2010年08月15日

ダンテ「学園都市か」2(外伝 対アリウス&ロリルシア編)

4 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 20:11:46.33 ID:K4wQQqA0

―――

ダンテは再び屋上にいた。

ケルベロスが匂いで関係者を探すとはいえ、この魔狼が知っている者など極一部だ。

アレイスターの後に一方通行の所にも行ったが、
「知らねェ!さッさと失せやがれ!また厄介事に巻き込まれるのはゴメンだ!」とのことだ。

ダンテ「あ〜、参ったぜ」

ケルベロス『…』

ダンテ「どうすっかな」
その時だった。
離れた場所で巨大な爆炎が立て続けに上がった。

ダンテ「へえ…ここって案外楽しいところかもな…」

ケルベロス『どうするのだ?』

ダンテ「ハッ!決まってんじゃねえか!人探しは中断だ!とりあえずアレ見に行こうぜ!」

5 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 20:19:38.86 ID:K4wQQqA0

―――


天井が大きく崩れた地下駐車場。
瓦礫の中に絹旗最愛はいた。
全身が傷だらけだ。

周囲には彼女とステファニーという名の殺し屋との戦いによって戦闘によって生じた炎。

絹旗の正面にはドレスを着た少女が立っていた。
彼女もまた絹旗と同じく学園都市の暗部の者だ。

このドレスの少女が有する能力は『心理定規』。

対象の心理を読み取り、「他人に対して置いている心理的な距離」を自由に操作できるのだ。
それで敵意を削いだり、逆に猛烈な殺意を抱かせることもできるという危険極まりない能力だ。

そしてその二人の周囲をドレスの少女に率いられている特殊部隊が囲んでいた。
その兵士達は皆銃口を絹旗に向けている。

絹旗「…超追わないんですか浜面を?超逃げちまいますよ」

ドレス「別働隊が動いてるから問題ないわよ。ま、すぐに処分できるわね」

浜面仕上。絹旗の仲間だ。今あの男はもう一人の仲間、滝壺と共に逃げている。

絹旗「…!!絶対に…!そんな事超させません!!」

ドレス「やめといた方がいいわよ。拘束しろって命だけど、抵抗したら殺しても構わないって言われるからね」

6 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 20:24:23.85 ID:K4wQQqA0

絹旗「…!!」
絹旗は周囲の窒素を集める。

彼女の力は『窒素装甲』。
体から数センチの範囲の窒素を自在に操ることができる。
範囲は非常に狭いものの、それで銃弾を防いだり自動車を片手で持ち上げたりもできる強力な能力だ。

ドレス「やめとけってば」

ドレスの少女が絹旗の心の距離を操作する。

絹旗「…くッ!」
今や、絹旗にとってドレスの少女や周囲の特殊部隊は家族同然の存在になってしまった。
頭ではわかっているのに体が攻撃することを拒否する。

ドレス「おとなしく掴まって。ね♪」


「あ?もしかしてもうお開きか?」


突如聞こえた声。
皆が一斉にその方向を振り向く。

20m程離れた場所の瓦礫の上に、赤いコートを着た銀髪の大男がだらしなく座っていた。

特殊部隊の者達がその第三者へ銃口を向けた。

7 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 20:29:19.19 ID:K4wQQqA0

ドレス「…あなた誰?」

ダンテ「気にすんな、ただの通りすがりだぜ。構わずドンパチやってくれ」
手を広げ薄ら笑いを浮かべながら緊張感無く言葉を返す。

絹旗「…(一般人では…超無いですね…)」
あの男は十を越える銃口を向けられても一切動じていない。

ドレス「そう」

ドレスの女が軽く手を振った。
それと同時に特殊部隊の銃口が鳴り響く。
耳をつんざく銃声の合唱と共に、大量の銃弾が男を蜂の巣にする。

だが。

ドレス「…うそ…?」

8 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 20:31:49.52 ID:K4wQQqA0

絹旗「!!?」

男の体から血しぶきが上がり、ドングリ大の穴が体中に空く。

それなのに。

ダンテ「おいおい容赦ねえな」

男は先と変わらず平然と座っていた。
そして体中の穴が瞬く間に塞がっていく。

銃弾を能力等で防ぐのならわかる。

だがこの目の前の男は異常だった。

銃弾が体を引き裂いたのにも関らず死んでいない。

9 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 20:37:00.13 ID:K4wQQqA0

ドレス「チッ!!」

動揺している隊員を下がらせ、ドレスの女はこの男の情報を得るために心理を読み取ろうとする。
彼女の力は記憶などを読むことはできないが、名前や所属等簡単な情報は読み取れる。

ドレス「―――痛ッ!!」
だが予想外の事が起こった。あの男の心理を読み取ろうとした途端、急に頭痛が襲ってきたのである。
どす黒い何かが凄まじい勢いで彼女の頭へ流れ込んできた。

ドレス「…!」
すぐに接続を切る。

ダンテ「へえ」

男も気付いたようだった。

ダンテ「そういう力か。やめた方いいぜお嬢ちゃん」

半人半魔、人間が混ざっているとはいえ、根本的に精神の構造もその力も全く別物だ。
古来から悪魔の念は多くの人間達を簡単に惑わしてきた。
そんな物を直に開いて見てしまうと人間程度では精神崩壊しかねない。

しかもこのダンテはその悪魔の中でも桁違いの存在だ。

それに例え心理操作に成功したとしても、必要があれば家族すら殺す覚悟があるダンテには効くはずも無いが。

10 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 20:43:48.52 ID:K4wQQqA0

ドレス「…ッ!こうなったら!」

絹旗「…え?」

ドレスの少女が絹旗の心理を操作する。あの男に強烈な殺意を持つように。

絹旗「…あッ…ぐ!」

ドレス「あんたが戦うのよ!殺しなさい!」

ダンテ「随分とえげつねえなそれ」

絹旗が男の方へ向き、拳を強く握りながら歩いていく。
あの男には別に恨みも無い。

だが、強烈な怒りと殺意が彼女の心を圧迫する。

絹旗「…く…ぁぁああああああ!!!」

地面を蹴り突進する。
圧縮した窒素を纏った右の拳を振り上げ、

そして男の顔面へ叩き込んだ。

鋼鉄の隔壁さえ大きくへこむ程の拳がダンテの顔面へ直撃する。

11 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 20:48:26.36 ID:K4wQQqA0

だが男は微動だにしなかった。

ダンテ「見かけによらず良いパンチ持ってるじゃねえか」
拳の下で不気味な笑み。

絹旗「!」
その強烈な威圧感で彼女の背中がざわつく。
絹旗は咄嗟に10m程後方へ飛ぶ。

ダンテ「(さーて…どうすっかな)」
ゆっくりと立ち上がる。殺すなら簡単だ。少し力を入れて小突けば簡単にバラバラになるだろう。
だが人間の少女を殺す気にはなれない。ましてや強制的に戦わされてる者だ。

ダンテ「(…しゃあねえな)」

絹旗は近くの巨大な瓦礫を持ち上げる。自分の身長の数倍、重さにして3t以上の塊だ。

絹旗「あああああ!!!」
そしてダンテへ向けて思いっきりぶん投げる。

だがダンテはまるで蚊を手で払うかのような簡単な仕草でそれを弾いた。

ドレス「…な、何なのよあいつ!!!」

12 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 20:53:14.32 ID:K4wQQqA0

絹旗は再び突進する。

絹旗「はぁあああああ!!!」

そして顔面へ飛び膝蹴りを食らわす。
まるで車が衝突したかのような凄まじい激突音が響く。

絹旗「!?」
だがそれと同時に胸が急に引き寄せられた。

絹旗「…え?」
ダンテが彼女の胸ぐらを掴んだのだ。そして顔を大きく覗き込む。

ダンテ「よう」

ダンテの瞳が赤く輝く。
その瞬間絹旗を含む周囲の者を形容し難い凄まじい恐怖が襲った。

絹旗「…ひ…ぁ…」
ダンテが手を離すと、絹旗は力なく地面にペタリと座り込んだ。

ダンテがやったことは簡単な事だった。
人間の感情で一番強いのは『恐怖』だ。
人間界の生物は皆その感情に縛られている。

殺意を削ぐにはそれを遥かに越える絶対的な恐怖を与えれば良い。

大悪魔の殺意を向けられて恐怖しない人間などそうそういない。

14 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]:2010/03/20(土) 20:57:00.75 ID:yDWZwtY0

そういや兄貴どうしたんだ

17 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 21:02:46.17 ID:K4wQQqA0

>>14 おまけの前の話なのでまだダンテ達と合流してないです。ですが登場予定あり。

ダンテ「で、お前らもか?」

赤い瞳のままドレスの少女や周囲の特殊部隊へ目を向ける。
その瞬間隊員達のマスクの下から短い悲鳴が漏れた。皆小刻みに震えて固まっている。

ドレス「…あ…ぁ…ひ…」

ダンテ「さっさと失せな」
その声で解放されたのか、ドレスの少女と特殊部隊は一目散に逃げていった。

ダンテ「さて…」
足元にへたり込んでいる少女に再び目を向ける。ダンテの瞳から赤い光は消えていた。
少女は虚ろな目で呆然としていた。

ダンテ「(やべえな…少しやりすぎたか?)」
あまり強烈な恐怖を与えると精神崩壊してしまう恐れがある。
かなり抑えたのだが、それでも人間には耐え難いレベルの恐怖だ。

ダンテ「おい」
少女の傍に屈み、その小さな頬を軽くはたく。

絹旗「…え?」
その愛らしい瞳に感情の光が戻った。

絹旗「あ…れ…私…超何が…」

ダンテ「ま、大丈夫みてえだな」

18 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 21:08:15.37 ID:K4wQQqA0

ダンテは立ち上がる。

ダンテ「ったく…」
何か面白いことが見れると思ったのだが、予想外の面倒臭い事になってしまった。

どうやら学園都市は治安が悪くダンテにとって『楽しい』場所のようだが、
さすがに人間の子供と殺し合いする気にはなれない。

『楽しい』事件なのに、『楽しめない』。

少しイラついてくる。

ダンテ「ケルベロス、再開すんぞ。誘導しろ」

ケルベロス『御意』
コートのヌンチャクが返事をする。

絹旗「…!滝壺!!浜面!!」
絹旗が突如叫ぶ。

少女は仲間の危機を思い出し立ち上がろうとするが、
足元がふらつきそのまま傍に立っているダンテに倒れこむ。

ダンテ「おい。無茶すんな」

19 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 21:13:12.49 ID:K4wQQqA0

絹旗「こ、こんな所に超いてらん無いんです!!あいつらが!!」
ダンテにしがみ付きながら叫ぶ。

ダンテ「…あん?」

絹旗がダンテのコートを握り締め、今にも泣きそうな顔でダンテを見上げる。

絹旗「あいつらが!!!あいつらが超死んじまいます!!!」

ダンテ「…」

ネロなら二つ返事ですぐに協力するだろうが、ダンテはそこまでお人好しではない。
別にいつ誰がどこで殺されようと知ったこっちゃ無い。

だがさすがに目の前でそれを聞かされたのを無視するのも後味が悪い。
それにこの少女が動けなくなった原因はダンテにも多少ある。

一瞬、トリッシュの「あなたはいつも厄介事に自分から首を突っ込む」という言葉を思い出す。
コートにしがみ付く、ボロボロになった少女の顔を見る。

ダンテ「…しゃあねえな」
頭を乱暴に掻きながら諦めたように言葉を吐いた。

20 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 21:19:32.29 ID:K4wQQqA0

―――

インデックス達と別れた後、ネロと神裂はあちこちを奔走していた。
あの後に立て続けに悪魔が出没したのである。
この一時間の間に二人が処理した悪魔の数は100体を超えた。

二人はとある野原に立っていた。
地面は戦闘によって大きく抉れていた。

神裂「マズイですね…」

一帯は高濃度の魔力によって覆われていた。あの学園都市の時のように。
魔窟と化す一歩手前だ。

ネロ「どこから漏れてやがる…」
嫌な感じがする。

この魔力の感じはあのムンドゥスの封印が解けた時のものに似ている。
魔界の大気が漏れ出しているのではない。

かなり強大な何者かの力が漏れ出しているのだ。

21 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 21:24:25.50 ID:K4wQQqA0

ネロ「益々やっかいな事になってきたぜ」

神裂「ええ…」

神裂も感じ取っていた。
この力の根源の者は確実にとてつもなく強大だ。
恐らく神裂程度では到底太刀打ちできない。

だが幸いな事にこの場にはネロがいる。

神裂「あの…万が一の時は…」

ネロ「ああ、わかってるさ。任せとけ」
自分の異形の右手を見つめながらネロは言葉を返した。

ネロ「…」
最悪、魔人化してこの手の中にある魔剣『スパーダ』を使う事も考える。

ネロはあのムンドゥスと戦った際、一度の死を経て完全に悪魔の血が覚醒し、
スパーダの一族としてとてつもない力を手に入れた。

だがその分、制限も強くなった。
今はその力が強すぎて簡単に魔人化できなくなっていた。
人間界に強い負荷がかかるのだ。
下手すると今のイギリスの状況を更に悪化させる危険性もある。

ネロ「クソッめんどくせえな」

22 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 21:29:55.42 ID:K4wQQqA0

神裂の顔の前に紙が出現する。

建宮「プリエステス!次はそこから南西へ4kmの地点、」
建宮「もう一箇所は南南東へ2kmの地点なのよな!」

神裂「わかりました」

ネロ「これ、時間稼ぎかもな」

神裂「…」
何者かがネロと神裂の行動を制限しようとしているのかもしれない。
事実、イギリスの主要戦力は分散している。

この召喚式はその為のエサ。本命は別にあるかもしれない。

ネロ「まあ、トリッシュとウィンザー城の連中に任せるしかねえな」
ネロ「俺達は俺達の仕事をやろうぜ」

神裂「そう…ですね」

トリッシュがインデックスから受信した情報を調べている。
ウィンザー城でも例の少女を調べている。

いずれ必ず糸口が見つかるはずだ。
ちなみに人手不足なので、ネロは先ほどダンテを呼ぼうとトリッシュに連絡したところ、

「ダンテ?さあ。今いないわよ。行方不明」
との返事が返って来た。

23 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 21:35:59.04 ID:K4wQQqA0

―――
窓の無いビル

アレイスター「…来たか」

彼が入っている水槽の5m程前方に黒い円が浮かび上がり、赤いマントに純白のスーツを来た壮年の男が現れた。

アレイスター「アリウス」

アリウス「久しぶりだ。アレイスター」
葉巻の煙をくゆらせながら、傲慢な態度を隠しもせずに言葉を返す。

アレイスター「君の仕業だろう?イギリスの件は。まさかもうやるつもりなのか?」

アリウス「本番ではない。テストだ。何しろ2000年以上眠っていたのだからな」

アレイスター「…君がやろうとしている事にとやかく言わないつもりだが、私の邪魔をしないでくれないか?」

アリウス「自業自得だ。そもそもの始まりは貴様が禁書目録を受け入れたせいだろう」

アレイスター「…」

アリウス「貴様の使えるものは全て使う・不測の事態も逆に利用するという柔軟性は良いと思うが、」
アリウス「行き過ぎると気付いた頃には手に負えなくなるぞ? 昔からそれで何度も自滅してるではないか」

アレイスター「君の何が何でも計画通りに押し通す強引なやり方もだ」

24 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 21:40:32.87 ID:K4wQQqA0

千年に一人現れるか現れないかの天才魔術師。
そんな者がかつて二人同時に現れた。

アレイスターとアリウス。

二人ともとてつもない才能と頭脳を持っていた。
そして若かりし頃の一時期、共に行動し互いを切磋琢磨した。二人とも野心に溢れ、魔術の極みを目指した。

だがある時、アリウスがその道から外れた。
彼は人々が掲げる『神』や通常の魔術よりも更に強大な存在、『悪魔』に魅了されたのだ。

そしてアリウスは悪魔の力を求めるようになり、隠者となり魔術界から姿を消した。

アレイスターが史上最強の魔術師としての絶大な名声を手にしていた時も、
アリウスはただ一人、影で人知れず悪魔学の高みを目指した。

アレイスターが魔術の限界を知りその壁に打ち倒され、科学の道へ歩もうとした時、
アリウスは再び彼の前に姿を現した。

アリウスもまた科学を使うことを考えていたのである。

利害が一致した事により、二人はパートナーとして科学を求めた。
人類トップクラスの頭脳を持つ二人にとって簡単な事だった。

アレイスターは学園都市を、
アリウスはウロボロス社を持つ程にまでその勢力を発展させた。

そして二人はそれぞれの目的を遂げるために突き進む。

25 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 21:45:11.86 ID:K4wQQqA0

アレイスター「私がなぜ悪魔の力を求めなかったかわかるだろう?」

アリウスは鼻で笑った。

アリウス「昔から臆病な奴だったな貴様は」

アレイスター「我々人間がかの者達の力を支配するなど根本的に不可能だ」
アレイスター「君は必ず失敗する。アーカムの二の舞になるぞ」

つい二ヶ月前、実際にその力を目の当たりにした。
絶対に手の届かない領域。あの日、アレイスターはそれを再確認した。

アリウス「その言葉を返そうか。貴様は必ず失敗する。既にプランとやらは穴だらけではないか」

アレイスター「君は…本当に勝つ気でいるのか?かのスパーダの子達に」

アリウス「今は勝てない。だがいずれ勝つ。そしてその力も我が物にしてくれよう」

アリウス「それに。スパーダの孫は今回で殺せるかもしれん」
アリウス「いくら完全に血が覚醒したとはいえまだまだ未熟だしな」

26 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 21:48:38.36 ID:K4wQQqA0

アレイスター「…驕りだと思わないか?」

アリウス「ハッ!!貴様がどの口でそれをほざく!」
壮年の男は豪快な笑い声を上げた。

アリウス「人間が魔界や天界の者達に唯一勝っている点は?知っておるだろう?」
アリウス「貴様もその穴をつこうとしているではないか」

アレイスター「…」

唯一勝っている点。それは『進歩』。
力が無いからこそがむしゃらにそこを補おうと発展させ進歩させる。

現に魔界や天界は今も昔も、100万年前も何一つ変わっていない。
だが人間界は僅か2000年で大きく様変わりした。

アリウス「最期に勝つのは我々『人間』だ」

27 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 21:52:03.78 ID:K4wQQqA0

アレイスター「ふむ…まあこの話はいい。飽きるほど交わしてきたのでな」

アレイスター「当面の問題はな、君の行動が間接的に私のプランに干渉しているという事だ」
アレイスターはアリウスの後ろに目を移す。
壁にあいた高さ3m程の穴。

アリウス「ダンテか」

アレイスター「彼がな、私の重要な案件に今首を突っ込んでいる」

アリウス「それで?」
葉巻を咥え、挑発的な態度でその先を促す。

アレイスター「プラン修正を手伝ってくれないか?パートナーだろう?」

28 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 21:57:39.69 ID:K4wQQqA0

アレイスター「ダンテを処分しろとはいわない。そんな事できる訳がないだろうからな」

アレイスター「君には一人の少年を処分して欲しい。名は『浜面仕上』。現在第23学区に向かっている」
アレイスター「当初は特に問題も無く処分できる予定だったのだがな」


アレイスター「恐らくダンテが現れる」


アリウス「いいだろう。一度直でダンテの力も見ておきたいしな」

アレイスター「…悪魔の召喚には目を瞑るが…ダンテとの大規模な交戦は避けてくれないか?」
アレイスター「くれぐれもだ。彼を刺激しないでくれ。これ以上この街が破壊されるのは避けたい」

アリウスは大きく、短く笑った。

アリウス「誰がこの間の復興資金を出したと思ってる?心配するな」
バカにするような笑い声を上げながらアリウスは黒い円の中に沈んでいった。

31 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 22:22:40.52 ID:K4wQQqA0

―――

御坂は路上の公共の電子端末の前に立っていた。

黒子「お、お姉さま、もう戻りましょう?」
隣で黒子が落ち着かない感じで御坂を催促する。

御坂「まだ。あと五分待って。それで何も無かったら戻るから」

ダンテが来た後、御坂は黒子を連れて叫ぶ教師の声を無視して学校を飛び出して来た。
御坂には妙な胸騒ぎがあったのだ。

まさかまたあのツンツン頭の少年が、何か厄介ごとに巻き込まれたのか と。
そう考えるといてもたってもいられない。

関係無いのかも知れないが、あの少年は事あるごとに何かに巻き込まれている。

その御坂の勘は当たっていた。
あの少年は学園都市ではなく地球の裏側にいるが。

32 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 22:26:06.03 ID:K4wQQqA0

御坂「…これ…」
端末をハッキングしていた御坂の目に何かが映る。

黒子「…何かありましたの?」
黒子はうんざりしていた。

風紀を重んじるジャッジメントが学校を抜け出して、更にハッキングを許しているとは。

御坂「…第23学区で一部に退避命令がでてるわ」

黒子「…」

御坂「いくわよ」

黒子「ふぁああぅああうああああ」

33 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 22:30:46.78 ID:K4wQQqA0

―――

第23学区の地下。
新型航空機の実験場であり、広大な空間が広がっている。

そこを麦野は歩いていた。
彼女の右目と左腕は無い。

変わりにかつて右目があった穴から青白い光が溢れ、
左肩からはこれまた青白く輝くアームのようなものが生えていた。

麦野「どーこかなぁ?」

麦野はある少年を探していた。
無能者のゴミでありながらレベル5第四位である彼女の右目と左腕を奪った少年。

麦野「はまづらぁ」

例の学園都市の件で彼女も動員された。
詳しい事は分からないが、化物を片っ端から処分しろという命令だった。

その引き換えにあの少年の居場所をいずれ教えるというものだった。

学園都市上層部は信用できないものの、何も無いよりはマシと考えた彼女は命令に従うことにした。

34 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 22:35:04.32 ID:K4wQQqA0

学園都市中に出現していた化物達。
最初は彼女も驚きはしたものの、特に問題は無かった。

彼女の能力である『原子崩し』によって放たれた、
青白い巨大な光の矢はその化物たちを難なく焼き捨てた。

一時間ほど立った頃だろうか、化物たちがいなくなり空が青空に戻った。

それでその日は終わった。
その後二ヶ月待った。

そして遂に今日、あの浜面の居場所を知らせる電話が来た。

この第23学区の地下実験場に浜面と滝壺が向かっていると。

やっとこの日が来た。
この手で浜面を殺す。

自分の何もかもを壊したあの男。
あの男が来たときから全てが少しずつ、確実に壊れ始めた。

そして崩壊した。
狂った歯車は元に戻らずに完全に砕けちった。

自分と同じようにあの男の何もかもを壊して苦しめて殺してやる。

彼女は最早それしか考えていなかった。
それが今の彼女を生かし続ける原動力だった。

35 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 22:40:30.69 ID:K4wQQqA0

麦野は暗い空間の向こうに何かを見つける。

複数の人影。
金属やプラスチックが当たる音が聞こえる。

恐らく学園都市の部隊だ。

麦野「みぃーつけたっ」

邪悪な殺意の篭った笑み。

そして青白い光の塊のアームを上げ、その集団に向ける。
立場的には、その部隊も彼女の味方なのだがそんなのは関係なかった。

あの男を誰にも殺させるわけにはいかない。
自らの手で殺すのだから。

アームが大きくうごめく。

そして麦野はためらい無くその集団に攻撃を放った。

青白い光の束がまるでレーザー砲のように射出された。

36 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 22:43:00.38 ID:K4wQQqA0

―――

アリウスは暗く広大な地下空間を歩いていた。
金属の床と靴底がぶつかる音が響く。

彼は古代ギリシャのフルフェイス兜に似た金色の仮面を被っていた。
いや、厳密に言うと被っているのではなく、顔の皮膚の形を変えていた。

アリウスは表の世界では顔の知れた大物だ。
ダンテに顔を覚えられる訳には行かない。同時に己の魂にも身分を誤魔化す術式をかけていた。
これで外見で見破られることも、悪魔の嗅覚で魂を特定されることも無い。

彼がゆっくりと歩いていると、その時施設全体が大きく振動した。

アリウス「…」
アリウスは立ち止まる。だがその振動で立ち止まったわけではなかった。

彼は感じ取った。
強大な力を持った者が高速でこちらに近づいてくるのを。

37 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 22:47:42.92 ID:K4wQQqA0

アリウス「さすがだな」
その人物は特に力を解き放っていない非戦闘状態だろう。

にもかかわらず並みの大悪魔を遥かに上回る力だ。

アリウス「こちらも準備するとしよう」
足で軽く地面を叩く。
すると水晶の乗った円筒形の台が床から生えてきた。

手を水晶に置く。

アリウス「χ、始めろ。『蓋』を開け。それと…」


アリウス「ついでだ。禁書目録の首も取って来い」

38 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 22:50:34.82 ID:K4wQQqA0

―――


ステイルは壁に寄りかかっていた。
正面、部屋の中央には小さな椅子に赤毛の少女が座っている。

ステイル「…」
手の上に火を発生させ、形を変えたりして暇を潰していた。

ステイル「…うん…?」
そうしている中、妙な空気を感じた。

ステイル「…」
手の火を消し、赤毛の少女をジッと見る。

周りの騎士や修道女は特に異変に気付いていない。
だがステイルは確実に感じ取った。

39 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 22:53:20.17 ID:K4wQQqA0

ステイルは壁から離れ仁王立ちする。

ステイル「…出るんだ」

ステイルの言葉に周りの者が首を傾げる。

ステイル「ここから出るんだ!!早く!!!」

そのステイルの怒号と同時に赤毛の少女がゆっくりと椅子から立ち上がった。
そして目が金色に輝きだす。

騎士と修道女達が慌ててドアに向かう。

赤毛の少女は腕を広げ、手のひらを下に向けた。
すると真下の床小さな金色の円が二つ。

その円から一本ずつ曲刀が出現し、それぞれの手に収まった。

ステイル「…クソッ!!」
ステイルも両手を広げる。全身から炎が噴き出し、手には炎で形作られた篭手が出現する。

いまや目の前の少女は強烈な力を放っていた。
紛れも無く大悪魔クラスの。

40 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 22:57:29.03 ID:K4wQQqA0

金色に光る虚ろな瞳が真っ直ぐとステイルを見ていた。

ステイル「…チッ…!」
勝てるかどうかわからない。
かつてあのベリアルと相対した時の感覚と似ている。
そしてその時はイフリートがあったが今は無い。

この少女がこれ程までの危険因子としては誰も認識していなかった。

部屋の中がステイルの放つ熱でまるでオーブンの中のような高温に包まれる。
彼の足元の石畳の床が溶け始める。

少女がゆっくりと両手の剣を調子を確かめるかのように振るう。

凄まじい威圧感の津波が押し寄せてくる。
二人の距離は3m。

ステイル「…」

二人が同時に動く。
小さな地下室で二つの桁違いの力が激突した。

41 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:04:18.18 ID:K4wQQqA0

―――

上条・インデックス・五和はウィンザー城のホールにいた。

三人で白い小さな円テーブルを囲んでいた。
机の上には紅茶が入ったカップ。

ホールは淡いろうそくの優しい光に包まれていた。

上条「…」

五和「…」

禁書「…」
三人は同じ事を考えていた。あの赤毛の少女。
『助けたい』なんて事は到底言える状況ではないし、言おうとも思わない。

上条「あ〜…」
それは良くわかっている。だが仕方ないのだけども後味が悪すぎる。

五和「まあ…仕方ありませんね」

禁書「…うん」

上条「…だな」

その時だった。急に城内が慌しくなった。

42 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:08:20.91 ID:K4wQQqA0

上条「…?」

五和「ここにいて下さい」
一瞬で五和が戦士の顔に切り替わる。彼女は立ち上がり、傍らの槍を手に取る。

騎士が慌しく走る金属音が響く。
アニェーゼが険しい顔つきでホールに駆け込んできた。

アニェーゼ「退避です!!早くしやがってください!!!」

上条とインデックスも立ち上がる。

五和「何があったんですか!?」

アニェーゼ「『アレ』が動きやがったんです!!早く!こっちに!!!」

アニェーゼに先導され、一行は慌ててホールの出口へ向かう。

その時だった。鼓膜が裂けそうな轟音が響き、ウィンザー城全体が大きく揺れる。
4人は揺れに耐えられずに出口の辺りで倒れる。

ホールの天井が崩れ、上条達がさっきまでいたテーブルが大きな瓦礫に叩き潰された。

上条「…!」

その崩れた天井の穴から。

夜空に高く聳え立つ巨大な爆炎が見えた。

43 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:11:09.73 ID:K4wQQqA0

五和「…あれは!?」

アニェーゼ「ステイルが交戦してんです!ほら、さっさとこっちに!」

崩れたホールの反対側、
上条達から30m程離れた場所の入り口から騎士が一人駆け込んできた。

上条「!!!」

遠くても良くわかった。
騎士の左腕が無い。甲冑が真っ赤に染まっていた。

「逃げろっ!!!行け!!!」
騎士が剣を振り上条達へ叫ぶ。

44 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:13:34.04 ID:K4wQQqA0

上条達が慌てて立ち上がる。
その時、甲高い金属音がホールに響いた。

一瞬全てが止まり静寂。

上条「―――」
何かを感じて振り向く。

騎士のいる側のホールの壁に複数の筋。
その筋は壁を貫通してホールの中ほどまでの床にまで達していた。

次の瞬間、壁が筋にそってずり落ちて崩れる。
騎士の上半身も同時にずり落ちる。

そして。

壁の穴の向こうに『それ』が立っていた。

金色に輝く瞳の赤毛の少女。

45 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:18:14.66 ID:K4wQQqA0

上条「…な…あ…!!」
何も考えられなかった。何が何だかわからない。頭が真っ白になった。

赤毛の少女は無表情のままゆっくりと瓦礫が降り注ぐホールの中へ入ってくる。
その目は真っ直ぐと上条達を見ていた。

アニェーゼ「来るんです!!!来い!!!」

アニェーゼに腕を強く引かれホールを後にする。

長い廊下を四人が懸命に走る。
所々が壊れていた。

アニェーゼ「…チッ!」
あの人造悪魔が現れたと言う事は。

ステイルは―――

そしてすぐに移動せずにわざわざこっちに向かってくるということは―――

アニェーゼは前を走るインデックスの背中を睨む。

アニェーゼ「クソです!!マジでクソッタレですねチクショウ!!」

46 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:22:09.32 ID:K4wQQqA0

先頭が五和、殿がアニェーゼとなって長い廊下をとにかく走る。
一行は城内の騎士の詰め所に向かっていた。

詰め所で騎士達と合流、そしてそのまま場外に離脱する寸法だ。

長い廊下を曲がる。するとその先に騎士の一団が剣と盾を構えてこちらに向いていた。

五和「味方です!!」

五和が槍を高く掲げる。
騎士の盾の壁の中央が開く。

そのまま一行は騎士団の中へ駆け込んだ。

「禁書目録か!」

兜を被っていない、豊な髭を蓄えた騎士が一人駆け寄ってきた。
甲冑には精巧な装飾が施されている。

ウィンザー城に駐屯している300人の騎士の隊長だ。

47 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:25:21.15 ID:K4wQQqA0

「怪我は無いか!?」

五和「…は、はい」
五和が肩で息をしながら答える。

アニェーゼ「敵は一体、例の人造悪魔、こっちに向かってきやがります」

「わかった。我々が時間を稼ぐ。君達はその間に退避しろ」

皮膚が焼け付くような強烈な悪寒が強くなる。

「来ました!40秒後に視認域に!」
石版を見ていた騎士が叫ぶ。


「行け!」

騎士隊長が叫ぶ。

五和「はい!」

一行が再び走り出し、騎士団の後方のドアへ向かう。

48 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:30:27.33 ID:K4wQQqA0

騎士隊長は殿のアニェーゼがドアを抜けたのを確認した後、廊下の先を見据えた。

この場には混乱の中で集結できた20人の騎士がいる。
皆、数多の戦いを生き延びた歴戦の戦士だ。

騎士隊長「今日この場を我らの死場とす!!」

騎士隊長「今こそ騎士の誓いを果たせ!!」

騎士隊長「God Bless Knights of United Kingdom!!!!!」

騎士達が一斉に盾と剣を打ち鳴らす。

騎士隊長「For Britain's!!!!!」

「For Britain's!!!!!!!!!!」
全員が鬨の声を上げる。


廊下の向こう。

曲がり角からゆっくりと姿を現した。

金色に光る目の赤毛の少女が。

49 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:32:12.93 ID:K4wQQqA0

―――

ステイルと少女の激突によって地下室は完全に消滅し、
直径80m、深さ300mの巨大な縦穴を作った。

穴の内側は高熱で溶け、あたかも溶岩が絶え間なく噴き出す噴火口のようになっていた。

その破壊によって真上にあったウィンザー城の一部が跡形も無く消し飛んだ。

ステイル『ッ…!』

ステイルはその穴の底の溶岩溜りから這い出し、溶け残っている瓦礫の上に上がった。

腹が大きく裂かれている。

あの瞬間すぐに魔人化、『イノケンティウス』となって渾身の力を込めた炎拳を叩き込んだ。
だがそれは剣によって簡単に上に弾かれた。

制御からあぶれたその拳が地下室を蒸発させ、
真上のウィンザー城を吹き飛ばすほどの穴を作った。

そしてカウンターとなる形でもう一本の剣が彼の腹を裂いた。
体を炎化させてそらす暇が無いほどに速い剣が。

50 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:38:38.44 ID:K4wQQqA0

ステイル『ぐ…ぁ…!』

胴体が一度炎となり、再び戻ると傷は消えていた。

あの少女の一撃はとてつもなく強烈なものだった。

魔人化が僅かに遅れていたら彼は即死していただろう。

ステイルは穴の上を見上げる。
まだあの少女の存在を感じる。離脱することなく城内にいる。

つまり何か目的があるのだ。

ステイル『…まさか…!』

そうかもしれないがそうでないかもしれない。
だがそう考えるには充分だ。

ステイル『インデックス!!』

51 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:42:55.73 ID:K4wQQqA0

―――


上条達は門を抜け、ウィンザー城の広大な庭園を走り抜けていた。
後方からはあの騎士達のと思われる交戦音が聞こえている。
何かの炸裂音と共に瓦礫が崩れる音が聞こえる。

上条「はぁ…!はぁッ…!」
心臓が爆発しそうだった。

頭の中にあの騎士の顔が思い出される。
今、彼らが自分達を逃がす為に戦っている。

あの少女と。
あのパンを黙々と食べていた少女と。
そして五和の問いかけにも答えた少女と。

あの時は敵意など何も感じられなかった。

そして同じくあのホールで騎士を殺した時も―――

何もその瞳には宿っていなかった。

52 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:47:04.90 ID:K4wQQqA0

上条「…!」
あの光景を思い出し吐きそうになる。慌てて口を押さえる。

禁書「…とうま!?」

上条「だ、大丈夫だ!」
気付くと後方の城が静かになっていた。

交戦音が止んでいる。

誰もそのことには口を開かなかった。

皆わかっているのだ。
城内に残ったあの騎士達の結末を。

振り返らず、四人は広大な草地をただ走った。

53 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:53:33.95 ID:K4wQQqA0

その時。

一行の前方に突如大量の瓦礫が降り注いだ。

五和「!!!」
五和が姿勢を低くして急ブレーキをかける。
インデックスと上条が五和の広げた腕で急停止させられる。

上条「おおおあ!!!」

降り注いだ瓦礫は一行の退路を塞ぐように、半円状の巨大な壁を築いた。

アニェーゼ「…下がれ!!!」
殿のアニェーゼが叫ぶ。
上条達が彼女の方を振り返ると。

40m程の場所に赤毛の少女が燃えるウィンザー城をバックにして立っていた。
ゆっくりと歩いてくる。

アニェーゼが杖を構える。
五和も前に出て彼女の横に並び、槍を構える。

上条はインデックスを自分の後ろ側へ手で引っ張る。

アニェーゼ「…そうですか…ここが死場っつーことですか!」

アニェーゼ「上等です!せいぜい足掻かせてもらいますよ!!」

54 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/20(土) 23:57:51.00 ID:K4wQQqA0

アニェーゼと五和が何やら呟く。
するとアニェーゼの杖が白く輝き、同様に五和の槍も輝く。

悪魔の力を使ったブースト魔術。もともとフォルトゥナ騎士が使用していた対悪魔用の魔術だ。
己の力が数倍底上げされる。イギリスにおいても一部の優秀な者しか習得していない。

力による負荷で二人のこめかみの血管が浮き出る。

五和「くッ…はっ!!」

アニェーゼ「相変わらず…クソみてぇな術ですね!!」

赤毛の少女がゆっくり歩いてくる。

アニェーゼ「らぁッ!!」

アニェーゼは杖を大きく振り上げ、そして足元の地面に叩き付ける。
そしてその一秒後に。

赤毛の少女を、真上から巨大な衝撃波の塊が襲う。
粉塵と地響きを起こし、直系10m程地面が大きく陥没する。

五和「シッ!!!」

すかさず五和がその場で槍の突きを繰り出す。槍自体は届かない。
だがその穂先から白い光の刃が高速で伸び、赤毛の少女の顔面に直撃する。

アニェーゼと五和は交互に攻撃を繰り出す。彼女達の前に広がる草地がどんどん形を変えていく。

上条はインデックスを背にしてそれをただ見てるしかなかった。

55 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/21(日) 00:03:20.69 ID:trTvIYo0

アニェーゼ「はぁッ!!!!」

五和「…くっ!!!」

負荷によって体中に激痛が押し寄せる。
膝が震える。体の中からまるでゴムが切れるような不気味な小さな音が聞こえる。

地響きの連続。
だが少女は傷一つ付かず、その嵐の中を普通に歩いてくる。

距離は20mにまで詰まった。
赤毛の少女がゆらりと手を広げる。白いマントから不気味に光る二本の曲刀が顔を覗かせた。

五和「…ここまで…のようです…」

上条「…ッ」
言葉が出なかった。インデックスの震えが背中越しに伝わってくる。

56 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/21(日) 00:05:16.79 ID:trTvIYo0

禁書「とうま…」

上条「…」
インデックスの方へ振り向き、小さな体を覆うようにして抱きしめる。

アニェーゼ「…まあ、次は『向こう』で会いましょう」

そして。

甲高い金属音が響いた。



その時、同時に真上から黒い何かが降ってきた。

巨大な地響きを立ててアニェーゼと五和の前に着地する。

57 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/21(日) 00:07:20.31 ID:trTvIYo0

上条「…?」

生きている。腕の中のインデックスも。

ふと振り返ってあの少女の方へ目をやる。
すると五和達の前に高さ5m程の黒い巨大な壁がそそり立っていた。

その下に。

金髪にゴスロリ姿の女。
足には黒い脛当てのような物。

上条「へ?」

アニェーゼ「…ははっ!!!おせぇですよ!!!」

58 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/21(日) 00:10:03.29 ID:trTvIYo0

五和「!!!」

上条「シェリー?!」

シェリー「てめぇらそこから動くんじゃねえぞ!!!」

シェリー「エリス!!!」

黒い壁がシェリーに倒れこんだかと思うと、
まるで布のように波うち彼女の体に巻きついて覆っていく。

そして彼女を核とした身長4m程の巨人が現れた。

彼女は悪魔化したゴーレムに体の中に自らを埋め込んだのだ。

シェリー『ぶっ潰すッ!!!』

巨人が両腕を振り上げる。

そして前に踏み出しながら巨大な拳を二つ、少女へ向けて一気に振り下ろした。
かなりの巨体にも関らず、その動きは上条の目では追えないほど速いものだった。

59 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/21(日) 00:15:46.28 ID:trTvIYo0

シェリー『チッ!!!』

少女はその強烈な攻撃を剣で防いでいた。
ゴーレムの固い拳に刃が食い込んでいる。

シェリー『はぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
咆哮と共にゴーレムの背中から二対の巨大な腕が生える。
そしてその四つの拳を更に連続して叩き込む。

大地が揺れ、地面に巨大な窪みが次々と刻まれていく。
計六本の槌が凄まじい速度で叩き込まれる。

だが。

少女は軽い身のこなしでそれらを簡単にかわし、
また一本、また一本と腕を切り落としていく。

60 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/21(日) 00:17:55.47 ID:trTvIYo0

刎ねられた巨大な腕がそのパンチの推力と少女の剣撃によって、
とんでもない勢いで吹っ飛んでいく。

六本にまで増えた腕は瞬く間に最初の二本に戻った。

シェリー『―――はッ!』

だがシェリーは笑い声を上げた。
そして急に五和達の方へ振り返り、4人に覆いかぶさった。

上条「―――へ?」

その瞬間、シェリーの背後で巨大な炎が吹き荒れる。

シェリーの巨体がその炎から四人を守る。

68 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:06:10.33 ID:AmdTTFk0

すまん 色々急に忙しくなってた 再開

―――


ステイルは穴から飛び出し、塔の上に上がる。

そしてすぐに彼らを見つけた。
城から少し離れた庭園の中央。

インデックス達と、その前で戦うシェリーのゴーレムと赤毛の少女。

ステイル『―――クソッ!!』

塔の屋根を思いっきり蹴る。塔が炎に包まれて爆散し、彼の体が砲弾のように射出される。

右手に力を集中させ、巨大な炎の刃を精製する。

赤毛の少女の背中へ一直線。

シェリーが跳んでくるステイルの姿を確認してインデックス達へ覆いかぶさる。

赤毛の少女が振り向く。

ステイル『おぁあああああああ!!!!!』

同時に、ステイルの炎剣が少女の胸を貫いた。

70 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:11:02.20 ID:AmdTTFk0

―――

浜面は暗く広大な地下空間を走っていた。
両側には実験機が大量に駐機されている。

浜面「なんで!!…なんであいつがいるんだよ!!!」

先まで、彼と滝壺は謎の特殊部隊に追われていた。
そして追い詰められもう終わりと思った時。

目の前の特殊部隊が青い閃光で一瞬で消し飛ばされた。

そして。

彼にとっての死神が現れた。

麦野沈利。レベル5。第四位。

彼が守るべき滝壺はあっさりとあの死神に奪われた。

浜面「クソ!!クソ!!!」
なんとかして滝壺を救わねば。


「はーまーづーらぁ!どーこ行くつもり?!」


青白い閃光がどこからともなくほとばしり、暗い空間が一気に明るくなる。

71 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:13:21.48 ID:AmdTTFk0

浜面「ぐぁあああッ!!!!」

すぐ傍を光の束が通過し、衝撃で大きく吹っ飛ばされた。
金属の床がオレンジ色の液体に変わる。

20m程奥から麦野と彼女に首を押さえつけられている滝壺が姿を現す。

滝壺「はまづらぁ!!はまづらぁ!!」

麦野「悲劇のヒロインぶっちゃって!泣けるわねぇ!!」

浜面「滝壺…!」
腕を突き、ぎこちなく立ち上がろうとする。だが強烈な全身の痛みがそれを邪魔する。

麦野「悲劇のヒロインと逆境に立ち向かうヒーローかよ。あ〜、むかつく。」

麦野「でも」

麦野「殺すのがもっと楽しそうになるわね」
不気味な笑み。右目のあった穴から更に青白い光が溢れる。

浜面「…!」

72 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:16:48.42 ID:AmdTTFk0

麦野「さあて、どうしよっかなー♪ まず左腕を無くそうか?それとも先にこいつを焼こうかな?」
滝壺を引き寄せる。

浜面「…や、やめろ…」
体に力が入らない。

麦野「決めた。そこでじっとしてな。楽しいショーを見せてあげるから ね♪」

浜面「…頼む…やめてくれ…」
床に這いつくばりながら消えそうな声で懇願する。

浜面は一度麦野を倒した事がある。だがそれは運が良かっただけなのだ。
今はもう何もできない。

立てもしないでどうやって勝てる。

どうやって滝壺を救える。

所詮この程度。隅であっさり死ぬ脇役。

いかに己が無力か。

浜面「…く…そ…」

その時だった。

浜面「…へ?」

浜面と麦野のちょうど中間に黒い円が浮かび上がった。

73 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:18:30.50 ID:AmdTTFk0

麦野「―――」
『あの日』に動員された麦野はこの現象に覚えがある。

あの。奇妙な怪物達が出てくる穴。

黒い円から赤い光が溢れ、案の定飛び出して来た。

赤いトカゲのような巨人。青く輝く瞳に巨大な角。
手には大きな赤く輝く刃がついた鎌。

『アビス』と呼ばれる魔界の精兵だ。

浜面の方へ真っ直ぐ向き、鎌を大きく振り上げる。

浜面「なッ―――」

そして振り下ろされる瞬間。

その悪魔の胸を青白い閃光が貫いた。

74 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:25:50.11 ID:AmdTTFk0

麦野「ッたく!!またかよ!!!よりによってこんな時に!!!」
麦野は滝壺を横に突き飛ばし、更に攻撃を放つ。

怪物の腕が飛び、頭部が消し飛ぶ。

残った胴体が轟音を立てて倒れこんだ。

浜面「…な、な、…!!!?」
何が何だかわからない。

周囲にも大量の黒い円が浮かび上がる。
そしてそこから一斉に赤い怪物が出現し、浜面へ飛び掛る。

麦野「はああああああああ!!!!!」
その瞬間、麦野の咆哮と共に彼女の体から青白い閃光が溢れ、何本もの光線が放たれる。

浜面に飛び掛った怪物達がまとめて焼き払われる。

浜面「うおおおおお!!!」
腕で顔の前を覆い、押し寄せる熱風と降り注ぐ怪物達の燃えカスを凌ぐ。

だが怪物たちの出現は止まらない。
再び黒い円から現れる。当初は浜面だけを狙っていたようだが、今度は皆一斉に麦野へ飛び掛った。

麦野「あああああウゼェ!!!死ねよ!!!」
閃光の塊の左のアームを巨大化させ、一気に横へ薙ぐ。
複数の怪物が一気に焼き切られる。

75 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:28:51.07 ID:AmdTTFk0

浜面「滝壺!滝壺!!」

閃光と焼ききられた怪物の破片が降り注ぐ中、浜面は這いながら滝壺の下へ向かう。

浜面「大丈夫か!!?」

滝壺「うん…はまづら…」

浜面「何だかわからねえが今のうちに!!」

麦野は怪物の相手をするのに夢中になっている。
怪物たちも麦野へ集中している。

浜面は疲労困憊の体に鞭を打って立ち上がる。そして滝壺を抱き上げる。

浜面「く…あ…!!」
膝が震える。力が抜けそうになる。

浜面「くそ!!行くんだ!!」
自分に言い聞かせ、地面を蹴りがむしゃらにとにかくその場を離れようと走った。


麦野「はまづらぁ!!!」


背中越しから交戦音と共に麦野の怒号が聞こえる。
だがそのまま走り続ける。

とにかく走った。

76 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:36:52.63 ID:AmdTTFk0

―――


御坂と黒子は広大な地下施設の中を歩いていた。
実験機の駐機場なのか、奇妙な形をした戦闘機らしき機体が延々と並んでいる。

その空間の広さは幅200m、奥行きは数キロにもなるだろうか。
どこかで何者かが戦っているのか、低い地響きが連続して聞こえる。

黒子「お姉さま…」

御坂「…あんたは戻りなさい」
御坂の手には万が一に備え、ゲームセンターのコインが握られていた。

黒子「それはダメですの!戻るときは一緒に!」

その時、背後から足音が聞こえた。

御坂「!」
咄嗟に振り向き、コインを持った手をその音の方へかざす。

御坂「…へ?」
そこにいたのはついさっき会った者だった。



「よう、また会ったな」

77 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:40:55.08 ID:AmdTTFk0

御坂「ああ!」

黒子「いましたの!!」

ダンテ「何してんだ?」

御坂「こ、こっちのセリフよ!」

ダンテ「俺はただ人探ししてるだけだぜ」

黒子「まだトリッシュさんを探しておられるのですか?」

ダンテ「いや、今は別の奴を探してる」

遥か向こうから戦闘音が響いてくる。

ダンテ「多分あっちにいるな」

御坂「ね、ねえ…何か起こってるの?あいつが巻き込まれたりしてないよね?」

ダンテ「あいつ?」

御坂「と、とととと…と、当麻」
なぜかその名を口に出して頬を赤らめる。

黒子「(チッ)」

ダンテ「イマジンブレイカーの坊やか。学園都市にはいねえみてえだぜ」

御坂「は?」

78 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:45:57.98 ID:AmdTTFk0

ダンテ「探したんだけどな。いねえ」

御坂「それってどういう―――」
言い掛けた所で、ダンテが手を挙げて遮る。

ダンテ「へえ…」
何やら急ににニヤけ始める。

御坂「?」

黒子「お、お姉さま!!!」
黒子が指を刺す。その先の床に黒い円が。

御坂「!!まさかまた!!!」


ダンテ「なあお嬢ちゃん、ひとつ頼んでもいいか?」

周囲に黒い円が大量に浮かび上がる。

御坂「ななな?」

ダンテ「人探し。浜面っつーボーヤと滝壺っつーお嬢ちゃんを見つけてくれ」

黒子「へ?」

79 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:49:43.51 ID:AmdTTFk0

ダンテはコートのポケットからヌンチャクを取り出し、放り投げる。

ダンテ「誘導と護衛してやれ」
その瞬間、ヌンチャクが巨大な三頭の狼の姿になる。

黒子「ひぁああああ!!でたあああああ!!!」

御坂「ちょッ!ちょ!?」


ケルベロス『また会ったな小娘よ』


ダンテ「アラストル!!」
その声と同時にどこからともなく大剣が飛んで来て床に突き刺さる。

刃は銀色、柄が黒く鍔の部分に大きな翼の装飾。
そして全体に青い電撃がまとわり付いている。

ダンテ「あの茶髪のお嬢ちゃんに力を貸してやれ。体がふっ飛ばねえように調節しろよ?」

アラストル『ああ』
床から飛ぶように抜け、御坂の前に浮かぶ。

御坂「え!?な、何!?」

ダンテ「使え」

80 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:55:18.19 ID:AmdTTFk0

御坂は恐る恐るその大剣の柄を握る。

御坂「わッ!!」
その瞬間、凄まじい電撃が発生する。

御坂「何これ…凄い凄い!!」
良く分からないが、とてつもない力を感じる。
体中に凄まじい何かが流れ込んでくる。

アラストル『よろしく。お嬢さん』

ケルベロス『さあ我に乗るがいい』

ケルベロスが伏せる。

御坂「黒子ォ!!!行くわよ!!!」
アラストルの力のせいか、御坂は少しハイになっているようだ。


黒子「は、はいですの!」


二人がケルベロスの背中へ飛び乗る。

82 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/22(月) 23:57:47.30 ID:AmdTTFk0

黒子「ひぁ!や、やはり…冷えますの…」

ダンテ「いいな」

御坂「わかったわよ!!!任せなさい!!」
アラストルから流れ込んでくる力でハイになった御坂がケルベロスの背中の上で叫ぶ。

ダンテ「任せたぜ」


御坂「行くわよ!!!進みなさい!!!」

ケルベロス『…掴まっておれ』
そしてケルベロスは地面を蹴り、一気に加速した。
金属の床がケルベロスの爪によって抉られる。

御坂「あははははは!!!もっと!!もっと速く!!!」
アラストルをぶん回し、御坂が叫ぶ。

黒子「ふぎゃあああああ」
御坂の背中にしがみ付きながら黒子が悲鳴をあげる。

その姿はさながら『魔狼騎士』とでも言うべきか。

二体の大悪魔を従えた御坂と、それにしがみ付く黒子は広大な地下施設を突き進んでいった。

83 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 00:02:27.49 ID:lfnvTwE0

ダンテ「…」
アラストルにもう少し抑えろと言えば良かったかもしれない。
あの少女は見た感じ、典型的な『悪魔の力に魅了されている者』だ。

ダンテ「まあいいか」
だが短時間ならそう悪い影響もないだろう。


ダンテ「ハッハ〜、それじゃこっちも始めようぜ!!」

周囲に八個の黒い円。

ダンテ「…つーか…たまにはな」
一瞬顔を下ろし考える。そして再び勢い良く顔を上げる。


ダンテ「ルシフェル!!!」


その瞬間、ダンテの左肩に奇妙な装具が現れる。
髑髏をあしらったようなバスケットボール大の塊、そしてそこから伸びる二本の鎌のような巨大なアーム。

ダンテの口にはなぜかバラが咥えられていた。

周囲の穴から巨大な光る鎌を持った赤いトカゲのような悪魔が這い出してくる。


ダンテ「さあお楽しみの時間だ!!ここから先はR18だぜ!!」

85 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 00:09:16.23 ID:lfnvTwE0

悪魔達が一斉に飛び掛る。

ダンテは同時にアームの先へ手を伸ばす。

ダンテ「Ha!!!」

するとアームから赤い剣が何本も生えてくる。
それらを掴むと、一気に腕を振って前方にぶん投げる。

前から突進してきた三体のアビスの口・胸・股間に一本ずつ、一体に三本ずつ突き刺さる。

ダンテ「攻めは同時に!」

更にアームから赤い剣を取り出すと身を捻り、今度は左右両側のアビスへ放つ。
放つと同時に身を低くしてかわしたアビスの鎌同士が頭上で衝突し、甲高い金属音と共に火花を散らす。

放たれた赤い剣は先のと同じく口・胸・股間に一本ずつ、計六本が二体を貫く。

86 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 00:12:54.81 ID:lfnvTwE0

ダンテ「焦るな!慎重に!」

更に赤い剣を手にすると、今度は真上から来るアビスへ二本放つ。


ダンテ「それでいて息つく暇も無く!」


1本は人間でいう肛門の位置に、もう1本はそのすぐ傍、女性でいう秘部の位置に。


ダンテ「深く!強く!的確に!」


そしてすかさず後方から来る二体へ更に放つ。
胸の中央、人間でいう心臓の位置へ一本ずつ。

ダンテ「ハートも忘れずにだ―――」

一連の動作は一瞬の出来事だった。八体のアビスがほぼ同時に倒れこむ。

ダンテは咥えていたバラを手に取り



ダンテ「―――そして絶頂へ」


軽く投げた。
同時に悪魔達の体に突き刺さっていた赤い剣が爆発する。
八体の悪魔は木っ端微塵となった。

91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/23(火) 00:45:06.49 ID:TdbafoDO
何という荒ぶる中年wwwwww
今回はパンドラも出番来るか?

95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 19:57:22.90 ID:lfnvTwE0
―――


浜面「ぐッ!!はぁ…!!」

浜面は滝壺を抱えてただ走っていた。
体中が痛む。

本来は立っていることすらやっとなのだ。

滝壺「はまづら…」

浜面「大丈夫…大丈夫だ!!」
何が起こっているのかわからなかった。
所詮、脇役の彼には事態の全貌を知ることなど不可能だ。

彼がやらなければならない事は唯一つ。
この腕の中にある少女の命を守ること。

だがそれすらも危うかった。

浜面「…!!!」

前方に複数の黒い円が浮かび上がる。

96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:02:04.13 ID:lfnvTwE0
浜面「うぉお!!」
止まろうとして踏ん張ったが、足に力が入らず転んでしまう。

咄嗟に身を捻り、滝壺が金属の床に打ち付けられるのをなんとか防ぐ。
だが絶望は今、彼の目の前に迫っていた。

浜面「くそ…!」

黒い円から、あの巨大な赤い怪物が姿を現した。
大きな鎌を振り、浜面を不気味な赤く輝く瞳で睨む。

浜面は立てなかった。
ただ滝壺を抱きしめるしかできなかった。

怪物が鎌を振り上げ、奇妙な咆哮を上げて浜面達へ突進してくる。

浜面「(―――やっぱり)」

どう足掻いても死ぬ。

浜面「(―――俺はこの程度かよ)」

何もできずに。この腕の中のかけがえの無い少女を守れずに死ぬ。

浜面「(―――滝壺)」

腕の中の滝壺に顔をつけ目を瞑る。死を覚悟する。

その時だった。

とてつもない轟音が響く。

97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:06:19.58 ID:lfnvTwE0
浜面「―――?」

顔を伏せていたため、何が起こったのかわからない。
だがあの巨大な鎌は振り下ろされていないようだった。

生きている。

何やら冷たい空気を感じる。
恐る恐る顔を上げると。

浜面「な―――」

『それ』を見て体が硬直する。

巨大な氷の塊。

いや、氷に覆われた頭が三つある狼のような怪物。
突き破って隣のフロアから来たのか、
背後の金属製の頑丈な壁に高さ10mはあろう大穴があいていた。

その怪物の大きな爪がある足の下から、先ほどの赤い怪物が持っていた鎌がひん曲がりながら突き出ていた。

浜面「お…あ…」
頭の中が真っ白になる。

救いではない。更なる絶望がやってきた。
そう浜面は感じた。

「あんた、名前は?」

その時、怪物の背中から少女の者らしき声が聞こえた。

99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:10:39.23 ID:lfnvTwE0
浜面「…は?」

怪物の背中から小さな人影が一つ飛び降りた。

「名前は?浜面ってのと滝壺って人探してるんだけど」

声の調子のとおり、浜面よりも一回り小さいくらいの少女だった。
どこかの学校の制服を着ている。
右手には電気が迸っている、身長ほどもある巨大な剣。

どう考えても只者じゃない。
浜面の『チキンレーダー』が直感的に反応する。
この目の前の少女は彼らを一瞬で殺せる力を持っていると。

浜面「…」
答えるかどうか迷う。
理由は分からないが、今日に入ってから大勢に命を狙われている。
この目の前の少女も浜面達の命を狙っているのだろうか。

もしそうだとしたら、こんな時間稼ぎは無意味なのだろうが。

「ひぁあああ…お腹が…」

そうこう考えてると、怪物の背中からもう一人小さな少女が降りてきた。
ツインテールで、茶髪の少女と同じ制服を来ている。

浜面「(あの制服、どこかで…)」

100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:14:06.20 ID:lfnvTwE0
浜面「…お前らは?」
睨み、警戒しながら問う。

滝壺「あ」
新たな来訪者の顔を見た滝壺が小さく声を上げる。

「…あ、あんた!!あの時の!!」
滝壺の顔を見た茶髪の少女も声を上げる。

二人は面識がある。その時は敵として。
あの妹達の、レディオノイズ事件の際とある研究施設で麦野と滝壺とフレンダ、そして御坂は死闘を繰り広げた。

浜面「し、知ってる奴か?!」

滝壺「常盤台の…レールガン」

浜面「…!!」

息を呑む。
常盤台のレールガン。浜面でも知っている。レベル5第三位。
あの麦野よりも序列が上の存在。

浜面「(やべえ…!!)」
敵だとしたら危険すぎる。

レベル5は変わっている。それは浜面は麦野としょっちゅう共に行動してきたので良く知っている。
だがこの目の前の少女は『変わっている』なんてレベルではなかった。

巨大な三頭の獣の怪物に乗って現れ、奇妙な大剣を持っている。

101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:20:39.31 ID:lfnvTwE0
「…まさかあんたが滝壺?」

滝壺「うん…こっちがはまづら」

浜面「うおい!!」

「そう、見つけたわ」
ニヤリと笑う。

浜面「クソッ…!!」

「…まあ細かい事は後にするわ。ほら、さっさと逃げるわよ」

浜面「―――へ?」

滝壺「?」

「あなた達を守れって頼まれているんですの」
隣のツインテールの少女が答える。

浜面「…頼まれた?」

「ダンテによ」

浜面「だんて?」

「あれ、知り合いじゃないの?あの銀髪の変な白人よ?」

浜面「…滝壺知ってるか?」

滝壺「ううん」

102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:25:42.14 ID:lfnvTwE0
「…まあ…あの方の事ですから色々と…」

「…全く…良いから行くわよ」

浜面「お、おう…」

御坂「御坂美琴」

黒子「わたくしは白井黒子ですの」

浜面「おう…っくぁ…」
立ち上がろうとしても体が言う事を聞かない。
最早限界だった。

御坂「…黒子、乗せて」

黒子「はいですの」
黒子が浜面達の傍に行き、しゃがんで二人の肩に手を当てる。

黒子「ちょっと冷たいでしょうが我慢して下さいまし」

浜面「へ?」
その次の瞬間、視界が豹変する。

浜面「…おッおおッ!!冷ぇッ!!!」

滝壺「ふぁ!!」
気付くとあの氷の怪物の背中に乗っていた。

103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:29:42.24 ID:lfnvTwE0
御坂もケルベロスの背中に飛び乗る。

御坂「…ところでどこに行けばいいの?」
股の下の氷の肌を軽く手のひらで叩きながら問う。

ケルベロス『…遠ざければいいのではないか?』

浜面「しゃしゃしゃべ…!!」

黒子「黙ってて下さいまし」

背後の声を無視して御坂は続ける。

御坂「じゃあとりあえず出るわよ。多分真っ直ぐ行けば地上に繋がるゲートがあると思うし」

ケルベロス『では掴まっておれ』

周囲の床や壁に黒い円が多数浮き上がる。

御坂「周りは任せて」

ケルベロス『何を言う。全て我の獲物だ』
その言葉と同時にケルベロスの巨体が前方へ向けて急加速する。

浜面「うぁおおおおおお!!!!」

滝壺「…ぁああッ…!!」

104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:31:46.94 ID:lfnvTwE0
多数の悪魔達が飛び掛ってくる。

ケルベロスの頭部の一つが咆哮を上げる。
それと同時に前方が一瞬で氷で覆われ、悪魔達が纏めて凍結する。

御坂「そりゃあああ!!!」

御坂がアラストルをケルベロスの背中で振るう。

その穂先から巨大な電撃の斬撃が飛び、
悪魔達をなぎ払い壁や床に長さ30mはあろう巨大な溝を刻む。

御坂「凄い凄い!!!何これ!!!」
御坂はあまりの力に大はしゃぎする。

黒子「お姉さま!!いいから次ですの!!」
浜面と滝壺が振り落とされないように手で押さえながら黒子が叫ぶ。

105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:35:34.78 ID:lfnvTwE0
御坂「もういっちょおおおお!!!!」

今度は更に力を篭めて振るう。
大気を引き裂く音と共に先のよりも二回り以上大きな電撃の刃が、
地下の巨大な駐機場を破壊する。

複数の悪魔が巻き込まれ跡形も無く消える。

支柱が折れたのか、一部の天井が大きく歪み崩れ始める。

浜面「…うおおお…」

浜面は氷にしがみ付きながらその光景を見ていた。

あの麦野もかなりふざけたレベルの力だったが、この少女は更に馬鹿げてる強さだと。

さすがはあの麦野よりも上の第三位なだけある と彼は思った。
今の強さはアラストルによるブースト効果が大きいのだが。

とはいえ、通常時の彼女本来の力もそれなりに馬鹿げているレベルだ。


106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:39:28.67 ID:lfnvTwE0
―――



ステイルの炎剣が少女の胸を貫く。

凄まじい衝撃波と炎の壁が周囲を焼きながら薙ぎ倒していく。

ステイル『―――』

だが少女は怯む様子も無くそのままステイルに剣を振るう。

ステイルはもう一方の腕の炎の篭手でそれを受け止める。

そして同時に腰から下を回し、少女の側頭部へ強烈な蹴りを放つ。
爆炎を引きながら小さな体が横へ吹っ飛び、地面にめり込んで大地を揺るがす。

ステイル『シェリー!!インデックス達を神裂の所に!!!』

シェリー『ああ!!』
インデックス達に覆いかぶさっている、魔像化しているシェリーの足元に巨大な黒い円が浮かび上がる。

109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:46:27.03 ID:lfnvTwE0
>>107 ここはいらないらしい。でも今読んでくれてる人がいるってわかるのは嬉しい


その時。
粉塵の中から少女が飛び出して来た。

ステイル『おあああああああ!!!』

シェリー達の方へ行かせまいとステイルが飛び込む。

炎剣と曲刀が交わる。
再び金と赤の光の塊が激突し、爆炎の嵐。

その隙にシェリー達が黒い円に沈んでいった。

ステイル『行かせはしない!!!』
その虚ろな瞳を睨む。

鍔迫り合い。

刃が交わる点から赤と金の巨大な火花が散る。

110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:50:07.10 ID:lfnvTwE0
―――


神裂は一人荒野に立っていた。
周囲の草地はまるで絨毯爆撃にあったように広範囲に渡って抉られていた。

神裂「…なんでしょう…」
つい先ほどから妙な感覚がする。世界が別物になったような。
あの学園都市で魔帝の封印が解かれた時と『大気の匂い』が似ている。

その時、すぐ目の前の地面に直径10m程の巨大な黒い円が浮かび上がった。

神裂は慌てることなく七天七刀を構える。

神裂「―――」
だが穴から出てきたのは悪魔ではなかった。

いや、それを見たこと無い者は悪魔だと思っただろう。

神裂「シェリー!」
赤い瞳の黒い巨人が屈んでいる。その巨体の下にも見慣れた人物達。

112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 20:54:29.77 ID:lfnvTwE0
神裂「皆さん!!一体何が…?」

シェリー『あの人造悪魔が動き始めやがった!!今ステイルと交戦してる!!』
巨人がエコーのかかった声を発する。

アニェーゼ「ウィンザー城は陥落しやがりました!!」



神裂は簡単に状況を聞いた。

神裂「私はウィンザーに行きます。あなた方はネロさんと建宮達を合流してください」

シェリー「ああ!」

神裂はそれだけ言葉を交わすと、すぐに移動用の穴を作り沈んでいった。


―――
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 21:01:12.21 ID:lfnvTwE0
―――

ステイル『はああああああ!!!』
両手に力を篭め思いっきり弾く。

お互いが吹っ飛ばされる。

ステイルは後方へ飛び、距離を置く。

ステイル『さあ…仕切りなおそうじゃないか』

その時。
少女の体が急に輝き始めた。

ステイル『おい…』

あの少女の力が更に高まるのがわかる。

ステイル『冗談だろ…?』

そして光の爆発。
その中から姿を現したのは。

背中に翼を生やし、全身が羽に覆われたまるで鳥人のような悪魔。

体の大きさからあの少女だという事がかろうじてわかる。


赤毛の少女は魔人化したのだ。

114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 21:07:38.14 ID:lfnvTwE0
ステイル『…ッ!!クソ!!!』

一気に突進する。

そして炎剣、オレンジ色の大剣を両手に発生させ振りぬく。

だが魔人化した少女は軽く身を捻り、それをかわす。

そして流れるような動作で二刀を繰り出す。
ステイルはその乱撃を両手の炎剣で捌く。

少女の攻撃は凄まじかった。
速く、そして重い。

ステイル『ぐッ!!!』
体を炎化させ捌けなかった剣撃をかわす。
だが次第に間に合わなくなる。

そして限界が来る。

ステイルの胸が淡く光る曲刀に大きく裂かれる。

ステイル『ぐぉおおおお!!!!』

115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 21:12:19.44 ID:lfnvTwE0
ステイルの胸を裂き、少女は振りぬいた剣の慣性を利用して体を回転させる。
そしてその小さな足でステイルの顔面に強烈な蹴りを放つ。

凄まじい衝撃波が周囲の地面を大きく抉り、ステイルも大きく吹っ飛ばされる。

ステイル『がッ…!!』
何とか身を捻って着地し両足でブレーキをかける。
粉塵を上げ彼の足が二本の筋を20m程地面に刻んだところで体が止まる。

ステイル『…くそ…!』
すぐに胸の傷が塞がるが、『魂』そのものに与えられたダメージは着実に彼を蝕んでいた。

ステイルは50m先の小さな少女を睨む。
相変わらずの無表情。

至近距離で全力で刃と拳を交わらせて力量の差を痛感した。
己よりも遥かに強い。

―――イフリートがあれば。

一瞬そう思ったがすぐに否定する。
無い物の事を考えても意味が無い。

ステイル『はは…まいったな…』
力なく笑う。

その時、ステイルの右20m程の地点の地面に金色の円が浮かび上がった。

116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 21:18:35.44 ID:lfnvTwE0
ステイル『遅いよ…』

神裂が現れる。
その目は真っ直ぐとあの鳥人、魔人化した少女へ向けられていた。

大きく倒壊し黒煙が何本も立ち上がっているウィンザー城をバックにして
赤毛の少女が悠然と立っている。

神裂「そういうことですか…どうです?」
声だけをステイルへ飛ばす。

ステイル『強いよ。とてつもなくね』

神裂「…」
神裂の瞳と体が金色に輝く。
左腕に重なるように巨大な金色の腕が出現する。

神裂『私達二人で勝てますか?』

ステイル『さあね。試してみようじゃないか』

神裂『ですね』

魔人化した少女が腕を広げ、両手の剣をゆっくりと振るう。
まるで挑発しているかのように。

ステイル『行くぞ』

神裂『ええ』

その言葉と同時に二人が一気に地面を蹴る。

117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 21:26:28.09 ID:lfnvTwE0
金と赤の光が猛烈な速度で突き進む。

だが少女はその二人と激突しなかった。
突然真上へ高く跳躍する。

神裂『!?』

そして空中から何かを投げる。

それは小さなナイフ。神裂とステイルのどちらにも向けられたものではなかった。
何も無い地面に突き刺さる。

ステイル『―――?』

二人は一瞬困惑する。
だがすぐにわかる。

ステイル『まさか』

あのナイフの刺さった場所。それはシェリーが先程までいたところだった。
地面に刺さっているナイフが光る。すると一瞬だけ、シェリーが使用した黒いの円が浮かび上がった。

僅かに残留した力の名残を探知し、ナイフがその移動式の情報を読み取る。

そして『シェリーが向かった場所』を特定する。

神裂『―――くっ!!』

直接手を下せないのなら、居場所を探知して別の悪魔を遠隔召喚して送ればいい。

そしてその悪魔に禁書目録の首を。


119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 21:33:42.75 ID:lfnvTwE0
―――

シェリー『…おい、待てよ…』
シェリーは異変を感じ取った。

五和「どうしました?」

上条「?」

シェリー『来る』
その言葉と同時に30m程離れた所に巨大な黒い円。

アニェーゼが杖を、五和が槍をすぐに構える。
だが穴から出てきた悪魔はどう見ても彼女達の攻撃が通じるような相手では無かった。

禁書「あれは…!!」

上条「うぉおおお?!」

それは高さ5mはある巨大な悪魔だった。
シェリーのゴーレムに似ている。全身が黒い巨人。図太い胴体・腕・足。
小さな頭部が二つあり、目の位置から淡い青い光が漏れていた。
腕の先には鎖に繋がった巨大な鉄球のようなもの。

胴体には拘束具のような金属のベルトが何重にも巻かれていた。


『タルタルシアン』と呼ばれる大悪魔。

かつて魔帝に反旗を翻した高名な戦士であり罪人。
その力の有用性を認められ、殺されること無く使われていた存在である。

魔帝が作り出した拘束具に囚われていて尚その莫大な力が溢れ出す。

120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 21:38:58.85 ID:lfnvTwE0
シェリー『下がってろ!!!』

上条達が慌てて駆け出し離れようとする。

シェリー『エリス!!!!!』
シェリーの体を覆うゴーレムが軋むような音を立てて巨大化する。

『ヴオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!!!』
ゴーレムの瞳が赤く輝き口が大きく開き、
シェリーのものとまるで巨大な恐竜のような低い声が混ざった咆哮が響く。

シェリーを核としたゴーレム=エリスはタルタルシアンと同じサイズまで巨大化した。

タルタルシアンが腕を大きく振るう。
先端から伸びる鎖に繋がった鉄球が凄まじい速度でゴーレムの巨体へ向かう。

ゴーレムはそれを腕で防ぐ。
内臓が震える程の地響きが起こる。

シェリー『おおおおおあああああ!!!!』
咆哮しながらもう一方の腕を振り、その巨大な拳をタルタルシアンの胸部へ叩き込む。
大地を割るほどの強烈なパンチが直撃し再び大地が震える。

だがタルタルシアンは僅かに揺れただけだった。
悪魔は更に腕を振り鉄球をぶん回す。

シェリーはそれを捌きながら拳を叩き込む。
巨大な爆弾が連続して爆発するような炸裂音が連続する。
そのたびに凄まじい爆風が起こる

巨人同士の規格外の殴り合いが始まった。

121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/23(火) 21:44:53.70 ID:.GVwG2.o
『』と「」はどう使い分けてんだ?念話かなにか?

122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 21:45:20.40 ID:lfnvTwE0
―――

麦野「…ッはぁ!!」
麦野は一人立っていた。
周囲の床や実験機は悉く破壊されていた。

彼女に群がる怪物達は姿を消していた。
どうやら攻撃は収まったようだ。

麦野「っチッ!!とんだ邪魔が入ったわね!!」
こんな状況でも彼女の考えてることは一つしかない。

麦野「はまづらぁああ!!!!」
声が反響する。
どこかで誰かが戦っているのか、戦闘音が響いてくる。

麦野「ったく!!逃がさねーっつーの!!」
浜面達が向かった方へ数歩歩いた時。

再び気配を感じた。

麦野「…またぁ?」

振り返ると。

麦野「…?」

20m程先の宙に奇妙なものが浮いていた。

123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 21:50:08.35 ID:lfnvTwE0
>>121 台詞の『』は魔人化等して力が解放された状態。独特のエコーがかかってる声です。


巨大な白い翼が生えた、いや生えていると言うよりは翼の固まりだ。
胴体は巻きついている翼で見えない。

その翼の塊の頂点に角の生えた黒い頭部。
目らしき切れ込みからは赤い光が漏れていた。

全身から淡く金色の光が溢れている。あたかも天使のようだ。

実際はかつて本当に『天使』だった存在だ。
その名は『フォールン』。太古の戦乱の際、魔界に寝返り悪魔に転生した堕天使。

麦野「…悪いけど、私そういうメルヘンなのには興味ないの」

青白いアームを向ける。

麦野「邪魔。死んで。ね?」

そして彼女のイラつきに比例した特大の光線が放たれた。
施設全体が大きく揺れ、床がめくり上がり赤い液体となって飛び散る。

だが。

麦野「…え?」

125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 21:55:09.05 ID:lfnvTwE0
『天使もどき』は先と変わらず宙に浮いていた。
傷一つつかず。怯んだ全く様子も無い。

麦野「チッ!!!」
麦野の全身から青白い光が溢れる。

麦野「おぁあああああ!!!!」
そして更に大きな、太さ2m以上はあろう光の束が放たれた。

その破壊の槍は周囲を溶けた金属の海にし、施設の天蓋を貫いて地上へ続く穴を形成した。

だがそれでも。

『天使もどき』は相変わらず宙を漂っていた。
穴の空いた天蓋から外の太陽の光が差し込み『天使もどき』を照らす。
あたかも天使が降臨したかのような光景だった。

麦野「うそ…マジ…?」
唖然とする麦野を尻目に、今度は天使もどきが動く。

翼の隙間から黒く細い腕が1本でてきた。
そして鋭い爪のついた手のひらを上に向け掲げる。

するとその上に長さ50cm、太さ5cmほどの青白い槍のようなものが出現した。

126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 21:58:45.04 ID:lfnvTwE0
殺し合いの闇の世界で培った麦野の勘が反応する。

あれはヤバイと―――

麦野「―――ッ!」
能力を利用し、体を一気に後方へ加速させる。

それと同時だった。
天使もどきの青白い槍が猛烈な速度で放たれた。

100分の一秒という時間差で麦野が一瞬前までいた床に突き刺さる。

静寂。一瞬全てが止まったように感じた。
次いで響き渡る轟音。

麦野「くぁ…!!!」
体の前に青白い壁を作り爆風を遮る。

麦野「…!」
麦野は天使もどきが放ったその青白い槍の破壊痕を見た。

直径5m程の綺麗な円が金属の床に穿たれていた。
それだけならどうって事は無い。たしかに凄いが麦野にも出来る。

だがその穴はよく見ると異常だった。

127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 22:03:18.70 ID:lfnvTwE0
穴の淵が綺麗過ぎるのである。切ったのでも溶かしたのでもない。
まるで床そのものが消えてしまったような。

当然、熱も感じられないし砂粒程度の破片すら飛び散ってない。

麦野「(これは…!!)」
原理も力の正体もわからない。
だが一つだけわかる。

明らかにヤバイ代物だ。

己の力で防げるかどうかわからないし、試そうとも思わなかった。

麦野「ッ!!」
こちらの攻撃が通じない。
そして相手の攻撃は明らかに異常。

そうなると手段は一つ。
逃げるしかない。

彼女はこんな所で死ねないのだ。

あの少年、浜面と全てを清算するまで。

128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 22:07:32.51 ID:lfnvTwE0
麦野「―――」

だがそう易々と逃げるのが許されるはずが無かった。

天使もどきはもう1本腕を出し両手を掲げる。
すると今度は頭上に四本、青白い槍が出現した。

麦野「クッソ!!!」
体を再び急加速させる。
避けれるかはわからない。だがとにかく動かないといけない。

己の反応できる限界を超えた速度でとにかく離れようとする。

だが天使もどきは難なくその速度に合わせ、彼女を追ってくる。

一発、二発と青白い槍が放たれる。

彼女は方向を急転回させ体を思いっきり横へ飛ばす。

麦野「くあッ!!!」
直撃は免れたが凄まじい衝撃波が彼女を襲う。

だが痛みに悶えている暇は無かった。

もう更に二発。

彼女へ放たれる。

130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 22:12:58.74 ID:lfnvTwE0
麦野「ッ!!!!」

体を更に飛ばす。
一発はかわした。

だが二発目。

麦野「あああああああ!!!!」
スレスレの所で生身の部分への直撃は免れた。

だが左のアームがその破壊に巻き込まれる。

彼女の能力の産物であるアームが全く抵抗無くあっさりと肘から先が消し飛ぶ。

麦野「!!!」

間接的に証明された。
あの天使もどきの攻撃に彼女の力では耐えられない。

防ぐことは不可能だ。

仮説が証明されたが絶望を再確認させるありがたくない答えだった。

麦野「―――ざっけんなクソッ!!」

そしてその絶望が更に上乗せされる。

天使もどきが再び腕を掲げる。
すると今度は長さ5mはあろう巨大な槍が現れた。

誰がどう見ても、今までとは格が違う破壊力をもっているというのが予想できる。

132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 22:16:28.12 ID:lfnvTwE0
麦野「(ヤバイ!!マジでヤバイ!!!)」

先とは比べ物にならない重圧が圧し掛かる。

麦野「(…?)」
気付くと、自分の足が震えていた。

彼女自身は気付かなかったが体は目の前の絶対的な力に素直に恐怖していた。

麦野「(は…は…)」
それを自覚した途端、急に恐怖の感情がこみ上げてきた。
ここ数年忘れていた感情。

レベル5位となり、闇の世界へ身を投じていくにつれ彼女の感情は徐々に欠落していった。
殺し殺される世界。

いつしか周りの人間がゴミと同じに見えるようになった。
そして己は怪物だと。

怪物。

だがそんな幻想も今叩き壊された。

この目の前の存在こそ正真正銘の怪物だ。
レベル5第四位が聞いて呆れる。

この目の前の存在にしてみれば、彼女は傷一つつけれずにあっけなく殺される小物に過ぎなかった。

133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 22:23:29.30 ID:lfnvTwE0
麦野「…」
言葉が出なかった。

自覚してしまったのだ。

その恐怖を。

恐怖が彼女の体を固く縛る。

嫌な汗が額を、頬を伝う。
まるで彼女の萎縮した心に比例するかのように、右目と左肩から溢れる青白い光がどんどん小さくなる。

そして彼女の中で何かが音を立てて切れた。

その場に力なくヘタリと座り込んでしまった。

麦野「あはは…」
心ここにあらずといった感じで、天使もどきを見つめながら虚ろに小さく笑う。

天使もどきがその巨大な槍を掴み、投擲の構えをする。

134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 22:28:57.93 ID:lfnvTwE0
脳裏に一人の少年の顔が浮かぶ。
憎み憎んで、何が何でも殺そうと誓った少年。彼女の全てを破壊した男。

麦野「…ここで終わりみたい…」


麦野「はまづらぁ…」


その名を発した時の彼女の表情は歪んでいた。

今にも泣き出しそうに。

青白い槍がそんな彼女に向かって放たれた。
一際大きな轟音が響く。

だが。

彼女の体は残っていた。

麦野「…?」

その時、声が聞こえた。


「ハッハ!!おい大丈夫かお嬢さん!?」

136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 22:34:24.46 ID:lfnvTwE0
目の前が赤い何かで覆われていた。

麦野「?」
良く見るとそれは人間の後姿だ。
銀髪の大男。足元には大きなギターケースが置かれていた。
肩には髑髏型の奇妙な金属の塊。
そしてそこから大きなかぎ爪のようなアームが伸びている。

ダンテ「こいつ俺が貰ってもいいか?」

麦野「…え?」
どうやら麦野へ向けられた言葉らしい。

その時、突如奇妙な咆哮が響く。
あの天使もどきが翼を大きくうねらせ、両手に巨大な青白い槍を出現させた。

ダンテ「ハッハ〜♪そこから動くんじゃねえぞ」
ダンテは背中に手を回し、アームから赤い剣を複数引き抜く。

天使もどきが槍を放つ。

ダンテ「Huh!!!」
ダンテも赤い剣を放つ。

ちょうど中間の位置で赤と青の光が衝突し、爆風が吹き荒れる。

天使もどきの攻撃が相殺される。

137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 22:39:06.65 ID:lfnvTwE0
麦野「…なッ!!!」

ダンテは間髪いれずに赤い剣を次々と放つ。

だが。
天使もどきの頑丈な翼がそれを弾く。

ダンテ「へえ…そういえばそういう奴だったな…」
不気味にニヤける。

天使もどきの翼が更にうねり、瞳も輝きを増す。

ダンテ「最高じゃねえか!ガードが固い子は燃えるぜ!!」

麦野「へ…?」

楽しそうな声を上げながらダンテが一気に跳躍する。
一瞬で天使もどき真上に移動する。

139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/23(火) 22:43:53.68 ID:TdbafoDO
何という薔薇中年wwwwww

140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 22:46:06.20 ID:lfnvTwE0
ダンテ「ガードが固いなら―――」
バラを加えながら飛ぶ。

宙で身を捻り真上から複数の赤い剣を放つ。
金属がこすれるような音を立てて天使もどき、「フォールン」の翼の羽の隙間に突き刺さる。

ダンテ「慌てず焦らず慎重に―――」

フォールンが咆哮をあげ、手に持つ青白い槍をぶん回す。
凄まじい衝撃波の刃が周囲を刻んでいくもダンテは笑いながらそれを軽々とかわし、更に真上から何本も放つ。

ダンテ「だが大胆に!」

そしてそのままフォールンの頭部、ダンテを見上げている顔面に着地する。

ダンテ「濃厚な口づけも忘れずに だ。」
足の下のフォールンへ軽くウインク。

ダンテ「ムード作りには必須だぜ」

逆鱗したフォールンが多きく身を捻りダンテを振り落とす。

ダンテは落下しながら、赤い剣をアームから引き抜きフォールンの正中線にそって何本も叩き込んでいく。

首、胸、そして腹を伝い股間の位置へ。胴体を覆っている羽の隙間へ突き刺していく。

ダンテ「そして間髪入れずにに―――」

着地したダンテは真上、フォールンの下側へ更に放つ。

ダンテ「刺激の波を」

141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 22:47:58.66 ID:lfnvTwE0
フォールンは両手の青白い槍を振るう。

ダンテは難なく後ろに下がってかわす。

金属の床に巨大な溝が刻まれる。

ダンテ「すると―――」

バラを咥たままポーズを決め、


ダンテ「秘密の花園が口を開く」


顔の横で軽く手を叩く。

その瞬間フォールンの翼に突き刺さっている20近くの赤い剣が一斉に爆発した。

翼が千切れフォールンの咆哮の中、美しく輝く羽が周囲に散る。

そしてフォールンの胴体が姿を現す。
黒くおぞましい醜い胴体が。

143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 22:49:54.12 ID:lfnvTwE0
ダンテ「後は―――」

体をその場で回転させ、そのフォールンの剥き出しになった胴体へ何本も放つ。

ダンテ「挿れ―――」

何本も何本も。
赤い剣がフォールンの胴体へ抵抗も無く次々と刺さっていく。

ダンテ「激しく突く!」

フォールンの咆哮が響く。
なんとか青白い槍で弾こうとするも、その数が多すぎる。

ダンテ「次第に強く!速く!」

フォールンの胴体が突き刺さった赤い剣で埋まり、剣山のようになった。

144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]:2010/03/23(火) 22:52:09.15 ID:lfnvTwE0
ダンテ「そして…」


ダンテ「Finish…」

振り返りフォールンを背にして、呆然としている麦野の目を真っ直ぐに見つめる。

ダンテ「押し寄せる波に身を委ねよう」


咥えていたバラを手に取る。



ダンテ「君は―――自由だ」



そして麦野の方へ軽くバラを投げた。

そのバラが床に座り込んでいる麦野の太ももの上へ落ちる。

それと同時に背後のフォールンが大爆発を起こす。

145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/03/23(火) 22:52:28.35 ID:o9seJp60
薔薇ダンテ独壇場wwwwwwwwww

146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/03/23(火)
22:53:08.29 ID:FWlolrU0
エロいのに下品じゃ無い不思議。イケメン力の違いか。

ダンテ「学園都市か」10(外伝 対アリウス&ロリルシア編)



posted by JOY at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 禁書クロスSS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。