2011年04月23日

ペガサス「当麻の勝ちデース!」1

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 04:00:31.30 ID:Nh7Doqino

七月十九日



上条(明日から夏休みだ)

上条(充実した休日……は不幸な上条さんには無縁かもしれないけど、せめて平穏無事に過ごしたいなー)

上条(夕飯は……今日くらいはファミレスでいいか)

上条(さて、どこで食べようか……。ん?)

上条(なんだあの人……)

長髪の男「」キョロキョロ

上条(外国人?)


2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 04:01:17.01 ID:Nh7Doqino

長髪の外国人「!」

上条(うわっ、こっち見た!)

長髪の外国人「」スタスタ

上条(こっちに来る!)

長髪の外国人「」ニコニコ

上条(ど、どうしよう……。上条さんに異国の方と会話できる語学力はないんですが……)

長髪の外国人「すみまセーン。道をお尋ねしたいのですが、よろしいでしょうか?」

上条「え? 日本語?」

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 04:02:32.44 ID:Nh7Doqino

長髪の外国人「第三学区という所を探しているのですが、見つからなくて困っているのデース」

上条(第三学区ってことは、外から来たお客さんか)

上条「ここは第七学区で、第三学区とはだいぶ離れた場所ですけど……」

長髪の外国人「オー、ミステイク! うっかりデース」

上条「第三学区でしたら、あっちを右に行って、大通りをまっすぐ進んで――」



長髪の外国人「――ふむふむ。なるほど。アンダスタン! 理解しました」

上条「それじゃ、俺はこれで……」

長髪の外国人「ちょっと待ってくだサーイ。ぜひユーの名前を聞かせてくだサーイ」

長髪の外国人「カミジョー……下の名前はなんというのですか?」

上条「え? ……ああ、『とうま』と読みます。上条当麻です」

上条(あれ? 俺『上条』っていつ名乗ったんだ?)

長髪の外国人「当麻……トーマ……オー、トム!」

上条「へ?」

長髪の外国人「トムの勝ちデース!」


4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 04:03:38.65 ID:Nh7Doqino

上条「いや、トムじゃなくて当麻ですって」

長髪の外国人「ソーリー、当麻ボーイ。ナイス・トゥー・ミー・チュー」

長髪の外国人「私の名前はペガサス。ペガサス・J・クロフォードデース!」ドーン

上条「はぁ」

ペガサス「……」

上条「……?」

ペガサス「……ユーは私の名前、ご存知ないのですか?」ショボーン

上条「えーっと……はい」

ペガサス「ユーはM&W(マジック&ウィザーズ)をプレイしないのですか?
       ユーくらいのボーイなら、みんなプレイしてると思っていたのですが……」

上条「M&W? ……ああ、デュエルモンスターズのことですか?」

ペガサス「ザッツライト! 何を隠そう、私がそのカードゲームを生み出したデザイナーなのデース!」ドーン


6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 04:04:33.74 ID:Nh7Doqino

上条「へー、それはすごいですね」

ペガサス「……なんだか反応が薄いですネ……」

上条「あ、いや、俺貧乏なんで、カードゲームとかやらないんですよ。金かかるから」

ペガサス「オー、それは由々しき事態ですネー」

ペガサス「カメラが回ってるならデッキの一つでもプレゼントするんですけどネ。
     ユーはバッドラックなボーイですネー」

上条(意外とケチ?)

ペガサス「せめて値段を下げるように、後で会社に頼んでおきましょう」

上条(たとえ安くなったとしても買わないだろうけど……黙っておこう)

ペガサス「そんなこと言わずに買ってくだサーイ! 最高に面白いゲームですよ!」

上条「え!? あ、はい」

上条(やべ、声に出ちゃってたか……)

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 04:05:36.48 ID:Nh7Doqino

ペガサス「ところで当麻ボーイ。このシティ、学園都市には超能力者がいると聞いたのですが、本当ですか?
       ユーも超能力者だったりします?」

上条「えっと、厳密には能力者、ですね。
    それがだいたい70万人くらいいて、そのトップの7人が超能力者って呼ばれてます」

上条「学生の数はもっと多いんですけど、半分以上が能力を持たない無能力者です」

上条「俺も無能力者って認定されてます。……ただ、俺の場合は右手がちょっと変なんですけど」

ペガサス「ワッツ? どういうことですか?」

上条「この右手、異能の力ならなんでも打ち消せるんです。
    でも、どういうものなのか、詳しいことは学者さんにもわからないらしくて……」

ペガサス「異能を打ち消す……。ふむ」

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 04:06:15.30 ID:Nh7Doqino

ペガサス「当麻ボーイ」スッ

上条「?」

ペガサス「握手デース。私の国では当たり前の挨拶デース」

上条「あ、はい」ガシッ

ペガサス「……」

ペガサス「……!」

上条「?」

ペガサス「……フ」

ペガサス「フフフ……ハハハハハ、アーッハッハッハ!」

上条「ペ、ペガサスさん?」

ペガサス「ソーリー。なんでもありまセーン」

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 04:07:04.45 ID:Nh7Doqino

ペガサス「それでは私は行きマース……と、その前に……」

上条「?」

ペガサス「道を教えてくれたお礼に、カードを1枚ユーにプレゼントしましょう。
     ケチだと思われるのは心外ですからネ」

ペガサス「ラッキー・カードデース。ユーに幸運が訪れるように」スッ

上条「は、はぁ。ありがとうございます」

ペガサス「シー・ユー・アゲイン、親切なボーイ。また会いましょう」スタスタ…

上条「……」

上条「変な外人さんだったな……」

上条「……上条さんにラッキー、ね……」

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 04:07:42.05 ID:Nh7Doqino

ペガサス「……」

ペガサス(あの時……)

ペガサス(当麻ボーイに右手で触れられてる間、マインド・スキャンを使うことができなかった……)

ペガサス「どうやら噂どおり、このシティにはアンビリーバブルな力がたくさんあるみたいですネ」

ペガサス「フフフ……ここに観光に来て正解でした。楽しい休暇になりそうデース」

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 04:16:05.06 ID:Nh7Doqino
失礼
とりあえず導入部分は終了です

この手のスレの常として、原作キャラの扱いが悪くなる可能性があります

また、こんな題材で書いてますが、遊戯王は原作は何度も読み返すほど好きですが、
デュエルモンスターズについてはあまり詳しくありません
戦略性のあるバトルを期待して開いた方には、ここで謝っておきます

ごめんね

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage]:2011/03/23(水) 04:43:24.62 ID:m9sUWDYAO
上条さんは効果打ち消す繋がりでスキルドレインとか凄い合いそうだけど
貰ったカードがトラップとか地味過ぎるから打ち消す系のエースカードだとライト&ダークネスドラゴンとかか

相手の全力をそれを上回る全力で打ち砕くリスペクトデュエルしてればあんまり戦略凝らなくても内容は自然と熱くなるんじゃね

21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 07:30:25.18 ID:h8jOVkJ9o
スレタイで吹いた

22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)[sage]:2011/03/23(水) 08:46:04.24 ID:A6L0SH9Vo
上条さん土壇場でも絶対いいカードひけないよなwwwwwww

27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 12:37:23.13 ID:Nh7Doqino

キラキラした期待のまなざしが心に痛いのでぶっちゃけますよ?
誰かと誰かがデュエルモンスターズで闘うことはないです
時系列が後のカードが登場する予定もありません

それともう一つ
GXのペガサスは高い実力を見せてくれましたが、
千年眼を持ってた頃のペガサスは卑怯…いや、リスクの低い闘い方を好みます

決闘者の王国編を観るようなノリで読んでいただければ幸いです


28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 13:42:40.98 ID:Nh7Doqino

七月二十日 第七学区



ペガサス(能力を持ってるのは学生たちと聞いて、結局また第七学区まで来てしまいました)

ペガサス(明日はエリートが集まると聞く第一八学区に行ってみましょう)

ペガサス(しかし、なかなか能力を見る機会が訪れませんネー)

ペガサス(……む?)

ペガサス「オー! 当麻ボーイ!」

上条「!? ゲッ。ペガサスさん……」

29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 13:43:39.05 ID:Nh7Doqino

ペガサス「こんな所で会うとは奇遇ですネー」

上条「そ、そうですね、ははは……」

ペガサス「なんだか疲れてるみたいですネ。どうされたんですか?」

上条「昨日ペガサスさんと別れた後、色々ありましてね……」

上条「不良に追いかけられるわ、電撃ぶっ放されるわ、電化製品と冷蔵庫の中身が全滅するわ……」

上条「朝になったら変なシスターに出会うわ、補習だわ、また電撃ぶっ放されそうになるわで……」

ペガサス「オー、ユーは本当にバッドラックなボーイなんですネー」

上条(おまけに会話するのが疲れるペガサスさんと会っちゃうし……。不幸だ)

ペガサス「……そんな風に思われてたんですネ。ちょっとショックデース」ショボーン

上条「え?」

30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 13:44:47.69 ID:Nh7Doqino

上条「……」スタスタ

ペガサス「……」スタスタ

上条「あのー、何故ペガサスさんは上条さんの後をつけているのでせうか」

ペガサス「ホワイ? 当麻ボーイの家に招待してくれるのではないのですか?」

上条「なんでそうなるんですか……」

ペガサス「友人を家に招待するのは自然なことだと思いますが……」

上条(友人? 誰と誰がだよ……)

ペガサス「私と当麻ボーイがデース」

上条「はぁ……。わかりました。水くらいしか出せませんけど、それでいいなら……」

ペガサス「サンキュー、当麻ボーイ」



31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 13:46:20.04 ID:Nh7Doqino

とある学生寮



ペガサス「オー! ここが当麻ボーイの家ですか。大きいですネー」

上条「その内の一部屋だけですよ……。結構上の階ですから、エレベーター使いますよ」

ペガサス「ストップ! 当麻ボーイ!」

上条「!?」ビクッ

ペガサス「……」

上条「ど、どうしたんですか? 大きな声出して……」

ペガサス「あれを見てくだサーイ」スッ

上条「……紙?」

ペガサス「私の眼はどんな小細工も見逃しまセーン」キラッ

上条(? 今、目が光った……?)

32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 13:49:24.06 ID:Nh7Doqino

上条(すごい数の紙が貼りつけてある……。ん? なんか変な文字が書かれてるな……)

ペガサス「ルーン文字、というやつですネ。
     私はあまり詳しくありませんが、魔術に関わりがあると聞きます……」

上条「魔術……!?」

ペガサス「当麻ボーイ?」

上条(インデックスは魔術結社に追われていると言っていた……。まさか……)

ペガサス「なるほど……そういうことですか。魔術結社……不穏な響きデース」

上条「ペガサスさん?」

ペガサス「昔の私なら『そんなオカルトありえまセーン』と言うところでしょうが、
     今の私がそれを言うのは滑稽でしょうネ」

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 13:51:05.49 ID:Nh7Doqino

ペガサス「どうします? 当麻ボーイ。勝負の基本は相手の土俵に乗らないこと……。
       先へ進むのはデンジャラスだと思いますが……」

上条(……もしかしたら、インデックスが……)

ペガサス「……ユーは行くつもりなのですネ」

上条「……」

ペガサス「オーケー! 私もつきあいましょう!」

上条「え!?」

ペガサス「もし魔術師なんてものが本当にいるなら、私はきっとお役にたてると思いマース」

ペガサス(本当はただの好奇心なんですけどネー。フフフ)

34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 13:52:28.53 ID:Nh7Doqino

ウイーン…

上条「部屋の前に清掃ロボ?」

上条「!」

上条「インデックス!」

ペガサス「背中に大きな傷が……。これはひどい……」

上条「一体誰がこんなことを……!」




「僕たち、魔術師だけど?」


43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 17:59:20.21 ID:Nh7Doqino

上条「!?」

ペガサス「……」

赤い長髪の男「どいてくれ。それ、回収するから」

赤い長髪の男「正確には、頭の中の10万3000冊の魔道書を、だけどね」

ペガサス(シスター・ガールの頭の中の……魔道書?)

上条「テメェ……! 何様だ!」

赤い長髪の男「ステイル=マグヌス。……いや、Fortis931と名乗らせてもらおう。
          これは魔法名……相手を殺すときに名乗る名前さ」ボッ

上条・ペガサス「!?」

上条(炎が……! なんて大きさだ!)

ペガサス「……!」

ステイル「炎よ……巨人に苦痛の贈り物を!」ゴォッ


44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 18:00:02.86 ID:Nh7Doqino

シュウウウウ…

ステイル「やりすぎたかな?」

ステイル「……!?」

上条「……っ」

ペガサス「……」

ステイル「無傷だと……!?」

ステイル「……そうか。歩く教会を破壊したのは君か……!」

ペガサス「……」

ステイル「……どうやら、そっちの彼は戦意喪失みたいだね」

ステイル「無理もない。あれだけの炎を前にすれば――」

ペガサス「フ、フフ……ハハハハハハハハハハ!」

45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 18:01:04.43 ID:Nh7Doqino

上条「ペ、ペガサスさん?」

ステイル「……気が狂ったか」

ペガサス「ノー、狂ってなんかいまセーン。私は嬉しいのデース」

ペガサス「本物の魔術! 本物の魔術師! とてもスリリングでエキサイティングデース!」

ペガサス「……マジシャン・ボーイ、殺し合いなんて物騒デース。
     そんなことより、楽しいゲームでもしませんか?」

ステイル「ゲーム……?」

ペガサス「そう……闇のゲームの始まりデース!」


46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 18:02:57.46 ID:Nh7Doqino

ゴゴゴゴゴ…

ステイル(なんだ!? 周囲が暗く……?)

上条「な、何が起こってるんだ……!?」

ペガサス「M&Wはプレイヤーが魔術師となって魔術を使うカードゲーム……」

ペガサス「それは単なる設定ですが、バット、この空間においてはカードの内容は現実のものとなりマース」

ステイル「何を言っている……。ふざけてるのか?」

ペガサス「ふざけてまセーン。私はカードで、そしてユーは得意の魔術で闘うのデース」

ペガサス「ああ、そうそう。先に言っておきますが……」

ペガサス「闇のゲームの敗者には恐ろしい罰ゲームが待っていマース。
     ……覚悟はしておいた方がいいですよ?」

ステイル「訳のわからないことをごちゃごちゃと……!」

ペガサス「ソーリー。では始めましょうか」

ペガサス「決闘(デュエル)!」



47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 18:03:58.49 ID:Nh7Doqino

ペガサス「フフフ、まさか本物の魔術師と決闘することになるとはネ……」

ペガサス「このシティへ来たのは超能力者の見物が目的でしたが、
       こんなワンダフルな体験ができるとは思わぬ収穫デース」

ペガサス「――いきますよ、マジシャン・ボーイ」

ステイル「!」

ペガサス「マインド・スキャン!」ピカー

ステイル「う!?」

上条(髪がなびいて、隠れてた左目が……)

上条(……金の義眼?)

48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 18:05:02.70 ID:Nh7Doqino

ペガサス「……」

ペガサス「……ユーの心は読ませてもらいました。ユーの戦術もネ」

ペガサス「ユーに勝ち目はありまセーン」

ステイル「……はったりかい? その手には乗らないよ」

ステイル(この男、得体が知れなさすぎる。……加えて魔術を打ち消すあの右手……)

ステイル(……『魔女狩りの王』でいっきに勝負をつける!)

ペガサス「その『魔女狩りの王』とやらを早く召喚してくだサーイ」ワクワク

ステイル「!?」

49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 18:06:18.74 ID:Nh7Doqino

ステイル(な、何故『魔女狩りの王』のことを……。まさか本当に心を……?)

ステイル「くっ……『魔女狩りの王』!」ゴォッ

ゴオオオオ!

上条「ほ、炎の巨人!?」

ペガサス「オー! とてもかっこいいモンスターですネー!」

ステイル「終わりだ……。たとえその右手でも、『魔女狩りの王』を消すことはできない!」

ペガサス「そうでしょうか? そのモンスターを攻略するには……」

ペガサス「この1枚で充分デース」ドン☆


50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 18:07:36.59 ID:Nh7Doqino

サアアアア…

ステイル「これは……」

上条「霧……。いや、雨……?」

ペガサス「『魔霧雨』のカードを発動しました。このフィールド……建物一帯に霧と雨を起こしマース」

ステイル(この男、魔術師……いや、能力者か?)

ペガサス「ノー。決闘者(デュエリスト)デース」


51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 18:08:40.42 ID:Nh7Doqino

ステイル「……ふん。この程度の雨で『魔女狩りの王』を止められるとでも――」

ペガサス「思ってまセーン。『魔女狩りの王』はルーンがある限り何度でも再生するモンスター……」

ペガサス「逆に言えば、ルーンが破壊されれば『魔女狩りの王』は場に維持できない」

ステイル「!」

ペガサス「ここへ来る途中、ルーンが書かれた紙がいたる所に貼られているのを見ました」

ペガサス「カード製作に携わる者として一言言わせてもらいマース」

ペガサス「水性のインクを使うのはやめた方がいいですよ?」

52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 18:09:38.00 ID:Nh7Doqino

ステイル「ま、まさか雨でインクを……」

シュウウウウ…

上条「巨人が消えた……」

ステイル「……イ、『魔女狩りの王』! 『魔女狩りの王』ッ!」

シーン…

ペガサス「無駄デース」

ステイル「『魔女狩りの王』……」

ペガサス「ユーのマインド、闘いの炎が消えていくのがわかりマース」

ペガサス「切り札を失ったユーの負けデース」



53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 18:10:39.41 ID:Nh7Doqino

ペガサス「ところで、私は体を動かすのが苦手なのです。ケンカのやり方も知りまセーン」

ペガサス「後はおねがいします、当麻ボーイ」

上条「ああ!」ダッ

ステイル「!」

ステイル「は、灰は灰にっ。塵は塵に。吸血殺しの――」

上条「オラァ!」バキッ

ステイル「ぐっ、は……!」ドサッ

ペガサス「グレート! トムの勝ちデース!」

上条「だから当麻だってば……」

54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 18:16:04.81 ID:Nh7Doqino

ステイル「」

ペガサス「さて、敗者には罰を受けてもらいましょう」

ペガサス「罰ゲーム! マインド・カード!」

ペガサス「……は、やめておいてあげマース。二対一でアンフェアでしたしネ」

ペガサス「代わりに額に『肉』の字を書いておきましょう。水性インクのせいで負けた戒めに、油性で」キュッキュッ

ステイル(肉)「」

ペガサス「ワオ! へのつっぱりはいらない人にそっくりデース!」

ペガサス(……一瞬だけ視えたマジシャン・ボーイの心の奥……。
       シスター・ガールに向けていた感情は敵意ではなく親愛、そして悲哀……。
       一体どういうことなのでしょうか)

フッ…

上条「景色が元に……」

上条(とにかく、インデックスを外へ運ぼう)

55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]:2011/03/23(水) 19:09:32.86 ID:tnAQHYrAO
ペガサスさん強すぎワロタ

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/23(水) 19:22:06.92 ID:wk4RLGZIO
闇のゲームは本来恐ろしい物だったな。忘れてた

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:16:11.90 ID:Nh7Doqino

学生寮の外



上条「インデックス! しっかりしろ!」

インデックス「う……」

ペガサス「早く病院に連れていった方がいいでしょう」

上条「でも、病院に行っても情報が漏れて、結局魔術師に……」

上条「インデックス、おまえの持ってる魔道書の中に、傷を治す魔術はないのか?」

インデックス「あるけど……この街の学生には、魔術は使えないんだよ……」

上条「くそ、じゃあどうすれば……」

ペガサス「オー、よくわかりませんが大変ですネー」

上条「……」

ペガサス「……」

上条「ペガサスさん!」

ペガサス「?」

60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:17:04.79 ID:Nh7Doqino

ペガサス「私が魔術でシスター・ガールの傷を治すんですか……」

ペガサス「なんだかわくわくしますネー」

インデックス「……倒れてたとき、途切れ途切れだけど意識はあったの……。
        あなたも普通の人じゃないんだよね」

ペガサス「……」

インデックス「でも、大丈夫。あなたの力は魔術寄りだから、きっと――」

インデックス「」ピカー

上条「インデックス!?」

ペガサス(シスター・ガールの体から光が……!?)

インデックス?「警告。――強制的に自動書記で目覚めます」

61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:18:00.29 ID:Nh7Doqino

自動書記「貴方はこの場から離れてください」

上条「くっ……。ペガサスさん、インデックスを頼みます」タッ

ペガサス「ノープロブレムデース」

自動書記「……」ブツブツ…

ペガサス(自分の血で魔法陣を……?)

ペガサス(……よく伸びる血デース)

自動書記「何か小物をお持ちですか?」

ペガサス「カードくらいしか持ってませんが……」

自動書記「構いません。それと、人形のような物があると助かります」

ペガサス「人形……オー! 御伽ボーイからもらったD・D・Mのサンプルがありました。使ってくだサーイ」

62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:18:59.17 ID:Nh7Doqino

自動書記「天使を下ろして神殿を作ります」

自動書記「――リンクしました」

自動書記「思い浮かべなさい。金色の天使。2枚の羽を持つ、美しい天使の姿」

ペガサス(天使……)

ペガサス(私にとっての天使のイメージは、ただ一つだけ)

ペガサス(……)

ペガサス「!」

ペガサス(光が……人の形に……)

ペガサス「……」

ペガサス「……シ」




ペガサス「シンディア」



64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:20:36.53 ID:Nh7Doqino

ペガサス「シンディア」

ペガサス「シンディアッ……シンディア!」

ペガサス「シンディア……?」

ペガサス「行かないでくれ、シンディア……」

ペガサス「私を一人にしないでくれ……!」

ペガサス「シンディア! シンディア――!」

ペガサス「……」

ペガサス「……シンディア……」


65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:21:34.60 ID:Nh7Doqino

ペガサス「……」

自動書記「――自動書記を休眠します」

インデックス「ふぅ……」

インデックス「ありがとう、あなたのおかげで――」

ペガサス「もう一度やってくれ!」グイッ

インデックス「う……っ!?」

66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:23:06.56 ID:Nh7Doqino

ペガサス「頼む! 今の魔術、もう一度……もう一度!」ギリ…

インデックス「やめ、て……苦し……」

上条「どうした!? 何があった!」

上条「ペ、ペガサスさん? あんた、何を――」

ペガサス「うるさいっ! 邪魔をするな!」

インデックス「駄目、なんだよ……」

インデックス「魔術は、有毒なんだよ。また、使おうなんてしたら、あなたの、精神が……」

ペガサス「……!」

ペガサス「……」フッ…

インデックス「けほっ……ごほっ」

上条「大丈夫か?」

インデックス「うん、平気……」

ペガサス「……ソーリー、シスター・ガール。ソーリー……」

67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:25:25.72 ID:Nh7Doqino

インデックス「……下りてきた天使は、あなたの大切な人?」

ペガサス「……」

インデックス「あれは、そんなものじゃないんだよ。あなたのイメージを形にしただけ……」

ペガサス「……」

インデックス「……死者の蘇生なんて、諦めた方がいいと思う」

ペガサス「……!」

ペガサス「……ユーは……ユーなら、死者を蘇らせる魔術を知っているのではないですか?」

68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:26:46.38 ID:Nh7Doqino

インデックス「し、知らない」

ペガサス「私に隠し事は通用しません」

ペガサス「ユーの頭の中には10万3000冊もの魔道書があると聞きました。
      その中には死者蘇生の魔術もあるはずです」

ペガサス「……おねがいします。どうか私に魔術を教えてください」

インデックス「……駄目なんだよ。魔術師じゃない人間には……ううん、たとえ魔術師でも危険かも」

インデックス「使うのが難しいとかそれ以前の問題なんだよ。
        そんな魔術、知っただけで精神が壊れちゃう……」

ペガサス「……」

ペガサス「では、ユーの心に直接訊くことにしましょう」

ペガサス「マインド・スキャン!」

上条・インデックス「!?」



70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:29:04.97 ID:Nh7Doqino

ペガサス「……っ」

ペガサス(な、なんだこれは……! これが、魔術……?)

ペガサス(あ、頭が……心が浸食されていく……!)

インデックス「な、何してるの!? まさか――」

自動書記「――警告。書庫内への侵入者を確認。書庫の保護のため、侵入者を迎撃します」

上条「イ、インデックス!?」

73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:31:40.50 ID:Nh7Doqino

ペガサス「ぐ……ぅ……」

ペガサス(死者の……蘇生……)

上条「ペガサスさん!」

ペガサス(もう一度……もう一度シンディアに……っ!)

ペガサス「ウオオオォオォオォォォオォオォォォオォオォ……!!」

ペガサス「……あ、ぁ……」

ペガサス「」ガクッ

上条「ペガサスさん!? ペガサスさん!」

自動書記「……魔道書の汚染による侵入者の沈黙を確認。
       閲覧された魔道書を特定。汚染の程度は高く、再起は不能であると推測。
       現状、危機は回避したとみなし、肉体の安静を優先。自動書記を休眠します」

インデックス「……う……」ドサッ

上条「インデックス! ペガサスさん!」



75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:34:42.29 ID:Nh7Doqino

とある学生寮



刀を携えた女「ステイル! 無事ですか!?」

ステイル(肉)「う……。神裂、か……」

神裂「!? ぶほぉっ」

ステイル(肉)「? どうした神裂」

神裂「ぶふぅ……! うぐっ」

ステイル(肉)「神裂?」

神裂「こっちを……向かないでください……っ」プルプル

ステイル(肉)「??」

79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:37:28.03 ID:Nh7Doqino



「わわわ、どうしたです? 外国人さん二人もおんぶして……。罰ゲームか何かです?」

「すみま、せん、先生。どうか、何も言わずに、匿ってください」

「え? え?」



ペガサス(シンディア……)



「シスターちゃんが目を覚ましたですよ!」

「私は、大丈夫……。あの人は……?」

「まだ……」



ペガサス(ずっと一緒だと誓ったのに……どうして……)



「……明るくてひょうきんなだけの人だと思ってたけど……」

「抱えてる深い闇を隠すために、わざとそう振る舞ってたのかも……」


81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:38:55.63 ID:Nh7Doqino

ペガサス「……」パチ

ペガサス「……」

ペガサス「……ここは……?」

幼女「あ、お目覚めですね」

上条「ペガサスさん!」

インデックス「嘘……。いくらなんでも早すぎるんだよ……」

ペガサス「当麻ボーイ……。シスター・ガール……」

インデックス「……でも、よかった……。おはよう、ペガサス」

ペガサス「……グッドモーニング」

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:40:22.52 ID:Nh7Doqino

ペガサス「私は……あれから……?」

上条「えーっと……何から話せばいいのか……」

上条「……ペガサスさんが気を失った後インデックスも倒れて、それでペガサスさんだけでも病院に、
    と思ったんですけど……」

上条「魔術的なダメージだったら、インデックスが近くにいた方が助かるし、
   だけどそのインデックスは倒れてて……」

上条「……だから、担任の月詠小萌先生を頼ることにしたんです。二人を匿ってくれるように」

幼女「です」

ペガサス「……では、ここは当麻ボーイのティーチャーの家という訳ですか……」

幼女「です」

ペガサス「すぐにでもお礼を言いたいのですが、今はいらっしゃらないみたいですネ。
       ……こちらのかわいらしいお嬢さんはお子さんですか?」

幼女「です!?」

上条「あー……その人が月詠小萌先生です」

小萌「です!」

ペガサス「……当麻ボーイ。ユーはジョークが下手ですネー」

83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:42:32.93 ID:Nh7Doqino

ペガサス「このシティに来て、色々目にしました。高性能な機械、能力者、魔術師……。
       その度に驚いてきた訳ですが……」チラ

小萌「?」

ペガサス「正直、今が一番びっくりしてマース」

小萌「どういう意味ですか! 失礼です!」

ペガサス「ソーリー、小萌ガール……いや、ミス月詠」

ペガサス「寝る場所を貸してくれたこと、ベリー感謝してマース」

ペガサス「運んでくれた当麻ボーイもサンキューデース。持つべきものは友ですネー」

ペガサス「……ところで、今日は何日なんでしょう? ずいぶんと眠ってた気がしマース」

上条「七月の二十三日です」

ペガサス「オー、3日近く眠ってた訳ですか。少し寝すぎましたかネ」

インデックス「ううん、そんなことないんだよ。むしろ早すぎるくらいなんだよ……」

84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:44:14.05 ID:Nh7Doqino

ペガサス「シスター・ガール? どういうことですか?」

インデックス「それは……」

インデックス「……」

小萌「!」

小萌「せ、先生、買い物行く予定だったの忘れてたです。急いで行ってくるですよ」タッタッタ

上条「小萌先生……すみません」

小萌「なんで上条ちゃんが謝るのか、先生全然わかんないですー」ガチャ

バタン


85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:46:53.36 ID:Nh7Doqino

インデックス「……ペガサスは、人の心が読めるんだよね」

上条(そういえば魔術師と闘ったときそんなことを言ってた気が……。
   あの後息つく暇もなくて忘れてたけど)

ペガサス「……」

ペガサス「イエス。そのとおりです。
      ただ、今みたいに疲れているときは、力は使わないようにしていますが」

インデックス「あなたは私の記憶から、死者蘇生の魔術を知ろうとした……。
        死者蘇生に関する記憶、全てに目を通そうとしたんでしょ」

インデックス「古今東西、禁忌とされている魔術……死者蘇生が載っているような魔道書は、
         魔道書の中でも特に危険なものばかりなんだよ。
         少し目を通しただけで廃人になってしまうくらい……」

インデックス「それなのにあなたは回復した。
        それもたった3日で。そんなの、実力のある魔術師でも難しいんだよ」

ペガサス「……」


86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/23(水) 23:48:16.83 ID:Nh7Doqino

ペガサス「……何故私が魔道書に汚染されなかったのか。
       それはおそらく、この千年眼(ミレニアム・アイ)があったからでしょう」スッ

上条(左の義眼……)

インデックス「ウジャト眼……ホルスの眼だね。エジプトの様々なものに使われるシンボルなんだよ」

ペガサス「イエース。これはエジプトで手に入れた物デース」

ペガサス「……ユーたちには本当に感謝しています。それに、ベリー迷惑をかけてしまいました」

ペガサス「私だけがサイレンス、なんて訳にはいきまセーン」

上条「ペガサスさん……」

ペガサス「全てをお話ししましょう。この千年眼のことを。
      私のことを。そして、シンディアという少女のことも」


112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:06:24.07 ID:+fTyhqCuo

ペガサス「」スッ

上条「カード……」

インデックス「きれいな女の人……」

ペガサス「彼女がシンディア……。7年前、わずか十七歳にしてこの世を去った、私の恋人です」

ペガサス「出会いは14年前……。社交場で、父の友人の娘である彼女と出会いました」

ペガサス「いつしか私たちは互いに魅かれ合っていきました……」

ペガサス「二人はよく夢の話をしました。絵を描くのが好きな私は画家として成功すること……。
       体が丈夫でないシンディアは見知らぬ異国を旅すること……」

ペガサス「私たちは生涯を誓い合い……」

ペガサス「……私が十七になってまもなく、シンディアは病でこの世を去りました……」

上条「……」

インデックス「……」

113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:08:21.74 ID:+fTyhqCuo

ペガサス「シンディアの死から数ヶ月、私は絵を描き続けました。……彼女の絵も、何枚も描きました……」

ペガサス「それでも、私の心のカンバスはずっと真っ白なままでした……」

ペガサス「……気づけば私はエジプトを訪れていました」

ペガサス「古代エジプトの、魂は永遠のものとされる死生観に興味を持ったためです」

ペガサス「エジプトの遺跡や砂漠は素晴らしいものでしたが、私の心の空白を埋めてくれる景色はなかった……」

ペガサス「……私はとある村を訪れました。そこで一人の少年に出会ったのです」

ペガサス「少年と会話したのは少しの間だけですが……そのとき聞いた言葉が気になり、
       こっそりと後を追うことにしました」

ペガサス「……思えば、あのとき少年を追わなければ……」

ペガサス「……いえ、全ては運命だったのかもしれませんネ。私がエジプトを訪れたのも、何もかも……」フッ

上条・インデックス「?」



114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:09:49.81 ID:+fTyhqCuo

ペガサス「……辿り着いたのは隠された地下神殿でした。そこで私は男たちに取り押さえられてしまったのです」

ペガサス「少年は私に言いました。ここを立ち去るには千年アイテムの所持者に選ばれるしかないと」

ペガサス「そして少年が手に取ったのが――」

ペガサス「――この、千年眼です」

115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:14:07.20 ID:+fTyhqCuo

ペガサス「千年アイテムは所有する人間の魂を試す……。
       所持者として相応しくなければ全身を焼かれ、殺されてしまうのです」

ペガサス「しかし、もし認められたなら、千年眼は所持者の願いを叶えてくれる……」

ペガサス「冥界の扉を開け、シンディアと会うことを願い、私は千年眼の試練を受けたのです」

ペガサス「……左目を抉り取り、そこに千年眼を埋め込みました……」

上条「う……」

ペガサス「激痛に私はのたうち回り、血の涙を流しました……」

ペガサス「そして、奇跡は起きたのです」

ペガサス「光が私を包み……そこには私の求める景色があった」

ペガサス「シンディア」

ペガサス「それは、ほんの一瞬の再会でした……」

ペガサス「そして千年眼は私を受け入れたのです……」


116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:20:15.69 ID:+fTyhqCuo

上条「……」

インデックス「……」

ペガサス「この千年眼によって、私は他人の思考、すなわち心を視ることができるようになりました」

ペガサス「それと同時に『闇の番人』の資格も得たのです」

上条「闇の、番人……?」

ペガサス「千年アイテムに選ばれた者は、
     人知を超えた『闇のゲーム』を仕掛け、敗者に罰を与えることができるのです」

ペガサス「マジシャン・ボーイとの決闘で見せたあれデース」

上条「じゃあ心が読めるのも、カードの内容を現実に起こしたのも、能力や魔術じゃなくて……」

ペガサス「イエース。この千年眼の力デース」

117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:22:03.81 ID:+fTyhqCuo

ペガサス「この千年眼は呪われたアイテム……。闇の力を持っています」

ペガサス「それが魔道書の毒を防ぐ形となったのかもしれません。
       あるいは、私が『闇の番人』だから汚染を免れたのか……」

ペガサス「シスター・ガール。ユーの10万3000冊の魔道書の中にエジプトの魔道書は……」

インデックス「うん、もちろんあるんだよ。エジプトは神秘と魔術の国だから」

インデックス「有名なものだと『死者の書』や『カーナックの書』。
        ヘルメス文書にエメラルド・タブレット……」

インデックス「出展はエジプトじゃなくても関係のある魔道書は多いんだよ。
         あのアレイスター=クローリーの『トートの書』も、
         エジプトの魔術について書かれてるんだよ」

ペガサス「オー! 『トートの書』! 私にも馴染み深い名前デース」

ペガサス「三千年前のエジプトでは魔術師が魔物を操り、闘っていたという言い伝えがあるのデース」

ペガサス「それが形を変えたのがタロットとも、またタロットがカードゲームの原点ともいわれていマース」

ペガサス「私がM&Wを生み出したのも、エジプトでの体験をもとにしているのデース」

118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:23:10.09 ID:+fTyhqCuo

ペガサス「おっと、つい話を遮ってしまいました。ソーリー、シスター・ガール」

インデックス「う、うん。とにかく、私の中にはエジプトの魔術の知識もたくさんあるんだよ」

インデックス「……だけど千年アイテムなんて今初めて知ったんだよ。魔道書にそれらしい記述は……」

ペガサス「そうですか……。何かわかるかもと思ったのですが、残念デース」

インデックス「ごめんね……」

ペガサス「ノー! ユーが謝ることなんてありまセーン!」

ペガサス「……謝るべきなのは、むしろ私の方です」

インデックス「え?」

119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:24:52.70 ID:+fTyhqCuo

ペガサス「ユーの傷を治した後、私はユーに手荒な真似をしてしまった……。衰弱していたユーをです」

ペガサス「それなのに、あのときのユーは――」



――魔術は、有毒なんだよ。また、使おうなんてしたら、あなたの、精神が……――



ペガサス「自分の身よりも私を、こんな私を心配してくれた……」

ペガサス「それだけではありません。そのユーに対して私はマインド・スキャンを……。
       ユーの優しさを踏みにじるような愚かな真似を……」

インデックス「ペガサス……」

ペガサス「すみません」

ペガサス「すみません……。すみません……」


120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:27:19.33 ID:+fTyhqCuo

インデックス「……訊いておかなければいけないことがあるんだよ」

インデックス「ペガサスは死者蘇生の魔術を理解してしまったの? それとも……」

ペガサス「……正直に言いますと、ほとんど理解できませんでした」

ペガサス「内容が難解だとか複雑だとかいう以前に、
     もっと根源的なところで……本能が理解を拒むように感じました」

ペガサス「ただ、直感ですが……」

ペガサス「私が目にした死者蘇生に関する数々の魔術、その全てが――」

ペガサス「不完全で、しかも大きな代償を必要とする……そんなものだったと思います」

インデックス「……死者蘇生なんてそんなものなんだよ。
         できたとしても、せいぜい用意した器に魂を無理矢理縛りつけておくことくらい……」

インデックス「それでも、ペガサスは魔術を使いたい? シンディアを無理矢理連れ戻したい?」

ペガサス「……ノー。そんな形でシンディアと一緒にいたいのではありません。
       なにより、彼女を苦しめるようなことはできません」

ペガサス「誓います、シスター・ガール」

ペガサス「もう死者蘇生の魔術を使おうとは思いません。
       ユーの記憶を覗いて魔術を知ろうとすることも、二度としないと誓います」

121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:29:32.59 ID:+fTyhqCuo

インデックス「……それなら、ペガサスが謝る必要はないんだよ」

インデックス「ほんの少し間違えちゃっただけで、ただシンディアに会いたかっただけなんだから……」

ペガサス「……こんな私を、ユーは許すというのですか……? 何故……」

インデックス「だって、私はシスターさんなんだよ! 迷える子羊を救うのも大切なお仕事なんだよ!」

ペガサス「シスター・ガール……」

ペガサス「……懺悔って、シスターさんが聞いていいんでしたっけ?」

インデックス「あ」

ペガサス「そもそも私は旧教の信徒ではないのですが。
      たしか未信者は赦してはいけない決まりがあったはずじゃ……」

インデックス「あ、あ、大丈夫なんだよ。何が大丈夫かはわからないけど、絶対大丈夫なんだよ、たぶん」

ペガサス「……」

ペガサス「……プ」

ペガサス「アハハ、ハハ、ハハハハハ……」

インデックス「ペガサス?」

ペガサス「ありがとう、シスター・ガール。サンキュー・ベリーマッチ」

インデックス「……うん! どういたしまして!」

122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:30:50.22 ID:+fTyhqCuo

ペガサス「しかしこの部屋は散らかってますネー。ん? これはデリバリーのチラシですか……」ペラ…

ペガサス「オー! アイ・ハヴ・ア・グッド・アイディア!」

上条「?」

「は、入っても大丈夫ですー?」

上条「小萌先生だ。……ええ、大丈夫ですよー」

ガチャ

インデックス「おかえり、こもえ」

小萌「ただいまですー。……ペガサスさん、何してるんです?」

ペガサス「テレフォンをお借りしますよ、ミス月詠」

ペガサス「みなさんへのお礼と、シスター・ガールと私の快復祝いデース!」



123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:33:50.72 ID:+fTyhqCuo

上条「う」

小萌「わ」

インデックス「あー!」キラキラ

ペガサス「どうぞ遠慮せず食べてくだサーイ!」ドン☆

上条「特上の寿司や刺身がこんなに……」

小萌「公務員の薄給ではとても頼めないようなのがいっぱいです……」

インデックス「いただきますなんだよー!」

上条「こんな高級な物、貧乏に慣れた上条さんの胃袋が受けつけるんでせうか……」

小萌「こ、これ本当にいただいちゃっていいんです?」

ペガサス「気にしないでくだサーイ。私はお金持ちなのデース」

インデックス「おいしいんだよ! すっごくおいしいんだよ!
         とうまに食べさせられた酸っぱいパンと野菜の何百倍もおいしいんだよ!」バクバク

上条「貧乏学生の食事情と比べんなよ……。というか、おまえあれおいしいって言ってたじゃねえか!?」

インデックス「お世辞に決まってるんだよ! 実はずっと根に持ってたかも!」バクバク

上条「ああ、それはいいけどそんな雑に喰うなよな。滅多に食べられるもんじゃないのに……」ハラハラ

124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:35:37.53 ID:+fTyhqCuo

ペガサス「私もいただきましょう。この白いのは……ノー、イカですか。シスター・ガールにあげマース」ポイ

インデックス「ありがとうなんだよペガサス!」バクバク

ペガサス「何かドリンクは……」ガチャ

ペガサス「ノー。ビールしかありまセーン」

ペガサス「ミス月詠。贅沢を言う訳ではありませんが、最高級のワインは置いてないんですか?
      あとゴルゴンゾーラ・チーズも」

小萌「世間一般ではそれはめちゃくちゃ贅沢言ってるですよ……。
    私はビールしか飲みませんし、チーズは……おつまみのチーかまくらいしかないのです」

ペガサス「オー、バッドニュースデース。ビールなんて口にできまセーン……」


125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:37:12.88 ID:+fTyhqCuo




ペガサス「――アッハッハッハッハ! ビールもなかなかいけますネー! アッハッハッハッハ!」

小萌「でしょー? ひっく。ドイツのビールとも違う、日本の誇る文化ですー。ひっく」

ペガサス「この『チーかま』とかいうのも悪くありまセーン! アッハッハッハッハ!」

上条「あーあー、二人ともすっかりできあがっちまって……」

インデックス「とうまー、それ食べないなら私にちょうだい」バクバク

上条「ダメだ! こんな高いもん、もう一生喰えないかもしれねえ。今喰えるだけ喰っとかないと……」

126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:39:22.67 ID:+fTyhqCuo

ペガサス「一番、ペガサス・J・クロフォード! 腹踊りやりマース!」

小萌「やんややんやですー。ひっく」

インデックス「」モグモグ

ペガサス「当麻ボーイ! あなたも一緒にやりなサーイ!」

上条「ペガサスさん、酒癖悪かったんですね……ってくさっ! 酒くさっ!」

小萌「上条ちゃんの、ちょっといいとこ見てみたいー! です。ひっく。う……」

上条「ああ、小萌先生、そのへんでやめとかないと……」

インデックス「いただきますなんだよ」バクバク

上条「ああっ!? 俺のフグゥゥゥゥゥ!」

ペガサス「アッハッハッハッハ! アーッハッハッハ! イーッヒッヒッヒ! ウフフフフ……」

小萌「ひっく。うぷ。ちょっと、トイレ……。ひっく。おえ」

インデックス「」モグモグガツガツバクバクゴックンモグモグ…

上条「ふ、不幸だああああああああああ!」

※集合住宅で騒ぐのはやめましょう。他の部屋の住民にとって迷惑です。すごく迷惑です。


127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:42:14.48 ID:+fTyhqCuo



インデックス「すー……。すー……」

小萌「くー……」

ペガサス「がーっ。ごーっ。ぴゅるるるるるる……」

上条「だー、もう。みんな世話の焼ける……」

上条「片づけたのも、布団を敷いてみんなを運んだのも、
   ついでに小萌先生の背中さすり続けたのも全部俺……」

上条「不幸だ……」ハァ

上条「……」チラ

ペガサス「ぐがーっ」

上条「……恋人や千年眼のことを話してたときはすごくシリアスだったのに……。ほんとに同一人物かぁ?」

上条「ふわ……。……俺ももう寝よ……」

上条「……ぐー……」



ペガサス「……」



128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]:2011/03/25(金) 10:46:16.81 ID:+fTyhqCuo

ペガサス(シンディア……)

ペガサス(たとえ魔術を使ったとしても、君を取り戻すことができないなんて……)

ペガサス(願いを叶えるという千年眼をもってしても、君に会えたのは一瞬だけだった)

ペガサス(君に会えるかもしれないと希望を抱き、それが叶わないと知り、絶望することの繰り返し……)

ペガサス(……悲しいよ。苦しいよ、シンディア……)

ペガサス(君を諦めれば、この苦しみから解放されるのだろうか……?)

ペガサス(それとも、たとえ諦めたとしても、苦しみは続くのだろうか……)

ペガサス(……自ら命を断とうとは思わない。そんなことをすれば君と同じ所には行けない気がする)

ペガサス(自殺はしない。……しないけれど……)

ペガサス(……こんなに辛いのなら……いっそのこと……)

130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 12:53:54.72 ID:9m1MSJPoo
これは王国編前のペガサスでいいのかな?

131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/03/25(金) 14:45:04.74 ID:jdYXcEvP0
>>130
トムがキースに勝利した時から遊戯の部屋にビデオを送るまでの間の時期だと思う

132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)[sage]:2011/03/25(金) 20:13:38.38 ID:sJ/DkK1AO
スレタイからは予想つかんほどしっかりしたSSだな


ペガサス「当麻の勝ちデース!」2




posted by JOY at 13:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 禁書クロスSS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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