王「騎士団長。騎士は派遣せぬ。国防と治安維持を継続させろ」
エリザード女王「今の状況、ローマ正教がどう動くかわからぬからな」

騎士団長「はっ」

エリザード女王「それでトリッシュとやら、先の話の限りでは、フォルトゥナからの増援は確実ではないように聞こえたが?」
エリザード女王「そのネロとやらはフォルトゥナの誇る最大戦力なのであろう?」

トリッシュ「あ〜その件なんだけどね」


206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:05:42.10 ID:05pn8HxA0

トリッシュ「三週間前に魔帝の手下に襲撃されたの」

ステイル「な…!?」

神裂「…?!」

トリッシュ「恋人が拉致されたりとか、かなり不利な状況だったんだけどなんとか撃退したみたい」
トリッシュ「それに相手も結構な奴よ。『ボルヴェルク』。聞いたことぐらいあるでしょ?※」

神裂「…確か、太古の神の一人が転生した悪魔ですよね?」

騎士団長「そうだ。それでムンドゥス配下の魔界の騎士になったと聞いたことがある」

ステイル「伝説級の存在だな…」

トリッシュ「そうそいつ」


※デビルメイクライ2に登場するボス。ダンテの好敵手として登場。
※高難易度だと下手するとラスボスより厄介
※wiki見てみると、実はオーディーンが悪魔に転生したというとんでもない奴。

207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:07:18.64 ID:05pn8HxA0

神裂「それで、ネロさんにケガとかは?」

トリッシュ「私は見てないけど、聞くところによるとほぼ無傷だって」

ステイル「なぜ魔帝軍は彼を狙ったんだ?」

トリッシュ「仇敵の血を絶つため」

神裂「…」

ステイル「…」

トリッシュ「その襲撃であの子ブチギレちゃってね、今はその『ボルヴェルク』を追っかけてるらしいの」

ステイル「つまり、その件が終わるまでは増援として学園都市には来れないということか?」

トリッシュ「そうね。その『ボルヴェルク』が学園都市に来る魔帝軍に加わってれば別だけど」

神裂「そういうことですか…」


209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:09:15.37 ID:05pn8HxA0

―――

各々が自分のやるべき事を再確認し、それぞれが席を立ち部屋から出て行く。

神裂「私は天草式を率いていきます。」

ステイル「大丈夫なのかい?彼らは特に疲労が積もってると思うが?」

神裂「私の『部下』にそんな軟弱者はいません。それに…また私だけ勝手に行ったら皆に怒られそうですし…」

ステイル「ふふ。なら良いな。君との相乗効果でかなりの戦力にもなるしね。」

ステイル「僕はシェリーを連れて行こう。彼女、先日の自分の不甲斐無さですごく不機嫌だしね。」
ステイル「あの鬱憤を晴らしてあげないとその内暴れだしそうだ。」

その時、彼らに後ろから声がかかる。


211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:10:20.56 ID:05pn8HxA0

トリッシュ「ちょっといいかしら?赤毛君」

ステイル「?(もしかして僕の事か?)」


トリッシュ「あなたに渡したい物があるの」


ステイルと神裂は小さな一室へ案内された。
バッキンガム宮殿内の、トリッシュの滞在の為に用意された部屋。

無造作に脱ぎ捨てた衣服やら過激な下着。

目のやり場に困っている二人の未成年を気にすることも無く、
トリッシュはどこからか身長ほどもある大きなバッグを運び出してきた。


212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:11:35.93 ID:05pn8HxA0

トリッシュ「よっ」

ガチャンッ!!とテーブルに置かれたバッグが大きな音を立てる。
そのバッグについているいくつもの拘束具を乱暴に外していき、ガチャガチャと中を漁りはじめた。

神裂とステイルは一目見て分かった。
その拘束具一つ一つにとんでもない術式と恐ろしい程の魔力が込められていると。
このバッグの中身はきっととてつもない代物だと。

トリッシュ「あったあった」

トリッシュはお目当ての物を取り出し、ゴドンッとテーブルの上にそれを置く。

「こ、これは…?!」

不気味な光沢を放つ、赤と黒の恐らく金属製の巨大な『篭手』。
その一品を目の当たりにした二人の魔術師の体を形容し難い戦慄が走る。

トリッシュ「『イフリート』よ」


215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:12:48.26 ID:05pn8HxA0

『イフリート』。

地獄の業火の番人にして魔界最高位に属する伝説級の大悪魔。
ステイルら炎使いの魔術師にとって神とも呼べる存在。

ステイル「こ、これを…ぼ、僕に…!?」

トリッシュ「あげるわけじゃないわよ。レンタル。事が終わったら請求するからね。」

ステイル「おお…おぉぉお!!おおおぉおおおお!!!」

神裂「これが『イフリート』…一体どんな術式を組めばここまでの霊装を作れるんでしょうかね…」

神裂が独り言の様に呟くと

イフリート『我を人間共の小細工と並べる気か?小娘』

神裂「」

トリッシュ「霊装じゃないわよ」

神裂「しゃ…しゃしゃしゃ…!!!しゃべべべべった!!?」

トリッシュ「本物よ。本物の悪魔の『イフリート』。」


219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:15:54.59 ID:05pn8HxA0

トリッシュ「太古の昔にどっかの誰かがイフリートを篭手にしちゃって封印したのよ。」
トリッシュ「それで10年前にダンテが封印を解いて契約の儀を行って使役、今はアイツの使い魔よ。」

神裂「は…はあ 契約の儀…使い魔…?」

トリッシュ「そう、地獄の業火で『魂』ごと焼かれて、それを耐えたら合格。」
トリッシュ「まっ人間なら一瞬で蒸発ね」

ステイル「…僕も…焼かれなきゃダメなのかい?」

トリッシュ「その心配は無いわよ。この子はアイツの命を受けてるから」
トリッシュ「代理使役のね」


223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:16:57.13 ID:05pn8HxA0

トリッシュ「『イフリート』を装備すれば聖人並の体になるし、魔術の力も爆発的にあがるわ」

ステイル「おおお!!早速使用の為の術式を組まねば!!」

トリッシュ「でも気をつけなさい。」

ステイル「…?」

トリッシュ「ちょっと気を緩めれば『喰われる』わよ」
トリッシュ「もともと人間には到底扱えない存在なんだし」

トリッシュ「というか、半々の確率で死ぬわよ」

ステイル「…」

トリッシュ「できれば使わないでね」
トリッシュ「もうどうにもならないって場合の時だけにして」

トリッシュ「それと聖人のサムライガール、あなたにはこれ」ッス


226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:18:31.28 ID:05pn8HxA0

神裂「これは…?」

それはおぞましいほどの苦悶の顔が刻まれている紫色の水晶のような物。

トリッシュ「『パープルオーブ』よ。悪魔の力が結晶化した物。」

神裂「ぱーぷるおーぶ?」

トリッシュ「使いたい時に肌に当てれば自然に溶け込んでいくわ」
トリッシュ「あなたはもうある程度完成されてるし、あとは全体的な力の底上げって事で」
トリッシュ「それを使えば一時的にネロくらいの強さになれるかもね」

神裂「!!!」

トリッシュ「ただ、いわばドーピングだからそれなりに負担は大きいし、莫大な魔力の塊だからこれも油断すると『喰われる』わよ」

神裂「は、はい!!」

トリッシュ「大事に使うのよ。私ですらそんなに持ってない希少な物なんだから」


229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:21:03.16 ID:05pn8HxA0

トリッシュ「あ〜あとこれ」
トリッシュは黒い石のようなものをステイルに手渡してきた。

トリッシュ「学園都市に着いてからは私と別行動だから、なんかあればこれで連絡して」

ステイル「連絡?霊装か?」

トリッシュ「いいえ。魔界の念話する虫の一種を固めたものよ」
トリッシュ「握って私を呼べば繋がるから」

神裂「む…む…ッ!」

ステイル「…虫…」

神裂「ス、ステイル、あなたが持っててください!」

ステイル「…虫…ね」

―――

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:24:31.21 ID:05pn8HxA0

―――

学園都市 窓の無いビル

土御門「…さすがのお前でも今回はプランとやらにねじ込む余裕は無いだろう」

アレイスター「利用できる部分は全て使わせてもらうつもりだよ」

土御門「それ、俺からしてみれば、大勢の命を賭けたギャンブルに聞こえるぜよ」

アレイスター「あながち間違ってはいないな」

土御門「チッ …で、今回はこっちも全力でやるんだろう?」
土御門「悪魔相手じゃ通常兵器は全く役に立たない」

アレイスター「うむ」

土御門「ということは能力者が主戦力だな」

アレイスター「当然だ。レベル5を筆頭に、あらゆる戦力を使う。もちろん君らもだ。準備して指示を待て」


234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:26:19.36 ID:05pn8HxA0

どこからとも無く現れたテレポーターの腕に掴まりながら呟く。

土御門「はあ…さすがの俺でもここ最近色々ありすぎて疲労度MAXだにゃー…」

アレイスター「ふむ、この件が終わったら君の休暇について検討してみよう」

土御門「一ヶ月くらい欲しいにゃー」

アレイスター「却下する 最大で2日だ」

サングラスをかけた金髪の少年はうな垂れたままテレポーターと共にどこかへ『飛んで』いった。


prrrr

「お呼びでしょうか?」

アレイスター「第一級警報( コードレッド)発令準備、そのまま待機だ。」

「!!?」

アレイスター「状態はデフコン2、市民のシェルター避難の準備もしておけ。」

アレイスター「命令があり次第即行動できる様にだ。」

「りょ、了解」ブツッ


236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:28:01.65 ID:05pn8HxA0

アレイスター「(さて…)」

アレイスター「(ヒューズ=カザキリ…確かに力は強大だが…)」
アレイスター「(それだけだな。彼らからするとただの愚鈍な的だ)」

―――

アレイスター「(エイワスは…万が一にでも倒されたら1000年は現出できぬかもしれん)」
アレイスター「(魔帝の復活となれば大悪魔達が集う。エイワスも倒されるかも知れぬしな)」

―――

アレイスター「(となるとやはり能力者でゆくべきか…)」

アレイスター「(レベル5の直接動かせる戦闘要員は第一位、第四位、第七位の三人)」
アレイスター「(第三位はゲコ太で誘導して、幻想殺しに『偶然』遭遇させれば後は勝手に戦列に加わるだろう)」

アレイスター「(やはり第二位の損失が響くな…強引に出撃させるか?)」
アレイスター「(いやあの体たらくだ。まともな戦いにすらならん)」

―――

アレイスター「(とはいえ魔術サイドは頼りない。)」

アレイスター「(やはり何か手を打たねばな)」


239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:30:13.67 ID:05pn8HxA0

アレイスター「(ふむ…第一位を…。)」

―――

アレイスター「(…埋め込んで…いやちがうな…そこに第二位の…いやむしろ…そしてミサカネットワークで…)」

―――

アレイスター「(これ…だな)」
アレイスター「(少々強引だがプランも短縮できる)」

アレイスター「(ふふ…この高ぶり…恐怖の裏返しか、それとも歓喜か…)」
アレイスター「(私もまだまだ人間だという事だな…ふふ…)」

アレイスター「(面白くなりそうだ)」

―――

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:32:44.59 ID:05pn8HxA0

―――

学園都市 第七区

「(はあーあたしとしたことが)」

「(まさかこんな重要な情報を見過ごしていたなんて…まだまだ甘いわね)」

「(でもちゃんと手に入れたし結果オーライね♪)」

少女の手にはとある店で先ほど購入したゲコ太の限定ストラップ。
彼女が察知できなかったのは当然だ。
なぜならつい10分前に発表、そして5分後に発売開始された品なのだから。

「あれ…?」


243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:34:52.89 ID:05pn8HxA0

ふと目を向けると、50m程離れた場所に見慣れた人影が。
特徴的なツンツン頭、レベル0でありながらレベル5の彼女の攻撃をことごとく退ける少年。

「(あ、あいつ…な、なんでこんな所にいるの!?)」

特に必要性が無いのに無駄に慌てる。

「(…連れがいるみたいね…?)」

少年の右側にはまたあの修道服を来た少女。
そして左側には巨大なギターケースを担いだ銀髪の大男。

「(…い、いや!連れがいても関係ないんだからね!!)」

「(よ…よし!!)」


245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:37:26.91 ID:05pn8HxA0

―――

上条「そうか…正に人類の危機ってやつだなこれは…」
上条「(いままで色々あったけど、今回が一番ヤバイ気がする…)」

ダンテ「…ところで、後ろのお嬢ちゃんは知り合いか?」

上条「?」

上条「ビ、ビリビリ!!?」

禁書「短髪!!?」

御坂「ビリビリゆーなぁ! 御坂美琴って名前がちゃんとあるのよ!!」

ダンテ「へえ…」ジー

御坂「な、なんですか?(というか誰?)」

ダンテ「…学園都市ってのは随分と上玉ぞろいだな」
ダンテ「今はまだノンヘアーだろうが、このお嬢ちゃんも10年後には最高にホットな女になるぜ」

上条「…ちょ…な、何をおっしゃってるんですか!!?」

御坂「な、なぁぁぁああぁ!?(す、少しくらいはあるわよ…!!!)」パリパリッ

ダンテ「(電気…?)」

禁書「?」


247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:38:44.22 ID:05pn8HxA0

御坂「ちょ、ちょっと!!何なのよこの人!?」


上条「あ…お、おー…」

上条「お、おじさん!インデックスの!」

禁書「ちgフガモガッ」

ダンテ「…」

ダンテ「ダンテだ。よろしく お嬢ちゃん」


250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:40:11.05 ID:05pn8HxA0

御坂「そ、そうなの?(変人の親族は同じく変人ね…)」

上条「御坂はなにしてんだ?」

御坂「よよよ、用事は終わったし、これから帰るところよ!」

上条「どうしたお前?なんか顔が赤いぞ?体調でも悪いのか?」ズイ

御坂「ちちちちちかかぁあちかっっ!!!!」パリパリパリッ

禁書「…」ジトー

上条「ちょちょちょ!放電するな!」

ダンテ「ほぉう…へぇ…」


251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:41:29.54 ID:05pn8HxA0

ダンテ「ちょっといいか? それ、思い浮かべただけで出るのか?」

御坂「?」パリッ

ダンテ「電気」

御坂「ん〜まあイメージすればね。他にも演算とかやんなきゃいけないことあるけど」

ダンテ「へえ…(悪魔のやり方に似てるな)」

上条「御坂はレベル5の第三位なんだぜ!通称レールガン!」

ダンテ「…それすごいのか?」

上条「あ〜っと、つまり学園都市第三位の実力者ってことだ!」

御坂「ま、まあね。そーなんだけど」

ダンテ「へえ…そいつはすげぇな…最高に痺れるじゃねえか」ニヤァ

禁書「とうま、猛獣の前にエサをちらつかすのはあぶないかも」

上条「ダ、ダンテさん?!なんですかその危険なオーラは!!?」

御坂「な、何!?や、やるっていうの?!(なんなのよこの威圧感はッッ!!)」


256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:46:18.03 ID:05pn8HxA0

御坂「い、言っとくけどね!そいつの方が強いのよ!私の攻撃一切効かないし!」

ダンテ「…へえ…お前強いのか…?」ジロッ

上条「こっちに振らないで下さい御坂サン!!いやぁ!!?そそその目で見ないで下さいダンテさん!!」


ダンテ「―――」ピクッ

上条&御坂&禁書「?」

ダンテ「悪い。用事だ」

上条「へ?」

ダンテ「また後でな」

上条「ま、待て!なんかあったのか?!まさかもう―――」


ダンテ「心配ねえ。パーティの開演はまだだ」

ダンテ「ちょっとしたつまみ食いさ」


そう言うと銀髪の大男は、上条達が返答する間もなく足早に路地裏へ入り消えた。


258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:47:42.18 ID:05pn8HxA0

上条「つまみ食い…?」

禁書「とうま、任せといても心配ないんだよ」

上条「…」

御坂「…ちょっといい?」

上条「なんだ?」

御坂「あの人って一体何者なの?」
御坂「まさかあんたまた厄介事に首突っ込んでるの?」

上条「…いやっパーティだよ」
上条「しょ、食事会があるんだ」
上条「ほら、背中にギター背負ってただろ?」
上条「パーティの時に弾くんだ。その準備だよッ」

御坂「…そう…」

怪しい。
そして別にも引っかかる点がある。

彼女のレーダーが反応したのだ。
あの男は三人の視界から外れた途端とんでもない速度で移動し、
一瞬にして彼女の索敵範囲外へ離脱していったのである。

明らかに普通ではない。


260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/02/28(日) 00:50:40.11 ID:05pn8HxA0

御坂「本当?」

上条「…ああ」

上条は誰かが危険に晒されるのを極端に嫌う。
例えその誰かが赤の他人だろうと。

絶対に問題の外部の人間を自ら招き入れることは無い。
危険に晒されるのは自分だけでいい。
戦うのは自分だけでいい。

それがこの少年の絶対譲れないけじめ。
とある日に御坂美琴はそれを嫌と言うほどに突きつけられた。
今ここでどれだけ粘っても上条は彼女を招き入れないだろう。

御坂「…そう…あっ そろそろ帰らなくちゃ」

上条「?そうか、じゃあまたな」

御坂「うん、またね」

禁書「ばいばい短髪」

二人から離れ彼女は思う。

あんたが入れてくれないってんのなら―――。

こっちから無理やり飛び込むまでよ―――。

―――

ダンテ「学園都市か」2(本編 対魔帝編)



posted by JOY at 12:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 禁書クロスSS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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