2010年08月24日

佐天「第四……波動……か」2

102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:58:30.34 ID:4zoyMMAO
―――8月11日

御坂「〜♪〜♪」

佐天「御坂さーん」ノシ

御坂「あ、佐天さん」

佐天「どうしたんですか?随分機嫌いいですけど」

御坂「え?いやーなんでもないわよー」フリフリ

佐天「(何この御坂さんかわいい)」

103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:59:13.57 ID:4zoyMMAO
御坂「まっ、たまにはそういう気分にもなるってことよー」

佐天「そうですか・・・」

御坂「っと、そろそろ黒子との約束の時間だから、それじゃねー」フリフリ

佐天「なんという違和感・・・っと、こっちもそろそろだね」

今日は上条さんの退院日だ。
まだあれから全然時間がたってないと思ったのだけれど、どうにもここの科学力があれば切れた腕をくっつけるくらい、
そんなに時間が必要ないらしい。
お見舞いに行く、とか言いながら、退院祝いに行っているのだから、なんともおかしな話である。
104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 16:59:49.82 ID:4zoyMMAO
佐天「どもー上条さーん。退院祝いに来ましたよー」

上条「おー。そんなに気つかわなくてよかったのによ」

佐天「いえいえ、お見舞い来るとかいいながら結局来られませんでしたからね。あ、これお祝いのお菓子です」

上条「サンキュ。うちの腹ペコシスターが喜ぶぜ」

佐天「安物ですけどね」

105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:00:26.30 ID:4zoyMMAO
――――8月15日

「なんでなんでなんでなんでなんで・・・!」

「ッハァ、何してンですかァ、格下がァ!」


――――8月19日

佐天「よっしゃー!宿題全部終わったー!」

106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:01:17.73 ID:4zoyMMAO
上条さんの退院祝いをしたあの日から一週間が過ぎた。
その時上条さんの家にお邪魔させてもらったんだけど、あのシスターさんと巫女さんがいた。どうにも一緒に住んでいるらしい。
ハーレムじゃないですか、と言ったら「そんないいものじゃないですよ」と肩を落としていた。
その時私が台所へ立って退院祝いの料理をふるまったら、「るいこはすごいんだよ!こんな美味しいの作れるなんて!」と喜ばれた。
上条さんも「こんな美味しいもの食べられて・・・上条さんにもようやく幸運が向いてきたか?」とのたまっていた。
誰かに食べさせる機会なんてなかったから知らなかったが、私は料理ができる子らしい。
その時シスターさんに「また作りにきてくれると嬉しいな!」と言われ、私も料理は嫌いではないし、何より人に食べてもらうのは嬉しかったりする。

そんなわけで、今日は上条さんの家に行く日なのだ。

107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:02:15.24 ID:4zoyMMAO
佐天「今日は何にしようかなー。最近のメニューと被ると嫌だろうし・・・電話してみよう」

plllllll pllllllll

いんで「はっ、はい!こちらかみじょうですがっ!」

佐天「あ、シスターちゃん?私だよー涙子だよー」

いんて「るいこ?あ、今日はるいこがご飯作りにきてくれる日だったんだね!」

佐天「そうそう、それでね?最近のメニューと被らないようにしたいから、最近食べたものを教えて欲しいんだー」

いんる「んー、私はなんでもおいしくいただくけど、おにくがいいなー。おにくーおにくー」

佐天「ん、りょーかいっ。じゃあ買い物してからそっち行くねー」

いんと「楽しみに待ってるんだよ!」ブッ

108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:03:36.15 ID:4zoyMMAO
佐天「お肉かー。うーん・・・肉じゃがと、豚汁がいいかな。あと二品くらいつけたいけど・・・」

佐天「あれ?あれって・・・おーい御坂さーん」

ミサカ「・・・」

佐天「どうしたんですか?御坂さんは寮のご飯あるから買い物なんて来ないと思ってたんですけど」

ミサカ「その御坂とはお姉さまの事を指すのでは、と、ミサカはあなたの言葉から推測します」

佐天「へ?お姉さま?へー、御坂さんに妹さんなんていたんだー。すごい、そっくりだ」

ミサカ「妹、という言葉には語弊があるように感じられますが、おおむねその認識でよろしいでしょう、とミサカはざっくばらんに肯定します」

佐天「ふーん・・・?あ、そうだ。今晩のおかずを考えてるんだけどね、肉じゃがと豚汁と、あと何がいいかな?」

ミサカ「そうですね、副菜とスープですから、あとは主菜とデザートあたりで考えてみてはどうでしょうか、とミサカは一般的な意見を返します」

佐天「うーん・・・洋食関係はあんまりつくったことないけど、その辺りかなぁ。デザートはプリンとかどうかな?」

ミサカ「プリンですか。しかし私はプリンというものを食べたことがないので、どうかと聞かれても答えかねます、とミサカは残念そうに口にします」

109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:04:32.61 ID:4zoyMMAO
佐天「うぇっ、プリン食べたことないの?!」

ミサカ「はい、とミサカは素直に返事をします」

佐天「それは駄目だ!そんなの人生の半分以上を損している!」

ミサカ「そうなのですか?とミサカは訝しげに尋ねます」

佐天「そうだよっ・・・あ、妹さん、今時間ある?」

ミサカ「時間、ですか。実験開始まであと2時間34分31秒、指定の場所までの移動時間を考えても十分に時間はあります、とミサカは懇切丁寧に説明します」

佐天「実験・・・まあいいや、じゃあ買い物付き合ってくれない?」

ミサカ「それは構いませんが、とミサカはやることもないので返事をします」

佐天「よっし、じゃあついでにメニューも考えてね!」

ミサカ「・・・ハイ、私でお役に立てるかどうかはわかりませんが、とミサカは自信なくうなずきます」

110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:05:18.63 ID:4zoyMMAO
佐天「今更だけど肉じゃがって主菜な気がしてきた」

ミサカ「そうかもしれません、とミサカは誤った知識を恥ずかしがります」

佐天「というか、じゃがいもと牛コマが安売りしてたのは大きかったね!妹さんも居たし、おひとり様パックの牛コマたくさん買えたよ!」

ミサカ「それはなによりです、とミサカは少し嬉しがります」

佐天「そんな妹さんにプレゼントです!じゃじゃーん!」

ミサカ「パッケージにプリンと書いてありますね、とミサカは見たままを口にします」

111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:06:43.61 ID:4zoyMMAO
佐天「ちょっと高めの良いヤツを買ってみたよ。さっ、食べてみて食べてみて」

ミサカ「いただけるのですか?とミサカは期待を込めてたずねます」

佐天「いいよいいよー。だからさ、人生初のプリンの感想を聞かせてね?」

ミサカ「わかりました――――なるほど、これは」

ミサカ「口に入れた瞬間にバニラの香りが漂い、自然な甘さととろけるような柔らかさ、そして心地よい冷たさで、
     次々口にしたくなるような、まさに絶品ともいえるべき代物ですね、とミサカは正直な感想を述べます」

ミサカ「このカラメルソースが、少し飽きてきたころにアクセントとして出てくる所も特徴的ですね。
    苦みの中に甘みがあり、それがプリン本体と交わることによってさらに深い味わいを醸し出しているようです、
     とミサカは初めてのプリンに少し興奮気味で答えます」

佐天「そっか!喜んでもらえて何よりかなー」

ミサカ「こんな美味しいものを知らなかったとは、たしかに人生の半分を損していたのかもしれませんね、とミサカは自分の認識を改めます」

佐天「こちらこそプリンの素晴らしさを知ってもらえて嬉しいよ」

佐天「それじゃ、今日はありがとねー」フリフリ

112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:07:38.72 ID:4zoyMMAO
ミサカ「・・・行ってしまいました」

ミサカ「こちら個体番号10032号、実験の観察及び一般人の立ち入り制限のため、実験場所へ向かいます」


―――上条宅

佐天「ごめんなさい、ちょっと遅くなっちゃいました」

いんぷ「待ってたんだよるいこ!さあ早くご飯つくってほしいかな!」

上条「悪いな、わざわざ。本当によかったのか?」

佐天「ご飯つくるの好きですからね、気にしないでください」

佐天「さて、それじゃ1時間ちょっとかかるんで、向こうでのんびりしちゃっててくださいね」

上条「そうか?ほら、インデックス、邪魔しちゃ悪いから向こうでごろごろするぞ」

113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:08:26.65 ID:4zoyMMAO
そんなわけでご飯が出来たのである。

いんく「この肉じゃがすごくおいしいんだよ!おかわり!」

佐天「ありがとねー、いっぱいあるからいっぱい食べていいよ」

上条「肉じゃが豚汁ほうれんそうの和え物……だと・……なんという女の子。上条さんは感動のあまり泣きそうですよ」

佐天「大げさですって。これくらい普通に皆出来ますよ」

上条「いえいえ家の居候さんは食っちゃねくっちゃねで何も―――」

いんど「とーまー。それ誰のことかなー」

上条「やっ、やめろインデックス!今はご飯中だ!」

いんち「わかってるんだよ!もーとーまはすぐ人を馬鹿にしてー」

114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:09:14.52 ID:4zoyMMAO
いんべ「ふー、お腹いっぱいなんだよ、もう食べられないかな」

上条「上条さんも久々にこんなに食べましたよ」

佐天「やれやれ・・・ここで終わるような涙子ちゃんじゃないんだなー、これが」

佐天「なんと!平行してプリンとか作ってみました!ちょうど固まってる頃合いかな」

いんが「なん……」

上条「だと……」

佐天「ちなみにこっちも大目に作りすぎちゃったけど、もう食べられないかな?」

いんわ「るいこ。この私を舐めてもらっちゃ困るんだよ」

上条「別バラって言葉、知ってるか?」

115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:10:11.26 ID:4zoyMMAO
いんふ「」うめぇうめぇ

佐天「あ、そういえば今日珍しい人に会ったんですよ」

上条「珍しい人?」

佐天「私の友達の妹さんなんですけどね、今までプリン食べたことないって人でした」

上条「そりゃ珍しいな。人生の半分は損してる」

佐天「私もそう思ったんで、プリンあげたんですよ。すごく感動してました。
    あ、ちなみにその人が居たのでお肉たくさん買えたんですよ」

上条「ああ、おひとり様パックか。そりゃーその人に感謝しなきゃいけないな」

いんる「るいこ!プリンおかわり!」

佐天「はいはい」

116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:11:21.63 ID:4zoyMMAO
佐天「さて、と。それじゃそろそろ片づけちゃいますか」

上条「それくらい俺がやっとくさ。佐天さんはそっちでのんびりしててくれ。良ければインデックスの面倒見て置いてくれ」

佐天「え?私もやりますよ洗いもの」

上条「いいからいいから。せめてもの礼ってことで」

佐天「そうですか?それじゃ、私は向こうで遊んでますね」

佐天「ほーらシスターちゃーん、ねこじゃらしねこじゃらし」

いんぱ「私はねこじゃないんだよ」


上条「ああ、なんかいいなぁ、これ・・・」

117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:12:17.07 ID:4zoyMMAO
いんの「でもるいこのお料理ほんとうに美味しいね。ずっと作ってくれると嬉しいな」

佐天「それは上条さんにも迷惑でしょー」

いんれ「そんなことないんだよ。るいこがお料理してる所みながらなんか嬉しそうにしてたし」

佐天「ええー、なにそれー」

いんぅ「もういっそのことここに住んじゃえばいいのに」

上条「ぶっ!なに言ってるんですかインデックスさん!?」

佐天「あはは、ここは男子寮だからそれはできないかなー」

上条「(普通にスルーされた・・・なんかショック)」

いんあ「私住んでるし、別にいいと思うんだよ?」

118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:13:10.51 ID:4zoyMMAO
そんなわけで

佐天「それじゃあそろそろおいとましますね」

いんで「んー・・・またご飯つくりにきてくれる?」

佐天「うん、また来るよ」

上条「それじゃ寮まで送ってくか。インデックス、留守番しといてくれ」

佐天「あ、いいですよそんなの」

上条「夜道を女の子一人で歩かせるなんて、そんな物騒なこと上条さんが許しません」

佐天「いえいえ、これからちょっと寄ってくところあるので」

上条「ん・・・そうか?(なんか拒絶されてるみたいでショックだ)」

佐天「はい。それじゃ、おやすみなさい」

上条「ああ、気をつけてな。おやすみ」

119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:14:01.81 ID:4zoyMMAO
佐天「まあ別によるとこなんてないけどさ。あんまり気つかわせてもね」

佐天「さて、それじゃ走って帰りますか」



―――路地裏

「ハハハハハハ!」

「う……ぐぅ……」

120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:14:47.41 ID:4zoyMMAO
佐天「っと、到着。うん、なかなかペース上がってきたかな」

佐天「それじゃちょっと、能力の練習しよっかな」


佐天「ん……(火のもつ熱エネルギーをイメージして……吸収。今回は身体に吸収できる量を上げてみようかな)」

佐天「……(―――最初にお湯の温度を吸収した時は、これくらいだったっけ。結構耐えられるようになったな)」

佐天「……(―――よし、こんな感じ、かな)」

佐天「……しまった。吸収したけどどう発散しよう」

121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:15:33.47 ID:4zoyMMAO
佐天「そうだ……少しずつ熱を出せば、お湯沸かせるかも」

佐天「第四波動(小)ーっ」

佐天「んー……うん、いい湯加減」

左天≪まさか第四波動で湯を沸かすとはなぁ≫

佐天「左天さんっ!久しぶりですね」

左天≪そうなのか?外の時間の感覚はよくわかんねぇな≫

左天≪しかし、その様子だとなかなか慣れてきてるみてぇじゃねぇか≫

佐天「えへへ……ちゃんと練習してますから」

122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:19:14.41 ID:4zoyMMAO
左天≪そんなお前に御褒美だ。その能力について教えてやるよ≫

佐天「!本当ですか!」

左天≪まあ全部は教えねぇがな。そもそもその能力は『フラグメント』って名前だ≫

佐天「フラグメント・・・・・・」

左天≪ああ。そういや、俺が別の世界から飛ばされて来た、って話はしたか?≫

佐天「別の世界?初耳ですよ・・・」

左天≪そうか。じゃあまずはそっからだな≫

123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:20:30.24 ID:4zoyMMAO
左天さんの話は驚くことばかりだった。
まず、左天さんはこことは違う世界から、時空転移のフラグメントを持った能力者によって転移させられたということ。
その世界ではフラグメントを持つ人たちのことを、ニードレスと呼んでいるということ。
そして、その世界では常に争いが起こっており、その原因のひとつに左天さんがいるということ。

左天≪―――そういうわけで、俺は数え切れないくらいの人を殺した≫

左天≪まだガキだった奴もいた。女もいた。だが殺した≫

左天≪どうだ?こんな過去を持った男なんざ、軽蔑したか≫

佐天「――――そりゃ、びっくりしましたけど」

佐天「でも、私は昔の左天さんを知りません。見たこともないです」

佐天「話を聞いただけで嫌いになったり軽蔑したりなんて、しませんよ」

佐天「それに、左天さんはあの時私を助けてくれたじゃないですか」

佐天「そんな人を悪い人だなんて思えません」

124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:21:11.47 ID:4zoyMMAO
左天≪―――甘ぇな、全く≫

左天≪まぁいいがな。だが俺は、その能力で人を殺してきたんだぜ?≫

左天≪そんな能力を引き継がされて、気持ち悪くねぇのか≫

佐天「うーん……包丁で人が殺されたからって、包丁を憎く思う人なんていませんよ」

佐天「能力だって同じです。別に、その話を聞いたからって、能力を嫌いになったりなんてしません」

佐天「道具は使いようですよん」

左天≪ああ、甘いな。甘すぎる。だがいいさ。それでいい≫

125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:22:29.45 ID:4zoyMMAO
佐天「へっへー。この涙子ちゃん、別に過去を聞かされたりしたくらいでどうにもならないでよー」

佐天「それよりっ!ひとつ聞きたいことがあるんですけど」

左天≪ああ?≫

佐天「こっちの能力ってのは科学的に演算して行使するものなんですよ。
   テレポートなら座標を指定していろいろ演算してから、初めて使えるそうなんです。
   この能力もその必要はあるんですか?」

左天≪なるほどな。だがな、涙子。お前は車に乗る時摩擦力や運動量を考えながら運転するか?≫

佐天「いや、運転したことないからわかりませんけど」

左天≪あー……じゃあ、包丁を使うとき、物体の硬度と刃の太さ、摩擦力をいちいち考えるか?≫

佐天「そんなことするわけないじゃないですか・・・そんなの感覚ですよ」

左天≪つまりそういうことだ。この能力に複雑な演算はいらねぇ。
    感覚を掴め。それが一番だ≫

126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:23:26.92 ID:4zoyMMAO
左天≪だが―――もしかすると、だ≫

左天≪涙子がもともと持っていた能力と俺の能力―――これが今涙子の脳の中にある≫

左天≪それを上手く合わせる―――つまり、俺の能力を感覚で、涙子の能力を演算で使えば、何か起こるんじゃねぇか?≫

佐天「私の能力って・・・私無能力者ですよ?能力なんて―――」

左天≪いや、ある≫

佐天「え―――?」

左天≪そもそもフラグメントとは脳の未使用な部分のカギを開けて使うもんだ。
     そして今俺は涙子の意識の中にいる。眠っている時に感じたが……俺の能力とは別の部分が活性化されてる感がある≫

左天≪もしかするとそれがお前の―――っと、そろそろ時間だな。じゃあ練習励めよ。ヒントは「固定概念にとらわれるな」≫

佐天「え?あ、左天さん?!」

佐天「返事が無い……」

127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:27:05.88 ID:4zoyMMAO
佐天「・・・でも。もし左天さんの言うことが本当だったら」

佐天「私も、能力者に―――」

佐天「うん、なんだかやる気出てきた。けど、とりあえずお風呂はいろう」


―――入浴後

佐天「っふぅ。さて、それじゃ今日は寝ましょうか」

佐天「宿題も終わって、いい気分だなー、っと」




佐天「熱が発散しきてなかった……うぅ……」ゴソ

128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:28:24.71 ID:4zoyMMAO
――――8月20日

佐天「ん……」

佐天「……そっか。あの夢」

佐天「あれ……左天さんの、記憶だったんだ」



初春「あれ、佐天さんどうしたんですかこんな朝早く」

佐天「それはこっちの台詞だよ初春。どうしたの?」

初春「いえ、昨日少し電気のトラブルがあって、データの復旧に呼び出されたんですよ」

佐天「へぇー・・・その電気のそれって、御坂さんだったりして」

初春「えー、あるわけないじゃないですか、そんなことー」

佐天「いやいやー御坂さんならあり得るかもよー」

129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:29:30.11 ID:4zoyMMAO
白井「・・・・・・ふぅ」

初春「おはようございます、白井さん」

佐天「おっはようございまーす」

白井「おはようですの」

佐天「・・・?なんだか元気ないですね」

白井「なんでもありませんの」

初春「白井さんっ!」ずいっ

白井「な、なんですの?」

初春「・・・辛いことがあったら、相談してくださいね」

白井「・・・。ええ。そうですわね」

130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:30:26.48 ID:4zoyMMAO
初春「御坂さんの様子がおかしい?」

白井「ええ、一週間ほど前はおかしい程機嫌がよかったのに、4日前ほどから急に沈んでしまわれてて」

佐天「うーん・・・・・確かに一週間くらい前は機嫌よかったなー」

白井「だから心配で心配で・・・ああ、お姉さま!気を病んでいらっしゃるのでしたらこの黒子に!この黒子に相談を!」

初春「少しずついつもの白井さんに戻ってきましたね」

白井「あ・・・そう、ですわね」

白井「ふぅ・・・やはり誰かに相談すると気が楽になりますわね。ありがとうですの、初春、佐天さん」

佐天「何言ってるんですか、友達なんだからそれくらい当然ですよ!」

131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:31:52.35 ID:4zoyMMAO
佐天「さって、それじゃ私はお茶くみ係兼パシリ役でもやってましょうかねー、っと」

初春「佐天さん、はやく緑茶いれてください」

白井「私は紅茶ですの」

佐天「なんという友達づかい・・・あ、そうだ。そういえばこの前御坂さんの妹さんに会ったのよ」

白井「お姉さまの?そんな話は聞いたことありませんが」

佐天「え?あ、じゃあもしかして、御坂さんって妹がいるとか、そういう家族構成がばれるの嫌なタイプなのかな―――って」

佐天「でも妹さん常盤台の制服来てましたよ?」

白井「それこそありえませんの。もしお姉さまに妹がいて、その方も常盤台の生徒だとしたら、この黒子の耳にその話が入ってこないわけがありませんもの」

佐天「んー?おっかしいなー」

初春「もしかしてそれは佐天さんの想像の産物なのではないでしょうか」

佐天「違うよ!ちゃんと一緒に買い物したし、プリンだって食べたもん!」

132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:32:30.28 ID:4zoyMMAO
初春「でも御坂さんの一番近くにいる白井さんでさえそんな話を聞いたことないなら、御坂さんにはあまりその話をしないほうがいいかもしれませんね」

白井「そうですわね。人にはそれぞれ、知られたくないことくらいありますでしょうし」

佐天「そう、そうかな・・・うん、そうだね」

初春「ほらほら、はやく緑茶いれてくださいよ」

白井「私は紅茶ですの」

佐天「なんという友達づかい」

133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:33:21.53 ID:4zoyMMAO
―――時刻、昼時

初春「あ、もうこんな時間」

白井「そもそも今日は非番でしたし、そろそろ帰りましょうか」

佐天「あ、じゃあ久々に今から御坂さん呼んで4人でどっかいきましょうよ」

白井「残念ながらお姉さまは補習ですの」

佐天「御坂さんが補習?ふーん……」

白井「ですから今日は三人で行きませんこと?」

初春「いいですね、あ、そうだ。私最近行ってみたい店がいくつかあって―――」

134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:34:02.53 ID:4zoyMMAO
―――時刻、夕暮れ

白井「まさか初春があそこまで食べるとは思ってもみませんでしたの・・・」

佐天「ジャンケンで負けた二人が一人に奢りとは・・・」

初春「敗者なんですから文句言わないでくださいね」

白井「ま、仕方ありませんの。それでは私はこちらですので」

136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:35:14.32 ID:4zoyMMAO
佐天「はーい。それじゃまた」ノシ

初春「ごちそうさまでしたー」

白井「あまり調子にのらないことですわよ初春・・・次は容赦しませんの」シュンッ

初春「それじゃ帰りますか」

佐天「あ、私少し走ってから帰るから、初春は先に行ってて」

初春「う・・・なんですか、それはたくさん食べた私へのあてつけですか」

佐天「ふっふーん、べっつにー?日課のトレーニングをしようとおもっただけですよー?
    それに初春は少しやせ気味なんだから、大丈夫だよーほらほらー」

初春「きゃっ・・・もーくすぐったいです佐天さん、お腹なでないで下さいよー」

佐天「うんっ、全然無駄なお肉ついてないねー」すりすり

初春「んっ・・・はぁ・・・・くすぐ、やめ、さてんさぁん・・・」


学生「おい、あれ・・・」
学生「ああ、わかってる・・・・いいもんみたな」
学生「ああ・・・」
 
138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:36:16.28 ID:4zoyMMAO
佐天「さって、初春いじるのもこれくらいにして、それじゃまたね」

初春「はぁ・・・はぁ・・・う、はい、また・・・」


佐天「いやー初春の性感帯ってお腹なのかなー。途中でびくびくしてたし」

佐天「全く、まだ人がいる路上でびくびくするなんて、けしからんよね」

佐天「―――っと、あれ?御坂さん・・・と上条さん?」

139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:37:09.88 ID:4zoyMMAO
佐天「上条さん、どうしたんですか?地面に座り込んで。それに御坂さんも」

ミサカ「あなたは・・・先日はプリンありがとうございました、とミサカは出合い頭に礼を言います」

佐天「あ、妹さんのほうか。ゴーグルしてなかったからわかんなかったなー」

ミサカ「ゴーグルとはこれのことでしょうか?とミサカは手にもった暗視ゴーグルを頭に着けながらたずねます」

佐天「おー、妹さんだ妹さんだ。で、何してるの?」

ミサカ「この人が缶ジュースを道路にまいたことが車両の通行の阻害になることを説明していたのです、とミサカは現状を説明します」

上条「別にまきたくてまいたんじゃねえよ……っと」

140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:37:54.87 ID:4zoyMMAO
佐天「手伝いましょうか?」

上条「うん?いいよそんなの。悪いだろ」

佐天「いや、でも・・・」

ミサカ「あなたの行動が遅く既に車両の通行の害となっていたので拾いあつめてきました、とミサカはため息まじりに説明します」

上条「・・・」

佐天「あ、ほら、妹さん。そんなに持ってちゃ重いでしょ?私も持つよ」

ミサカ「そうですね、これでは次が拾えないので助かります、とミサカは素直に受け渡します」

141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:38:47.05 ID:4zoyMMAO
上条「・・・・・・・やれやれ、後でなんかおご―――っぶ!」

ミサカ「どうかしましたか?とミサ―――」

佐天「妹さん、その格好でその姿勢だとぱんつ見えてます」

ミサカ「・・・なるほど。そういう趣味ですか」

上条「違う!断じてそういう趣味ではなくこれはあくまで不可抗力であり―――」

佐天「駄目だよ妹さん、そうやって隙ばっかり見せてるといつ噛みつかれるかわからないんだからね?」

ミサカ「?よくわかりませんが、忠告感謝します、とミサカは頭をさげます」

上条「誤解だ・・・不幸だ」

142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:39:47.91 ID:4zoyMMAO
上条「悪いな、家まで運んでもらっちまって」

ミサカ「感謝の言葉はいりません、とミサカはぶっきらぼうに答えます」

佐天「まぁ少しはトレーニングになったしねー、っと。それじゃあ私はこの辺りで」

上条「ああ、今度なんか奢るよ。じゃあな」



佐天「さて、缶ジュースからとった熱でさくっと帰りますか」

佐天「けどびっくりしたなー。ずっと吸収してると凍るなんて」

143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:41:20.61 ID:4zoyMMAO
佐天「熱を吸収し続けると凍る・・・そっか、当たり前といえば当たり前だよね」

佐天「というか、なんで今まで『熱いものからしか熱吸収ができない』って思い込んでたんだろ」

佐天「あ、そっか。これが固定観念、か」

佐天「熱を持つ、ってことは分子が振動してる、ってこと。
    だったら、そのエネルギーを吸収、つまり振動をとめてしまえば、凍るに決まってるよね」

佐天「おおっ、なんかまたこの能力のことわかったかも」

佐天「あれ?ってことは、だよ」


佐天「今ある熱エネルギーで分子運動を活発化したらどうなるんだろう?」

144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:42:40.17 ID:4zoyMMAO
佐天「この能力の基本は吸収……放出するさいは熱線みたくなって出てくる」

佐天「でも昨夜、お風呂沸かした時みたいに、うまくコントロールすれば」

佐天「熱線じゃなくて、熱エネルギーを物体に送ることができたら―――それって素敵かも」

佐天「よしっ、ちょっと練習してみよっかな!」

145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:43:31.41 ID:4zoyMMAO
―――2時間後

佐天「・・・・・・っだぁー!できない!なんでだ!」

佐天「おっかしいなー、理論的には出来そうな気がするんだけどなー」

佐天「どうしても熱線というか、ひとつのものにエネルギーを向けられないんだよなー。
    イメージは固まってるのに・・・」

佐天「・・・うーん、しょうがない。今日はもう寝ようかな」

146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:47:03.23 ID:uAmpqoko
――――8月21日 朝

佐天「ん……ふぅっ……」

佐天「あー・・・なんか目覚め悪いなー・・・」

佐天「宿題も終わってるし・・・二度寝しようかなー・・・んん・・・」


148 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:47:54.28 ID:uAmpqoko
ピンポーン

佐天「うげぇ……誰だろ」

佐天「あーあ、結局起きなきゃいけないことになっちゃったなぁ……はーい、今出まーす」ガチャ

ミサカ「おはようございます、とミサカは爽やかに挨拶しました」

佐天「え……妹さん?なんでここに……?」

ミサカ「その質問からは二つの意味が汲み取れます、とミサカは考えます。
    ひとつ、何故あなたの家をミサカが知っているのか
    ふたつ、何故こんな朝からあなたの家を訪ねているのか
    とミサカは推察した意見を口に出しましたがいかがでしょうか」

149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:48:23.24 ID:uAmpqoko
佐天「えっと、じゃあひとつ目で」

ミサカ「ストーキングしました、とミサカは端的に答えを述べました」

佐天「えぇ!?」

ミサカ「と言っても、昨日別れてから後をつけただけですが、とミサカは汚名を返上します」

佐天「いや、それがストーキングだからね?でもなんでそんなことを……」

ミサカ「ふたつ目の推察の答えですね。それはあなたが昨日これを落として帰ったからです、とミサカはあなたに金銭入れを手渡します」

佐天「あ、私の財布!」

ミサカ「まさか今のいままで気づいていなかったのですか?とミサカはやや肩を落としながら口にします」

佐天「う……まあ、まさか落としてたとは思ってなかったから……気付かなかったなぁ」

ミサカ「やれやれ、そんなことではスリにやられてしまいますよ?とミサカは忠告します」

佐天「はい・・・」

150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:48:52.10 ID:uAmpqoko
ミサカ「それでは、とミサカは踵を返します」

佐天「え?もう帰っちゃうの?」

ミサカ「はい、私の目的は既に達成されましたので、とミサカは満足に答えます」

佐天「もし時間あるのならよってかない?ほら、これのお礼もしたいしさ」

ミサカ「・・・では、とミサカは御好意に甘えさせていただきます」

佐天「いやいやー、こっちもありがとね、わざわざ」

151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:49:23.04 ID:uAmpqoko
ミサカ「お邪魔します、とミサカは頭を下げながら靴を脱ぎます」

佐天「どうぞどうぞー。じゃあご飯作るからちょっとその辺りで座っててね」

ミサカ「はい、とミサカはクッションを抱きしめながら布団の上に寝転がります」

ミサカ「・・・良い匂いです、とミサカはどこかアブノーマルな気持ちでつぶやきます」ボソッ

佐天「?何か言ったー?」

ミサカ「いえいえ何も、とミサカは全力で首を横にふります」

152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:49:55.05 ID:uAmpqoko
佐天「っと、出来あがりー。お味噌汁とご飯と目玉焼きと焼いたハム。そしてヨーグルト」

佐天「妹さん、お待たせー・・・って」

佐天「寝ちゃってる・・・私のベットの上で」

153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:50:24.00 ID:uAmpqoko
ミサカ「―――・・・―――・・・」すぅすぅ

佐天「んー・・・こうしてみると御坂さんそっくりだなー」

佐天「って、ご飯冷めちゃう。妹さん、ご飯できたよ?」

ミサカ「――・・・ん。
    ・・・すみません、惰眠をむさぼってしまったようです、とミサカは慌てて謝罪します」

佐天「や、別にいいけどねー」

ミサカ「・・・いい香りですね、とミサカは寝起きから一気に覚醒状態へと戻ります」

佐天「うん、ご飯できたからね。ほらほら、冷めないうちに食べちゃってちょうだいっ」

154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:50:53.42 ID:uAmpqoko
―――食後

ミサカ「ごちそうさまでした、とミサカは手を合わせます」

佐天「はいっ、おそまつさまでしたー」

ミサカ「しかしあなたは料理が上手なのですね、とミサカは素直に称賛します」

佐天「あはは、あんなの大したことやってないよ」

ミサカ「そうなのですか?けれど私には出来ないことです、とミサカは残念がります」

佐天「妹さん、料理したことないの?」

ミサカ「ええ。知識はありますが実際にしたことはありませんし必要性もありませんでした、とミサカは淡泊な人生の片りんを見せます」

佐天「ふーん・・・じゃあ今度一緒につくろっか!」

ミサカ「・・・それは魅力的な申し出ですが、残念ながら受けることはできません、とミサカは言えない理由を隠しつつ申し上げます」

佐天「?どういうこと?」

ミサカ「実験、とだけ。とミサカは答えます」

155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:51:23.54 ID:uAmpqoko
佐天「その実験って、前も言ってたけど、なにしてるの?」

ミサカ「……パスをとります。コード××××××××××」

佐天「え・・・?」

ミサカ「……回答できなかったことにより、実験の関係者ではないとミサカは断定します」

ミサカ「よってあなたに実験の詳細を答えるわけにはいきません、とミサカは心苦しく思います

156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:51:54.49 ID:uAmpqoko
佐天「うーん……よくわからないけど、まあいっか!妹さんは妹さんだからねー」

佐天「ねぇ、妹さん。これから時間ある?」

ミサカ「時間、ですか。次の実験が始まるまでのことを指すのでしたら、十分に時間はあります、とミサカは答えますが」

佐天「よっし、それじゃあ今日は私と遊びに行こう!初春達は最近忙しくて構ってくれないんだよー」

ミサカ「それは別に構いませんが、とミサカは内心心躍らせながら返事をします」

佐天「じゃあ準備するから待っててねー」

ミサカ「ハイ・・・・・・と言うやいなやミサカはベッドの上にたおれこみます」

ミサカ「・・・・・・布団の中に、まだぬくもりが残っています、とミサカはまたもやアブノーマルな思考をしていしまいます」

157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:52:23.27 ID:uAmpqoko
――――喫茶店

ミサカ「……」

佐天「ど、どうしたの妹さん?メニュー見てかたまっちゃって」

ミサカ「いえ、知識では知っていましたが実際に来るのは初めてなので、とミサカは興奮気味に返答します」

佐天「喫茶店にきたことないとは……うーん、さすがお嬢様、なのかなぁ?」

ミサカ「時に、これはこの中から選択し注文すればよろしいのでしょうか?とミサカは知識と現実の整合性を確認します」

佐天「そうそう、あ、ちなみにこれトッピングとかもできるからね。例えば――――」

ミサカ「―――なるほど、とミサカはシステムを完全に把握します。それでは――――」

ミサカ「ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソース
  モカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノをひとつお願いします、とミサカはやや息切れ気味で注文します」

佐天「」

158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:52:54.32 ID:uAmpqoko
ミサカ「とても甘いです、とミサカは生クリームをスプーンでつっつきます」

佐天「別に全部しなくてもよかったのに……」

ミサカ「いえ、これはもともとこのつもりで注文したのです、決してわからなかったわけではありません、
    とミサカは少々焦りつつも弁解します」

佐天「・・・ぷっ、あはははは!やっぱり妹さんって変わってるよねーかわいいー」

ミサカ「違います、私はもともとこれが欲しかったのです、
   とミサカは恥をこらえつつ再度弁解します」

佐天「いいよいいよー、だってプリンしらなかったお嬢様だもんねーかわいいー」うりうり

ミサカ「本来ならとても屈辱的な気分になるのでしょうが、何故だかあなただとあまり
    嫌な気持ちになりません、とミサカは不思議に思います」

159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:53:23.30 ID:uAmpqoko
―――夕暮れ時近く

佐天「あー楽しかった!なんかすごく新鮮な気分だったなー」

ミサカ「終始いじられっぱなしだったような気がします、とミサカはあなたの性の意地悪さを攻めてみます」

佐天「・・・嫌だったかな?怒っちゃった?」

ミサカ「……いえ、不快感のようなものは感じられません、とミサカは人間ぶった言葉を吐いてみます」

佐天「ん……・そっか。ならよかったっ」

160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:53:53.36 ID:uAmpqoko
ミャー

ミサカ「・・・・・・ネコ」

佐天「うん?・・・・・・あ、本当だ。捨て猫かな?かわいいー」うりうり

ニャーニャー

佐天「うりうりーおでこ気持ちいいかーうりうりー」

ミサカ「・・・・・・」

佐天「うりうり・・・ん?どうしたの妹さん、ネコ苦手なの?」

ミサカ「いえ、ミサカが苦手なのではなく、ネコがミサカを苦手なのです、とミサカは言葉遊びのようなことをしてみます」

佐天「?どゆこと?」

162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:54:23.43 ID:uAmpqoko
ミサカ「ミサカの身体からは常に微弱な電磁波が出ています。それは人間には特に影響のない微々たるものですが、
    ネコなどの動物にとっては少々影響のあるもののようです、とミサカは自分の体質を恨めしく思います」

佐天「へぇ、なるほど……あ、恨めしくってことは、ネコ好きなんだ?」

ミサカ「好き、かどうかはわかりませんが、嫌いではないですね、とミサカはどっちつかずな返答をします」

佐天「ふふっ、なるほどねー。じゃあ、はい、これ」

ミサカ「・・・?これは、パンですね、とミサカは渡されたものを答えます」

佐天「レッツ餌付け!嫌いでもエサにつられて仲良くなれるかもしれないよ?」

ミサカ「・・・そんな簡単なものではないと思いつつついついエサをやってみようと思います、とミサカはパンを細かくちぎります」

163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:54:54.62 ID:uAmpqoko
ミサカ「・・・・・・」

ムームー

ミサカ「・・・・・・・・・・・・」

ミー

ミサカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ずいっ

ミャーフシー

ミサカ「・・・」しょぼん


佐天「(やだ、なんか可愛いかも)」

164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:55:23.80 ID:uAmpqoko
ミサカ「・・・やはり駄目なようです、とミサカは少々涙をこらえて結果を報告します」

佐天「う、うん・・・」


上条「あれ・・・佐天さん、と―――御坂か?」


佐天「ん・・・あ、上条さんだ」

ミサカ「かみじょう・・・ああ、昨日の缶男ですか」

上条「缶男て―――って、妹の方か。昨日はノミ、ありがとな」

ミサカ「・・・別にあなたに感謝されるためにしたわけではありませんよ、とミサカはぶっきらぼうに答えます」

165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:55:53.94 ID:uAmpqoko
上条「そうかい。で、二人で何してるんだ?」

佐天「一緒に遊んでて、今は妹さんがネコと交友を深めようと努力してるところですよ」

ミサカ「―――ですが、やはり無理なようですね。やれたれ、このままでは保健所に引き取られてしまいます、
   とミサカはある男の方を向いたつぶやきます」

上条「・・・・・・。待て、待て待て待て、ちょっと待て。俺は知らないからな?!」

166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:56:24.46 ID:uAmpqoko
ミサカ「そうですか、そうですね。あなたにとってこのネコがどうなろうと知ったこっちゃないですもんね、
    とミサカはこのネコの将来を見据えます」

上条「う・・・・・・」

ミサカ「このまま放置されたネコは保健所へ引き取られ、実験動物にもならないまま
    神経ガスで徐徐に徐徐にその命を――――」

上条「もうやめてくれーっ!」

佐天「(妹さん結構えげつないなあ)」

167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/03/27(土) 17:57:11.26 ID:uAmpqoko
上条「というかそこまで言うならお前が飼えばいいだろ!」

ミサカ「あなたは今までの会話を聞いていなかったのですか?それとも聞いていて尚その質問なのですか?
    だとしたらとんだ理解力の無さですね、とミサカは鼻で笑います」

佐天「妹さんは体質的に動物に嫌われるんで飼えないんですよ・・・あーあ、どこかにかっこよく
   引き取ってくれる人いないかなー」

ミサカ「そんな人がいたら一瞬で惚れてしまいますね、とミサカをちらりと視線を送ります」

上条「・・・・あーっ!わかったよ!ちくしょう、どうせこうなると思ったよ!」

佐天「さっすが上条さん!かっこいです!またご飯作りに行きますね!」

ミサカ「昨日の件の謝礼としては妥当なところでしょう、とミサカは当然のように申し上げます」

上条「こいつら・・・はぁ。まあいい。けど、名前くらいお前がつけてやれよ?」

ミサカ「では・・・イヌ」


上条佐天「」

94 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:03:18.31 ID:wEn4xHzU0
ミサカ「どこへ行くのですか、とミサカは尋ねますが」

上条「本屋だよ。お前も見たろ、うちのシスターさんと巫女さんのネコに対する知識の無さを」

佐天「話の内容が掴めない私は妹さんに事情を聞いてみたいと思います」

ミサカ「昨夜、あなたが帰宅した後缶ジュースをこの男の部屋の前まで運んだ時、
    居候であるシスターと巫女が飼いネコを燻し化学兵器でその命を奪おうと 
    していた所をミサカが颯爽と助けたのです、とミサカは少々歪曲した
    情報を教えます」

上条「間違っちゃいねーが間違ってるぞそれは!」

ミサカ「客観的事実は正しいので間違いではありません、とミサカは憤慨します」

95 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:05:30.46 ID:wEn4xHzU095 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:05:30.46 ID:wEn4xHzU0
佐天「なるほどねー。つまり上条さんはネコの飼い方を知りたいんだ。でも
   それならインターネットとかでも十分じゃないですか?」

上条「上条さんみたいな貧乏学生はそんなもの家にございませんよ……」

ミサカ「学園都市に住んでいるくせに随分とアナログな人間ですね、とミサカは
    鼻で笑います」

上条「うっせ。動物の飼い方なんざそんなにコロコロ変わるもんじゃないだろ。
   古本屋で十分です」

96 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:07:44.14 ID:wEn4xHzU096 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:07:44.14 ID:wEn4xHzU0

――――本屋

上条「っと、そういえばネコを抱えたまま本屋に入っても大丈夫かなー?」

ミサカ「限りなく説明口調なその台詞ですが、こちらにネコを渡すなんてことは
    やめてください、とミサカは予め釘をさしておきます」

上条「磁場のせいで嫌われるからか?はっ、真の友情とは壁を乗り越えて生まれるもの。
   ならばその壁をのりこえてみろ。必殺猫爆弾!」

ミサカ「―――っと。ネコを投げるなんて、一体どういった神経をしているのでしょうか、
   とミサカはあの人の無神経さにいらだちます」

佐天「でもこうでもしなきゃ妹さんネコ触らないじゃん。たぶん、上条さんは
   妹さんが寂しそうに見えたからこんなことしたんだと思うよ?」

ミサカ「寂しい、ですか。そのような感情は特にありませんが、とミサカは
   自身の感情にはそのようなものがないと再認します」

97 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:09:59.44 ID:wEn4xHzU097 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:09:59.44 ID:wEn4xHzU0
佐天「んー、でも私からも寂しそうに見えたけどなー。なんだか、もう
   生きててもしょうがない、って感じがす――――妹さん?」

ミサカ「……申し訳ありません、実験です。このネコを預かってくれませんか、と
    ミサカはネコを手渡します」

佐天「え?えぇ?」

ミサカ「……今日はありがとうございました、とミサカは軽く頭を下げます。
    きっとこれが、楽しかった、という感情なのでしょうね、とミサカは自分を確認します」

佐天「……妹さん?」

ミサカ「それでは――――さようなら、とミサカは踵を返します」

佐天「え、ちょっと!」

佐天「――――行っちゃった、どうしよう」

98 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:12:15.97 ID:wEn4xHzU098 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:12:15.97 ID:wEn4xHzU0
上条「――――ん?あれ?御坂妹は?」

佐天「あ―――上条さん、妹さんが」


上条「……どういうことだ?」

佐天「わかりません……けど、なんか、嫌な予感がします」

上条「御坂妹はどっちに行った?」

佐天「あの、そこの路地裏に……」

上条「……ちょっと追いかけてくる。佐天さんはここで待っててくれ!」

佐天「え、あ、私も――――」ニャー

上条「猫、頼んだ!」

佐天「……はい」ニャーニャー

99 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:14:30.13 ID:wEn4xHzU0

佐天「……妹さん、どうしたのかな?」

にゃー

佐天「最後の顔――――なんだか、すごく悲しそうだったな」

みー

佐天「……実験って、なんなんだろう」

102 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:16:41.74 ID:wEn4xHzU0
上条「――――――」

佐天「あ、戻ってきた……」

上条「――――ぃ、――――が……しん……す」

佐天「?電話……なんで―――って、大丈夫ですか上条さん!」

上条「あ―――佐天、さん」

佐天「いきなり地面に座り込んで……顔が真っ青ですよ?どうしたんですか?」

上条「――――……が」

上条「――――御坂妹が」

佐天「妹さん――――?妹さんが、どうしたんですか?」

上条「――――ごめん」

103 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:19:20.07 ID:wEn4xHzU0103 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:19:20.07 ID:wEn4xHzU0
それから上条さんは一言もしゃべらなかった。
私はそんな上条さんに言葉をかけることも出来ず―――路地裏へと入っていこうとすると、
上条さんに後ろから止められた。
どうしようもなくその場で一緒に座り込んでいると、そのうち警備員が来て、路地裏を
閉鎖していった。
どう考えてもだた事じゃなかったけど、今の上条さんを放っておくことなんて出来なかった。
そして、一人の警備員が上条さんに声をかける。どうやら、現場までついてきてほしい、との
ことだった。

104 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:21:59.10 ID:wEn4xHzU0104 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:21:59.10 ID:wEn4xHzU0
条「――――行きます」

佐天「あの、私も――――」

上条「いや……佐天さんはここに居たほうがいい」

佐天「……妹さんに何かあったんですよね?」

上条「…………」

佐天「妹さんは私の友達です!だから、だから―――!」

上条「――――警備員さん、この子も一緒に連れて行っていいですか」

警備員「まあ、事情が事情みたいだし、構わないが」

上条「佐天さん――――ごめんな」

佐天「(……なんで、謝るんですか)」

106 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:24:13.78 ID:wEn4xHzU0106 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:24:13.78 ID:wEn4xHzU0
路地裏は表通りとは対照的で、薄暗く先がとても見えづらい。
そんな中を進む途中―――革靴が片方転がっているのを見つけた。
ざわざわと心が揺れる。何か赤いものが付いていた気がするがきっと気のせいだろうと、
ありえない可能性を払拭する。
そう、壁に大きな傷が付いているのもどうせスキルアウトの仕業だろう。
あたりの物が壊れているのもきっそれだ。
この―――まとわりつくような嫌な熱も、きっと夏の路地裏特有のものなんだろう。
そうして浮かんでくる可能性を消していると、上条さんの足が止まった。


107 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:26:37.76 ID:wEn4xHzU0107 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:26:37.76 ID:wEn4xHzU0
上条「―――――――――――――え?」

警備員「どうかしたかい?何かあったのか?」

上条「あ、いえ、そうじゃなくて――――その、ここに、あったんです」
                  ・・・・・・・・・・・・・
警備員「あった?ここに君の言っていた女の子の死体があったのかい?」

佐天「(は――――?)」

上条「はい……確かに、あったんです―――本当です!本当に―――」

警備員「わかった。落ち着いて」

警備員「もしかしたら君の言っているところは別のばしょなんじゃないのか?錯乱
    して場所を町がているという可能性は――――」


109 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:31:58.95 ID:wEn4xHzU0109 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:31:58.95 ID:wEn4xHzU0
――――会話が頭に入ってこない

(え、どういうこと?)

――――先の警備員の言葉を思い出す

     “女の子の死体があったのかい?”

(女の子の死体って?)

――――それに対する返答を

     “はい……確かに、あったんです”

(あったって、何が?)

――――女の子の死体、上条の様子、入口に落ちた革靴、あの時の妹の顔、そして

     “さようなら、とミサカは踵を返します”

(―――あ)

――――答えは、ひとつしかなかった。

110 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:34:16.76 ID:wEn4xHzU0
佐天「かみじょ――――」

上条「どうなってるんだよ、くそ!」

佐天「ちょ―――待ってください!」

115 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:41:25.97 ID:wEn4xHzU0
佐天「はぁ……はぁ……い、いきなり走らないでくださいよ!それより―――」

ガサッ

上条佐天「ッ!」ビクッ

上条「誰だ!」

佐天「(なんだろう……なにか、動いてこっちに―――」


佐天「―――――妹、さん?」

116 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:46:45.54 ID:wEn4xHzU0116 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:46:45.54 ID:wEn4xHzU0
上条「御坂妹……?」

ミサカ「申し訳ありません、作業を終えたらそちらへ戻る予定だったのですが、とミサカは初めに謝罪しておきます」

上条「ちょっと待ってくれ……お前は本当に、あの御坂妹なんだな?」

ミサカ「あの、とはわかりかねますが、先ほど一緒にいた、という意味でしたら、そうです、とミサカは推測して答えます」

上条「……なんだったんだ、ちくしょう」

ミサカ「どうかされましたか?とミサカは首をかしげます」

佐天「ん……えっとね、その、実は、上条さんが妹さんの死体を見たって言うからさ……あーもう、心配した!心臓に悪いよ妹さん!」

            ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ミサカ「いえ―――ミサカはきちんと死亡しましたよ、とミサカは報告します」

117 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:54:14.14 ID:wEn4xHzU0117 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 22:54:14.14 ID:wEn4xHzU0
上条佐天「え―――?」

佐天「……やっ、やだなー妹さん、そんな冗談本当に心臓に悪いからやめて―――

上条「―――おい。お前のその、担いでる寝袋はなんなんだ?なんでそんなもん持ってるんだ」

佐天「」ビクッ

ミサカ「……。ああ、実験場に入っていることから実験の内容を知っているのかと思いましたが、よく考えれば、
    そちらの貴女は実験について知らなかった―――そこから実験について知らないと推測するべきでしたね、とミサカは間接的な部分から答えを導き出します」

ミサカ「ですが一応パスをとります―――××××××」

上条「実験―――なんだって?」

ミサカ「デコードに失敗、と、ミサカはこれにより関係者でないことを確証します」

120 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:05:15.45 ID:wEn4xHzU0120 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:05:15.45 ID:wEn4xHzU0
佐天「妹さん、その、実験って一体―――」

ミサカ「先ほども申し上げましたが、関係者以外には機密ですよ、とミサカは教えます」

佐天「え―――(後ろから、声?)」

ミサカ「それはそうと、ネコをありがとうございました」
ミサカ「あの場にあなたがいなければ、ネコをその場へ置き去りにしてくるところでした」
ミサカ「勿論ミサカ自身が抱えている、という選択肢もありましたが」
ミサカ「無関係の動物を実験にまきこむことは極力控えたかったのです」
ミサカ「それからあなた」
ミサカ「あなたの判断は間違ってはいませんよ」
ミサカ「警備員には不審に思われたかもしれませんが」
ミサカ「それはこちらでうまく調整しておきます」
ミサカ「なので安心してください」

121 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:12:43.62 ID:wEn4xHzU0121 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:12:43.62 ID:wEn4xHzU0
佐天「―――!(妹さんが……なんで?)」

上条「……なんだよ、これ」

上条「なんなんだよ、これ―――!」

ミサカ「はて、何と言われましても」

ミサカ「ミサカはミサカ―――学園都市で七人しか存在しない超能力者、お姉さまの量産軍用モデルとして作られた体細胞クローン
    ―――妹達、ですよ。とミサカは答えます」

ミサカ「ああ、ちなみに安心してください。あなた達が今まで接してきたのは個体番号10032号―――つまり、このミサカです、と
    ミサカは答えます。ミサカ達は特殊な電波で記憶を共有しているのですよ、とミサカは自分の機能を述べます」

佐天「―――一体何を、してるんですか」

ミサカ「何と言われても―――ただの実験ですよ、とミサカは事実を述べます。
          本日は無関係の貴方達を実験にまきこんでしまい、申し訳ありませんでした。
         と、ミサカは謝罪します」


123 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:19:14.59 ID:wEn4xHzU0123 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:19:14.59 ID:wEn4xHzU0
―――その後。

上条「…………」

佐天「…………」

佐天「(わけわかんない……実験って、何よ。なんでそんなことを)」

上条「(くそっ―――なんだよこれ。なんなんだよこれ。実験で人を殺すのか。クローンだから殺してもいいってか?
     わけわかんねぇよ、ちくしょう!)」

佐天「(あれ、そういえば妹さんは御坂さんのクローンって言ってたよね。
    クローンって、あの、血とか髪の毛とかから創り出すってやつ――――!)」

上条「(まて―――クローンってことは、その材料の提供者がいるってことだよな?
    それって、もしかして――――!)」

佐天「……上条さん、私、今、最低なことを想像しちゃいました」

上条「……そうか。たぶん、俺もそんな感じだと思う」

佐天「てことは、今は」

上条「ああ―――御坂のところへ行こう」

124 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:21:41.53 ID:wEn4xHzU0124 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:21:41.53 ID:wEn4xHzU0
―――そして

上条「……しかし、佐天さんが御坂と知り合いとはなぁ」

佐天「でなきゃ妹さん、なんて呼んでないですよ」

上条「ああ、それもそうか―――どうだ、繋がるか」

佐天「……駄目ですね、たぶん、電源切ってます」

上条「そうか……直接寮に向かうしかないか」

佐天「あ、だったらもう一人心あたりがあるんで、そっちに電話してみます」

125 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:24:31.28 ID:wEn4xHzU0125 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:24:31.28 ID:wEn4xHzU0
佐天「―――あ、白井さん?」

白井『どうしたんですの?こんな夜更けに』

佐天「いやぁ、その……御坂さん、います?」

白井『お姉さま?……いいえ、まだ帰ってきてませんわ。一体どこをほっつき歩いているのやら……寮監様にもばれますというのに』

佐天「そうですか……ありがとうございます」

佐天「駄目でした、寮にもいないって……」

上条「……くそっ、どうすりゃいい。そもそも実験ってなんなんだよ……」

佐天「――――あ。そうだ」

127 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:33:09.27 ID:wEn4xHzU0127 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:33:09.27 ID:wEn4xHzU0
佐天「もしもし?初春?今から調べ物してほしいんだけど、いいかな?」

初春『ふぇ?別にいいですけど……』

佐天「その、もしかしたら、すごく危険なことかもしれないんだけど、いいかな……?」

初春『えぇ!?何に首つっこんでるんですか佐天さん!?」

佐天「うっ……まあ、それは後で言うからさ。今から言う言葉で検索してくれないかな。 
     量産軍用モデル、妹達、御坂美琴、実験」

初春『え?それって――――』


佐天「なるほどね。ありがと、初春」

初春『あの……無茶しないでくださいね』

佐天「うん」ピッ

128 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:37:03.20 ID:wEn4xHzU0128 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:37:03.20 ID:wEn4xHzU0
上条「何かわかったのか?」

佐天「・・・はい」


上条「なんだよそれ……ふざけんなよ!20000体の御坂妹を殺す?レベル6?
    そんなもん、許されていいはずねぇだろ!!」

佐天「それから、御坂さんがこれを聞いた次の日に、かなりの研究所が活動停止になってるんですよ」

佐天「これって、もしかして御坂さんが―――」

上条「……わかんねぇよ。とにかく、御坂に直接聞くしかない」

佐天「でも、電話繋がりませんしどうやって……」

131 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:39:51.38 ID:wEn4xHzU0131 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:39:51.38 ID:wEn4xHzU0
上条「―――風力発電機」

上条「確か、風力発電機ってのは、特殊な電磁波を流すと逆に回転するんだよな?」

佐天「はぁ……そんな話は、聞いたことありますけど」

上条「なら―――この風のない夜に、あんな風に動いてる発電機をたどっていけば御坂のところへ着くんじゃないか?」

佐天「え―――あ、そっか。御坂さんの体からでる電磁波―――!」

上条「よし―――」

佐天「あ、待ってくださいよ!」

132 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:45:56.96 ID:wEn4xHzU0
―――鉄橋の上にて

御坂「――――どうしてこんなことに、なっちゃったのかな」

御坂「――――」

御坂「――――っ」ぽろぽろ

ニャー

御坂「え―――猫?」


佐天「御坂さんっ!」

136 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:52:36.72 ID:wEn4xHzU0136 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:52:36.72 ID:wEn4xHzU0
御坂「さてん、さん?」

御坂「なんでこんなところに―――あ」

上条「……何してんだよ、お前」

御坂「……はんっ、別に、何してようと私の勝手でしょ?常盤台のお嬢様だって夜遊びくらいするわ。
    不良共なんかじゃ私に勝てないし―――危険って言うなら、こんな時間に女の子と二人でいるアンタの方が危険でしょ。
    佐天さんがなんでこいつと一緒にいるのか知らないけど、夜に男と二人っきりなんて危ないわよ?」

佐天「―――御坂さん」

上条「―――やめろ」

御坂「やめろって何?からかわれたことにそんなに腹がたったの?
    小学生じゃあるまいし、何をそんなに―――」

上条「強がりはやめろって言ってんだよ。
    全部知ったんだよ。御坂妹のことも、妹たちのことも、実験の事も、一方通行のことも。
    だから、お互い無駄ははぶこうぜ」

137 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:55:11.03 ID:wEn4xHzU0
御坂「―――――――――――――――――――――――ッ!」

御坂「(なんで―――なんで、それを)」

御坂「(あ……佐天さん……そっか)」

御坂「ういはるさん、かな」

佐天「……はい」

御坂「……そっか。あーあ、もう、なんでこんなことしちゃうのかな」


138 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:57:47.54 ID:wEn4xHzU0138 : ◆oDLutF - 2010/03/27(土) 23:57:47.54 ID:wEn4xHzU0
御坂「どっから何を知ったかしらないけどさ――――

   ―――それで。結局、アンタと佐天さんは、私を心配してくれたの?許せなかった?」

上条「そんなの、しんぱ―――佐天さん?」

佐天「……御坂さん」

ぱんっ

御坂「―――!」

佐天「心配したに決まってるじゃないですか!
     友達のことを心配しない友達なんて!いるわけないじゃないですか!ばか!」

上条「……(平手打ち、いい音したなぁ)」

141 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:03:50.94 ID:sE6Sw/wA0
佐天「ばかばかばか!なんで!なんで何も相談してくれないんですか!
    私たちは―――そんな安い仲だったんですか!?」

御坂「―――そんなこと、思ってないわよ」

佐天「じゃあ―――」

御坂「じゃあさ!」

御坂「じゃあ佐天さんは相談できる?自分の細胞から作られたクローンが実験のために一万体以上殺されてて。
   それを止めるために一方通行に挑んで!惨敗して!
   学園都市超能力者第三位の私でもどうにもならなかったことを!
   佐天さんたちに相談できるの!?
   真っ向から敵わないと思ったから絡め手に変えた!
   けど全部一緒よ!いくら研究所を壊したところで実験は次に次にと鞍替えされる!
   
   そもそも――――こんな危ない世界に、大切な友達を連れてこられるわけないでしょ?」

佐天「あ―――御坂、さん」

144 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:11:30.38 ID:sE6Sw/wA0144 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:11:30.38 ID:sE6Sw/wA0
御坂「ねぇ知ってる?あの子たち、自分のことを実験動物って言うのよ?佐天さんならわかるよね?
    自分達が実験動物って言われた時のあの気持ち。
    まるでそんなものないかのように、当然のように口にするのよ、あの子たちは。
    きっと自分が実験動物って自覚しかないんでしょうね。だから、平然といってのけるのよ」

上条「けど―――きちんとしたデータがあれば警備員や理事会も動くはずだろ?!」

御坂「馬鹿ね……理事会はこの街のことをお空にある衛星で全てチェックしてる。 
   それでもここまで止まらなかったってことは―――グルなんでしょうよ、理事会も。
   考えてみれば当然よね。この学園都市の目的は「能力をもった人間をつくりあげること」なのよ。
   その一番上、頂点に位置する超能力者の第一位の、さらに上へいく方法があるのなら、乗らないわけないわよね」

御坂「でもね―――この実験には決定的な欠陥があるの。それはこの実験の結果を演算した「樹形図の設計者」の演算が間違いだとすること」

佐天「……どういうことですか」

146 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:16:56.01 ID:sE6Sw/wA0146 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:16:56.01 ID:sE6Sw/wA0
御坂「「樹形図の設計者」はこう演算したわ―――
    『一方通行が128体の超電磁砲を殺すこと』
    『一方通行が20000体の超電磁砲の複製を殺すこと』
    このどちらかが満たされた時、レベル6へと進化する、って。
   なら―――このどちらかの結果が、つまり「樹形図の設計者」の結果が、間違っているとさせればいいのよ」

佐天「な―――」

上条「―――に?」

御坂「簡単な話よ。「樹形図の設計者」は185手で私が殺されると演算したの。
    じゃあもし1手目であっけなく殺されたら?
    それは「樹形図の設計者」の信用を墜落させることになる。こうすれば、実験は止まるかもしれない。
    妹達のメンテナンス費用や立地の確保だって、ばかにならないでしょうからね」

上条「けど―――そんなことしても、また「樹形図の設計者」に再演算されたら」

御坂「ああ、その心配はないわよ」

147 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:20:15.29 ID:sE6Sw/wA0147 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:20:15.29 ID:sE6Sw/wA0
御坂「つい二週間くらい前にね……破壊されたのよ。地上からの謎の攻撃によってね。
    だから再演算なんてできっこない。つまり、一度でいいから結果を狂わせればいいの」

佐天「(二週間くらい前って……もしかして、あの白い光?)」

佐天「(あれ……でも、今の話って、もしかして)」

佐天「もしかして、御坂さん―――」

御坂「――――そのもしかして、よ」

上条「―――死ぬ気なのか」

149 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:25:31.99 ID:sE6Sw/wA0149 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:25:31.99 ID:sE6Sw/wA0
御坂「……元はと言えばこの実験は私の責任だからね。だから、責任をとる、それだけよ」

佐天「そんな―――他になにか方法は」「そんなものはないのよ」

御坂「そんなものはないの、佐天さん。
    お願いだから、邪魔しないで。これは、私が考えた、最善で最良の選択なんだから」

上条「……ごちゃごちゃうるせぇよ」

御坂「……ふん。いいからどきなさい。私は今日、実験を終わらせる。
    割り込んで、殺されて、そこで実験は中止よ。
    素敵でしょ?一人の血で一万に近い血が守られるんだから」

上条「―――お前、それ、本気で言ってるのか。
     本気で、残った一万の妹達が救われるって信じてるのか」

御坂「ええ。だからはやくそこを―――」「どかねえよ」

上条「俺は―――ここからどかない」

153 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:30:50.04 ID:sE6Sw/wA0
御坂「―――そう。それってつまり、一万の妹達はどうでもいいってこと?
    これ以外に実験を止める方法が見つからないんだから―――これしかないじゃない」

上条「―――うるせぇ。それでも嫌なんだよ」

御坂「―――まるで子供ね。事実を受け入れられず、気持ちだけしか考えてない。
    アンタの思っているほど、この世界は甘くなってくれないの。さあ、もう一度言うわ。はやくどきなさい」

上条「―――どかない、って言ってるだろ」

御坂「―――そう。そうなの。アンタは一万の命を捨てるってことなのね」

御坂「私はそんなことできない。守りたいの。私の妹達を。
    ―――だから、アンタがそこをどかないって言うのなら、殺してでも前へ進む。
    さあ、最終通告よ―――どきなさい、上条当麻」

上条「――――」

155 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:35:04.35 ID:sE6Sw/wA0155 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:35:04.35 ID:sE6Sw/wA0
>>152現在空気でございます。あれ、これ何のssだっけ……


御坂「―――ハッ。じゃあ私を力ずくで止めるって言うのね。なら早く拳を握りなさい。
    アンタがどんな能力をもっているかは知らないけど、今回ばかりは負けられないのよ」

上条「――――嫌だ」

御坂「……何、ですって?」

上条「俺は―――戦わない」

御坂「―――――!」

157 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:41:29.10 ID:sE6Sw/wA0157 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 00:41:29.10 ID:sE6Sw/wA0
佐天「(―――御坂さんの覚悟が本物だ。死ぬ気なんだ)」

佐天「(そんなの嫌だ。嫌に決まってる。けど――――)」

佐天「(友達だからこそ――――その覚悟に踏み入ることができない」

佐天「(一体、どうすれば―――――まてよ)」

佐天「(目的は学園都市第一位の一方通行とかいう人の能力アップ。つまり主軸はその人だよね。
    だったら、その主軸を壊せば――――例えば。

    私みたいな、無能力者がその人を倒すことができれば―――)」

佐天「(そうすれば、そもそもの前提が破綻する―――けど)」

佐天「(私にそんなことできるわけがない)」

佐天「(―――――ううん、違う。出来る出来ないじゃない。やるんだ)」

佐天「(御坂さんだって、幻想御手の時命をかけて助けてくれた)」

佐天「(だから、今度は私の番に決まってる―――――!」

佐天「――――よし」


173 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 01:49:55.87 ID:sE6Sw/wA0173 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 01:49:55.87 ID:sE6Sw/wA0
ミサカ「(――――――)」

ミサカ「(――――風速、0,5以下。時刻は日本時刻で午後8時27分51秒)」

一方通行「――――らさ、オ―――ンだよ」

ミサカ「(第一位の声は聞こえています。けれど、理解に至りません)」

ミサカ「(それよりも――――――)」

       “ならばその壁をのりこえてみろ。必殺猫爆弾!”

ミサカ「(どうして――――)」

       “そんな妹さんにプレゼントです!じゃじゃーん!”

ミサカ「(どうして、あの二人の事を思い出すのでしょうか)」

175 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 01:55:34.52 ID:sE6Sw/wA0175 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 01:55:34.52 ID:sE6Sw/wA0
ミサカ「(――――――)」

ミサカ「(――――――わかりません)」

ミサカ「(しかし―――――もしかすると)」

一方通行「……ハァ、何だ何だよ何なンですかァ?俺の言葉にゃ聞く耳もたねェってかァ?ったく相変わらずイラつかせるぜ。
        もういいわ、そろそろ始めようぜ?」

ミサカ「―――そうですね。時刻は午後8時29分43、44、45――――」

ミサカ「(もしかすると、これが―――――)」

ミサカ「――――46、47―――これより第10032次実験を開始します、被験者一方通行は所定の位置に待機してください、とミサカは伝言します」

ミサカ「(――――後悔、という感情なのでしょうか)」

269 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:21:56.27 ID:sE6Sw/wA0
―――実験場

ミサカ「今夜は風が無いのですね、とミサカは呟きます」

ミサカ「これならミサカにも―――勝機があるかもしれません」

一方「あァ?・・・・・・ハッ、なるほどなァ、この匂い・・・・・・ハ、ハハハハハ!いいねェ愉しませてくれンじゃねェか!」

一方「流石に一万回も殺されてりゃ手の一つや二つは思いつくかァ?だがこの作戦はてめェが距離をとれねェって前提がねェと成立しねェってこと、
    ちゃァんと理解してッかァ?」

ミサカ「―――あなたがいかにベクトル操作により素早く動けるとしても、それは直線のみです、とミサカは経験より解答を述べます。 
    これまでの経験からパターンと可能性を読み取り先読みして動けば追いつかれることはありません、とミサカは事実を述べますが」

一方「――――はァ。ッたくよォ、やっぱりてめェらはなァンにもわかっちゃいねェな」

一方「俺の能力忘れたのかァ?ベクトル操作だぜ?追いつく必要なンざ―――ねェんだよ」

270 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:27:08.53 ID:sE6Sw/wA0270 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:27:08.53 ID:sE6Sw/wA0
カン、カン、カン    ガンッ

ミサカ「!」

一方「ベクトル操作できりゃ離れてても衝撃を伝導させることくれェ朝飯前なンだよ実験動物が。
    一度見せてやっただろォが、忘れたかァ?御自慢のネットワークとやらは健在ですかァ?」

ミサカ「(―――背後から、増幅された衝撃が直撃したようですね、とミサカは先ほどの攻撃を分析します。
       ああ―――体が、動きません、とミサカは自分の置かれた状況を把握します)」

一方「あーあァ、せっかくの作戦も無駄になっちまったなァ。そんじゃ、さくっと死んでくれ―――」



「第四波動ォォォオオオオオ!」

272 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:30:43.08 ID:sE6Sw/wA0272 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:30:43.08 ID:sE6Sw/wA0
一方「……オイオイ、この場合は実験ってどォなるんだ?―――まァどうでもいいがなァ」

一方「女ァ、お前誰に向かって攻撃したか解ってんのかァ?そんなに死にてェのかよ」

佐天「――――どうでもいいよ、そんなこと」

一方「……あァ?」

佐天「妹さんは私の友達だなんだから―――人の友達に手出してんじゃないわよこの白髪野郎!」

一方「―――ハ、ハハハハ。いいぜいいぜ――――死ねよクソ女」


276 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:38:12.81 ID:sE6Sw/wA0276 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:38:12.81 ID:sE6Sw/wA0
佐天「っとぉ!?」

佐天「(びびびびびっくりした!いきなり地面が弾けた!これがベクトル操作!」

―――回想、鉄橋から実験場へ

佐天「あ、初春?突然で悪いけど一方通行の能力詳しく教えて!」

初春『一方通行って―――あの第一位ですか?なんでそんな……』

佐天「いいから!早く!ハリーハリーハリー!」

初春『わっ、わかりましたよ……今度何か奢ってくださいね、っと。
    ―――――一方通行、能力名『一方通行』。その能力は世界にある物理的なベクトルを全て操作できる、という能力。
            普段は自動で自分の体に触れようとするものを反射し、その反射を行いながら他のベクトル操作も出来る。
            ベクトル操作によって遠距離へとエネルギーを伝導したり、威力を何倍にすることもできる――――ですかね。本当、ふざk」ピッ

佐天「なるほどね……つまり真っ向から打ち合っても勝ち目はないってことか―――」

――――回想終了

佐天「事前に聞いてなかったら直撃受けてたな……ありがとね、初春」

277 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:41:39.92 ID:sE6Sw/wA0277 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:41:39.92 ID:sE6Sw/wA0
佐天「実際に第四波動で攻撃してみたけど、跳ね返ってきたし」

佐天「まあ熱耐性と熱吸収でなんてことなかったけど―――っと!」

一方「おらァ!威勢よく出てきて逃げるだけですかァ?」

佐天「真正面から攻撃しても意味ないって解ってる奴に攻撃する馬鹿がいるわけないでしょうが、ばーか!」

一方「ハ、ハハハ、ハハハハハハハ!決定だァ!てめェはショック死しない程度に神経のベクトル操ってじわじわなぶり殺しにしてやンよォ!」

佐天「(―――けど、確かに事実だ。まともな攻撃が通らないのに、どうやって勝てば―――)」

279 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:48:04.41 ID:sE6Sw/wA0279 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:48:04.41 ID:sE6Sw/wA0
一方「うろちょろうろちょろよォ……なら、これならどうだァ?」ガンッ

佐天「な――――!」

佐天「(鉄骨の雨!?何それ、ふざけて―――)」

ガガガガガガガッ!

一方「――――っは、やりすぎちまったかァ?オイオイ、まだ生きててくれよォ?てめェにゃそう簡単にくたばってもらっちゃ困るンだからよ」

佐天「―――――っはぁ!危なかった!」

一方「―――?ッハ、避けきったかァ?だよなァ、今ので死なれちゃこのイラ立ちが収まらねェから――――なァ!」ガガッ

佐天「(今度は地面を蹴って―――けど)」

佐天「(なんだろう――――戦いなんてしたことないのに)」

佐天「(次にどう行動すればいいのかわかってくる――――)」

一方「……なンだテメェ、どうして今のを避けられる」


280 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:54:31.83 ID:sE6Sw/wA0280 : ◆oDLutF - 2010/03/28(日) 23:54:31.83 ID:sE6Sw/wA0
一方「目の前への広範囲弾幕―――あの速度を避けるなンざできねェはずだ」

一方「だがテメェは、その初動作を見た瞬間にななめ後ろに避けやがった」

一方「いや、ンなことよりも―――その速さはどういうこった。今のは解ったとしても避けられる速さじゃねェ攻撃だったはずだ」

佐天「――――なるほど。もしかしたら」

佐天「へへっ、だとしたら――――第一位さん。あなたの攻撃は絶対に当たりませんよ」

一方「――――言うじゃねェか」

一方「だったら!せいぜい死ぬまで避けてみやがれってンだ!!!!!」ガガガガガッ


283 : 以下、名無しにか - 2010/03/29(月) 00:04:20.74 ID:gyiTQgX40
一方「―――――――オイオイ、何の冗談だこりゃァよォ」

一方「鉄骨レールコンテナ砂利―――あるもンまとめてぶつけてやったのに」

一方「なんでテメェは無傷なんですかァ!?」

佐天「――――別に驚くことじゃないでしょ?」

佐天「降ってくる鉄骨をかわして、
   波打つレールを利用して、
   コンテナの後ろまで跳んで、
   向かってくる砂利を防いだだけなんですから」

一方「だからそれがおかしいつってンだろうが!」

一方「全て同じタイミングで操作してやったンだ―――ンなこと考えてる時間があるわけねェだろうが!」

佐天「あんなもの、反射でできますよ、第一位さん」

一方「――――は」

一方「――――は、はは、ははははh!」

一方「いいねいいねいいねェ!!!再ッ高だぜテメェ!ここまで俺をイラつかせたのはテメェが始めただぜクソ女ァ!!」
    

286 : 以下、名無しにか - 2010/03/29(月) 00:07:44.59 ID:gyiTQgX40
    ・ ・ ・
佐天「そして」

佐天「攻撃することで夢中で周りが見えてないみたいですが―――今、あなたは閉じ込められました」

一方「―――ンだと」

一方「(そういや今飛ばしたモンで前が完全に塞がってやがる―――後ろは、コンテナか)」

一方「だからどォした―――佐天「第四波動ォォォォオオオオ!」


ゴォッ


287 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:11:20.60 ID:gyiTQgX40
一方「―――――馬鹿かテメェ。最初に反射してやったの忘れたンですかァ?」

佐天「今のはあなたを攻撃したんじゃないですよ―――周りを燃やしたんです」

一方「――――あァ?何言って――――テメェ、まさか」

佐天「遅いですよ――――第四波動ォォォオオオオオオオ!」



佐天「――――あれ?」


290 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:17:21.95 ID:gyiTQgX40290 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:17:21.95 ID:gyiTQgX40
佐天「なんで、出な―――」

佐天「(しまった――――今反射されてきた分を吸収しただけじゃ、足りなかったの?!)」

佐天「(範囲を大き目にしたから、その分――――待って。待って待ってちょっと待って)」

佐天「(熱が足りなくなってきたってことは、つまり――――!)」

佐天「―――っく!」

一方「――――閉鎖された空間で酸素を燃焼させることによって酸欠状態に持ち込もうって魂胆だったのかァ?」

佐天「!――――っわぁっ!?」

一方「危なかったなァ・・・・・・流石の俺も酸素が無けりゃ死んじまうからなァ?」

一方「だがテメェはその千載一遇のチャンスを取り逃がしたってワケだ――――ハハハ!どォやらその攻撃、制限があるみてェだなァ!?
   焦ってるぜェ、テメェの顔がよォ!!!」ガッ

佐天「つぅ―――!」

一方「ハ、ハハハ!クリーンヒットォ!ようやっと当たりやがったかこのクソ女ァ!」

291 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:19:55.19 ID:gyiTQgX40
ズサァ―――z____ッ

佐天「う、げほっ……」

佐天「(良かった―――とっさだったけど腕で防げた)」

ミサカ「大丈夫ですか、とミサカはあなたの心配をします」

佐天「!妹さん!だ、大丈夫ですか?!」


一方「人の心配してる余裕あるんですかァ?」

292 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:22:05.81 ID:gyiTQgX40
佐天「っ!」

佐天「(まずい―――ここじゃ妹さんに被害がいっちゃう)」

佐天「(早く移動しないと――――!)」

ガクンッ

佐天「――――あ」
             ガソリン
佐天「(嘘―――――熱量切れ!?)」

293 : 以下、名無しにか - 2010/03/29(月) 00:22:45.52 ID:FxTKBK8y0
これは上条が右手で一方通行固定→第四波動か?
つーか、左天さんテラ空気w

295 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:26:50.54 ID:gyiTQgX40295 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:26:50.54 ID:gyiTQgX40
一方「おっとォ、いきなり片膝ついてどォしたんですかァ?さっきの一撃で大ダメージってとこですかァ?」

一方「まァいい―――動けねェンなら、さっさと死にな」

ミサカ「待ってください」

ミサカ「この人はただの一般人です。実験とはなんら関係ありません。
    余計なことはせずに、このミサカを一刻もはやく殺害することを優先すべきです、とミサカは――――

一方「黙ってろ実験動物」

一方「一般人?実験に無関係?ンなことどォでもいいンだよ。
    俺に喧嘩売ってきたンだぜ?だったら黙って―――死ンどくべきだろォが」

296 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:30:27.04 ID:gyiTQgX40296 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:30:27.04 ID:gyiTQgX40
佐天「―――――――」

一方「テメェも意味なかったなァ?実験を止めに来たみてェだが結局死体がひとつ増えるだけってことになっちまった」

佐天「―――――――」

一方「まァ安心しな、せいぜいゆっくりじっくり気を狂わせながら殺してやっからよォ」

佐天「――――――ははは」

一方「?なンだァ?死ぬのが怖くて狂っちまったかァ?」

佐天「―――違いますよ」

佐天「私がいたことに意味はあったんです」

一方「ハァ?」

佐天「そもそも、私は友達を助けたかっただけで――――正義の味方なんて、柄じゃないんですよ」

299 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:36:06.49 ID:gyiTQgX40299 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:36:06.49 ID:gyiTQgX40
一方「テメェ、何言って―――――」

一方「―――やァれやれやれ、何だ何です何なンですかァ?今夜は随分自殺志願者が多いみてェじゃねェか」

上条「―――離れろよ」

上条「―――今すぐ二人から離れろよ」

一方「テメェ、誰に向かって命令してンだァ?ッたく、無知は哀れだよなァ、何にも知らずにつっこんできて自滅してくンだからよォ。
   そこの女だって結局俺に何も出来ずじまいだっかたらなァ―――」


上条「―――ごちゃごちゃうるせェんだよこの三下が!!」

304 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:44:07.13 ID:gyiTQgX40
一方「――――はァ」

一方「最悪な気分が最ッ高に最悪になっちまったじゃねェか」

一方「どうしてくれンだァ?」ジャリ...

ミサカ「待ってください、とミサカは二度目の制止を試みます」

ミサカ「今回実験場へ一般人の侵入を許したのは妹達の責任です。
    この二人は全く関係ありません、無意味な殺害を行うよりも、はやくミサカを殺害して実験をしゅうりょ――――」


上条「お前は黙ってろ!!!」


ミサカ「」ビクッ

ミサカ「―――止めてください。私の替えなどいくらでも用意できます。
     ミサカが死んでも残りのミサカがいます―――貴方達が救う命なんて、それだけのものなんです、とミサカは――――」


上条「馬鹿なこと言うんじゃねぇよ!!」

305 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:49:22.90 ID:gyiTQgX40305 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:49:22.90 ID:gyiTQgX40
上条「妹達だとか、クローンだとか、そんなことはどうでもいいんだよ!」

上条「俺が出会って、缶ジュースを運んでくれて、ノミを退治して、ネコにイヌって名前をつけたミサカは―――お前一人だけじゃねえか!」

上条「世界でたった一人のお前の替わりなんて―――いるわけないだろ!」

佐天「―――そう、ですよ、妹さん」

佐天「プリンの味を知ってる妹さんは妹さんだけです」

佐天「妹さんはそれだけで―――ずっとずっと、特別なんですから」

上条「そういうことだよ御坂妹」

上条「だから―――勝手に死ぬなよ。まだ言いたいことが山ほどあるんだ」

上条「――――今からお前を助けてやる、お前はそこで黙って見てろ」

309 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:53:09.37 ID:gyiTQgX40309 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 00:53:09.37 ID:gyiTQgX40
一方「――――茶番は終わったかァ?」ガンッ

上条「な―――レールがぁ―――ッ!?」

一方「……おせェよ」

一方「遅ェ遅ェ遅ェ!あの女よりもずっと遅ぇンだよ!!!」ガガッ

上条「(鉄骨――――!?)――−が、ぁ―――ぐ」

一方「何だ何だよ何ですかァ?正義の味方気どりがこの程度てのたうちまわってンじゃねェぞ三下がァ!!!」

315 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:01:44.43 ID:gyiTQgX40315 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:01:44.43 ID:gyiTQgX40
佐天「――――」

佐天「(駄目だ……身体強化、無理しすぎた。
     体中が痛い。力も入んない。全然動けないや)」

佐天「(結局私じゃ一方通行を止めることはできなかったけど――――上条さんの『幻想殺し』なら、なんとかなるかもしれない)」

佐天「――――もしなんともならなかったら、ここで死んじゃうのかな」

佐天「――――まぁ。この心に一片の悔い無し、かな」


ミサカ「何をぶつぶつ言っているのですか、とミサカは戸惑いながらたずねます」

317 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:04:28.76 ID:gyiTQgX40317 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:04:28.76 ID:gyiTQgX40
佐天「あぁ、妹さん、大丈夫?」

ミサカ「少なくともあなたよりは大丈夫です、とミサカは自分の体の調子を確かめます」

ミサカ「ですが―――やれやれ、どうにも、足が折れているみたいですね、とミサカは自身の損傷を確認しました」

佐天「ええ?!大丈夫なの!?」

ミサカ「ですからあなたよりは―――いえ、もういいです」

ミサカ「それより――――どうして、こんなことを」

佐天「友達だからだよ?決まってんじゃん」

ミサカ「」

325 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:08:34.48 ID:gyiTQgX40325 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:08:34.48 ID:gyiTQgX40
佐天「うーん、なんでそこで不思議そうな顔するかなぁ」

ミサカ「・・・・・・理解できないからです、とミサカは答えます」

佐天「そっかな?でも、御坂さんだってそうしてくれるよ」

ミサカ「お姉さまが・・・・・・?」

佐天「うん。あれは私が幻想御手に――――」

ドゴォンッ

佐天「うぇっ!?何、爆発!?」

ミサカ「――――危ない、とミサカはとっさに跳びかかります!」

ガツン

佐天「え―――妹さん?」

336 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:17:19.45 ID:gyiTQgX40336 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:17:19.45 ID:gyiTQgX40
ミサカ「う―――と唸ってミサカは気を―――」バタン

佐天「え、妹さん!?ねぇ妹さん!!」

佐天「どうしよう・……妹さんが……」


ズサァァ―――z_____ッ

一方通行「がァ―――、つ―――」


佐天「な―――(あの一方通行が、やられてる―――!)」

佐天「―――そっか。上条さんの右手、通じたんだ」


337 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:22:35.79 ID:gyiTQgX40337 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:22:35.79 ID:gyiTQgX40
上条「全力を振り絞って必死に生きて、精一杯努力してきた人間が――――なんで!
   テメェみてえな人間の食い物にされなくっちゃなんねえんだよ!」

佐天「(一方通行―――脅えてる?)」


一方通行「――――く」


佐天「?(え―――違う)」


一方通行「くか、」


佐天「(あの、表情は――――)」


一方通行「くかきここかきくけこかくえこかきくかかかけここかきくくかけこきくかけくここかかかかくけこきかかか――――ッ!」

339 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:28:55.36 ID:gyiTQgX40339 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:28:55.36 ID:gyiTQgX40
ゴウッ!

上条「う―――おおおおおおおお!?」

佐天「く―――(風!何あれ、なんでいきなりこんな風が―――)」

佐天「―――、まさか。風のベクトルを―――?」

一方通行「……、は」

一方通行「……、はは」

一方通行「ハハハハハッ!おらおらどォしたンですかァ!まさかさっきの一撃でくたばったとか言うンじゃねェだろォなァ!
      そンなンじゃ足りねェよ、テメェにはもっと貸しがあるだろォが!!!!!」

佐天「(また風を集めて―――)」

一方通行「空気を圧縮、圧縮、圧縮ねェ―――ハ、いいぜ、最高に愉快なことを思いついたぜ」

341 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:31:47.63 ID:gyiTQgX40341 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:31:47.63 ID:gyiTQgX40
佐天「(―――風を集めてる、けど撃たない……どうして)」


御坂「――――止まりなさい、一方通行」


佐天「な―――御坂さん!」

御坂「佐天さん―――ごめんね、そんなにボロボロにしちゃって」

上条「―――やめ、ろ。御坂」

上条「お前が、手を出したら――――」

御坂「―――わかってる。けど、」

御坂「このまま放っておくなんて出来ない」

御坂「たぶん、私は―――アンタに死んでほしくないのよ

342 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:34:25.13 ID:gyiTQgX40342 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:34:25.13 ID:gyiTQgX40
佐天「けど―――駄目ですよ!電磁砲なんて撃ったら反射されて!」

御坂「―――いいのよ」

佐天「―――!そんな、御坂さん」

御坂「いいの―――初めから、こうなるはずだったんだから」

御坂「私が死んで、実験は終わる―――これで、シナリオ通――――え?」

佐天「う……何、あれ?白い光……」

御坂「うそでしょ……あれって」

御坂「あんなの、人に向けるもんじゃないわよ―――」

345 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:38:56.82 ID:gyiTQgX40345 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:38:56.82 ID:gyiTQgX40
ミサカ「う―――と、ミサカは頭をさすりながら目を覚まし―――なんですか、とミサカは眼前の状況に疑問を抱きます」

佐天「妹さん!よかった、無事だったんだね!」

ミサカ「そういうあなたも無事でなにより、とミサカは安心し―――御坂「ねえお願い!」ガッ

御坂「アンタ達ってネットワークで学園都市中の妹達と繋がってるのよね?!」

ミサカ「はい、とミサカh「じゃあ!お願い、あれを―――あの攻撃を止めるのを、手伝って!」

ミサカ「―――ーなるほど、把握しました、とミサカは現状を理解します」

348 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:43:28.77 ID:gyiTQgX40348 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:43:28.77 ID:gyiTQgX40
一方通行「(―――ン?)」

一方通行「(なンだ?いきなりバラけてきやがった―――仕方ねェ、演算し直すか)」

一方通行「(――――おいおい、どういうこった、なンで捉えられねェ、計算式にミスは見あたら―――!)」

一方通行「―――あのヤロォ!!!」

御坂「へへ、どう?この、学園都市中に点在する風力発電機での風の生成―――こんなの、アンタだって演算できないでしょ?」

御坂「もう、アンタのその技は破れて――――」




一方通行「舐めンじゃねェぞ雑魚共がァ!!!」

351 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:47:17.69 ID:gyiTQgX40
一方通行「風力発電機で気流を乱した程度でどォにかなると思ってンのか!?
      それも含めて演算してやりゃいいだけの話だろォが!!
      学園都市中の研究所をタライ回しにされた俺が―――――発電機の位置を把握してねェと思ったのかァ!?」

ゴウッ

御坂「な――――嘘」

御坂「そんなの、無理よ。無理に決まってる―――」


一方通行「無理かどォかはモノ見ていいなァ格下がァ!!」


御坂「―――――そんな。なんで、こんなの演算できるのよ」

354 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:51:09.05 ID:gyiTQgX40354 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:51:09.05 ID:gyiTQgX40
一方通行「ハハハハハ!いいゼいいゼェ!!!!!人生でサイッコォに頭が回っテキやガった!!!
      ヒ、ハハ、ハハハハ、ハ―――――――――――――――ッ!!!!!!」


御坂「そんな……こんなの、本当にうつ手ないじゃない……」


佐天「妹さん……あの白いのってなんなんですか?」

ミサカ「あれはプラズマですね、とミサカは今の今まで何かわかっていなかったあなたに驚きです」

佐天「プラズマ?」

ミサカ「高熱の塊ととらえれば良いでしょう、とミサカはこの危険な中緊張感の欠けるあなたに拍子抜けします」

355 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:53:20.99 ID:gyiTQgX40
佐天「(熱―――だったら)」

佐天「(けど―――体、動かない)」

佐天「(うぅ―――なんで、こんな時に動かないのよこの体は――――!)」




左天≪やれやれ、目を覚ましたら。
          随分大変なことになってんじゃねぇか、涙子≫

356 : 以下、名無しにか - 2010/03/29(月) 01:54:04.01 ID:3j93Lul10
左天さんキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

357 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:59:10.87 ID:gyiTQgX40357 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 01:59:10.87 ID:gyiTQgX40
佐天「(左天さん!?)」

左天≪ったく、なんでこんな時にへばってんだ?≫

佐天「(あの、強化使いすぎちゃって、それで……熱も切れちゃったし、その)」

左天≪熱切れだ?そんなことあるかよ≫

佐天「(え―――どういう意味ですか)」

左天≪お前なぁ……熱なんて、そこら中にあるだろうが。
     地面だろうと、空気だろうと、よ≫

佐天「(あ)」

左天≪……随分使いこなしてきてると思ったら、なんでそんなことに気づかねぇのか。
      早くしろ、ピンチなんだろ?≫

佐天「(あ―――は、はい!)」

左天≪だが覚悟しとけ―――強化つっても、これ以上やったらお前の体がどうなるかわからねぇ。最悪―――≫

360 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 02:01:25.98 ID:gyiTQgX40360 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 02:01:25.98 ID:gyiTQgX40
佐天「後のことなんてどうでもいいんです!」

佐天「私は―――今動けなきゃ、意味ないんです!」

左天≪―――そぉかい≫

左天≪だったら頑張んな―――今回ばかりは、手助けしてやる≫

佐天「え?手助けって――――」

左天≪いいから早くしやがれ!≫

佐天「はいっ!」

361 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 02:04:31.78 ID:gyiTQgX40一方通行「ハ―――ハハ――――
       きた。きたぜ。
                    さよならだ。三下」



一方通行「ハ、ハハ、ハハハハハハハハハ!やっぱり俺って最強ォだよなァ!!!!!!!
      この力があれば!レベル6なンてもンいらねェ!!!!!世界を!!!手に入れたようなもンだからなァ!!!!!
      ヒャハアハハハハアキアカハッサウffdバギウh;wrj:kbgs」



一方通行「―――――――――――死ね」

365 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 02:11:15.12 ID:gyiTQgX40365 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 02:11:15.12 ID:gyiTQgX40
御坂「う……うわあああああああああああああああ!!!!!」ビリビリ

御坂「(少しでもいい!少しでも!あのプラズマを――――!!!)」


一方通行「うぜぇよ格下」キュンッ


御坂「づ――――う、ううううううううう!」


一方通行「お前はそこで黙って見ときゃいいンだよ。せいぜい絶望しな」


一方通行「さァてお待ちかね――――今度こそ、消えやがれ」







佐天「やれやれ―――なんとか間に合ったね」

366 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 02:13:24.13 ID:gyiTQgX40
一方通行「あァ?前に出てきてなンだテメェ」

一方通行「そォかそォか、一緒に死にてェか」

一方通行「なら死ね。さっさと死ね。息をする間もなく死ね。苦しむ暇なく―――――死ねェ!!!!!!!!!!」


カッ



一方通行「―――――――ハァ?」

368 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 02:16:49.28 ID:gyiTQgX40368 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 02:16:49.28 ID:gyiTQgX40
佐天「いやぁー、地面みたいな広くて特定しにくいモノから熱を吸収するって、凄く難しいんだよね」

佐天「左天さんが助けてくれたからなんとかなったけど――――」

佐天「御坂さんが時間かせいでくれなかったら、間に合わなかったかな」

佐天「ありがとね、御坂さん」


一方通行「――――どォいうことだよ」

一方通行「ハ、ハハ―――ワケわかンねェ。なンで。直撃だったろォが」

一方通行「なンで!なンでなンでなンで!!!!テメェは消えてねェんだよォォォオオオオオオオ!!!!!!」

370 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 02:22:54.91 ID:gyiTQgX40370 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 02:22:54.91 ID:gyiTQgX40
ザッ............


佐天「!」

御坂「あ―――」

一方通行「――――ははは」


上条「――――――――」


一方通行「ハ、なンだ、畜生、なンだよお前ら、なンで立ち上がるンだよ、くそ、なンだ、なンで、あァ、」

一方通行「―――――ァァァァアアアアア!!!!!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!!!!!
      来ンじゃねェよ!死ンじまえよ!俺の邪魔すンじゃねェよ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

一方通行「俺は――――こんなとこで負けるわけにいかねェんだよォォォォオオオオオ!!!!!!!!!!」ゴウッ

372 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 02:25:51.66 ID:gyiTQgX40
上条「―――お前の事情は知らない」

上条「だがな」

上条「他人の命を奪って手に入れるモノなんて――――俺がブチ壊してやる」




上条「――――――歯ァ食いしばれ最強」



上条「俺の最弱は、ちっとばっか響くぞ――――!!!」

374 : ◆oDLutF - 2010/03/29(月) 02:28:37.39 ID:gyiTQgX40
こうして私たちの長い夜は終わった。
その後、御坂さんの手配で私たちは病院に運び込まれた。
そして―――――


第四部 完

佐天「第四……波動……か」 3



posted by JOY at 00:02| Comment(1) | TrackBack(0) | 禁書クロスSS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
かなり面白いけどニードレスではない
Posted by   at 2012年03月18日 10:11
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