2011年03月06日

阿良々木「・・・・・・学園都市?」2

170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:53:29.89 ID:gCvSpXMk0
とにかく命が狙われていると分かった以上、悠長にしている余裕はなくなった。

姫神さんとインデックスを帰宅させ、

上条君に連れられて、僕と忍は身を隠すことにした。

なんでも、学園都市で一番信頼のおける人物がいる病院があってそこに隠れていてくれとのことだった。

そして連れられる途中に僕と忍は彼とはぐれた。

携帯電話の番号はメモしてあるのだが、しかし公衆電話すら見当たらない。

171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:55:52.19 ID:gCvSpXMk0
・・・・・・・・・・・

電車に乗って移動していたのだが、帰宅ラッシュに流されてしまい、

気がつけばどこで降りたかも分からず、それでも八九寺が心配だった僕は

じっとしておくことももどかしくなり、見知らぬ土地を動き回り、結果迷子になっていた

・・・・・・・・・・・

「ていうか何勝手に一人称僕で進行させてんだよ!! お前の身体じゃ人波に流されるから影入っとけって言ったのに『子供扱いするでないわ!』

って言って拒否した割にすぐに流されてそのお前を救出していて迷ったんだろうが僕たちは!!」

何で僕が無計画な直情的で短絡的な人間みたいになってんだよ!!

こういう微妙なところで変な意地はりやがってこの幼女。

172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:58:24.07 ID:gCvSpXMk0
「わかっとらんのーお前様。そうやって背伸びしておる女子をたてつつ、さりげなく甲斐性のある台詞で説得するのが男というものじゃろう」

「お前の戯言に付き合ってる暇なんてねーんだよ! どうすんだよこの状況!」

「さしずめ漂流教室ただしヒロイン代打幼女みたいな?」

「先手打っといたじゃねえか!! しかも正直微妙な完成度で言ってんじゃねえ!!! 何そのドヤ顔!?」

漂流教室だけ聞いて、咄嗟に今の状況とシンクロさせて理解できるのって僕くらいだろ。

「にしても、さっき居た場所とは随分雰囲気が違うな。ここ」

「物語の進行上、こういう場合は中ボスがひょこっと出てきてもおかしくはないの」

廃工場と空き地というある種の雰囲気を呼び寄せるようなロケーション。

173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:59:42.52 ID:gCvSpXMk0
「さっきも考えていたんだけどな。 姫神って子がいる以上、吸血鬼性を無闇にあげちゃ駄目かもしれないだろ?

けどやっぱり念には念を入れて今より少しは上げておいたほうがいいと思うんだ」

「同感じゃな。今なら人目もないしの。ただ上げるにしてもお前様の妹御と同い年くらいが限界じゃぞ?」

「それくらいでいいだろ。 ただ日没までは少し時間があるし・・・・・・今はできないよな」

灰にはならないだろうが。 火傷は確実に負うだろう。

「え!?なんで!?!?」

「逆になんでここでお前が疑問系なんだよ!! 吸血鬼だろうが僕たちは!!」

「そうだったの!?!?」

「同感じゃな〜って言ってからまだ十秒しか経ってねえ!!」

すがすがしいほどいい顔で驚きやがった。 物語の骨子を脱臼させる前に先にこいつを何とかしなければならないらしい。

175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:01:02.96 ID:gCvSpXMk0
「冗談じゃよお前様。 身体に力が入っておったから、茶化してやったんじゃ」

それにそのくらいなら火傷といっても痛みを感じる前にはなおっておるし、と。

僕は忍に血を与え、臨戦態勢を整えた。

まぁでも、すぐに敵が襲ってくることもないだろうが。

「そうでもないみたいじゃぞ・・・・・・中二的お約束展開への前フリ終了後に都合よくあちら様もきてくれたみたいじゃ」

少し遠いがカツ、カツ、カツとゆっくりとした足音が聞こえてくる。


176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:03:54.96 ID:gCvSpXMk0
こういう場面で出てくる中ボスが僕の人生の中でいたとして、適材適所すぎるやつに心当たりがある。 

夕焼けを背にそいつは姿を現した。

傍若無人で暴虐無人。

全身を逆鱗でコーティングされた少女。

三回回って死になさい、のキャッチフレーズでお馴染み。

私立直江津高校三年生。 僕のクラスメイトであり彼女。

「見ぃつけたぁ」

戦場ヶ原 ひたぎが現れた。


177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:05:51.17 ID:gCvSpXMk0
考えてみると、こんな僕という特定した個人を攻撃対象にしたようなイベントなら、そこに相応の人物が出てくるのも必然なのかもしれない。

例えば戦場ヶ原とかひたぎさんとかヶ原さんとか彼女とか。

しかし、この戦場ヶ原ひたぎはおそらく僕を知らない。

そして怪異に遭ってない以上、心を閉じてしまっていたかつての戦場ヶ原ではないだろう。

普通の女の子・・・・・という雰囲気は微塵も感じられないが、話せば分かるかもしれない。

「気持ち悪いからしゃべらないでちょうだい」

178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:08:13.09 ID:gCvSpXMk0
第一声と同時に、問答無用で攻撃された。

瞬間、閃光。 僕の左腕が吹き飛ばされた。

「ぐあああああああああああああああっ!!痛ええええええ!!!!!!!!!!っくそ!!!」

瞬きする間に、腕は回復する。

前言撤回、話せば殺される!!!!!

こちらの世界でも十二分に元気ハツラツ戦場ヶ原さんだった。


179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:09:54.31 ID:gCvSpXMk0
「あなたに恨みはないけれど死んで頂戴。 私も心苦しいけれど、仕事なのよ」

「とかいいつつ、腕とか足とかしか狙ってませんよねえ!!!」

嬲る気まんまんじゃねえか!

「失礼なことを言わないで。 確実にあなたをえっと・・・・・・アプリボワゼ君?を殺すため、逃げられないようにしないと・・・ねっ!!!」

台詞と表情がかみ合っていない。 見たことないくらいニッコニコである。 ひだまり壮のゆのちゃんくらいニコニコしている。

ノリノリな戦場ヶ原さんだ。

181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:12:31.34 ID:gCvSpXMk0
「遠まわしに僕のことを銀河系規模で美少年って言ってくれてるなら嬉しいなぁ!!だけど僕の名前は阿良々木だ!!」

「失礼、噛みました」

「やはりそうきたか!」

「噛みま死ね!!綺羅星!!」

戦場ヶ原の周囲の空間から、莫大な熱量を帯びた光線が発射される。

昼間の御坂美琴のそれのような攻撃が全方位にわたり展開される。

「弾幕が薄いようじゃの!! 何をやっておるのやら!!」

忍艦長は僕が撃たれている隙を狙い、背後から距離を詰めようとした、が・・・


182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:13:34.59 ID:gCvSpXMk0
「よっと!」

戦場ヶ原あるところにこいつあり。

僕の横をBダッシュで通過したそいつは忍の身体を蹴り飛ばす。この間実に0.2秒。

僕たちを殺しにきた組織という因縁めいたものから、

戦場ヶ原についても神原についても出てくることは予想できていた。

まぁ神原にだけ関して言えば、もうちょっと僕に優しいところ、例えば火憐ちゃんの代わりで出てきても役としては

成立できただろうが、

戦場ヶ原あるところにあってこその神原なのだ。

183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:15:21.12 ID:gCvSpXMk0
そしてプッツンヶ原さんに適役なのは結局悪の組織の中ボスあたりになる。

ツンデレ系学園恋愛アドベンチャーのヒロインではない。

結果、僕の前に立ちふさがる以外の選択肢は事実上破綻してしまうと言える。

ヴァルハラコンビ・・・・・・

「すまない戦場ヶ原先輩! お怪我はないか!? もしあるのなら言ってくれ!! 脱ぐから!!」

「もし私が怪我をしていて、仮にあなたが全裸になったとして、それで私に何のメリットがあるのかしら?」

186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:17:18.81 ID:gCvSpXMk0
「何を言っているのだ、戦場ヶ原先輩? 年頃の女子が怪我をする、しかも目の前には男。

そうなるとその怪我は初体験で負ってしまった怪我しかないではないか!

ならば年頃の女子の怪我を癒すには、二人で裸になり抱き合うセラピーこそしかるべき対処法、というものだ」

「こちらがまるでしかるべき常識を弁えてもいないような言い方をしないでちょうだい。

大体、こんなシリアスな空気を平気で台無しにするあなたが弁えなさい」

188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:19:12.12 ID:gCvSpXMk0
「尻? 言うに事欠いてここでお尻の話とはさすが戦場ヶ原先輩だ!!」

「黙りなさい神原。相手もなかなかやり手のようだし、気を抜くとあぶないわよ」

「そ、それはもしや、しまっていこう!!って意味なのか!? 私の活躍を期待してしまっていこう!とエールを送ってくれているのか!?!? 尻だけに!!

それなら心配はいらないぞ!! 私の括約筋に関して言えば、常に万全の状態にあると誇ってもいい!!」

「あ〜なる、ほどね、尻だけに。 でも別に私はそんなアバンギャルドなことを言ったつもりはないのだけれど。

これから、異能バトル展開の命をかけたせめぎ合いになるから、覚悟しなさいと言ったのよ」

189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:19:46.40 ID:PIlU10Vd0
今のうちに逃げられるよな

201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 16:39:57.71 ID:gCvSpXMk0
「せめぎあい? 攻めて喘ぐ? はっ!!なんだこの私のためにあるようないやらしい響きの言葉は!! だめだ!! 興奮してきた!!」

「そのレベルの聞き間違いはもはや病気よ」

「お前らいつもこんなわけのわかんない会話してんのかよ!!!!!!!!!!!!」

こっちの世界だろうと僕の世界だろうと、きっとどこの世界であってもこうなのだろう。

揺るがないことには関心するが、ここまでポジティブな変態トークをいつもしていると思うと、たまらなくこめかみの辺りが痛くなる。

202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 16:41:15.40 ID:gCvSpXMk0
「あら? 後輩とのキャッキャウフフな会話に野暮な口を『挟ま』ないで頂戴。 

まぁ、あなたは所詮中二の夏くらいの脳みそしかない男なのでしょうから、

女子に自分から口でも『挟んで』、相手をして貰わないと、自らは何も『挟んで』もらえないのでしょうけれど。

相手をして『挟んで』ほしければ、跪いて頭を垂れて『挟んで』くださいと無様にお願いしてみなさいな」

「途中から僕が挟まれることになってんじゃねぇか!! 大体挟むってとこだけ妙にエロく言ってんじゃねえ!!」

203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 16:44:42.29 ID:gCvSpXMk0
しかし興奮してないかと問われれば、そこは僕だって男の子だった。

女の子がそれっぽいワードを言ってると妙に意識してしまうのは我ながら高校生やってるなー。 

それにしてもこいつらの会話聞いてるとヴァルハラって言葉がセクハラの最上級を表すんじゃないかって思う。

まぁいいわと彼女は呆れるように言い、

「では始めましょうか? 神原。その時代錯誤な日本人かぶれの外人の相手は任せたわよ」

「承知した!!」

「はっ! 儂の相手は猿か」

「私はそうね、えーっと、この一生左ハンドルとか4LDKとかに縁が無さそうなのを殺すから」

「僕の将来を勝手に値踏みしてんじゃねえ!!」


204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 16:47:29.36 ID:gCvSpXMk0
『原子崩し』。

それが彼女、戦場ヶ原の能力のようだった。

一定の距離内における人間に無差別なビーム攻撃。

文房具を飛ばす能力なら可愛げもあったろうが、これはさすがに似合いすぎだろう。文房具の比じゃないほど彼女らしい。

だからといって、彼女にこんな危ない能力を持たせても使用上の注意を守らない。

平気で人に撃ってくる。

205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 16:49:31.50 ID:gCvSpXMk0
「いえいえ、そんなださい名前ではないわ。 私の能力はネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲よ」

「そんな局部的な名前でいいの!?!?」

ネーミングはあれとしても全身からビームを放つそれはガンダム相手にも戦えるであろう。

そして忍は、神原と闘っていいる。あちらは超肉弾戦。

完全とはいえないまでも、ある程度の力を取り戻した忍とほぼ互角な戦いを繰り広げている。

二重の極みとか出てきそうなくらい音速だった。

能力自体は不明だけど、神原も火憐ちゃんと同様のものと考えていいだろうな。

209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 16:57:16.57 ID:gCvSpXMk0
戦場ヶ原の能力自体は脅威だけれど、僕には心渡がある。

小学校のとき練習を重ねたガトツゼロスタイルを披露するしかないだろう。

ビュィィン!!ビュィィン!!ボシュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!

「無理無理無理無理!!!!!」

海軍の大将の能力ってこんななんだ!!

そりゃゴムじゃ勝てないわ!!

ガトツ使おうにも、僕右利きだしな!!サウスポーじゃない!!

210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 16:59:38.13 ID:gCvSpXMk0
「しかし、食らっても食らっても再生するなんてめんどくさいわね。じっとしてなさいな、楽にしてあげるから」

「それを額面通りに受け取れるわけねえだろ!!」

「あなたはいったい何回死ねば賢者の石を使い切るのかしら?」

「楽にするどころか、一撃でどうにかする気全然ねえな!!」

「私の極意は生殺しだし?」

「私を嬲るって置き換えるとそれは正しく成立するが、それは言葉遊びなのか、それともマジなのか!?」

211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:03:01.34 ID:gCvSpXMk0
「失礼ね。 私はこう見えても殺虫剤を使わずに虫を殺す女よ」

「一見それは健気で弱い女子のような文章だが、しかしやっぱ殺すんじゃねえか!! けっこう物理的に!!」

「蝶のように舞、蝶のように刺すというでしょう?」

「二回目になると思うがそこは蜂だ!!」

「? ええそうねよかったわね。私の間違いが指摘できて。一生の自慢になるでしょう? 悔いはないわね? だから死になさい」

デジャヴなやり取りだが、今回のほうが危険すぎる。


213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:05:12.39 ID:gCvSpXMk0
「逃げないで頂戴。狙いにくいんだから♪ 惨劇★」

「その記号は使いどころが違いすぎる!」

「そもそも、あなた。 いかにも童貞臭いわね、やだやだ。 でもそんなあなたでもこうして女の子と会話できる、しかもこの眉目秀麗、才色兼備、沈魚落雁、英姿颯爽、唯我独尊な私と

会話できるチャンスなんて人生でこれが最後なんだから楽しみなさいな」

「お前みたいな自分を褒める言葉に唯我独尊選んでても違和感のねえ女と会話するのなんて人生で最初かもな!!」

214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:06:32.07 ID:gCvSpXMk0
「やだ、初体験の相手ってことかしら? 照れるわね、でも責任はとらないわよ」

「とらなくていいから、初体験を大事にして今日は帰ってくれない?」

「いえいえ、勘違いしないでちょうだい。 責任はあなたがとるのよ。 死をもって」

「くそっ・・・!!」

と、避けるのに夢中になって足元を見ていなかった。

「しまっ・・・・・・!!」

盛大にこけた。

「はーい残念でしたぁー」

そこに追撃のようにして撃たれ、僕の腹に風穴が開く。


216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:08:13.82 ID:gCvSpXMk0
「言い残すことがあれば、今回の任務の報告書へ参考にする程度に聞いてあげる」

「お・・・・・前、今日生理なんだな・・・・・・・・」

地面に倒れている僕の頭上からはスカートの中が覗けた。

「ええそうね。いいストレス発散になったわ。 死になさい」

僕は覚悟した。

「は!「はは!「ははは!「はははは!「ははははは!「はははははは!「ははははははは!!!」

笑い声と同時に発破解体でも行われたかのような爆音。

戦場ヶ原の背後から、金髪の女性が歩いてくる。


219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:10:14.98 ID:gCvSpXMk0
「随分遊べたの。 まさか仲間までおったとは。」

そう言うと、動かなくなった神原を振り返った戦場ヶ原の目の前に放り投げた。

「おい忍!!まさか殺したんじゃ!!」

「安心せい。少々殴りすぎたが寝とるだけじゃ。 ついでに近くにおった仲間の方も気絶させてきた」

「神原だけじゃなくフレンダや滝壺や浜面も・・・・・・・・っ!!!」

忍は爆発系の火災をバックに凄惨に笑う。 絵になるなぁ。

221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:11:20.48 ID:gCvSpXMk0
それが功をそうした。

忍へ注意が逸れたおかげで戦場ヶ原に隙ができた。

僕はその一瞬を逃さなかった。

「悪い戦場ヶ原」

彼女のお腹のあたりを強く殴った。

彼女を気絶させたことでこの戦闘は幕を下した。


222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:12:02.94 ID:PIlU10Vd0
流石忍ちゃん

223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:12:26.02 ID:gCvSpXMk0
彼女たち五人を白井のもっていたのと同じ手錠、おそらく能力者用だと思われるのだがそれで拘束した。

念のため足にもつけておいた。

「やはりお前様と手錠という組合せは絵的にアウトじゃの」

「僕だってやりたくてやってんじゃねえよ!」

「お前様、言葉に気をつけよ。それではまるで、今その小娘たちをやっているように聞こえるぞ?」

「三回黙れ!!」


225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:14:18.33 ID:gCvSpXMk0
僕は忍にこの場を任せ、公衆電話を探しに行くことにした。

まずは上条君に連絡を取らなくては。

戦っていた場所から少し離れたところに電話を発見し、

とりあえず上条君には事の経緯を話し、迎えに来てもらうことにしたのだが、

「ん?あれは?」

226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:16:08.70 ID:gCvSpXMk0
吸血鬼の視力は馬鹿に出来ない。

人間の肉眼では確認できないような距離であっても、例えば今の僕ならば一キロ先の女の子の透けた下着でさえも柄の判別ができる。

ここからちょうど一、二キロは離れているだろうか。

そこに見慣れたツインテールの少女を発見する。

同時に僕の顔から血の気が引いた。

少女は血を流しながらグッタリとして、倒れていた。

そして僕は何も考えず、全速力で少女に向かって走っていた。


228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:17:20.85 ID:gCvSpXMk0
「アセローラさん」

「誰が、ビタミンC豊富なキントラノオ科の赤い果物だァ。俺の名前は一方通行ァだ!」

「失礼、噛みました」

「てめェ、わざとやってンなァ?」

「噛みまみた!」

「わざとじゃねェのか!」

248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 18:17:47.59 ID:gCvSpXMk0
「カミーユビダン?」

「俺は自分の能力を過信してはいねェし、別に打ち止めのことだって一人で背負おうわけじゃァねェ」

「ただ自分しかそこにいなかったから彼女の為にヒールを気取ってまで闘ったと?」

「てめェは俺をどこまで知ってやがる・・・」

「私シリーズではメタキャラ担当なものなので」

「あァそうかい・・・・・」

249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 18:19:14.75 ID:gCvSpXMk0
土御門が送ってきた仕事で、一方通行は元スキルアウトの溜まり場だった廃工場が多いエリアを歩いていた。

万が一も考え、打ち止めは不本意ながらもあの医者に預けてきたのだが、

八九寺は頑として言うことを聞かず、無理矢理いに一方通行に付いてきたのだ。

「学園都市の監視カメラの最新の映像じゃァ、この辺りにてめェのツレがいるみたいなんだがなァ・・・・・」

リアルタイムの映像ではないのでまだここに居るという確証はないが、探す手がかりはこれしかなかった。

と、考えていると遠くで爆発音が聞こえた

250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 18:20:25.21 ID:gCvSpXMk0
「ば、爆発です!!」

「ンなこたァわかってる! っるせェ、騒ぐな!!」

当たりのようだ。

チョーカーの電源を入れる。

八九寺を抱えて爆発現場へ行こうとしたが

「・・・・・・対象、発見。迎撃にあたります」

全身をノッペリとしたスーツで覆われヘルメットを被っている集団が一方通行たちを囲んだ。

「なンだァ?なンなンですかァ?」

251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 18:23:36.22 ID:gCvSpXMk0
見覚えはある。

確か第三次世界大戦中、ロシアにいた学園都市の部隊だ。

実際に闘ったことはないが、学園都市に帰って戦争時の報告書などを読んでいたとき写真付で詳細を見たのだ。

ヘルメットには『未元物質』と表記されている。

第二位の能力を使ってそれを元に作られた実践武器を仕込んだスーツだったか?

「オイ、邪魔すんなよ。そこをどきやがれ」

「こちらには対象であるその少女を抹殺する指令が下りています。一方通行、あなたの方こそその少女を引き渡してくれませんか?」

254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 18:25:14.29 ID:gCvSpXMk0
「嫌だといったら?」

「力づくで任務遂行にあたらせていただきます」

「・・・・・・・一方通行さん。このデュラハンのような方たちはお友達ですか?」

「生憎、俺に友達なンざいねェよ。」

「そうですか、ではバトル展開のようなので私から一言。 この戦いが終わったら、私があなたのお友達になってさしあげます」

「そりゃァ、謹んで遠慮してェなァ!!!」

スーツを着た部隊は一斉に一方通行たちに襲い掛かった。

255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 18:26:59.92 ID:gCvSpXMk0
相手は西洋の剣のような武器を背中から羽のように生やし、それを伸縮させることで、切りかかってくる。

対して、一方通行は八九寺を庇いながら闘うハンデがある。更に、こちらは丸腰。

八九寺は幽霊であるが、この世界では一方通行や打ち止めにも認識されたり、

一方通行に絡んで暴れた際、ついた傷が傷のまま治らないところをみると、実体があるようだった。

それでこのピンチ。

ギュッと目を瞑る。殺されることを覚悟した。

256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 18:28:18.72 ID:gCvSpXMk0
「なめンじゃねェ!!!!!」

剣が抱えている八九寺を貫く前に、一方通行の手で遮られ、攻撃してきた一人は全身に切り傷を作りながら吹き飛ばされる。

「バカな!! 『未元物質』でコーティングしてある以上『反射』は効かないはずでは!?!?」

「いつの話をしてるンですかァ? ああ゛ん!?!?」

八九寺を抱えたまま、一人、また一人と一方通行は倒していく。

攻撃手段は相手の前に手をかざし風を操ってそれを相手に当てるだけ、それだけだった。

257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 18:29:26.44 ID:gCvSpXMk0
「Xメンですか!!一方通行さんはマグニートだったんですね!?!?」

「あいつは磁力だろォが!! 俺の能力は『ベクトル操作』だ。 デフォで反射にしてるけどなァ」

「ディストーションフィールドとATフィールドのいいとこ取りみたいなものでしょうか?」

「エステバリスやエヴァみてェにケーブルなんざァいらねェけどなァ!!」

※ただし暴走します。

「っとこれで全部かァ?」

十人いた部隊は全滅していた。


259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 18:31:39.76 ID:gCvSpXMk0
「ちィ!! 余計な手間ァ取らせやがって!! 早いとこ行くぞ!!」

一方通行は八九寺を抱えなおし、さきほどの爆発音のあった場所へ向かうため踏み出す。

パンッ!!

「・・・・・こ・・・れで、任務完・・・・了」

倒したはずの一人が銃で撃ってきた。

一方通行は刹那、地面の石を蹴り、レールガン並みの速度で飛ばし、撃ってきた相手に止めを刺す。

「畜生がァ!!!」

銃弾は八九寺に当たっていた。


260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 18:33:31.76 ID:gCvSpXMk0
幸い、急所からは外れているが、ショックで気を失っている。

彼女を下ろし、応急処置にとりかかる。

「手間ァかけさせやがる・・・・・」

この分だと命に別状はないだろうが、病院には連れて行かなくてはならないだろう。

ひとまず任務を切り上げ、病院に向かおうとした矢先だった。

「てめえ!!八九寺になにしやがった!!!!!」

阿良々木暦は一方通行へ殴りかかった。


265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:09:58.44 ID:gCvSpXMk0
一方通行の能力は『ベクトル操作』である。

そしてデフォルトで反射の設定をしている以上

殴るという物理的な攻撃方法ではダメージは与えられない。

これが上条の幻想殺しであれば話は別だが、

ただ殴るだけでは通用しない。

したがって

「っいってええええええええ!!!!!!」

266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:11:29.44 ID:gCvSpXMk0
阿良々木暦は反動に耐えられず、飛ばされた。

右肘から先は食べかけのフライドチキンのような有様になっていた。

しかし一瞬で治る。

「ンだァ次から次へと三下が湧いてきやがってェ・・・・・・あァン?お前確かこいつの・・・・・」

「僕の愛玩用幼女に何してくれてんだてめえ!!!」

「聞いていた感じに一致するなァ、背格好、容姿、あと変態っつゥところも」

267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:13:47.43 ID:gCvSpXMk0
「ウルトラマンのコスプレしてるやつに変態なんて言われるおぼえはねえ!!」

「ああ゛? 流行ってもンをしらねェのかよ?」

「そんな服!!ただの作画の手抜きだろ!?大体、某アニメグッズ専門店でもキャラT売ってるけど、お前のそれ在庫けっこう残ってるんだからな!!」

「っるせェ!!! 俺ンとこの主人公はイタリアいくのにも同じTシャツの使いまわしを何枚も揃えて持参し、

あげく太極図書いてるジャスコに売ってそうなポロシャツに学生服っつゥハイセンスなんですゥ!! 在庫だってこのハイセンスさがパンピーには分かんねェからだァ!!」

268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:16:06.17 ID:gCvSpXMk0
「それなら、はーい!はーい!僕だってェ!!パーカーですゥ!! 主人公らしく服装変えないンですゥ!!」

「字にしなきゃ分かンねェが、喋り方真似してンじゃねェ!!」

「大体、主人公がやってるから自分も許されますなんて、そんなの主人公補正がきいてるから許されるに決まってるだろうが!!

もしお前がそんな服着ても読者に許されるなんて思っているなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!!」

「くそがァ!! やってみやがれェ!! ただし、2,3分後にゃァ、てめェは八つ裂きになってるだろォがなァ!!!!!」


269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:17:54.11 ID:sODh9kSu0
いつの間にそげぶ覚えたんスか阿良々木さん

270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:18:30.17 ID:gCvSpXMk0
シリアスな中にもギャグはある。

僕はバクマンでその流れの極みを掴んだ。 が、それもそろそろ終わり。

この白髪に赤い三白眼、不健康な僕よりも吸血鬼向けの野郎が八九寺に怪我を負わせたのだろう。

僕はいたって冷静だ。

冷静すぎる頭で状況整理した。

ほら? 僕とこいつしかここにはいない。

ショッカーのような人型の何かが倒れているようだがそれは気のせいだろう。

こいつが八九寺を・・・・・・。


273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:20:50.20 ID:gCvSpXMk0
僕は先ほどよりもより疾く、無駄のない動作で彼を捉える。

彼も何かの能力者らしいが、戦場ヶ原たちのように、ビームなどを撃ってこないならば攻撃性のある能力ではないのかもしれない。

ならばここは先手必勝。

影縫さんがみせたあの技を使って決めるしかない。

「しょーりゅーけん!!」

感情の高ぶりによる余計な自己演出だった。昇竜拳といってみたかっただけの男の子。 

影縫さんには悪いがこれけっこう恥ずかしい。

274 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:24:23.63 ID:gCvSpXMk0
それが彼の顎へと触れようかとなった瞬間、拳に凄ましい衝撃が襲う。

「ぐっ・・・・・・・!!!!!!」

その衝撃は肘、腕、肩と伝わり、僕の腕が無残に潰れる。

さっきと同じ感触。 壁があるような?

「ATフィールドっ・・・だと・・・・・・?」

仮にも春休みの頃ほど完全ではなくとも吸血鬼の全力である。

それが全く通用しない。


275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:26:37.78 ID:gCvSpXMk0
「ちっげェよ!! 俺の能力は『ベクトル操作』。あらゆるベクトルを操るのが俺の能力なンだよ」

つまり相手の攻撃のベクトルを相手へ向けて返したってことか。

あれか? ミラーコートとカウンター使える人間なんだろ?

「そういえば小学生のときはレベル100のソーナンス6体でパーティ組んでたっけ」

食べ残しをもたせると、金銀バージョンならこの布陣が最強だった。

その理論をもってくるならば、あちらからは僕に攻撃はできないはずだ・・・・・・・

276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:28:22.47 ID:gCvSpXMk0
「・・・・・とか考えてそうだがなァ、三下ァ? ちなみにこうも使えるんだぜェ!!!」

彼が地面を強く踏みつけた瞬間、それだけで地割れになり、僕のいる場所まで巻き込まれる。

「言ったはずだァ。ベクトル操作ってなァ?」

つまり攻撃する場合においても、力の流れそのものを操ることができるということ。

チートすぎる。

もっと卍解とか、あれだけ目が赤いんだから写輪眼とかのノリの世界観かと思ったのに!!

変に現実的な設定もってこられちゃった!!

だが僕にも手はある。

僕は腰に下げた心渡を抜いた。

「八九寺を返してもらうぞ・・・・・・!」

「あァ、こりゃァ駄目だわ。 少し大人しくしてもらうしかねェか」


277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:30:54.47 ID:c/iyZQ5AP
愛する八九寺のためにここまで必死になれるありゃりゃ木さんかっこいいです

281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:34:26.39 ID:c7NwgyvR0
変態と書いてロリコンと読む病の者同士
これは避けられぬ戦いか…

285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:51:27.20 ID:gCvSpXMk0
人間では有り得ない0-100にギアをシフトした最大加速。

いくら理不尽なほどのチートな能力でもそれを使うのがただの人間であれば、反射神経はよくても所詮は人並。

再び一気に距離を詰める。

僕は心臓の音が次第に大きくなるのを感じた。

勝負の先なんて見えていない。そんな真剣勝負の一幕。

六十二秒でケリをつける!!


287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:54:01.99 ID:gCvSpXMk0
「うおおおおおおおおお!!!!!!」

「あァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

彼が周囲に巻き起こした竜巻が僕の行く手を阻むせいで、しかし僕は全く近づけずにいた。

「はぁはぁはぁ・・・・・・」

「いい加減よォ、諦めろよ」

「馬鹿言うなよ、僕にはまだエア・カット・ターミネーターっていう必殺技があるんだからな!!」

「エアマスター読ンだところで俺には勝てねェよ」

288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 19:56:54.10 ID:gCvSpXMk0
彼が攻撃をしてもそれを僕はすんでのところで避けられる距離、又僕も彼には決して攻撃が届かない距離で

戦況は拮抗していた。

このままでは消耗戦になる。

そうなれば確実に僕は不利だ。

「そういえば、まだ名前聞いてなかったよな?」

時間稼ぎの常套句だが、その間に対策を考える。

「あン? 俺は一方通行だァ」

289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:02:09.14 ID:gCvSpXMk0
「・・・・・・まさかお前、キメ台詞は『お前をアクセラレイトしてやんぜ』とか?」

「一瞬カッコイイと思ったがよくよく考えるとそれ意味わかんねェだろォがァ!!! ちなみにてめェはァ?」

「僕は阿良々木 暦。 呼ぶときはひらがなみっつでこよみちゃんだ!!」

「雅号みてェな名前してンなァ」

「スルー!! こよみちゃんスルー!! スルーされるボケがどんだけ惨めか、お前分かってんのかよ!!」

290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:04:20.81 ID:nkvhn7oC0
台詞だけ聞くと完全にテンションがおかしくなった飲み屋の会話だな

292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:08:57.45 ID:gCvSpXMk0
そして対策を思いついたかもしれない。

『ベクトル操作』を使った彼の反射という絶対防御。

ならば、その反射を適用される直前に手を引き戻すことで、戻るベクトルを反転させ攻撃を直撃させることができるかもしれない。

そんなものは絶対的な格闘センスがなければ無理だろうが、昨日ちょうどエアマスターと刀語を読んだので自信はあった。

春休み、忍が完全体だったころ彼女は吸血鬼の絶対防御である不死に驕りがあった。

僕だってそうだった。

293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:11:24.94 ID:l8Re8ttd0
木原神拳だと・・・

294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:12:30.51 ID:gCvSpXMk0
隙はあるはずだ。

そんな絶対防御に頼って戦闘をしてきているやつが戦い慣れているとも思えないからだ。

それに正直、心渡で攻撃してもその能力での防御は崩せるだろうが、生身は斬れない。

つまりダメージを与えられないだろうから不十分だ。

ならばこの策は試す価値があると思う。

僕は心渡を鞘に入れた。

296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:16:25.81 ID:gCvSpXMk0
「・・・・・・・つゥか、チンタラやってても埒があかねェ」

「あ?」

一方通行は軽く地面を蹴る。 それだけでこちらに向かって爆発的な推進力で突っ込んでくる。

「ぎゃは! 何でてめェの唯一の武器しまっちゃってるンですかァ!! 大人しくやられる気になったかよォ!! 三下ァ!!」

「ちげえよ・・・・うっ・・・!! お前に勝つためだ・・・・・」

ドゴン、ドゴンと。

人が人を殴っている音じゃない。

297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:20:22.59 ID:gCvSpXMk0
再生しては内臓破裂、再生しては骨折、再生しては身体のあらゆるところが破壊される。

彼の細い体躯からでは想像できないような力で殴られる。 サンドバック状態だった。

そんな中、僕も決死の覚悟で反射を適用される直前に手を引き戻す、これを何度も試す。

失敗する度に僕の手は吹き飛ぶが、それは再生するから構わない。

何度も試す。

明鏡止水・・・・・!!

そして、

「あああああああああああ!!!!!!!!!!」

「・・・・っがぁっ!!」

成功した。


300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:24:40.66 ID:gCvSpXMk0
「てめェ、木原神拳かよ・・・だがンなもン「反射」の角度・方向に変更を加えれば効くわけが・・・っぐぉっ!!」

続けてクリーンヒット。

「ンな馬鹿な・・・・・」

「なるほどな。 コツは掴んだ」 

「自転車に乗れるようになったら乗り方は忘れねェみてェな理論持ってきてンじゃねェ!!!!!」

一方通行は再び距離を置こうとしたのか、バックステップするが。

僕はそれを逃がさない。

303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:27:55.48 ID:gCvSpXMk0
「んなァ!?!?」

あと一撃あればこの拳で勝利を掴み取れる。

「歯を食いしばれよ、最強―――俺の最弱は、ちっとばっか響くぞ!!」

彼の腹に渾身の一撃を叩き込む。

「ザッツオール!!!!!」

「ぐふぉおおおおおお!!!!!」

しかしその拳は届かなかった。

隕石の如く落下してきた忍のピカデリックな叫びの蹴りで僕が地面に叩きつけられた。

・・・・・・・

えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!


308 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:33:00.83 ID:gCvSpXMk0
「お前様、ヴァカなの?死ぬの?」

「ご、ごめんなさい言葉もございません」

「よかったにゃー、間に合ったぜよー」

「お、お前ら・・・・・走んのどんだけ早えんだよ・・・・・・」

上条君が忍と合流し、忍はなかなか戻ってこない僕を探したそうだ。

僕と忍はリンクしているのですぐに見つけることはできたが、馬鹿みたいなバトル展開が繰り広げられていたため力づくで止めたということらしい。

「しかしにゃー、一方通行? お前下手すると死んでたぞ?」


309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:35:36.68 ID:gCvSpXMk0
えーっと、このリスペクトブラック羽川のような話しかたをする少年、土御門は一方通行の仲間らしく

事情をきくにつけ、どうやら全て僕の誤解だったらしい。

「ほれお前様、謝るべきは他におるじゃろう?」

吸血鬼に近づいたせいか肉体的にも成長した忍お母さん。

「ほれ、ごめんなさいしないといけんの?」

「一方通行、ごめん」

「あァ、もういい。こうして合流できたおかげで、情報の共有もできたみたいだしなァ」

「えらいのうお前様!! 自分から謝れる男の子はかっこええ!! ぱないの!!」

「ははっ・・・・・ありがとよ、忍てんてー」


312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:40:09.51 ID:gCvSpXMk0
ところで、

「えっと・・・・・・つ、土御門君だっけか?」

僕はできる限り話の腰を折らないように我慢した。

よくぞ我慢できた暦!!

ツッコミを入れたくてうずうずしていたのだけれど。

それを耐えきった。

目の前にいる彼、土御門元春。

315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:43:16.92 ID:gCvSpXMk0
ハーフパンツにアロハシャツ、金髪にピアスにグラサンに金のネックレス。

むしろ装飾が増えているが、見た目は変わらない。

どこの世界でも相変わらずの胡散臭いおっさんの姿は変わらない。

忍野メメがそこにいた。ここでも以下忍野としよう。

「ちょっと頼みがあるんだけど」

ともあれ、あれをせねばなるまい。

「なんぜよ?」


317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:44:24.30 ID:nkvhn7oC0
やっぱメメかよwwww

318 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:44:29.88 ID:GpnceZhyO
やっぱ忍野だと思ったよ

320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:45:33.77 ID:gCvSpXMk0
「僕の後について復唱してくれ。 斜め七十七度の並びで泣く泣くいななくナナハン七台難なく並べて長眺め!!」

「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ・・・・・・・・・・言えないぜよ」

誰得なんだろう忍野版なんて。言わせておいてなんだが、これは羽川じゃなきゃ駄目だ。

しかしハッピーエンドが見えたように思う。

八九寺も見つかったしな!

「さて、あとは帰るだけだな!!」

「はっはー!!そうだったら良かったんだがにゃー・・・・・ 今回の件、これで終わりじゃないんだ」


321 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:50:53.40 ID:gCvSpXMk0
「・・・・・・っは!!!」

「目が覚めたか?」

「こ、ここは? って!!ロリコンさん!!」

「ストレートすぎる!!もはや僕の名前の原型を全く留めてない上に、ロリコンは僕のパーソナリティであって名前じゃない!ちなみに僕の名前は阿良々木だ!」

「え、これ連想ゲームじゃないんですか?」

「噛んですらねぇのかよ!! 連想ってどっちみち同じじゃねえか!」

「失礼、噛みました」

「いいよもう・・・・・・」

322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:52:40.33 ID:gCvSpXMk0
「ちなみに阿良々木さん、この紙に3D、その上に×と書いてその下に2Yと書いてください」

「ん?書いたけど」

「なんて読みますか?」

「NOT三次元YES二次元の幼女!!」

「ロリかっけー!!! 三日で済むはずの拘留が執行猶予付にで二年間牢にいれられそうなくらいのロリコンっぷりですね!!」

「かもしれない。 それに僕は幼女であれば一次元だろうと二次元だろうと三次元だろうと、そこに『幼女』とあれば興奮できる逸材だ!」

「ごめんなさい素で引きました。 ま、でも私はそんな阿良々木さんのこと大好きです」

「え!!まじで!?!?」

326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 20:58:31.47 ID:gCvSpXMk0
「いえ、先ほどはストレートだったので、今度は変化球的意味合いで遠まわしに嫌いと伝えてみました。ツンデレです。」

「八九寺それはツンデレじゃない。僕を傷つけるためだけの高度な嫌がらせだ」

「それでも阿良々木さんに会えたのは本当に良かったです、いつこちらに?」

「お前が神社に入っていったのを追ってたらな、なんつーか流れで」

「神社? 私がですか?」

「ん?そうだけど、覚えてないのか?」

「全く心当たりがございませんが?」

忍や忍野の言っていた通り、吸い寄せられたということ、か。

「でも本当に、本当に会えて嬉しいです。・・・・一人で・・・・・っえぐ・・・・ひおりで・・・・うわああああんっ! 寂しかったんですよおおおお!」

少しして八九寺は泣き疲れたのか、安心したのか寝てしまった。


330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:01:38.11 ID:gCvSpXMk0
八九寺の傷を僕の血で治した後、今は一方通行のマンションにいた。

やはりというかなんというか、

移動中に僕は上条君たちに、実は別の世界から時間移動してきたことを伝え、

忍野から今回の件についての全てを聞いたのだが

これでハッピーエンドじゃないらしい。

天使。

今回の元凶であり、八九寺を僕の世界からこちらの世界まで飛ばしたイレギュラー。

神々と人間の中間の霊的存在。

異能の力の塊。

331 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:03:51.11 ID:gCvSpXMk0
「天使そのものを形作ってるものは、テレズマっていう魔力の塊みたいなものなんぜよ」

加えて、自我と言う物を基本的に持たず、ただ神の書いたプログラムの通り行動するだけのロボット。

その力は例えるならば災害。

「天使自体には自我なんてないからにゃー。 あるのは本来それを呼び出した側の都合だけなんだけど・・・・・・」

僕は天使より何より、忍野の語尾が気に触ってしょうがなかった。

中年が語尾に『にゃー』という、しかも櫻井さんの声で!!

台無し過ぎる!!

しかし、言ってる場合じゃないくらい事態は最悪らしい。

334 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:06:02.34 ID:gCvSpXMk0
「今回の天使は自我がちゃんとあるし、それを呼び出したやつはいないんだにゃー」

「・・・・・・・つーことはあれか? 風斬と同じってことか?」

「あン? ロシアにいたやつのことかァ?」

「上ヤンも一方通行も冴えてるにゃー。理解が早くて助かる。 そう、あの天使が暴走してるみたいなんだにゃー」

そりゃぁ、怪異や吸血鬼がいるんだし、天使や悪魔がいたって別に僕は驚きはしない。

それに、この世界自体が超能力や魔術といったものが当たり前に存在するようなイレギュラーなのだから。

後述として、風斬氷華について説明を受けた。


347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:14:07.34 ID:gCvSpXMk0
AIM拡散力場、能力者が無自覚に発してしまう微弱な力のフィールド。

僕はそれをあの神社に蔓延していた霊的エネルギーと同じだと理解した。

同じだとすると、もうこの時点で忍の時間移動を使って帰ることができるわけなのか。

「ほ、ほれみたことかお前様!! ・・・・・・か、帰れるというたろうに!!」

「お前前半部分からこっち、けっこう不安そうだったろうが!!」

でもまんざら強がってもいなかったのだろう。

霊的エネルギーとほぼ同じ扱いでいいからこそ、忍はこの世界に着いた時点である程度の確信はあったのかもしれない。


350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:16:20.61 ID:gCvSpXMk0
で、だ。 学園都市には能力者230万人分のAIM拡散力場が満ちており、 それらが相互干渉を重ね束ねられてしまった結果に

生み出された人工の天使の女の子。 それが風斬氷華。

上条君も一方通行も彼女に対しては共通認識があるらしく、ただ二人から聞く分には敵対するやつではない。

上条君に至っては大切な友達だと言う。

一方通行はそんな化物と互角に闘えるそうだ。

僕はその女の子が眼鏡っ子だと聞いた瞬間に、親しみが湧いた。

んーなぜだろうか?

358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:18:27.74 ID:gCvSpXMk0
「そしてここからが重要だ。 暴走した風斬氷華を止めないといけない。でなければ九月三十日同様に、この学園都市が崩壊してしまう。」

「学園都市が崩壊って・・・・・・そんな・・・」

「ったくよォ、ちっと前に世界大戦が終わったと思えばこれかよォ・・・・・・・・」

「・・・・・・お前様、どうするのじゃ?」

「そうだな・・・・・・・」

そう、僕たちは正直いって八九寺を探しにきただけであって、天使と戦いにきたわけではない。

八九寺も見つかって、帰る方法もちゃんとそこにあるのだからこれ以上関わらなくてもいいはずなのだ。

所詮は別の世界の話。

他人事。

どうなろうと知ったことではないのだ。

「・・・・・・そうなんだけどな、悪いが僕はまだ帰れない。 ここまで関わったんだ。 僕もできる限り協力する!!」


369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:20:58.28 ID:gCvSpXMk0
忍野曰く、天使が現れる場所、時間などは調べても分からないらしい。

ただ、天使のいる場所から天使を引きずり出すことは可能だと。

「善は急げ、とも言うけれど、これは単に生き急ぐだけかもしれないな。 暴走した天使を相手にするとして、さてさて」

忍野はおどけたようにも、ふざけた口調も一切なく落ち着いていた。 普段の忍野のそれだった。

天使をこちら側に引きずり出す。

それは忍が時間移動の門を開いたのと同じ要領で、空間に干渉することで可能となるらしい。

僕個人、その要領に関しては詳しく説明されても全く理解が追いつかなかったので割愛する。

全員、臨戦態勢は整っている。

376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:24:22.14 ID:gCvSpXMk0
僕と忍の吸血鬼性だって極限まで上がっている。

しかしそれでも足りない。

それほど危険な存在。

啖呵切っといてなんだけど、ものすごく帰りたい。

「「不幸だ・・・・・・・」」

上条君とシンクロした。

377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:25:34.29 ID:nkvhn7oC0
そういや上条さんってらぎ子ちゃんより年下だったな

381 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:26:49.96 ID:gCvSpXMk0
「まぁ、上ヤンも阿良々木君もそう気を落とさなくてもいいぜよ。 いざというときのための奥の手もあるからな」

「奥の手?」

そういえばこいつ、さっき忍とコソコソやってたっけか。

「ぐちゃぐちゃ言ってねェで、とっとと始めよォぜ」

「はっはー! じゃあ忍ちゃん? 頼むよ」

「心得た」

こちら三名はやる気に満ちている。

一方通行なんて、ぎゃは!ぎゃは!って言いそうなくらいの笑顔。

誰かこの子の笑顔を明日に繋がるようにチューニングしてあげて!!


390 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:30:20.71 ID:gCvSpXMk0
「いよいよか・・・・・」

忍が両手をパンッ!と合わせると門が開く。

「っ!!くるぞ!!」

開いた忍も門から離れる。

ガラスを何枚も何十枚も割り続けているような音響く。

聴覚的にも視覚的にもそのエフェクトは捉えられ、そして、トンッという何者かが地面を踏んだような音をきっかけにして門が閉じる。

それは天使が地面を踏んだ音だった。

随分親しみが湧くようなその姿。


393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:32:15.39 ID:gCvSpXMk0
なるほど確かに、天使云々と言われれば、僕は理解が追いつかない為に首を傾げてしまうが、しかし、ラスボスと言われれば納得する。

僕の物語があったとして、

それが例えバトルファンタジーだろうと学園恋愛シミュレーションだろうと現実だろうと夢だろうと

こいつ以外、ラスボスは有り得ない。

戦場ヶ原や忍でも他の誰でも成り得ない。

優等生の中の優等生、委員長の中の委員長。

そしてこの世界では天使。

その正体見たり。

「は、羽川あああああああ!!!!!!!!」

羽川 翼が現れた。


396 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:33:35.46 ID:FbwFFuaY0
バサ姉はまり役過ぎるwwwwwwwww

400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:35:28.13 ID:gCvSpXMk0
「はっはー! 阿良々木君元気がいいねぇ? 何かいいことでもあったのかい?」

「いやぁ・・・・・・こればっかりはなぁ?」

忍でさえも、この場にいる五人は一瞬固まった。

羽川翼の姿に表情だけでなく、時間さえも止まったように思う。

上半身はパジャマ。

しかし胸元がキツいのか第二ボタンまで開放されている。

ノーブラ状態。

401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:35:43.06 ID:AeLBd2lA0
ムララギあるところにバサ姉あり

409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:38:29.72 ID:gCvSpXMk0
今の羽川を、少なくともパジャマの上から観察する限りにおいて、注目すべきはその胸元、おっぱい。

形がまず素晴らしい。

ブラジャーを着けてない以上、支えを失っている状態なのに、まるで物理法則に逆らっている。

こ、これが天使・・・・・・・

重力すらも無視できるというのか・・・・・・・・

そして下半身はパンツだった。

清楚な純白。

布面積は狭くなく、しかし特別に扇情的なほど際どくもない。 それ単体では正直地味でしかない。

しかし、上半身パジャマ、下半身は下着という、受け身なエロさ連想させるその姿。

パジャマの裾から覗く下着の控えめなチラリズム。

417 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:40:30.52 ID:gCvSpXMk0
パンツとパジャマの裾の布面積には何かしらの黄金比でもあるのかもしれないと思わせるほど、

計算されたかのような絶妙さがそこにはあった。

きっとあの中の究極のデルタ地帯には、エデンの園、僕のシャングリ・ラがあるに違いない。

更にそこから見える、女性らしくむっちりとした太ももから伸びる脚線美。

僕たちは、いや少なくとも僕は彼女のその姿に目を奪われた。

眼球が乾き、瞬きすら忘れてしまうほどに。

確かに下着姿の羽川や、パジャマ姿の羽川は見慣れてもいるし、本来ならここまでの感動は得られなかっただろう。


421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:41:52.66 ID:gCvSpXMk0
そう。

オプションとして、白い翼を背中に生やし、

三つ編みでなく下した髪が揺れて、

全身から金色の粒子のようなものがわずかに発光する程度ではあるが放出されていなければ。

羽川翼、異形の羽をもつという名前に相応にして、まさしく天使。

つばさエンジェル。

例え見慣れた羽川の姿であっても、おっぱいであっても、下着であっても、

ここまで神々しく主張されてしまえば、見蕩れてしまう。

エロいからではなく、そこに神聖さを見出してしまう。

422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:42:40.68 ID:GpnceZhyO
あららぎさん…集中できてねぇwww

423 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:42:42.78 ID:nkvhn7oC0
つばさエンジェルとは・・・くっそ思いつきそうで出てこなかったネタだぜ・・・

427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:43:18.61 ID:c/iyZQ5AP
つばさエンジェルwwwwwwwwwwww

431 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:43:42.17 ID:gCvSpXMk0
「引きずり出されたかと思ったら、まさかいきなり私の姿をそんな目線から描写されるなんてなぁ」

「心を読まれた!!」

その声は僕の知っている羽川翼のままだった。

「お前様の思考がおもいっきり声に出ておったぞ?」

「そんな馬鹿な!? というか誤解だ!! 僕はそこにたとえ裸の女の子がいたとしても」

「それを委員長としよう」

「あああああ!!! 羽川としよう!! しかし僕は羽川が嫌がるならば、その姿を見ないし、もちろん襲ったりもしない男だ!!」

「それは当たり前じゃろう?」

「マジで!?!?」

それは知らなかった。

435 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:45:20.02 ID:gCvSpXMk0
でもまじで僕は羽川ならば、たとえセーラーブレザー体操服柔道着弓道着保母さん看護婦さん

メイドさん婦警さん巫女さんシスターさん軍人さん秘書さんロリショタツンデレチアガールスチュワーデス

ウェイトレス白ゴス黒ゴスチャイナドレススクール水着ワンピース水着ビキニ水着スリングショット

水着バカ水着であっても興奮できる。

羽川翼の全てを本気で描写したら赤い指輪と青い指輪を巡る大長編さえ書けると自負している。

「オィ・・・・・・いつまで漫才やってやがンだァ? とっととあのババァ片付けちまうぞ?」 

「そうだにゃー。 早いとこ済ましちまおう」

「待ってろ・・・・・・風斬。 今助けるからな・・・・・っ!!!」


438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:46:57.52 ID:gCvSpXMk0
ってえええええええええ!!!!! あの姿の羽川を見てこいつら何も思わないのか!?!?

だっていっしょに固まってたじゃん!?

「中学生以上の胸にいらねェもンつけたババァに欲情するわけねェだろ」

「同じく、義妹のちっぱいこそ正義」

「俺はただ、そこに苦しんでいるおっぱ・・・・・友達がいる!! それを助けるだけだ!!」

「やっぱお前ら全員おっぱい見てたじゃねーか!!!」

ただ、巨乳派が少ない。

僕だって厳密に言えば、巨乳派ではない。 羽川のおっぱい派だ。

445 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:48:51.51 ID:gCvSpXMk0
「ふ〜ん、なるほど。 あなたたちは私を退治しに来たんですか」

その声は冷たく、抑揚がない。

ただとても鋭い敵対心が伝わってきた。

言い終えた直後、翼が羽川の身体の五倍ほどの大きさに広がる。

その瞬間、見えない重りが身体にのしかかってくるかのようなプレッシャーが襲ってくる。

「おっぱいおっぱいって言い過ぎて怒っちゃったかな、羽川さん」

「そンな空気じゃァねェだろォ!!」

448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:51:02.71 ID:gCvSpXMk0
「っ!!!!!」

「はっ!!!!!」

それに応えるように、忍が天使に突っ込む。

羽川と忍がぶつかり合い、音と爆発が遅れて発生した。

「・・・・・・儂としては、全力のフラッシュドライブ的なノリで殴ったつもりじゃったんじゃが?」

「ごめんなさい。私、ルミナスアークはやったことがないの」

忍の拳は羽川の目の前数センチのところで止まっていた。

まるで壁にでも遮られているかのように。

450 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:52:21.53 ID:gCvSpXMk0
「知っておるではないか。 お主は何でも知っておるのじゃな?」

「何でもは知らないわ。 知ってることだけ」

羽川は忍の拳を掴むと、身体を捻り、忍を投げ飛ばす。

「一人目」

忍の身体は背の低い建物にめり込んだ。

「 釘ニ代ワリテ式神ヲ打チ(ダンガンにはシキガミを)、鎚ニ代ワリテ我ノ拳ヲ打タン(トリガーにはテメエのてを)!!!!!」

忍野から直線状に羽川に向けて、赤の式が発射される。

453 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:54:48.74 ID:gCvSpXMk0
「はぁ・・・・・」

羽川は忍のときと同様にその場から動かない。

ただ、右腕を横に振った。

その動作だけで、赤の式は切り裂かれる。

「なっ・・・・!!!」

「二人目」

先ほどまで、50メートルは離れた位置にいた彼女がいつの間にか忍野の目の前にいる。

しかし、彼女は元の位置から動いていない。 分身・・・・!?

情報を整理しきるより先に忍野は地面に叩きつけられた。

「これは分身じゃないよ、別の世界の人。 私の存在は0と1だけで表現する事が出来る域にはいないの。そこにもいるし、ここにもいる。 言葉で説明できるような力じゃないけれどね」

「グダグダ言っていンじゃねェぞ!! 三下ァ!!!!!・・・・・・・ぐァ・・・っっっ!!!」

「三人目」


460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:58:41.76 ID:gCvSpXMk0
叫んだ一方通行が、『何か』に上から押さえつけられる。

「ンのやろォ!! 覇気使えンのかよォ!!!」

「君に力を使われるとめんどうだから、抑えさせてもらうね」

バキッという小さな音と共に一方通行のチョーカーが壊され、彼は動かなくなった。

「この力はデフォルトで反射できていないようだし、こういう負荷なら演算される前に通じるでしょう」

羽川は小さくつぶやいた。

覇気を否定しない羽川さんすげー!!!


462 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:01:31.13 ID:gCvSpXMk0
重力でもつかったかのような羽川の説明できない力。

羽川のバストが重力に逆らっているように形を保っているのも、重力制御のおかげなのだろうか。

「違うわよ。 これは自前」

「やっぱ僕声に出してねぇよ!!」

忍野も一方通行も忍もやられた。

さすがだよ、ほんとさすがだよ羽川翼。

一切の容赦がないラスボスっぷり。 なんだよ言葉で説明できない力って!!!

要するになんでもありじゃねーか!!!

465 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:03:21.70 ID:gCvSpXMk0
しかも、だ。

上条君と僕だけで、このスター状態の羽川の相手ともなれば絶望的すぎる。

どうする、どうする、どうする!!

「うおおおおおおおお!!!!!!!」

「なっ・・・!!」

上条君はそのまま突っ込む。

掛け値なく。

羽川は慌てる素振りすらみせず、右手を彼に向ける。

469 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:05:47.78 ID:gCvSpXMk0
「我が前に立ち塞がりし全ての愚かなる者に・・・・・・我と汝が力以て、等しく滅びを与えん事を・・・・・・・」

「そこまで全力!?!?」

ガチで世界を滅ぼす気かよ!!

90年代系で元ネタ分からない人がいても置いていくのがジャスティスと言いそうなくらいそのネタは古い!!

最強呪文じゃねえか!!

瞬間、説明できない力、羽川のなんでもありな力が彼を襲う。

「四人目・・・・・っ?」

羽川の攻撃は確かに直撃した。

それでも彼が無傷でいられたのは、彼が自らの眼前に突き出した右手による力で防ぐことができたため。

473 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:09:27.62 ID:gCvSpXMk0
「幻想殺し・・・・・・そういえばあなたにはそれがあったんですっけ」

つまり幻想殺しで羽川の攻撃が防げるならば、心渡が通じるということだ。

せめて近づければ・・・っ!!

「それなら、使えなきゃいいのよね?」

そう言うと彼女は翼を畳む。

「・・・・・・まずいっ!! 構えろ!!上条君!!」

まとわりつくような殺気を直感的に空気で理解する。

僕は全力で走る、羽川との距離は50メートル弱!! 3秒もあればそれで詰められる!!

「遅い!」

「しまっ!! ・・・・ぐっ!!!!!」

475 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:11:57.17 ID:gCvSpXMk0
一撃目の羽川の攻撃を受けたまま、構えていなかった彼を彼女は容赦なく蹴り飛ばした。

「四人目!! で、あなたが最後!!」

羽川が僕を睨む。

直後、正体不明の『何か』が放出される。

「や・・・・ば・・・っ!!!」

・・・・・・・・あれ?

直撃したはずのそれは僕の頭上に逸れていた。

逸らしたのは羽川。

その羽川の首元に忍か噛み付いていた。

479 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:19:48.58 ID:gCvSpXMk0
まるで以前の焼き直しのような光景。

忍によるエナジードレイン。 しかし忍はすぐに振り払われる。

それでも、僕はその隙を逃さなかった。

「っけえええええ!!!!!」

活殺自在剣にはほど遠くても、僕は気合でそれをカバーするかのように叫ぶ。

人間の目では反射神経では決して捉えることができないほどの速さ、リスペクト瞬天殺な剣撃だったはずなのに、

羽川には太ももの辺りに掠り傷ができただけだ。

「・・・・・ハァハァ・・・・・・・・・おしかったね、もう少しで斬れたのに」

「そうかい、僕はお前の太ももに傷をつけたことのほうが後悔してるよ」

481 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:21:19.81 ID:gCvSpXMk0
嘘ではない。

あの羽川の艶やかな太ももに傷をつけるなんて、世界遺産をまとめて核で吹き飛ばすよりも罪なことをしてしまった。

羽川の太ももから血が流れる。

ものすごく、なめたかったが我慢した。

しかし断じて、見蕩れていたからといって外したわけじゃない。

それだけ、目の前の羽川が異常なほど強いのだ。

だが、冷静になって僕は考える。

そう、

天使なんてそんな十字架みたいな清められた存在に吸血鬼である忍がなぜ触れられたのか。


484 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:23:13.27 ID:gCvSpXMk0
学園都市製の天使。

偽者の天使。

「天使なんかじゃない」

「エンジェル冴島の話? お前様晃君を目指しておったのか!」

「目指してもいないし、生徒会に入る予定もねーよ!!」

そういえば冴島 翠。 羽絡みなんだよな。

エンジェル羽川・・・・・・あっけっこうしっくりきたぞこれ!

これについては僕は後日、午後のコーヒーブレイクあたりで忍と語り明かそうと思う。

じゃなくて!!

487 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:25:28.57 ID:gCvSpXMk0
「おい、忍。 訊きたいことがある」

「奇遇じゃな。 儂はお前様に言いたいことがある」

「なんだよ?」

「いやなぁ? あのアロハ小僧も言っておったろ? 奥の手があると。 それならばあの委員長を倒せるかもしれんの」

「まじか!?!?」

「うん、だってあの委員長、吸血鬼じゃもん」

「・・・・・・は?」

あの白い羽根生やした、エンジェル羽川が?

「お前様もあやつの正体について訊きたかったのじゃろ?」

「それでもそんな急展開を望んでいたわけじゃないけどな」

「こちらの世界に都合がいい言葉で言うなればあれは天使じゃが、お前様もよく知っておる言葉でその存在は置き換えられるじゃろ」

「怪異ってことか?」

489 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:27:29.73 ID:gCvSpXMk0
怪異―――怪しくて異なるもの。

その存在は、信じられ、畏れられ、怖がられ、疎まれ、奉られ、敬われ、嫌われ、忌まれ、願われるもの。

人間によってそう形作られるもの。

例えば、現実では単なる血液異常である吸血鬼を形作ったのも。

例えば、超能力や魔術も決して理論武装しただけでは、全てを説明しきれないということも。

等しく、怪しくて異なるイレギュラー。

そして、この学園都市にはAIM拡散力場という霊的エネルギーのようなものが高い濃度で街中に広がっている。

能力者230万人分のAIM拡散力場が相互干渉を重ね束ねられてしまった結果に生み出された人工の天使。

無意識と無自覚の相互干渉。

それによって生み出された怪異。

491 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:32:27.65 ID:gCvSpXMk0
「でもだからって何で吸血鬼になるんだよ?」

「じゃあなぜ委員長は天使ルックなんじゃ? 十字教の聖典や伝承に基づいた存在ではあるまい?」

起源は学園都市に住む人の無意識と無自覚なのだから。

その問いかけこそ目の前の敵、エンジェル羽川に対する矛盾だ。

「儂もさきほど、委員長に噛みついてから確信を持てたわい。それまではあくまで仮定での話としてアロハの小僧と話しておったのじゃが」

「血の味か?」

「まぁ同族の味を忘れるわけがないからのう」

そう、思えば羽川が闘うときに使ってきたバトルスキルには既視感があった。

睨んだりする眼力での正体不明な力とか、物質想像能力とか。

492 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:33:55.30 ID:gCvSpXMk0
私の存在は0と1だけで表現する事が出来る域にはいないと言っていたが、それは違う。

もし、完全体の忍であれば?

たった今地球を七週半してきた!とか

相対性理論は儂が破ったとか

昔、神にならんかと誘われたことがあるとか

時間移動してみたりとか

そんな理論に適わない不可能なことでもやってしまうだろう。

天使になっていても不思議じゃない。

そしてこの世界には完全体の吸血鬼が複数いないとも限らないのだから。


493 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:38:13.07 ID:gCvSpXMk0
「敵役のお約束として手出ししなかったけど、お話は終わったかな? 阿良々木君?」

「羽川、お前なんで僕の名前・・・?」

「知ってるよ。 だってこの人格、羽川翼はあなたの世界にいる、本物を参考にしているわけだし」

パチモンだよと。

「そ、そんな馬鹿な!! だってお前、僕の知ってる羽川よりもおっぱい大きいじゃないか!! そのおっぱいがパチモンなはずないじゃないか!!」

衝撃波がとんできた。


496 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:39:30.82 ID:nkvhn7oC0
おいwwww

497 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:41:04.14 ID:gCvSpXMk0
「今日一の顔で驚愕しておっぱいって叫ばないで!! まぁそうね。 正確には私は最初、吸血鬼でさえなかったの。

ただの能力者230万人が脳波リンクして作り上げた幻だった。 形さえ無かった。

それでも脳波リンクから無意識に溢れ出た膨大な思考や情報の量だけは蓄積していった。 そんな中偶然に、時間移動の研究についての情報を拾った。

拾ったというよりは、膨大な量の情報を繋ぎ合わせたら勝手に辿り着いただけなんだけどね。

で、好奇心から試してみた」

「・・・・・・そして行き着いた先が儂らの世界じゃったと?」

「ん〜そういうことになるんだけど。 厳密に言うと、今のあなたたちがいた世界以外なら何度も行ったことがあるわよ。

それでも何十万通りと試してきたけど、どの世界にもあなたたちは変わらずそこに居た。

そして必ず怪異もそこにあった。

残念なことにまだ学園都市がある世界には辿り着けていないのだけれどね。

でも、そうして何度も試すうちに、自分の人格が、容姿が、自分の核や軸となる部分が形成されていった」

498 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:43:32.19 ID:gCvSpXMk0
「この力もそう。

忍ちゃん・・・あなたがまだキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードだったころのものが深く参考になっているわ。

まぁ、今羽川さんの姿になっているのは、羽川 翼という人間の異常性に私が感銘を受けたからでしょうね。

どの可能性の世界においても、怪異とともに必ず存在していた羽川 翼は私からみても私以上に異常だったのだから。

そして怪異の存在しないこの世界には、なぜか彼女の存在だけがなかった。

それも後押ししたのかもしれないわ。 私がこの世界での羽川 翼であることに」

羽川は戦意のない穏やかな声で、それでもはっきりと説明してくれた。

499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:45:18.26 ID:gCvSpXMk0
「忍ちゃんは始めから気づいていたの?」

「気づいていた、というわけではないがの。ただ、儂と同じ力を揮う『天使』なんてものは信じて無かっただけじゃ。

それで、あのアロハの小僧には吸血鬼の可能性もあるということで伝えておいた。

そうしたらあの小僧、おもしろいものを儂に渡しおった」

忍は胸元に手を突っ込み、引き抜く。 胸が揺れる。

その手には拳銃。

「この中には、姫神という吸血殺しの小娘の血を練りこんだ銃弾が装填されておる。 銀よりも、おそらく対吸血鬼仕様の武器でこれ以上はないじゃろ?」

「それが奥の手・・・どうしても拳銃じゃなきゃなのか?」

「なんじゃ?」

「そんな痛そうなことしなくても!! どうせ撃ち込むなら座薬とかじゃだめなのかよ!?!? 僕は羽川の眼球を舐めることの次に羽川に座薬入れるのが夢なんだ!!!!!」

「殺してバラして並べて揃えて晒してしまうぞ、お前様」


503 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:50:04.82 ID:gCvSpXMk0
「詰みじゃな」

「ちょ、ちょっと待て!!」

僕は羽川と忍の間に割り込んで叫ぶ。

「今度はなんじゃお前様? バンパイアハンターSの邪魔をするでない」

「Sってつくだけで不思議と第二期作品みたいに聞こえる!! じゃなくて!! え? この羽川のどこが危険なんだよ!?」

「さっきも言ったと思うけど、私には常に膨大な量の情報が流れ込んでくる。 でも正直、最近はその処理が追いつかないのよ。

それに少し前には暴走して学園都市を崩壊手前まで破壊してしまうし・・・・・・。

これ以上・・・・・・私を野放しにしておけば、今度は学園都市だけじゃない・・・・・・・・・・世界を巻き込む恐れだって・・・・・・ある」

だから、私はここにいちゃいけない、と。

504 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:51:45.71 ID:gCvSpXMk0
「そんなの分かんねえじゃねえか!! お前がここにいちゃいけない理由にはならないだろ!!」

「なるよ !!私にはそれだけの力がある・・・・・・下手をすると完全体の忍ちゃん以上に!! だから私は消えたかった!!

自分じゃどうにもならないから!! だから、わざと貴方たちにコンタクトをとった!! わざわざ真宵ちゃんも呼び寄せて!!

貴方たちなら私を消してくれると思ったから!! こんな居場所なんてどこにもない世界から私を消してほしかったから!!!」

この羽川は自分を消して欲しくて僕たちをこの世界に呼んだ、と。

そうか、全部だったのか。 こいつは僕たちと闘う前から最初からそうするつもりだったのか。

でも涙ながらにそう言った。

そう言いやがった、こいつは・・・・・・っ!!

「・・・・・・ふざけるな・・・・・・・・・・ふざけるんじゃねえ!!!!!」

僕は羽川に叫ばずにはいられなかった。 沸点の高さには定評のある僕でさえ、我慢できなかった。

507 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:55:28.92 ID:Xeh0zVPKP
上条さんどこいったwwwwwwww

508 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:58:16.89 ID:7pa8bDF/0
上条さんどころか禁書勢置いてけぼりだがまあしょうがないw

509 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:19:17.36 ID:gCvSpXMk0
「お前に居場所はあるのかだと。あるに決まってんだろ。消える以外に道はあるのかだと。あるに決まってんだろ!!

勝手に諦めてんじゃねえ!!

そうだよ、そうだよ!! 人は勝手に助かるだけさ。 死ぬのだってきっとそうだろうぜ!!

だけどな!! 人は一人で勝手に助かるだけでも!!

助ける側にそんな事情は関係ねぇだろ!?!?

僕たちは、今ここにいる僕たちはお前を助けるために立ち上がったんだ!!

悩んでいるなら頼れよ!! 助けて欲しいなら言えよ!!

居場所がないなんて笑わせんなよ!! こうやってお前のこと思ってるやつらがいるのに!!

それなのにお前はそれさえも否定してしまうのかよ!!!!!

僕たちはお前を否定しないし、自分が消える覚悟で世界のことを考えることができるような優しいやつをいらないなんて思わない!!

もし、お前がそんなことを考えているなら、僕はそれを否定する!! そんな幻想をぶち壊す!!」

510 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:25:27.97 ID:gCvSpXMk0
心渡や上条君の幻想殺しや忍の持っている銃を使えば簡単に消すことはできるだろう。

けれど、それでは、羽川は救われない。

それじゃあ駄目だ。

「わ、私はいてもいいの? 消えなくてもいいの?」

「ああ。みんなそれを望んでいる。 だから生きろ!」

僕は羽川の手をとる。

泣き崩れる彼女を支えるために。

しかしそれはできなかった。

バンッ!!!

「やれやれじゃな」

忍は羽川を撃った。


511 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:29:36.43 ID:gCvSpXMk0
「・・・・・・は? おい、おい!!! 冗談じゃねえぞ!! おい忍!!」

「うるさい。 聞こえておる。 なんじゃ?」

「おま、お前!! なんで撃ちやがった!!!」

僕は忍の胸倉を掴む。

その時忍のおっぱいが僕に当たるが、それを揉みしだく気にはなれなかった。

「落ち着け、お前様。 何をそこまで慌てておる?」

「だってお前、それで撃ったら忍は・・・・・・・」

忍野が奥の手だと託すほどのもの。

最終手段として託されたもの。

ならば抜かりは無いだろう。 容赦もないだろう。

あの効率的で常に適切な流れを守る男が託したものならば。

516 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:33:08.26 ID:gCvSpXMk0
吸血殺しの弾丸。

羽川を消すためだけのもの。

でもそれは、適切であってこの場合あくまで最適ではないはずだ。

だって羽川は消えたくないといったのだから、ここに居たいと願ったのだから。

その可能性を消し去ることのどこが適切なのだろうか?

「しのぶ!!!!!!」

僕は忍を殴る。

「くっ・・・・お前様、分かっておらんようじゃの?」

「それはお前だろう!?!?」

「あ・・・・ら・・・らぎ・・・・・・・くん・・・・・」

羽川の声が途切れ途切れになる。

やばい、このままじゃ!!


518 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:34:58.03 ID:gCvSpXMk0
「はっはー! 阿良々木君。 君は本当に元気がいいねえ。 この世界の主人公が気絶していることをいいことに説教なんて」

この場に似合わない声が響く。

「何かいいことでもあったのかい?」

しかしその言葉はこの場に不釣合いすぎて、僕は彼をも殴り飛ばしたくなった。

「んなこといってる場合じゃないだろ!?!? 羽川が、羽川が!!!!!」

「大丈夫だよ、阿良々木君。 彼女は消えはしない」

「はっ?」

「よく見てみることだね、彼女を」

そう言われて僕は羽川に駆け寄る。

そこで気が付いた。

羽も金色の粒子のようなものもすべて消えている。

「こ、これって・・・・・・」

519 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:37:29.11 ID:gCvSpXMk0
「そう、彼女の能力だけを削ぎ取ったんだよ」

よく見ると羽川の身体には弾痕もなかった。

「というか、彼女を倒すだけなら、消滅させるだけなら、こんな吸血殺しの弾丸なんて使わなくても上条君の幻想殺しで触れるか、

君のその刀で致命傷でも負わせてしまえば僕としても簡単なんだけどね。でもそれじゃあ駄目なんだ。

僕は以前の説明で彼女が暴走する寸前といったけど、あれは本当は大げさに言いすぎなんだよ。

それこそ暴走寸前であれば、今言った手段をとっていただろうけれど、それこそあくまで最終手段さ。

僕だって彼女について調べていないわけじゃない。

例えば、彼女が行っていた時間移動だって。

例えば、第三次世界大戦中や九月三十日の彼女の行動だって。

暴走どころか、人間のために闘ったんだよ彼女は。

そういう意味では彼女を消滅させる理由にはならないし、それをしなければならないほどの悪意なんて彼女にはない」

521 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:41:55.34 ID:gCvSpXMk0
「ど、どういうことだよ?」

「そういうことだよ。 分からないかい阿良々木君? つまり僕は端から彼女を消す気なんてなかったのさ。

まぁそれには彼女を無理矢理消してしまうことで、彼女の中の力がそれこそ暴走してしまうのを恐れたからというのもあるんだけどね」

端から消す気はなかった。

始めから能力を削ぐだけのつもりだった・・・と。

つまり、この戦いはそれを行うためのもの。

「忍野、これはお前のシナリオだったのかよ・・・?」

「いやぁ僕もそこまで何でも知ってるわけじゃないさ。 それこそ委員長ちゃんの領分だよ。

ただ、彼女が吸血鬼じゃないかって確率に賭けてみただけだよ。 その確率は高かったし、忍ちゃんのおかげで確信できたしね。

■■ちゃんの血液を練りこんだ弾丸なんていう回りくどい手段になっちゃったけど」

確率は高かったか・・・。

よく言うぜ。 こいつが動くときは断言できるほどの確信があった時だけだろうに。


522 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:43:25.70 ID:gCvSpXMk0
「相変わらず、見透かしたようなことをしてくれるなお前は」

「はっはー! 嬉しいねえ。 最高のほめ言葉だよ阿良々木君」

「っと・・・・・忍」

「なんじゃ?」

忍はその忍野のシナリオを事前に聞いていたのだろう。

だから撃った。 むしろ羽川が自分から消えたくないといったから撃ったのだろうな。

適切な処置としてでなく、助けるための最善を尽くす為に。

「その、殴って悪かった」

523 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:47:42.25 ID:gCvSpXMk0
「よい、ただお前様が悪いと思うなら、後でそれなりに儂に礼を尽くさねばならぬな?」

「なんだよ? 頭ならいくらでもなでてやるぞ?」

「それだけでは足りぬ!! この儂を殴ったんじゃ。 その更に上、儂の胸を撫でるくらいはせぬと許さぬ」

「まじで!!!!!!!! いいの!?!?!? 撫でます!! 撫でさせてください!!」

どうしよう、こいつを完全体に戻してあの魔乳を撫でたい。

世界滅亡と僕の命を賭けなくてはいけないだろうけれど、この際それは本望な気がしてきた!!

「阿良々木君・・・・・」

「いててててっ!!!!!」

僕の腕の中で支えられている羽川に頬をつねられた。

なぜ乳首じゃないんだ!! と叫べるほど僕の変態沸点は超えていたが自重した。

というか、これ腕の中の羽川もノーブラで今にもはだけそうなんですけど・・・・・・

どうしよう、どうすればいいの? ちくしょおおおおおおお!!まじでどうにかしてやりたい!!

525 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:51:04.47 ID:gCvSpXMk0
「阿良々木君、ありがとう・・・・・」

ぽつりと羽川は呟く。

「なんだよ? 僕は何もしてないぜ?」

「ううん・・・・・阿良々木君は私に居場所があるって・・・・・・生きろって言ってくれた」

涙ぐみながらぽつりぽつりと呟く。

「ああ、そうだ。お前はこうしてここにいる。何度でも言えるよ、お前はここに居てもいいんだって」

「でも・・・・・・いずれ私は・・・・・本当に暴走するかもしれないよ?」

「そのときはそのときだ。そうなったらまた僕たちを呼びにこい!! 駆けつけて何とかしてやる!!」

「・・・・・うんっ、ありがとう阿良々木君」

彼女は最後に笑顔でそういい終えると、僕の腕の中から消えた。

530 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:01:01.21 ID:yZyYd2mh0
後日談、というか今回のオチ

僕と忍と八九寺は神社にいた。

「朝帰りさん」

「ああ、今は朝五時半か・・・・・。やることやりおえて帰るくらいの時間だよなこれ。しかも僕両手に花だし!!

幼女二人って、嬉しいなあ!! 僕の人生ハッピーエンドすぎるじゃん!!」

「お前様、そこは否定せぬとアニメ二期に響くぞ。 というか、さすがに八歳じゃお前様を受け止められんから

十五歳くらいの身体にしてもらわねばな!!」

「私は永遠の十歳なんですけど、危ないですかね?」

「って!!お前らつっこめよ!! ちなみに僕の名前は阿良々木だ!!」

531 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:03:46.86 ID:yZyYd2mh0
「つっこむのはお前様じゃろ? え?もしかして受けなの?」

「朝帰りさん、幼女に責められるのが趣味なんですか・・・・・」

「そういうつっこむじゃねえよ!! なにこのキャラ殺し!!」

「「失礼、噛みました」」

「違うわざとだ」

「「噛みまみた」」

「わざとじゃない!?」

「そういってお前様は幼女にくわえさせるプレイが好みなんじゃな。 ではお前様のためにあまんじて噛もう!!」

「お前は神原かっ!!!!!」

「こほみおにふぃひゃんのほっひふへ、まよふぃのくふぃにはひはない〜〜〜っていうのですか阿良々木さん!!」

「ああああああああああ!!!!!!! やめてやめてやめて!!!!!!! ちょっとむらむらしてきたから!!!!!!」

「むららぎさんの面目躍如ですね!!」

「好きに言ってくれ・・・・・」

534 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:07:25.11 ID:yZyYd2mh0
学園都市での天使(吸血鬼)をめぐる騒動を片付けた僕たちは元の世界に帰ってきた。

消えた羽川については、過剰な分の力を削ぎ落としたため目に見えない姿になった。

忍野の言う天使のいる空間という場所に帰ったらしい。

今回の一件は終わってみると、現実に対して足が地につかないような体験だった。

でもまぁ、学園都市だの超能力だの魔術だのっていっても、

今の僕を取り巻く環境と大差はないかもしれない。

僕は少しだけ、彼女―――学園都市にいる羽川 翼のことを考えた。

そしてそれを本物の羽川自身だけでなく、忍に重ねてしまう。

正確にはキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードへ重ねてしまう。

春休みの彼女に少し似ていた気がするから。

どうだろう。

言っておいてあれだが、ひどく曖昧だ。

535 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:10:01.53 ID:yZyYd2mh0
ただ、

今の僕は人生は個人のものという考え方ではない。

人が人の中で生きている以上、人と人との繋がりのある世界で生きている以上、

人に認められることには価値があると考えられるようになったから。

だからこそ、向こうの羽川に手を差し伸べられたのだと思う。

駆けつけてくれる仲間がいて、それを信じろと言えたのだと思う。

改めてそれを再認識できた。

彼女もそれを分かってくれてたならいいと思う。

それさえ分かってもらえれば今回の僕の物語を締めくくるに十分な成果とオチになる。

「あーっ!! 高校生活もあと半年ないけど友達増やそうかなー!!」

「お前様・・・・・・儂はいつまでも傍におるぞ・・・・・・・・」

「阿良々木さん、やめてください。切なくなってきました・・・・・・・」

とりあえず、僕にとってそれが幼女から哀れまれなければならないほどの幻想なわけがないと信じたいが。


〜fin〜


536 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:11:41.93 ID:bjpDMnlE0
乙なんだよっ

538 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/09(水) 00:12:43.55 ID:I93QRaNQP (2 回発言)

最後のほうは禁書空気だったなwww

547 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:17:43.30 ID:+CiUVzNn0
乙、つばさエンジェル面白かったぜ



posted by JOY at 16:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 禁書クロスSS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初期のかまちーも裸足で逃げ出すほど読みにくかった
Posted by at 2011年03月25日 23:08
面白かった
Posted by at 2011年10月13日 02:52
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