2010年08月23日

佐天「第四……波動……か」1

1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/03/27(土) 15:10:49.93 ID:4zoyMMAO
初春「佐天さんって本当どうしようもないですよね」

佐天「えっ」

初春「何もできないくせに口ばけ達者で」

佐天「ちょ、初春いきなり何を……」

初春「知ってますか?この世の中には無能力者でも超能力者を倒す人だっているんですよ?」

佐天「え、あ……」
                            ニードレス
初春「それに比べて佐天さんは……本当っ、要らない子ですよね」

佐天「う……」

佐天「うわーん!!!初春の馬鹿ーっ!!」

初春「(泣いてる佐天さん可愛い)」

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:12:16.12 ID:4zoyMMAO
白井「全く……また佐天さんをいじめて」

初春「だって泣いてる佐天さん可愛いじゃないですか!ああもう、可愛いなぁ、そのくせに明日になったら
   何もなかったように初春ーって呼んでくれるんですよ?かわいすぎてしょうがないです!」

白井「貴女も貴女ですが……次の日になったら元に戻る佐天さんも佐天さんですわね」

初春「わかってるんですよ、全部冗談だってことくらい」


3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:13:22.99 ID:4zoyMMAO
佐天「あーあ……また初春私のこと馬鹿にしてー」

佐天「まあ、本気じゃないことくらいわかってるけどさー」

佐天「それに、初春が私のこといじめてる時の表情、かわいいしねっ」

佐天「それを見るためならこの佐天涙子ちゃん、泣くふりくらいいくらでもしますよっ、と」

佐天「ん……あれ?」

「オラーなんだこのオッサン変な格好しやがってよぉー」
「ひゃはは!筋肉がちがちで動けませんってかぁ!?」
「サンドバックにもなりゃしねぇやヒャハハハハ」

4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:14:32.79 ID:4zoyMMAO
佐天「路地裏で誰か殴られてる……」

佐天「……わ、私には関係ないよね」

  ―――本当っ、要らない子ですよね―――

佐天「……っ」

佐天「私は……」

「ヒャハハハ死んだかオイ」
「つーか最初っから全然うごかなかったじゃねぇか」

佐天「あっ、あんたたち!」

佐天「早くどっか行きなさい!警備員呼んだんだから、すぐ捕まるわよ!」

「アーン、何いってんだこいつー」
「マジかよ警備員呼んだって」
「このクソアマがァー!」

佐天「ひっ……!」

5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:15:12.03 ID:4zoyMMAO
佐天「(うぅっ、殴られる……やっぱこんなこと私には似合わなかったんだ……)」

「死にさらっせがあああああああ」
「あっ、相棒っ!?ぐあああああああ」
「あ、ああああああ!いてえっ、ああああ」

アーニゲローアアアアー

佐天「……え?」

左天「……大丈夫か嬢ちゃん」

6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:16:19.14 ID:4zoyMMAO
それは佐天が左天に出合う、少し前の話だった。

左天「ッハァ・・・・・・時空間移動系の能力者とはなァ・・・・・・」

左天「初めて見たが……くそっ、死に際に俺の身体を転移させやがって」

左天「一体どこ行くって……ッ!?」

左天「空間が歪んでッ・・・・・・オオオォォォォォォ!?」

ブチブチブチッ

左天「がッ・・・・・・(なんだこりゃあ……身体が……引きちぎられそうだッ……)」

左天「グ・・・・ガアアアアアアアアアッ!!!」

7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:17:04.49 ID:4zoyMMAO
左天「(ん……どこだここは……)」

左天「(……っは、身体がうごかねぇ、か……)」

左天「(シメオン四天王の一人がたかがそこらの能力者にここまでされるとは……なさけねぇ)」

左天「(つーかこれ……やべぇな、俺死ぬかもしれねぇ)」

左天「(筋肉だけじゃねぇ……内臓が、骨が、血管が、脳が)」

左天「(全部ぐちゃぐちゃにされたみてぇな感覚だ……)」

9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:18:20.69 ID:4zoyMMAO
「おーい、こんなとこに変なおっさんころがってるぜー」
「あー、うわっ、コスプレか何かかよwwwwww」
「なんだこれ、死んでんのか?オラッ」
「「「ヒャハハハハハ」」」

左天「(……うっとおしいが、全くと言っていいほど痛くねぇな)」

左天「(痛覚神経までいかれてやがんのか……こいつらの打撃の威力が全然ねぇのか)」

左天「(何にせよ、ほうっとくか)」

佐天「あっ、あんたたち!」

左天「(……あぁ?)」

10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:19:24.63 ID:4zoyMMAO
左天「(……チッ、このままじゃあの嬢ちゃんが殴られちまうか)」

左天「(しょうがねぇな)」

ブンッ

左天「(くそっ……能力がうまくつかえねぇな)」

左天「(これも、転移の、影響、か……)」

左天「……大丈夫か嬢ちゃん」

11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:20:26.31 ID:4zoyMMAO
佐天「あっ、あの!助けてくれてありがとうございます…・・じゃなくて、大丈夫ですかっ!?」

左天「……あァ、大丈夫、さ……」

左天「(やべぇ……意識が……くそ……)」バタン

佐天「えっ、あっ……どうしよう……どうしようどうしよう……!」

佐天「(警備員に連絡……けどこの人の格好、外から来たみたいだし……)」

佐天「(何かわけありなのかも……)」

佐天「……よし!」

12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:21:51.32 ID:4zoyMMAO
佐天「……うぅぅぅぅ!」

佐天「(重い……すごく重いこの人っ……)」

佐天「でもっ・……私の寮はっ……近くっ……なんだからっ……」

佐天「これくらいっ……私だってっ……誰かのためにっ……!」

佐天「うううううううううう!」

削板「……小さい女子が大きな男を担いで頑張ってる」

削板「いいなその姿!実にいい根性だ!」

佐天「……え?」

削板「お前はよく頑張った!だからあとは俺にまかせろ!」ヒョイ

佐天「え?……ええ?!」

削板「で?どこへ運べばいいんだ?」

佐天「あ……えっと、こっちです!」

13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:22:30.48 ID:4zoyMMAO
削板「ここでいいか?」

佐天「はい……あのっ、ありがとうございましたっ!」

削板「なに、問題ないさ。こちらこそ、いいもの見せてもらった」

佐天「え……」

削板「その根性と、何よりその男にかける愛をな……じゃあな!すっごいジャンプ!」

佐天「え、あ……行っちゃった」

佐天「…………あ、愛なんかじゃないよぅ///」

14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:23:23.38 ID:4zoyMMAO
佐天「はっ!こんなことしてる場合じゃなかった!」

佐天「とにかく、傷の手当てを……改めてみるとすごい身体。傷がいくつもある」

佐天「それに、この腕につけた金属……なんだろう」

佐天「ん……意外と、外の傷は少なかったな」

佐天「見た目よりひどくないのかな」

佐天「…………」ピトッ

佐天「……な、なにしてんのよ私っ!相手の身体にひっつくなんてっ!」

佐天「でも、なんだかこの人、別人に思えないんだよね……」

15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:24:36.59 ID:4zoyMMAO
左天「(……なんだ……室内…・?)」

左天「づ……(駄目だ……身体がうごかねぇ……)」

佐天「!気付きましたか!?」

左天「お前は……あの時の嬢ちゃんか」

佐天「えっと、その……怪我してるみたいだったんで、私の部屋まで運んで、その、手当したんですけど……」

佐天「なんか、部外者みたいだし、警備員に連絡するのは、よくないかなって」

左天「……そうだな……ありがとよ、嬢ちゃん」

佐天「あ、はい……それから、私は佐天涙子っていいます。嬢ちゃんじゃくすぐったいですよ」

左天「……サテン?

佐天「?それから、その、あなたの名前は……」

左天「俺か……俺は―――■■、だ」

16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:27:50.39 ID:4zoyMMAO
左天「(俺も左天だが……まぁ、偽名でいいだろ……)」

佐天「■■さん……あの、身体はどうですか?」

左天「あー……ああ、大丈夫、だ」

左天「それより、ここがどこか、おしえてくれねぇかな」

佐天「は、はい……ここはですね―――」

左天「学園、都市……」

左天「(……なるほどな、別世界まで飛ばされちまったってわけか……)」
左天「(おそらくあの能力者にそこまでの力はなかったんだろうが・……死に際に能力が暴走したのか?)」
左天「(だから転移中にあんなことが……)ぐ、ごほっ」

佐天「!あ、口から血……身体の中が…・・どうしよう、やっぱりお医者さんに」

左天「(……あー、駄目だ……死ぬ……身体がどんどん冷たくなってきやがる……)」

左天「……なぁ、涙子。なんで俺を助けようと思った」

佐天「え、そ、そんなことより……」

左天「いいから……なんで、俺を助けようと、思ったんだ?このいかにも怪しい様を見てよ」

17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:28:58.54 ID:4zoyMMAO
佐天「……友達に、言われたんです。お前は何もできない奴だな、口だけだな、って」

佐天「勿論、その子は本心で言ってるわけじゃないし、私もそれを解ってます。だけど」

佐天「だけど、それでも、それは、事実だったんです」

佐天「結局何もできなくて……無能力者で……本当に、要らない子で・……」

佐天「そっ……そんな私でもっ・……誰かのためになれるかなって…・・思って…・・ひぅ……」ポロポロ

左天「……そぅか」

左天「なあ、涙子……自分が何もできねぇのはなんでだと思う?」

佐天「え……それは―――それは、私の心が、きっと弱いからです」

佐天「そんな私をなんとかしたくて……なんとかできなかと思って……それで」

左天「なるほどなァ……それで俺を、助けようと思ったってことか」

佐天「……はい」

18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:29:49.37 ID:4zoyMMAO
左天「お前のその気持ちは立派だ……心がなけりゃどんな力をもっててもしょうがねぇ」

左天「だがな……心があっても、力がなけりゃ何もできねぇ」

佐天「―――そ、れは」

佐天「(そう、だった……■■さんをこkへ運ぶ時も、結局誰かの力に頼って……
    あの不良達だって、結局追い払ったのは■■さんで―――)」

左天「さて……そこで質問だ」

左天「力が……ほしいか」

20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:30:37.79 ID:4zoyMMAO
佐天「え……?」

左天「ほしいか、ほしくないか……言ってみろ」

佐天「それは……欲しい、です。
    私は……私の心を出せるくらいの、力が欲しいです」

左天「……いい返事だ」

左天「(……まだ実験段階の事だが……このまま死ぬより、ちったぁ役に立つだろ)」

左天「……頭、こっちのほうへもってこい」

佐天「え……あ(■■さんの手が頭の上に……あったかい)」

21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:31:32.55 ID:4zoyMMAO
左天「もう一度聞く・……力が、欲しいんだな」

佐天「……はい。私は、力が欲しいです」

左天「……よし。目、瞑ってろ」

左天「(実験段階だが……『能力の継承』。
     勿論こんなもん失敗するのが普通だ……相手の脳が、身体が、耐えられねえ)」

左天「(だが……こいつはどこか他人の気がしねぇ……
    それに、意志は確認した)」

左天「……なあ、涙子。実はな、俺の名前も、左天って言うんだよ」

佐天「え――――」


ポゥッ

22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:32:46.70 ID:4zoyMMAO
佐天「……さてん、さん……?」

そこに左天の姿は無かった。ただ夕日が空しく部屋を照らすだけであった。

佐天「……うわっ、何これ!私の手に変な金属のブレスレットみたいなのついてる!怖い!」

左天≪変な、とか言うなよ……それでも、能力の補助をしてくれるすぐれものだぜ?≫

佐天「・……!左天さん!?頭の中へ直接響いて……」

左天≪どうやら成功したみたいだな・……能力の継承。まさか、意識までこっちへ残るとは思ってなかったが≫

佐天「え……どういうこと……え?」

左天≪俺の能力をお前にやったのさ……涙子。まあ、使いこなせるかどうかはわからないが、な≫」

佐天「え……えぇーっ!?」

23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:33:48.32 ID:4zoyMMAO
左天≪……っと、意識がこっちにあると言っても、どうやら活動できるのは少しの間だけらしいな≫

左天≪頑張れよ……継承に成功したのはお前が初めてだ……あの覚悟、見せてくれ≫

左天≪さて……ヒントは熱吸収、だ≫

佐天「え?あの左天さん?おーい!」

佐天「……返事がない。どういうことなの……」

こうして佐天涙子の激変だる一日は終わった。
この時彼女はまだ気づいていなかったのだ。ただの自分が、あの激闘に巻き込まれるとは……

第一部、完

24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:36:19.41 ID:4zoyMMAO


―――夢を見ていた。自分が能力をつかって敵を千切っては投げ千切っては投げしている夢だった。
     そこにいた自分は自分の力に溺れているようで。
      それに気付いているのにもう遅いと。
       涙を流さず後悔しながら。
        先のない世界を。  
         ずっと歩いて。
          そして。


佐天「……ん。朝か」

佐天「あーあ、変な夢みちゃったなぁ」

佐天「それもこれも、昨日のあのことが原因なのかな」

佐天「おーい、左天さーん……駄目だ、返事がない」

25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:37:20.81 ID:4zoyMMAO
佐天「結局、昨日は疲れちゃってあのまま寝ちゃったけど……『能力の継承』に成功って」

佐天「……うーん、わかんない!そもそも能力を他人に移すなんて、都市伝説でも聞いたことないよー」

佐天「それに『熱吸収』……この手首のブレスレットみたいなの―――ってあれ?」

佐天「昨日寝る前には確かにあったのに、無くなってる?」

佐天「あー、もう!わかんないこと多いなー!いいや、学校行こう!」

26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:38:25.88 ID:4zoyMMAO
佐天「やー初春ー今日はしましまかーいっ!」バッ

初春「ひゃいっ!!!もー、佐天さんったらー!」

佐天「あはは、昨日のおかえしだよーん」

佐天「あ、そうだ、聞きたいことあるんだけどいいかな?」

初春「?なんですか?」

佐天「自分の能力を他人に移す、なんて話聞いたことある?」

初春「……佐天さん、いくら自分に能力がないからって、そんな妄想まで……」

佐天「なっ、別にそんなつもりじゃないんだから!」

初春「いいんですよー、佐天さんは無能力者のままでー。かわいいですよー無能力の佐天さーん」ナデナデ

佐天「ううううううう……」

27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:39:26.77 ID:4zoyMMAO
左天≪よぉ、おはようさん涙子≫

佐天「左天さん!」

初春「?佐天さんは佐天さんですよ?」

佐天「あ、いや、そうだけど」

左天≪口に出さなくていいぜ、頭の中で話す用量だ。ほら、やってみ≫

佐天≪ん……こんなかんじですか?てすてす≫

左天≪そうだ。で、俺になんか聞きたいことあるか?≫

佐天≪ありまくりですよ!そもそも能力の継承ってなんですか?それにあなたが何者か聞いてないですし!≫

左天≪質問は一度に1つにしな、じゃねぇと会話がしにくいだろ≫

佐天≪あ……じゃあ、あなたが何者かってことで≫

左天≪ノーコメントだ≫

佐天≪ええー!≫

28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:40:27.42 ID:4zoyMMAO
左天≪特に意味はないがな……まだちと早い≫

佐天≪うぐ……じゃあ能力の継承ってなんですか?≫

左天≪それもノーコメントだ≫

佐天≪じゃあじゃあ!その能力ってなんですか!≫

左天≪っと、そろそろ時間ぎれみたいだな。思い出せ、熱吸収、だぞ≫

佐天≪ちょ!≫

佐天「……返事がない」

初春「返事がないのは佐天さんですよ!いきなりぼーっとして!」

佐天「え?あ、ごめんね初春!」

初春「もー」

29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:41:18.61 ID:4zoyMMAO
放課後

佐天「初春は風紀委員の仕事。アケミ達もそれぞれ用事かー」

佐天「うーん、久々に一人かー。何しよっかなー。ぶらぶらしてこよっかなー」

佐天「……熱吸収か」

佐天「……うりゃー!熱吸収ー!」

佐天「……まー何も起きないよね。」

佐天「けど、私の頭の中に昨日の人の意識があるのも事実で……
    まさかその人とは貴方が勝手に作り上げたもう一つの人格では!?いやいやないない」

30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:41:53.62 ID:4zoyMMAO
寮、自室

佐天「んーっ、宿題終わり、と」

佐天「けど、やっぱりこの『自分だけの現実』っていうのがよくわかんないなー。ま、無能力者にとっては当然だけど」

佐天「結局あれから左天さんも出てこないし……」

佐天「……いいや、お風呂はいって寝よう」

31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:43:13.28 ID:4zoyMMAO
佐天「毎度毎度お風呂入る時はこの髪が邪魔だね。ま、佐天さんのトレードマークだからいいんだけどさ」

左天≪なんだ、年の割に良いからだしてるじゃねえか涙子≫

佐天「ひょわーっ!!!!」サバーン

佐天「さささささささ左天さん!?いつから!?というかなんで!?」

左天≪質問は一度に1つだ≫

佐天「じゃあいつから!」

左天≪たった今起きた≫

佐天「じゃあなんで視えたんですか!」

左天≪視覚は共有してるみたいだぜ?≫

佐天「えぇーっ!?」

32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:44:07.99 ID:4zoyMMAO
佐天「じゃっ、じゃあトイレとかも……?」

左天≪俺は変態じゃねえ。そん時に起きてたらこっちでは目つむっててやるよ≫

佐天「裸見て置いてぬけぬけと……!」

左天≪起きたら裸があった。不可抗力ってやつさ。それにガキの裸体に興味はねぇよ≫

佐天「なっ――――!」

左天≪それより、能力のことだったな≫

左天≪これを教える前にひとつ確認しておきたいことがある≫

左天≪お前は、努力も無しに能力を手に入れたいか?≫

33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:45:01.49 ID:4zoyMMAO
佐天「――――<努力も、無しに>」

佐天「――――私は、もうそんなことしない。
   確かに一度はそうだった。
   けれど、御坂さんと約束した。頑張る時はちゃんと、自分の力で頑張るって」

左天≪―――よし。じゃあ教えてやる≫

左天≪この能力は前は俺のもんだったが……今はお前のもんだ。
    そしていくら能力を手に入れたと言えど、使いこなせるかどうかはお前の頑張り次第だ≫

左天≪能力は―――『第四波動』。そう呼んでいた≫

34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:45:59.41 ID:4zoyMMAO
佐天「第四……波動……」

左天≪そして……っと、駄目か。もう終わりみたいだな≫

左天≪いいか、三度目だが……熱吸収、だ。忘れるな≫

佐天「……第四波動。それが私が貰った能力」

佐天「そもそも本当に貰ってるのかどうかはわからないけど……でも」

佐天「それでも左天さんがいることは現実なんだ……だから、信じよう」

佐天「熱吸収、か―――」

35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:47:02.65 ID:4zoyMMAO
佐天「吸収ってことは、その熱はどっかに蓄えられるってことだよね」

佐天「でも、どこに……って、そっか。そんなの決まってるよね」

佐天「―――よし、集中――――」

佐天「(自分だけの現実とか、そんなのよくわからないけど――――
     とにかく。『熱吸収』のイメージを――――)」

佐天「(吸収対象はお湯。保存対象は私の身体。
     熱というエネルギーをイメージして、お湯から自分の身体へと移動させるイメージで―――)」

佐天「―――ぅ、あつぅっ!!??!」

佐天「なにこれ!身体があったかい!てか熱い!暑い?熱い!」

佐天「うわっ、手首にあの変なブレスレットがある!」

佐天「わわわわっ、お湯が水にっって身体あついーっ!」

36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:48:09.51 ID:4zoyMMAO
佐天「…はぁ…びっくりした……」

佐天「水になったお風呂につかったらなんとかなったけど……うん、びっくりした」

佐天「あれが熱吸収、なのかな……あ、手首のやつ、まだある」

佐天「ん……まあ、いいや。明日左天さんが出てきた時に聞いてみよう」

佐天「うん、今日は寝よう……おお、手首のやつ、邪魔だなぁ」





佐天「か、身体がほてってなんか眠れない……」ゴソゴソ

37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:49:27.71 ID:4zoyMMAO
佐天「んぅ……あ……」モゾモゾ

佐天「さっき水風呂につかりたりなかったのかな……」モゾ・・・

佐天「ぅうう……ん……やだ、なんか……変な気分になってきた……」ゴソゴソ

38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:51:12.39 ID:4zoyMMAO
そういうと涙子は自らの秘所に手を伸ばした。
手首についているブレスレットが大きくて足を大きく開かないと手が恥部に触れられず、もどかしさに身をよじった。

「ん・・・やりずらいなぁ・・・」

そういいながら、仰向けになり足を開く。
ちょうど分娩のような体制に落ち着いた所で行為を開始した。
まずは指で丹念に秘所を割りながら撫でる。

「ん・・・」

パジャマの上着をめくり、淡い桃色をした乳首を触ろうとしたが、またもブレスレットが邪魔をする。

39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:52:08.93 ID:4zoyMMAO
「もう・・・」

そう言いながらもなんとか乳房に触れ、揉む。
そうしながらまだ毛も生えそろっていないクレパスを丹念になぞる。
指を軽くいれ、少し動かす。

「ふぁっ・・・」

嬌声を上げながら、指を動かしていく。
そのうち膣内では満足できなくなり、陰部の上についている突起に指を伸ばした。
少しだけ蜜がついていたので、難なくクリトリスを弄ぶことができた。

「ここ・・・、やっぱ気持ちいいんだよなぁ」

丁寧に皮を剥き、愛液を潤滑油代わりにして指の腹でこねる。

「ん・・・っく、ふぁ・・・」

40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:53:16.22 ID:4zoyMMAO
「ふぁ・・・んっ・・・」

だんだんと欲望にまかせて指の動きが早くなっていく。
中学生の体は成熟しておらず、その行為はどこか幼稚な遊びのようにも見えた。

「ん・・・もう、ふぁ・・・」

蜜壷からは次々と蜜が溢れる。
蜜は涙子の太股を伝ってシーツに黒い染みを作っていた。
肌は紅潮し、汗で湿り気を帯びている。
時折愛液を指につけながら、さらに陰核を弄ぶ。
体の火照りは増していき、もう絶頂を迎える寸前だった。

「ん・・・そうだ・・・」

そう言うと彼女は器用に親指と薬指で皮を剥き、人差し指と中指で陰核をつまんだ。

41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:53:56.69 ID:4zoyMMAO
「ん、ダメ・・・コレ!きもちよしゅぎ・・・」

さらにつまんだ指を交互に前後させる。

「んぁ、んっ、ふ・・・、あぁ・・・」

「・・・んんっ」

体を痙攣させ、涙子は達した。
秘所からは大量の愛液が溢れている。

「ふぅ・・・ふぅ・・・、ん・・・」

ティッシュペーパーをまとめてとり、太股、指、陰部を丁寧に拭いた。

「ん・・・んあ、これで・・・よしっと」

42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:54:53.41 ID:4zoyMMAO
「あ、左天さん・・・起きて・・・ないですよね・・・」

何も聞こえない。
どうやら彼は寝ているようだ。

「よかった・・・」

体の火照りが押さえきれず、奇妙な同居人に気をかける余裕がなかったのだ。
これで見られていたら自殺物である。
気だるさを感じ、パンティとズボン、それから上着を正して床についた。
先ほどまでの寝つきの悪さは嘘だったかのように、涙子はすぐに眠りに落ちていった・・・。
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:56:10.72 ID:4zoyMMAO


―――――夢を見た。自分が荒廃した街に居た。
        いろんな人が自分をどうにかしようとして。
         けど、結局自分の能力には勝てずに散っていった。
          ああ、なんだか寒いと思ったら地面が凍っていたんだ。
           手首のへんてこな機械をみると、それは強く光り輝いていて―――


佐天「ん……またか。変な夢だな」

佐天「う……昨日あのまま寝ちゃったから……」

佐天「んー……なんであんなにやっちゃったんだろ……あー!なんかすごく恥ずかしくなってきたなーもー!」

44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 15:58:11.48 ID:4zoyMMAO
左天≪ゆうべ は おたのしみ でしたね≫

佐天「[ピーーー]ぇっ!!!!!」ズガンッ

佐天「〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」

左天≪……何やってんだ≫

佐天「み、みたの!?おきてたの!?」

左天≪いや、昨日は風呂で分かれて今起きただけだが……ちなみにさっきの台詞はさっき起きて涙子の台詞から推測したが
        どうやら図星みたいだったな≫

佐天「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!」

左天≪安心しな、俺も最初はそうだったさ……まあそん時はひたすら走って解消したがな≫

左天≪それより……成功したみたいだな、熱吸収≫

佐天「まあね。あんなえろえろ能力だなんて思わなかったですけど」ムスー

左天≪ひでぇこといいやがって……っとまずいな、もう駄目k≫

佐天「左天さん?……うあー!やだー死にたいー恥ずかしいー!」バタバタ

45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:00:18.56 ID:4zoyMMAO
学校

「さて、明日から夏休みですが、生徒のみなさんは各々有意義な―――」

佐天「んー、明日っから夏休みかー」

初春「でも夏休みって言っても割とすること見つからないんですよねー」

佐天「宿題があるにはあるけど、どうしても最終日まで手がつかなかったりねー」

初春「それは佐天さんだけですよ?」

佐天「えっ」

46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:01:13.26 ID:4zoyMMAO
初春「じゃあ私はこれから風紀委員の会議があるので」

佐天「えー昨日も仕事で今日は会議ー?駄目だよ初春、働きすぎで死んじゃうよ」

初春「そんなこと言って、さみしいだけでしょ?」

佐天「そっ、そんなことないもん!」

初春「そうですよねー、無能力者の佐天さんには友達いっぱい作るくらいしか能がないから友達たくさんいますよねー」

佐天「……ち、ちくしょおおおぉおぉぉぅ!」

初春「(やだ、佐天さん可愛い)」

47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:01:50.52 ID:4zoyMMAO
佐天「さーて、どうしようかな」

佐天「……能力の練習しようにも、やった後あんなんになるんじゃ……」

佐天「……//////」

佐天「あー、もう、どうしよー。あれから左天さんは起きてこないしー」

佐天「しょうがない、宿題でもやってみよっかな」



佐天「気づいたら寝てていつの間にか真っ暗だった」

48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:02:28.09 ID:4zoyMMAO
佐天「えーっと、うわ、こんな時間?」

佐天「まったく、宿題は魔物だぜー、っと」

佐天「ちょっと散歩してこよっかな」




佐天「夜風がきもちいいねー。でも学園都市からだと星がよく見えないのがなんとも」

ゴウッ

佐天「―――!何あの光の柱!」

佐天「なんかの照明?いや、でも……」

佐天「……行ってみようかな」

49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:02:59.46 ID:4zoyMMAO
佐天「うわ……」

佐天「アパートの屋根が壊れてる……」

佐天「あ、誰かでてきた……え、なんで人が担がれてるの!?」

佐天「しかも担いでるあの人……なんか格好が学園都市っぽくない」

佐天「まさか……人さらい!あの光は超光学兵器!」

佐天「どうしよう……どうしよう……」

佐天「……そうだ。今のこの私の力をつかったら―――」

50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:03:45.35 ID:4zoyMMAO
佐天「待ちなさいっ!」

神裂「!一般人……見られましたか」

ステイル「慌てることはないだろう……この子を頼む」

佐天「(くっ、くる!てか何も考えずにつっこんだけど、相手二人だった!どうしよう」

神裂「どうするつもりですかステイル・・・」

ステイル「どうするもこうするも、記憶を消すだけさ。何も珍しいことじゃない」

佐天「(え?何を消す?私の命?やばい、この人やっぱりやばい人達だ!)」

51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:04:37.72 ID:4zoyMMAO
ステイル「おとなしくしていてくれよ・・・怪我をさせるつもりはない」

佐天「うぅ……(どうしよう……あの人の体温奪って動けなくしようと思ったけど、近づいたらやられそうな雰囲気)」

ステイル「……やれやれ、逃げ腰だね。逃げられても厄介だ」パチンッ

ステイルが指を鳴らしルーンを刻む。佐天の背後に炎の壁が形成され、退路を断つ。

佐天「な―――発火能力者!?」

ステイル「そんなちんけな言葉で一緒にしないでくれ……これはルーンだよ。ま、君にはわからないと思うけどね」

佐天「く―――(どうしよう……火ってことは熱で吸収できる、けど―――)」

佐天「(お風呂の時であれだったんだから、こんなの吸収したら、私の身体が―――)」

ステイル「さて、おしまいだ―――」

52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:05:26.73 ID:4zoyMMAO
佐天「(駄目だ―――迷ってる暇はない―――!)」

佐天「ぐ―――ああああああああっ!!!」

ステイル「……?炎が打ち消された……?」

佐天「あ―――く、ぅ―――」

佐天「(身体、熱い―――死ぬ―――死んじゃう)」

佐天「(なんでもいい―――早く、早くこの熱を―――放出しないと!)」

佐天「―――うわあああああああああっ!!!!!」

ゴッ!

53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:06:49.25 ID:4zoyMMAO
ステイル「なっ――――!?」

神裂「あれは―――熱線?」

佐天「げほっ……ぐぅぅ……」

佐天「(あ……楽になった……けど、身体の中が焼かれたみたいに痛い……)」

ステイル「・・・・・・どんな仕組みかはしらないけど、やってくれたね」

ステイル「怪我はさせたくなかったけれど、しょうがない」

佐天「くっ―――(また来る……けど、もう身体が持たない……)」

ステイル「―――はッ!」

佐天「炎の剣?!うわぁっ!!」

54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:08:03.08 ID:4zoyMMAO
ドサッ

佐天「うぅっ……!(か、間一髪だった……!)」

ステイル「動かないでくれ、あたりどころが悪いと大けがするぞ」

佐天「(あんなのどこに当たっても大けがだよ!―――ん)」

佐天「(これは……ブレスレット?さっきまで消えてたのに)」


―――唐突に朝の夢を思い出す。
      あの時これは、どうなっていたか―――


佐天「(そう、だ……あの時、これに似た金属は―――)」

ステイル「……観念したのかい―――っふん!」

佐天「(あの時、これに似た金属が――――!)」

55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:09:08.06 ID:4zoyMMAO
キュンッ

ステイル「な―――に?」

ステイルの振るった炎剣は確かに佐天を捉えてした。そもそも、上段より振り下ろす剣が外れる道理も無い。
しかし、その剣は佐天には届かなかった―――否、届いた瞬間消滅した。

佐天「……へへっ、そうだよね。何のために、これがあるのか、考えてみたらわかることだったよね」

佐天「あんな熱量を人の身体で受け止めるなんて―――無理な話だったよね」

佐天「この手首の金属が―――能力の要だった、ってことか」

神裂「―――あの子が剣に触れた瞬間、剣が消えた……あの子も上条当麻と同じ能力ということなのでしょうか」

神裂「それにしても、あの金属―――(先より、輝いて見えるが―――)」

56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:11:53.23 ID:4zoyMMAO
ステイル「このっ―――!」

佐天「よっ、っと」

佐天「(出来る―――何度でも、熱吸収できる―――けど)」

ステイル「塵は塵に―――灰は灰に―――!」

佐天「うわっ!(けど、このままじゃ防ぐだけ―――反撃しないと)」

ステイル「吸血殺しの紅十字――!」

佐天「うりゃっ!(そういえばさっき、熱放出ってやった気がするけど―――)」

ステイル「チッ―――」

神裂「交代です、ステイル。どうやら貴方では相性が悪すぎる。準備もせずに戦うには少々酷でしょう」

ステイル「・・・そのようだね。彼女たちは僕が預かろう」

57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:13:40.76 ID:4zoyMMAO
佐天「(えっと……熱吸収とは逆ベクトルで考えて―――)」

神裂「それではいきます―――先ほども言いましたが、おとなしくしていれば手荒なことはしません」

佐天「(エネルギーを放出するイメージ……それも、出来るだけ直線。螺旋型の方が威力上がるかな?)」

神裂「……聞く耳もたず、ですか。いいでしょう、それでは―――)」

佐天「(―――よし、イメージ完了!これで―――)」

神裂「―――七」

佐天「第四波動ォオオオオオオオッ!」

神裂「せ―――え?」

58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:14:36.37 ID:4zoyMMAO
三千度の炎を吸収し続けたそのエネルギーは凄まじいものだった。
その威力たるや、発動者の佐天涙子がその場に留まれず、反動で後ろに飛ばされるほどのものだった。

佐天「あうっ!」

ステイル「なんだあの熱量……」

佐天「あわわ……びっくりした。あんなに威力あるなんて―――って、相手死んでないよね!?」

神裂「…………」

佐天「あ……生きてた」

神裂「―――――」

佐天「あの……大丈夫ですか?」

神裂「―――やかましいこのド素人が!」

59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:15:31.86 ID:4zoyMMAO
佐天「」ビクッ

神裂「下手に出てりゃいい気になりやがって!!」

佐天「」ガクガク

神裂「やさしくしてやるって言ってんのによォ!」がっ

佐天「ごふっ」バタン

神裂「―――っは!」

神裂「あわわわ一般人になんてことを……」

60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:16:47.75 ID:4zoyMMAO
ステイル「やれやれ……とにかく、この娘も病院に運ぼう」

神裂「そ、そうですね」


こうして佐天涙子の奇妙な夜は終わった。
しかしこの時佐天涙子は思いもしなかったのだ。
これから自分が、科学と魔術の世界に巻き込まれていくことを―――

第二部 完

61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:19:48.54 ID:4zoyMMAO
佐天「ん・・・・・・ここ、病院?」

佐天「確か私―――そうだ、あの時あそこで戦って、それで」

ステイル「目が覚めたかい」

佐天「うわあっ!?」

ステイル「君に危害を加えるつもりはないよ」

佐天「は、はあ……」

佐天「(どういうこと?なんでこと人がここに?わけわかんない)」

ステイル「さて、君には聞きたいことがある」

佐天「は、はあ……」

63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:20:41.63 ID:4zoyMMAO
ステイル「君のその手……僕の魔術を打ち消していたみたいだけど、君も幻想殺しとかいうのの類かい?」

佐天「え・・・幻想殺し?魔術・・・・・・?」

ステイル「・・・まずった。やれやれ、何も知らない、本当にただの一般人だったか」

佐天「え、っと、あの……貴方達は、悪い人じゃないんですか?」

ステイル「その悪い人というのがどういうのかは知らないけど、良い人ではないだろうね」

佐天「じゃあ、やっぱり昨晩のあれは人さらい―――!」

ステイル「・・・何勘違いしているんだ。あれは彼女らをこの病院に運んでこようとしていただけだ」

佐天「えっ」

64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:21:40.30 ID:4zoyMMAO
佐天「すっ、すみませんでしたーっ!」ズザザー

ステイル「・・・それが土下座か、初めてみたよ」

佐天「(うう……早とちりで攻撃だなんて……最低だ、恥ずかしい……)」

ステイル「まあいいさ、何も問題はなかったしね」

ステイル「それより問題なのは君だ……一般人が、こちら側を見てしまったことが問題だ」

佐天「え・・・」

ステイル「おそらく君のような学生には信じられないだろうが、昨晩のあれは魔術という。
       科学とは別の方法で自然にアプローチした学問だよ。
        本来これは君のような学園都市の学生が知ってはならないことだ」

佐天「は、はあ・・・」

ステイル「そこで・・・僕は君の記憶を消そうと思う」

65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:23:09.02 ID:4zoyMMAO
佐天「え・・・記憶を消すって」

ステイル「勿論、今君に意思確認をしているのは、僕が君に興味を持ったからだ。
      僕の魔術を、何も知らず打ち消した、というその能力。おそらくただの能力とは違うんだろ?」

佐天「まぁ・・・そうですけど」
                             ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ステイル「だから、君もあの少年と同じように、もしかしたらこちら側の何かかもしれない。
      それで、だ。君が平和な、ただの学生に戻りたいのなら僕は君の記憶を消す。
      しかしそれを望まないのなら―――そのままでもいいと思っている。ただし、他言無用だけどね」

佐天「(記憶を―――)」

ステイル「安心しろ、記憶を消すと言っても一瞬だ。痛みはないよ」

佐天「――――――。私は、

66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:24:02.89 ID:4zoyMMAO
佐天「私は、記憶を―――消さないでほしいです」

ステイル「――――そうかい。なら、それでいい」

ステイル「しかしさっきも言ったように、他言無用だ。それと、少しの間監視をつけさせてもらう。それでもいいかい?」

佐天「・・・・・・はい」

ステイル「わかった。それじゃあ、身体には気をつけて。
       女の子が無理をするもんじゃないよ」

佐天「はい・・・ありがとうございます」

バタン

67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:24:48.19 ID:4zoyMMAO
佐天「ふー・・・魔術、か」

佐天「なんだか、よくわかんないことになっちゃったな」

佐天「でも、この能力だってそんなもんだし・・・」

佐天「・・・うーん、ちょっと散歩してこよっかな」

テクテク

佐天「幻想御手以来だなー、病院って。でもまあ、普通そんなに来ないよね」

ギャーイタイタイ
トーマノバカー

佐天「なんだろ、騒がしいな・・・・・・」

68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:25:47.06 ID:4zoyMMAO
いん「もー、知らないんだからー!」バタバタ

佐天「あれ・・・あの人って、昨晩の?」

佐天「・・・あああああ、やっぱりはやとちりだったのかー恥ずかしい―死にたいー!」

佐天「記憶消して貰えばよかったー!」

ヨカッタノカイ・・・

佐天「ん?さっきの子が出てった病室から・・・?」


医者「よかったのかい?記憶喪失だと伝えなくて」

上条「いいんですよ・・・・・・俺は、とにかくあの子の悲しむ顔は、見たくないんです」


佐天「・・・記憶喪失?」

69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:26:46.32 ID:4zoyMMAO
上条「ふぅ・・・記憶喪失、か。まあ、なんとかなるかな」

佐天「あ、あのっ」

上条「うん?(やばい、いきなりピンチか上条さんは。病院で声をかけてくる即ち知り合いいやでもあれわけわかんない)」

上条「お、おおー、なんだ、どうした?上条さんは病み上がりでもう少し一人にしてくれると助かるなーなんて」

佐天「一応言っときますけど、私たち初対面ですからね?」

上条「(地雷だったー!)」

佐天「あの、それで・・・記憶喪失、なんですか?」

上条「・・・聞かれてたかー」

佐天「ご、ごめんなさい、盗み聞きするつもりなんてなかったんですけど・・・」

上条「いや、いいよ」

70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:28:06.18 ID:4zoyMMAO
上条「それで、そんな上条さんに何か用か?」

佐天「いや、その・・・私、昨晩あなたがアパートから運ばれてくるのを見て、それで、大丈夫かな、って」

上条「・・・その話、もう少し聞かせてくれないか」

佐天「え?はい・・・」

佐天涙子は昨夜のことを話した。
白い光の柱のこと。二人の魔術師のこと。自分の早とちりのこと。
話してから「あ、他言無用だった。でもこの人は知ってるみたいだからいいか」と思ったのは内緒である。

上条「なるほど・・・ありがとな。正直、昔の自分がどんなだったのか知れるかもしれないと期待したけど、そんな甘くはないか」

佐天「う・・・ごめんなさい」

上条「あ、いやいやいいんですよ、上条さんはそんなこと全く気にしてませんから!」

上条「それより、俺が記憶喪失ってことは、誰にも言わないでくれ」

佐天「・・・それは、なんでですか」

上条「・・・いいんだよ、こんなこと誰も知らなくて。インデックスが助かって、それでハッピーエンド。
   何も犠牲はなかった。それが、一番の終わり方なんだ」

71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:29:07.32 ID:4zoyMMAO
佐天「そう、ですか。なんだか、正義の味方、みたいですね」

上条「ははは、上条さんはそんな格好いいもんじゃありませんよっと。
   ただ泣いてる女の子なんて見たくないだけですー」

佐天「ははっ、だからそれが正義の味方みたい、って言うんですよ」

上条「ん、んー、そうかなー。俺はよくわかんないけど・・・」

佐天「そうですよー」



こうして佐天涙子と上条当麻の出会いは終わった。
この時誰も思いもしなかった。
この二人が、数々の事件に関わっていくということに―――

第2.5部 完

72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:30:25.86 ID:4zoyMMAO
あの奇妙な夜から何日かが過ぎた。
私こと佐天涙子は、あれから暇さえあれば能力の練習をしている。
あの夜、吸収すべき場所は手首の金属で、吸収した熱は放出することがわかった。
そこから色々と試行錯誤した結果、いくつかのことがわかったのだ。

ひとつ。吸収した熱は時間経過と共に無くなっていくということ。
つまり、熱エネルギーを金属内に保存しておくことは無理、ということだ。
その都度どこからか熱を吸収しないと、あの夜出した「第四波動」は使えない。
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:31:02.89 ID:4zoyMMAO
ふたつ。自分の身体が熱に対して耐性ができてきたこと。
以前うっかりお湯を手にこぼしてしまった時、熱いなと思っただけで、火傷を負わなかった。
別に吸収しているわけではないけれど、どうやらこのおかしな能力が自分の身体を少し変化させたようだ。
正直ちょっと怖い。

みっつ。ある程度の熱を身体で吸収した時、身体能力が少し上がるということ。
もしとっさのことで金属でなく身体で吸収してしまった場合、一体どこまで耐えられるか。
それを実験している時に、つい吸収しすぎて、その、うん、ほら。
ちょっと身体があれになっちゃった時、走りに行ったら凄く早く走れたのだ。
勿論、次の日筋肉痛になったけど。

74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:31:50.01 ID:4zoyMMAO
そんなわけで、どうやらこの能力はまだまだいろいろ使い勝手がありそうです。
本当は左天さんに直接聞いてみたいけど、あれから一度も起きてきてくれない。
しょうがないので、私は今ランニングをしているのだ。
身体能力が上がっても、基礎の肉体は別にどうにも変化しない。
だから、上がった分に耐えられるだけの身体をつくろうと思ったのだ。

佐天「ふぅー・・・夏走ってもあんまり汗かかないのは特かなー。耐性で日射病にもならないしね」

佐天「ん、今日はこのくらいにしとこうかな。さーて、初春達のところへ遊びに行こーっと」

75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:32:26.09 ID:4zoyMMAO
佐天「うーいーはーるー」

初春「あ、佐天さん……って、その格好、また走ってたんですか?」

黒子「一体どうしたんですの、最近になっていきなり走りこみだなんて」

佐天「ん、いやー最近ちょっと体重が気になりだしてねー」


そして、この能力のことはまだ誰にも教えてない。
何故かと聞かれると困るけれど、なんだか、まだ教える気にはならないのだ。

76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:33:34.21 ID:4zoyMMAO
白井「まあ、初春はまだ仕事がありますからその辺りに座っててくださいな。もうすぐお昼休みですので」

佐天「はーい、っと」

固法「あら、佐天さん、またその本読んでるの?」

佐天「いやいや、今回は違う本ですよ」

初春「『熱膨張って知ってるか?ねぼし編』……最近熱関係の本読んでますよね、どうしたんですか勉強嫌いの佐天さんが」

佐天「んー、ちょっと身の回りでおきる現象に興味をもってね!」

固法「何にしても、知識を得ることはいいことね。わからない処があったらまた聞いてちょうだい」

佐天「はいっ、ありがとうございます」

それから、私は最近熱関係の本を読んでいる。
こうして色々な知識をとりこめば、この能力ももっと活かせると思ったからだ。

77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:34:10.34 ID:4zoyMMAO
佐天「(とは言っても……書いてあること難しかったりするからなー。うー)」

佐天「(でもこれも強くなるためだよね……うん、人から貰った能力だけで満足してちゃ駄目だ。
    そんなの幻想御手と同じだもん。色々努力しないと)」

佐天「(―――それでも、結局始まりは左天さんが居なきゃ始まらなかったし、私自身の力じゃないんだけどさ)」

78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:35:01.61 ID:4zoyMMAO
左天≪そう卑下しなさんな涙子≫

佐天「左天さんっ!?」

初春「?何いってるんですか?」

白井「佐天さんは貴女でありませんの」

佐天「あ、うん、なんでもないよなんでも」

佐天「(どうしたんですか左天さん!というか今までなんで起きてこなかったんですか?)」

左天≪あー、わからん。が、気づいたら今だっただけだ。そもそも俺はもう死んでるんだぜ?≫

佐天「(あ……そう、でしたね)」

左天≪ほらほら、そうしょぼんとすんな。可愛い顔が台無しだろ?≫

79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:36:00.09 ID:4zoyMMAO
左天≪それからな。そう思いつめるなよ≫

佐天「(え……)」

左天≪そもそも、お前が俺を助けよう、と思わなかったら始まってすらなかったんだぜ?
    その心はお前のもんだ。お前の心でその能力があるんだ。それは誇っていいことだろ?≫

左天≪だから頑張れ。お前のその心は、眠ってても伝わってきたぜ≫

佐天「(……はいっ、ありがとうございますっ)」ぐすっ

左天≪だから泣くなって、可愛い顔が台無しだぜ≫

佐天「(あはは、左天さんが泣かせたんですよ?)」



白井「いきなり佐天さんが泣きだしましたわ」

初春「なにそれこわい」

80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:36:58.13 ID:4zoyMMAO
左天≪……ちっ、もう時間切れか。じゃあな、またそのうち会おうぜ≫

佐天「あ……(もうちょっと、喋っていたかったのにな)」

初春「どうしたんですか佐天さん、いきなり泣いたりして」

佐天「え?あ、ううん、なんでもないっ!目にゴミが入っただけだよ!」

初春「(ベタすぎワラタ)」

初春「まあ、いいですけど。何かあったら相談してくださいね」

佐天「―――うん。ありがとね、初春」

佐天「(何かあったら、か。この能力のこと、本当は言うべきなんだろうけど)」

佐天「(――――ううん、まだ駄目。まだ、これは左天さんのだから)」

81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:38:34.21 ID:4zoyMMAO
固法「お疲れ様、今日は特にやることないし、もう帰ってもいいわよ。あ、でも何かあったら呼び出すからね」

白井「わかりましたの。それでは固法先輩も無理なさらないよう」

初春「ありがとうございます固法先輩、お疲れ様です」

固法「ええ、お疲れ様」


佐天「さーて、ご飯食べにいこっか」

白井「私はこれからちょっと用事があるので、抜けさせていただきますわ」

初春「そうなんですか?」

白井「お姉さまに呼び出されましたの。ああっ、この黒子を頼ってくださるなんて!至福ですわ!」シュンッ

佐天「あ、いっちゃった。便利だなあ、テレポートって」

初春「その分たくさん勉強したんでしょうけどね。難しいですからねー、演算」

佐天「(演算……そういえば、この能力、演算とかしてないな。やっぱり根本的に違う力になるのかな)」

82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:39:13.76 ID:4zoyMMAO
初春「なんか久しぶりですねー、佐天さんとこうしてぶらぶらするのって」

佐天「私は暇だったけど初春がいそがしかったんだろーこのー」

初春「ううーすみませんー」

佐天「許さんぞ許さんぞーうりゃー」


学生「おい、あれ……」
学生「ああ……なんか、いいな」
学生「ああ……」

83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:39:46.72 ID:4zoyMMAO
初春「あ」

佐天「ん?どしたの初春」

初春「いや、あれ」

佐天「え?・・・おお、巫女さんだ」

初春「凄いですね、私はじまて見ました」

佐天「私も初めて―――って、なんで学園都市に巫女さんがいるの?」

初春「さあ…」

84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:40:43.64 ID:4zoyMMAO
初春「それにしても長い髪ですね」

佐天「うーん、まさに巫女!って感じの髪の毛だよね。ロングヘアーがトレードマークな佐天さんはちょっと悔しいなー」

初春「遠くの桃より近くの梅ですよ。佐天さんの髪の毛のほうが綺麗です」さらさら

佐天「んっ……もー、なにそれ初春、くすぐったいよー」

初春「さっきの仕返しですよーほらほらー」さらさら


お前ら「おい、あれ・・・」
お前ら「ああ・・・やべぇな」

85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:41:45.37 ID:4zoyMMAO
そんなわけで夜になったんだ

佐天「ふぅー・・・今日の宿題おわり、っと」

佐天「なんか自主的に勉強するようになってから、宿題にも手がつきやすくなったなー」

佐天「・・・よし、ちょっと走りこみいってこよっかな」


佐天「はっ、はっ、はっ・・・」

佐天「はっ―――んん?」

佐天「(なんだろう、この感覚。空気が歪んでるみたいな・・・)」

佐天「・・・こっち、からかな」

86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:42:32.82 ID:4zoyMMAO
佐天「この空気の層は―――(そっか、たぶん)」

佐天「(たぶん、熱に敏感になってるから、空気中の熱の感覚で―――)」

佐天「次はこっち―――」

佐天「次は―――って、何あれー!」

佐天「ビルが……崩れて……?」

佐天「―――っ!崩れたのが戻ってく……」

佐天「これって、もしかして……!」

87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:43:03.04 ID:4zoyMMAO
佐天「(あれって・・・魔術、だよね)」

佐天「(……)」

佐天「……私が行って何かがどうにかなるわけでもないけれど」

佐天「それでも、もし何か出来るのなら」

佐天「私は、そのためにこの力を―――!」



佐天「なぜかビルの中に入れない・・・」

88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:43:39.68 ID:4zoyMMAO
佐天「ううう……どうしよう、なんかよくわかんない壁みたいなので入れなくなってる」

佐天「・・・しょうがない。ここで待ってみよう」


タダオモイノママニゲンジツヲユガメテイルダケダモンナァ!
ウワアアアアアアアアアアアアアアアア


佐天「何、今の声……あ」

ステイル「ん……君は」

89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:44:37.97 ID:4zoyMMAO
ステイル「人避けの魔術が張られていたと思うけれど……何故こんなところに」

佐天「え、あの、それは」

ステイル「まあいい。手伝ってくれ。女の子が女の子を一人で運ぶのは苦だろうからね」

佐天「え……って、上条さん?え、うわあっ!!」

ステイル「腕の一本とれてるくらいで騒ぎ立てないでくれ……っと、君たちにとっては珍しい光景なんだっけ」

佐天「あ・・・大丈夫なんですか・・・?」

ステイル「さぁ?病院には連れて行くけれど、死んだらそこまでさ」

佐天「えぇー・・・」

90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:45:25.96 ID:4zoyMMAO
ステイル「ほら、呆けてないで手伝ってやれ」

佐天「あ、はい……(うう、初対面で間違って攻撃しかけたからなんかやりづらい・・・)」

佐天「あ、そうだ。少し火だしてくれませんか?」

ステイル「はぁ?なんでそんなこと」

佐天「いいからっ」

ステイル「・・・やれやれ」ボッ

佐天「ん……これくらいあればいっかな」

ステイル「全く、利用されてるみたいでいい気はしないね」

佐天「手伝うんだからお互い様ですよーだ」

佐天「(さて―――身体強化)」

91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:46:21.32 ID:4zoyMMAO
佐天「よし―――あれ?昼間の巫女さん?」

姫神「誰。私。あたなのこと。しらない」

佐天「いやー、昼間に一方的にこっちが見ただけで……ああ、運ばれてるのはまたこのシスターさんですか」

姫神「知り合い?」

佐天「これもこっちが一方的に知ってるだけです」

姫神「そう。じゃあ手伝って。私には。大変。箸より重いものを持ったことが無い。それが私。魔法少女」

佐天「(やばいこの人電波だ)」

92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:47:04.84 ID:4zoyMMAO
こうして佐天の特に意味のない一日は終わった。
しかしこの時まだ気づいていなかった。
これが原因で、上条当麻と佐天涙子が急接近することに―――

やったッ! 第三部 完!


93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:48:22.76 ID:4zoyMMAO
―――その後、病院にて

いんなんとか「結局とーまは今回も女の子のためにたたかったんだね!」

上条「ちょ、まだ右腕完全にくっついてないんだからやめろ!リンゴ食ってろ!」

いんなんとか「わぁーリンゴ以外にもいろいろあるんだよ!こんなとーまのためにこんな良いものを買ってきてくれるなんて、
          よっぽど懐のあたたかい人だったんだね!」

上条「いや、まあ、それはどうだろうな」

姫神「なんで私が空気」

94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:49:36.86 ID:4zoyMMAO
佐天「やさしい所もあるんですね」

ステイル「別に。さっきもアイツに言ったように、一応の形式さ。それより、だ」

佐天「はい?」

ステイル「あそこには確かに人避けの魔術がはってあったはずなんだけどね。
      どうして君は侵入ってこれた?」

佐天「あー、いや・・・私はどうにも熱に敏感らしくて。その熱の歪みとか、そういうのを追ってたらいつのまにか」

ステイル「・・・・・・熱の歪み、ね。君のそれ、本当に科学の能力かい?」

佐天「えっ?」

ステイル「僕もいちいち科学側のことなんて知らないけどね。そっちの能力は一人につき1つなんだろ?
      だが君は、熱を吸収し、熱線を放ち、熱を感知し、さらに身体能力を上げるという技を見せた。
      これはどういうことだ?科学側というのは、そこまで進んでいたのか?」

95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:50:46.11 ID:4zoyMMAO
佐天「う、その・・・(どうしよう、本当のこと言ったほうがいいのかな)」

ステイル「・・・ま、興味はあるけど、話したくないのなら言わなくてもいいさ。
      けどね。あまり不用意に魔術側に近づかないほうがいい。
      いや、魔術側というよりも、『こちら側』かな。今回はよかったものの、戻れなくなるよ」

佐天「戻れなくなる・・・?」

ステイル「言葉の意味なんてわからない方がいい。
       さて、僕はそろそろ行こうか。ああ、そういえば、監視なんて初めからつけてなかったよ。
      こちらも、そこまで暇じゃなかったんでね」

佐天「え・・・監視つけてなかったんですか?」

ステイル「『一応一般人』の君を監視するのはこちらとしても気分がよくない。
       だから、もう一度忠告しとく。『こちら側にはくるんじゃない』よ」

佐天「・・・はい」

96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:51:44.57 ID:4zoyMMAO
佐天「(監視・・・つけてなかったんだ。ついてると思ってずっと我慢してたんだけどな・・・」

佐天「・・・っと、ステイルさんに会って忘れてた。私お見舞いにきたんだった」


佐天「どうもー上条さん」

上条「ん?あ、ああ、前に一度会った……誰だっけ?」

佐天「あはは、そういえばまだ自己紹介してなかったですね。佐天涙子って言います」

上条「佐天さんか。こんな場所に何しにきたんだ?」

佐天「何ってお見舞いに来たにきまってるじゃないですか。
    昨夜あんなんになってるの見たんですから、こない方がおかしいですよ。
    でも、割と元気そうで安心しました」

98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:52:26.32 ID:4zoyMMAO
上条「昨夜……って、まさかあそこにいたのか?!」

佐天「いやぁ、中に入れなくて外で待ってたら、血まみれの上条さんを担いだステイルさんが出てきてびっくりしましたよ」

上条「そっか・・・まあ、あの中に入らなくてよかったよ」

佐天「?そうですか。それより、怪我の具合は?」

上条「医者の腕が随分よかったみたいでな。ほら、問題なく動くぞ」

佐天「おぉ・・・人の腕って一晩で繋がって動くようになるんですね」

上条「上条さんも信じられないですよ……ファンタジーとか言われたし」

99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:53:12.93 ID:4zoyMMAO
佐天「けど・・・今回はなんで、事件に関わったんですか」

上条「ん?そんなの、助けたいと思ったからに決まってるだろ」

佐天「助けたいって・・・だから、それはなんでですか」

上条「なんでって、そんなの、困ってる人がいたら助ける。それが当たり前だからだよ」

佐天「・・・そのために腕一本きられたんですか?」

上条「あー、まあまさか切られると思ってなかったけどな。
    でもくっついたし、問題なしですよ」

佐天「・・・・・・(――――この人は)」

100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:54:05.89 ID:4zoyMMAO
佐天「・・・・・・そんなの、間違ってますよ」

上条「はぁ?」

佐天「自分の身体を犠牲にしてまで人を助けるなんておかしいです。
    自分が死ぬかもしれないのに、それなのに他人を優先するなんて。
     そんなの人間として破綻してます。
     仮に今回は死にそうだったじゃないですか。
     なのになんでそんなに笑っていられるんですか」

上条「――――別に、他人を優先したとか、そういうんじゃないよ」

上条「ただ、助けられると思ったものを見捨てるなんて、そんなの間違ってると思う」

上条「だから助ける。それだけだ」

佐天「―――そう、ですか」

佐天「(今の私には、この人はわからない――――凄く遠いところにいるみたい)」

101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:55:25.19 ID:4zoyMMAO
上条「それに、佐天さんもそうなんだろ?」

佐天「え?」

上条「俺がステイル達に運ばれてるところ見て誘拐されそうになってると思ってさ。
    それで奪還しようなんて。見ず知らずの人のためにそんなことするなんて、そっちのほうがすげぇじゃねぇか」

佐天「・・・そんなんじゃ、ないんですよ」ボソッ

上条「?ま、とにかく何もなくてよかったな。まーしばらくまた入院生活だけど」

佐天「・・・また、お見舞い来ますよ。それで、退院したら、よかったら一緒に遊びませんか」

上条「え?(まさか、これは俺にフラグ―――けどなんで?)」

佐天「なんだか、上条さんといろいろお話したくなっちゃいました。だからまた来ます。
    退院してからも、いろいろお話したいんです」

上条「あ、ああ。そんなの全然構わないぞ。むしろ大歓迎!(俺はいつフラグを立てたんだろう)」

佐天「へへっ―――よろしくお願いしますね」


こうして佐天涙子と上条当麻の交友がはじまった。
しかしこの時二人はまだ気づいていなかった。
次に起こる、学園都市最強と自分の友人を巻き込んだ、凄惨な事件が起こるということを―――

幕間 完

佐天「第四……波動……か」 2



posted by JOY at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 禁書クロスSS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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