2012年09月12日

一方通行「俺と契約して魔法少女になンねェか?」まどか「…え?」2

218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:17:58.48 ID:RxpQhYcao
御坂「遅ーい!何してたのよ」ガチャッ

幼年通行「ちょっとな…なンだよオマエこンないい部屋とってやがるのか」トテトテ

杏子「いっちばん高いとこの広い部屋なんだぜ!」フフン

さやか「ちゃんとお金払える訳?」

杏子「う……」

幼年通行「なンだ金ねェのか?そのくらいなら払ってやるよ。ンで、さやかってのはオマエか」

さやか「そのくらいって、スイート連泊料金なんデスケド……」

杏子「このとおり、さやかはちゃんと元に戻ったよ。アンタのお陰だ」

さやか「あたしのソウルジェムを取り戻してくれたんだよね?ありがとう」

幼年通行「行きがかり上ついでにやったまでだ、礼を言われる程の事はしてねェよ」

さやか「なんだろうちびっこなのに言動がやけにシブい」

幼年通行「礼ならそこの露出狂に言ってやれ。元に戻せたのはソイツの力が大きい」

さやか「そっか…お姉さんありがとうございました!」ペコリ

結標「いいのよ。あとでちゃあんと報酬をいただくつもりだから」ニヤリ

幼年通行「……」ゾワワワ

杏子「どっかおかしいとこないか?体はちゃんと動くのか?」

さやか「あんたって意外と心配症だったんだね。大丈夫、このとーり!」ノビー

幼年通行「一応チェックしとくか…オイ、もう一回横になれ」

さやか「チェックって何?」ビクビク

結標「あーくんはあらゆる事象を観測できるのよ。貴女の体の機能が正常に働いてるか見るって訳」

さやか「へえ、なんだかすごいなあ…じゃあ、あーくん先生よろしくお願いしまーす」

幼年通行「……」←もう呼び方にツッコミ入れるのは諦めた

219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:18:25.25 ID:RxpQhYcao
杏子「なあなあ、どうなんだよ」ソワソワ

幼年通行「静かにしてろ……ン、心拍、血圧、脳波、呼吸器正常。ちっと消化器系の血流が悪ィな」

杏子「ええ!?」ガーン

幼年通行「いちいちうるせェなァ…ここ数日メシ食ってなかったせいだろ、何か食えばすぐ戻る」

さやか「……本当に、それだけ?」

幼年通行「なンだよ文句あンのか」

さやか「この身体って魂が入ってないゾンビでしょ?それが正常だなんて信じられなくて」

杏子「さやか…」

御坂「ねえ…アンタはどこまで知ってたの?」

幼年通行「あン?」

ほむら「あなたが来る前に大体のことは話しといたわ」

幼年通行「いたのか」

ほむら「……」イタンデス

御坂「このソウルジェムは抜き取った魂で……穢れがたまりすぎると魔女になるんですってね」

幼年通行「そォいう事らしいな」

御坂「知ってたの?」

幼年通行「ソウルジェムが魂だって事はな。いくらなんでも魔女が行き着く先とは思わねェよ」

220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:18:52.83 ID:RxpQhYcao
御坂「なんで教えてくれなかったのよ」

幼年通行「知ったのはオマエが足切断やらかした直後だったからな。メンタルが持たねェと判断した」

御坂「そう……確かに、あの時知っちゃたらどうなってたかわからないわね」

さやか「せっかくソウルジェムを取り戻して貰ったけどさ…これからゾンビとして過ごすくらいならいっそ…」

杏子「さやか!それ以上は言うんじゃねえ!」

幼年通行「……魂が外部に出て物質化してる、ってそンなに騒ぐような事か?」

御坂「アンタねえ!当たり前でしょ!?」

さやか「だって化け物じゃない!」

幼年通行「俺ァ魔法少女でもねェし魂とやらもおそらく体内にあるンだろォが『化け物』だぞ」

御坂「あ…」

さやか「は?何で?どこがよ」

御坂「……コイツは、学園都市第一位の超能力者なのよ」

さやか「学園都市ってあの科学の街の!?こんな小さい子が一番強い超能力者!?」

幼年通行「そンな訳で気づいた時には常に化け物扱いだ。コイツも初対面から化け物呼ばわりだったし」

御坂「あ、あれはだって…」

幼年通行「文句言うつもりはねェよ。俺だって自分が化け物なのは認めてるしな」

さやか「なんでよ……確かにちょっと髪とか目とか変ってるけどあんたは普通の人間じゃない」

幼年通行「軍相手でも核爆弾を喰らっても傷一つつかない、触れるだけで人を殺せる奴が普通だと?」

さやか「え…マジでそんな事できるの?」

幼年通行「俺の周りの奴らはその事を知ってた。いつか自分がやられると思って常にビクビクしてやがった」

221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:19:19.85 ID:RxpQhYcao
さやか「……ウサギみたいなのに実はそんな暴れまわってたの?」

幼年通行「誰がウサギだ!見境いなくンな事しねェよ。自分の力がどォいう結果をもたらすかくらい自覚してる」

結標(自覚しててアレなんだ……)

幼年通行「オマエはどうなンだ?自分に力があるとわかったら、そこらの人間を殺してみたくなるか?」

さやか「そんなわけない!」

幼年通行「だろ?だいたい暴れたり殺したりなンざ後始末がクッソ面倒なのにやってらンねェっての」チッ

さやか(……なんか実感こもってて怖いんですけど……)

幼年通行「人が他者を『化け物』だと判断するのは『異物』が『自分に害を成す可能性があるかどうか』だ。
     オマエのはどォ見ても一般人だし自分からひけらかしたりしない限りは周りに知られる事もねェ。
     化け物らしい振る舞いをするつもりもねェ、ってンなら何の問題もねェだろ」

さやか「そう……なのかな」

幼年通行「だいたい、魂がソウルジェムになったのなンて人工臓器で生きてる奴らとそォ変わンねェだろ」

さやか「そんなおおざっばな」

幼年通行「実際体の一部が別なもンに置き換わっただけじゃねェか。
     そンなもンいちいち気にしねェよ。オマエが思ってる程他人はオマエに関心はねェンだ」

さやか「う…あたしが自意識過剰みたいじゃん」

幼年通行「そう言ってンだ。他人にとってはオマエの魂がどこにあろうがどォでもいい。
     オマエの周りの人間…家族や友人なンかはどォだ。魔法少女のオマエを化け物だと言う奴らか?」

さやか「……」

幼年通行「あのまどかってガキなンざ魔女になったオマエを助けたいって結界の中まで来てたンだぞ。
     そこの赤毛もボロボロになってもオマエを必死で元に戻そうとしてた。
     化け物の為にそンな事しねェだろ」

さやか「そうだね……あたしは自分の事しか考えてなかった…
    まどかなんてずっと一緒にいてくれて、あたしのことずっと心配してくれてたのに」

幼年通行「化け物かどうかなンざ、オマエの場合気持ちの持ちようだろ」

222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:19:46.03 ID:RxpQhYcao
さやか「でも、こんなんでこれから普通に友達作ったりできるのかな……か、カレシトカゴニョゴニョ……」

幼年通行「できンじゃねェ?明らかに人間じゃねェ奴を友達だって言う奴もいるし」

御坂「なんかすごい心当たりがあるんだけどまさか」

幼年通行「三下が」ウン

御坂「三下って言うなって言ってんでしょ!」

幼年通行「チッ……上条が、AIM拡散力場で出来た実体のねェ奴を『俺の友達』っつって」

さやか「か、かみじょう!?」ガバッ

幼年通行「うォ!? あ、あぁ上条が『実体は無くてもすごく人間らしくて優しい友達』って…」

さやか「そ、そっかあ人間じゃなくても仲良くできるのかあ…」エヘヘ

御坂「なになになんなのアイツは学園都市の外でもフラグ建ててたって事!?」イラッ

さやか「え?そのカミジョウって学園都市の人?」

御坂「そうよ、上条当麻って…」

さやか「じゃあ別人だよ、あたしの言ってるのは上條恭介って…」

結標「キョウスケ?ってどっかで…」

幼年通行「そォいや結界内に貼られてたポスターにキョウスケとかコンサートとか書いてたな」

さやか「え?ま、マジで!? い、いやーまいったなあははは」テレテレ

幼年通行「そォいやそもそもの原因がそのキョウスケなンだっけか?」

さやか「あたしの幼なじみでバイオリンやってる奴なんだけどさ…事故で腕が動かなくなっちゃったんだ」

御坂(バイオリン…同じカミジョウでも全っ然違うわね…)

結締「それで、契約の魔法で治したのね」

幼年通行「腕くらい魔法に頼らなくても医学でどォにでも出来たンじゃねェ?」

御坂「アンタねえ…ほんっと無神経ね!」

幼年通行「なンだよ…」

さやか「お医者さんに治る見込みはないって言われちゃったんだ。
    …あたしは、あいつのバイオリンが好きだったから。その為なら戦いの運命だって、って…」

御坂「さやかさん……」

223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:20:17.97 ID:RxpQhYcao
さやか「って思ったのにさー!あいつ、元気になったとたん仁美とイチャイチャして〜〜!」

御坂「え゛……」

さやか「あたしには退院したことも知らせなかったくせにいいいい」ゴロンゴロン

杏子「おい、落ち着けよ」オロオロ

ほむら「彼女が魔女化した主要な原因がコレよ」

結締「わからなくも無いわね、私もあーくんが取られたら何するかわからないもの」

幼年通行「……」サッパリワカラナイ

御坂「……さやかさん!わかるわ!」ガシ

さやか「ふぇ?」

御坂「そうよね、なんであーやってホイホイ女の子と関わるのかしらね!」

さやか「……! あたしの気持ち、わかる!?」

御坂「わかる!わかるわ!そりゃー、彼女って訳じゃないけどさー、もうちょっとこう…」ゴニョゴニョ

さやか「だよね!別に見返りを求めるわけじゃないけど、配慮してくれたっていいじゃないって思うよね!」

御坂「ほんっとそう!ってか、いっつもニブいくせして他の子に対しては気使い見せてんじゃないのよ!」

さやか「うっわあるあるすぎて怖いわー…なんだろね、気を使わなくてもいいとでも思ってるのかな」

御坂「気を使わないって、良く言えば家族みたいな近い間柄ってことかも知れないけどさー」

さやか「そうだね、あいつは幼なじみだし一緒にいるのが当たり前って感じだったしなあ」

御坂「いいなーそういうの…ねえねえ、じゃあお互いの家に行ったりするんだ?」

さやか「ま、まあ…小学校の頃は休みの日に泊まりに行ったりとか」エヘ

御坂「うわー!うわー!」


キャッキャウフフ


幼年通行「……ありゃァもうほっといても大丈夫だろ」

ほむら「……そうね」


224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:20:54.14 ID:RxpQhYcao
結締「魔法少女が魔女になるのはわかったけど何のためにキュゥべえはそんな事をしてるのかしら」

幼年通行「キュゥべえが魔法少女を作る理由は『エネルギー』が目的みてェだな」

御坂「エネルギー?」

幼年通行「アレの言うことを整理すると、人間の感情をエネルギー利用できる形にしたのが魔力ってところか」

御坂「魔力が目的で魔法少女を?魔女退治じゃなく?」

幼年通行「その『魔女』は元は魔法少女な訳だしな、目的を果たした後に生まれる残骸ってところだろォな」

さやか「残骸だなんて…!完全に使い捨てってことじゃない」

幼年通行「そォいうこった。アイツは俺たちとは全く別の思考理論で動いてやがる。
     こっちの常識は通用しねェと思っといていい」

御坂「魔力が目的なら、魔女にならないようにした方がいいんじゃないの?
   魔女の力は確かに強大だったけど、制御も難しそうだし汎用性に欠けると思うのだけど」

幼年通行「アイツの目的は『魔法少女』から『魔女』へ昇華する際の転移熱だろォな。
     ソウルジェムに『穢れ』と言われている力が作用して転移点を超えると相転移が起こるンだ」

さやか「な…ナルホド」ワカラン

杏子「え?さやかわかったのか?どういうことだ?」キョロキョロ

幼年通行「ザックリ分かりやすく言うと魔法少女システムは原子力発電みてェなもンだ。
     魔法少女と絶望でエネルギーを発生させて、使用済燃料として魔女が残る、と」

ほむら「私達はあいつの利益の為に利用されているのよ」

さやか「そういうことか……ねえ、転校生…じゃないや、暁美さん」

ほむら「何かしら」

さやか「あんたが契約を邪魔しようとしてたのって、この事を知ってたから?」

ほむら「目的までは知らない。私が知っていたのは『魔法少女はやがて魔女になる』という事だけよ」

さやか「言ってくれたらよかったのに」

ほむら「こんな突拍子もないことを初対面の相手に言っても信じてもらえないわ。
   『今まで』一度も信じてもらえた事がないし…余計に不信感を募らせるだけだったもの」

さやか「確かにこんな事目の前で起こっても信じられない…信じたくないもんね…ごめん」

ほむら「いえ……」

さやか「あんたにも杏子にも忠告してもらったのに勝手に敵視して耳を貸さなかった結果がこれだもん。
    あたしってほんとバカ」

杏子「いいじゃねえかもう仕組みは判ったんだし!今まで通り魔女を狩ってりゃすむ話じゃねえか」

さやか「今まで通りなんて出来ると思うの!?
    奇跡だと思ってた魔法がこんなろくでもない呪いだったんだよ!?」

225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:21:35.59 ID:RxpQhYcao
幼年通行「うるせェな…ちったァ落ち着け」

さやか「こんな状況で落ち着くなんて出来るわけないよ!」

幼年通行「いいか、オマエをそンなふうにしたのは奇跡でも呪いでも魔法でもねェ」


幼年通行「ただの科学だ」

さやか「科学……?」

幼年通行「魂だか感情だかをエネルギーと定義して、それを運用する為の公式やプログラムがあるンだ。
     ってこたァソイツを逆算してやりゃァ元に戻す事が出来る筈だ」

さやか「ほ、ほんと!?」

御坂「ただの科学って…こんな技術みたことも聞いたこともないわよ」

幼年通行「そりゃァそォだろ。アイツらの科学技術は人類の遙か先を行ってるみてェだからな」

さやか「そんな…それじゃやっぱり戻るなんて無理なんじゃない」

幼年通行「話は最後まで聞けっつゥの。確かにコッチの技術力は全く追いついてねェ。
     だが、理解不能な訳じゃねェ。少なくとも魔女化したオマエを元に戻すことは出来たンだからな」

ほむら「魔女に変化したソウルジェムを取り戻すなんて、前代未聞よ。未だに信じられないわ」

幼年通行「俺は学園都市第一位だと言ったが、何で第一位だと思う?
     『あらゆる現象を観測し、逆算し、本物に近い推論を導きだし変換する能力』があるからだ」

さやか「な、なに?どういうこと?」

幼年通行「ようするに魔法少女っつゥ仕組みを推理して行けば戻す方法も見つけられるンだよ」

杏子「推理って言ったって、こんな訳のわからないことをどこから推理するのさ」

幼年通行「頭の出来が違うンだよ。俺にとっては科学なンざ暇つぶしレベルだ。
     30年先を行く学園都市の技術の8割くれェは俺が関与してンだぞ」

御坂「8割っていくらなんでも大げさでしょ」

幼年通行「これでも少なく見積もってンだがな…
    最近はあんまり関わってねェけど今でも特許料や技術協力費で年間3000億は入ってくるしな」

さやか「さ、さんぜんおく…」

杏子「ちょうかねもちじゃん…」

御坂「私でも年間50億程度なのに桁違いじゃない。流石腐っても第一位よね」

さやか「ごじゅうおく…」

杏子「ナニコレ単位ペリカだっけ?アレ?」

幼年通行「ソイツは学園都市第三位だ。ついでにあっちのは学園都市一の11次元演算能力を持ってる。
    このメンツで把握しきれねェ科学式の方が珍しいだろォよ」

杏子「」ヨクワカンナイケドナンカスゴイ

226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:22:05.06 ID:RxpQhYcao
さやか「じゃ、じゃあ元の普通の人間に戻れるの…?」

幼年通行「何度同じ事を言わせる気だ。今すぐじゃねェが、そう遠からず解明できるだろォよ」

御坂「本当? 私ほとんど意味わからないんだけど」

幼年通行「オマエらにはまず俺の観測した現象を説明するところからだな。
     それが済ンだら後は簡単だ、既存の物理法則から外れた部分だけ考えりゃいい」

結締「11次元演算なんてあまり関係無さそうだけど…あーくんだけで結論出せそうよね」

幼年通行「まァな、もう大体の方程式は組上がってるしな。
     …だから、今オマエがすべき事は元に戻れる日まで普通に生活することだ。
     いくらバカでもそのくれェ出来るだろ」

さやか「誰がバカよー!」

幼年通行「自分で言ったンだろォが、オマエだオマエ。
     答えが出ねェ事にグダグダ言うより今やれることをやれっての」

ほむら「そういえば、まどかに連絡はしたのかしら」

さやか「……ううん、まだ…」

ほむら「あの子はあなたが無事に帰ってきたという連絡をずっと待ってる筈よ」

さやか「でもあたし、まどかに酷いこと言っちゃった…」

幼年通行「生きてンなら謝りゃ済む話だ。許す許さねェは相手の判断する事だからな。
     もっとも、魔女になって大暴れしてるオマエを心配するような奴なら気に病む必要ねェだろ」

さやか「大暴れって…あたし、そんな酷かった?」

杏子「かなり」ウン

ほむら「相当」ウン

さやか「ううう…謝らないといけないことが増えちゃったよ…」ズーン

幼年通行「ならさっさと電話しとけ」

227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:22:32.75 ID:RxpQhYcao
さやか「うん……あ、そういえば携帯どこやったかな」

ほむら「私のを使えばいいわ。まどかの番号も入ってるから」スッ

さやか「ありがと。…あんたにも謝らなきゃね」

ほむら「?」

さやか「あんたはあんたなりにこれ以上悲劇が起きないよう気遣ってくれてたんだよね?
    あたしは何にもわかってなかった…勝手に敵視して、嫌な態度とってごめん」

ほむら「いいのよ。わかってもらおうとしてなかったんだから美樹さんの反応は当然だわ」

さやか「それでも。もう少しくらいあんたの言う事を良く考えとくべきだったと思うから。
    それと、まどかは結局あんたのお陰で契約せずに済んでるし。ありがとね」

ほむら「……あなたは、本当にまどかの言うとおり正義感が強いのね

幼年通行「よくできましたァ」ナデナデ

さやか「ちょ、ちょっと!いくらすごい超能力者だからって子供に子供扱いされると恥ずかしいってば」カァァ

結締「ずるいー!ずーるーいー!!」ジタジタ

幼年通行「さァて、ショタコンがうるせェし部屋に戻るか」

さやか「うん。あ、あの、ほんとにいろいろありがとね」

幼年通行「どォいたしまして。さっさと電話して寝ろ」トテトテ

結締「待ってよあーく〜ん」タタタ

御坂「私も部屋に戻るわ。そういえば杏子に会えたら渡そうと思っておみやげ買ってきたのよ」スタスタ

杏子「まじでー? 流石第三位だな!」スタスタ

ほむら「…私も一旦帰るわ。携帯電話は一晩貸しとくから」スタスタ

さやか「うん、ありがと。おやすみ」フリフリ

228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:22:59.23 ID:RxpQhYcao
さやか「にぎやかだったなあ…こんな風に大勢でわいわいしゃべるのって久しぶりだったな」

さやか「……」

さやか「……」ハァ

さやか「………よし!」PrrrPrrr

まどか『…?もしもし?』

さやか「あ、……まどか?あたし」

まどか『その声…さやかちゃん!?』

さやか「うん。…えへへ、かわいいさやかちゃんが帰ってきましたよー!…なんつって」

まどか『……』

さやか「えっと…ごめんね、色々…酷いこと言ったし心配かけたよね」

まどか『……』

さやか「今度会ったら直接謝るから………まどか?」

まどか『うん…グスッ…よかったよぉぉさやかちゃああぁん!おかえりいいいぃ』ウエェェン

さやか「まどか…ごめん、ごめんねえぇぇただいまあぁ!」エグエグ

229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:23:26.46 ID:RxpQhYcao
結締「ねえ、一体どうしたのよ」スタスタ

幼年通行「何がだ」トテトテ

結締「貴方がああやって自分の力を誇示するような事を言うのって滅多にないでしょう」

幼年通行「……あのガキは不安に負けたようなもンだからな。
     理論的に納得させるには相応の裏打ちがあった方が効果的だろ」

結締「だから専門用語使って煙に巻くような事言ってた訳ね」

幼年通行「あン?そンなややこしい事言ってねェだろ」

結締(その辺の自覚はないわけね…まあ、知識のない相手への講釈なんてしたこともないでしょうし)

幼年通行「そォいやオマエはあンまり動揺してねェな」

結締「魔法が使える限りあーくんがいるし、あーくんがいる限りは魔女化はしない自信があるわ!!」キリッ

幼年通行「…あァそォ…」

結締「真面目な話をすると、私は私の能力がなぜ私にあるのか、私である必要はあるのか、ずっと疑問だったのよ」

幼年通行「レムナントを持ちだそうとした理由はそれなンだっけか」

結締「ええ……でも、この魔法少女の能力は私が使うからこそ意味があるって自分でもわかるもの」

幼年通行「そりゃァそォだろォよオマエ以外にこンな愉快なマネ考えつく奴ァいねェだろォしなァ」

結締「でしょお?私ったら超冴えてたわ☆」

幼年通行「……!……!」ベシッベシッ

結締「いたっ、イタイ!まあ、そんなわけで魔法少女の能力は私の中から生まれたんだ、って納得できた訳。
   ってことは、座標移動の力も私の中で何らかの意味があって発現したのかなーって」

幼年通行「レムナントに頼らず結論を出したって事か」

結締「まあね。明確な結論とは言えないけど、ずっと疑問に思ってた事の答えが出せたからスッキリしてるわ」

幼年通行「オマエみてェに割り切れる奴だけが魔法少女になるなら問題ねェンだろォな」

230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:23:53.27 ID:RxpQhYcao
御坂「ちょっとアンタ、さっきさやかの頭なでてた時何かしてたでしょ?」スタスタ

幼年通行「オマエ生体電流まで見えるのかよ」

御坂「はっきり見えるわけじゃないけど、流れが人為的に制御されてるかどうかくらいはわかるのよ!」

杏子「何ー!?てめえ、さやかに何かしやがったのか!?」タタタタ

幼年通行「脳内麻薬を操作しただけだ」

杏子「のうないまやく?」??

幼年通行「アイツはどォも悪い方にばかり考えるよォになってたからな。
     セロトニンとドーパミンの分泌を促進させてやったンだよ」

杏子「」????

御坂「前向きになるようにしたって事よ。アンタって全てに無関心なようでいて結構周りの事見てるのね」

幼年通行「ほっとくとまた魔女化してやっかいな事になるのが目に見えてたンでな」

御坂「まあ、そういう事にしといてあげるわ。
   で、さっきの話…魔法少女を元に戻す算段があるっていうのは本当なの?」

幼年通行「ねェ事もねェな」

結締「立ち話で済ませる話でもないし、部屋に入りましょ」ガチャ

幼年通行「ちょっと待て何ナチュラルに俺の部屋開けてンだつーか鍵はどォした」スタスタ

杏子「オイ結局どういうことだよわかるように説明しろよー!」スタスタ

231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/26(火) 21:26:54.50 ID:RxpQhYcao
今日はここまで

レベル5の収入はでっちあげ ちょっとやりすぎたか…?
でも2/3は税金で持っていかれたり街ぶっ壊した賠償金で持ってかれそうだ(借金8兆とは別で)

さやかとまどかの名前並ぶとややこしすぎワロタww

それでは

234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/26(火) 21:49:06.91 ID:8CLwZXF8o
あーくん色んな意味でパネェなぁ…しかしあわきんが構って欲しがりで可愛い
あと、細かい事だが途中から結標が結締になっていますぜ旦那

249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/07/27(水) 02:27:38.54 ID:NlsK8DrEo
>>234
オウフ…なんという初歩的ミス指摘thx

あわきんごめんねの気持ちでかきました
http://wktk.vip2ch.com/vipper11429.jpg
k-122.jpg


250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 02:30:12.30 ID:f7OtAA91o
思わず口を手で覆ってしまった…
何これ、ニヤニヤが止まらん

てかあーくん幼児化して心まで年齢下がってないか?w

272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/31(日) 19:35:43.79 ID:4ibKk1gQo
結標「あ、サラダに入ってる生ハム結構おいしい。あーくんも食べる?」ハイ、アーン

幼年通行「普通に食うから置いとけっての…」モグモグ

杏子「部屋まで食いモン持ってきてくれるなんてホテルって親切だな」モグモグ

御坂「って何のんきにご飯食べてるのよー!?」

幼年通行「だって腹減った」ングング

結標「あーくんおなか減らしてかわいそうでしょ」モクモク

杏子「せっかくホテルの人がくれたのに食っとかないと失礼だろ」モキュモキュ

御坂「だってじゃないわよ淡希は黙っててそれはルームサービスって言って後でお金払うんだからね!」

杏子「えー!?まじかよー!」ガーン

幼年通行「総ツッコミご苦労」モグモグ

結標「キレッキレね美琴!」グッ

御坂「あああむかつくわーなんでこう緊張感が続かないのかしら」

幼年通行「しょうがねェだろ未成熟な脳で複雑な演算したせいでカロリー不足してンだよ」モグモグ

御坂「え…本当におなかすいてたんだ」

幼年通行「だからそォ言ってンだろ。その上体力もねェから眠ィし」

御坂「体力無いのは元々なんじゃないの?」ププ

幼年通行「うるっせェ!」

結標「え?寝る?あーくん寝ちゃう?」wktk

幼年通行「少なくともオマエの目の前で寝るよォな愚行は犯さねェよ!」

273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/31(日) 19:36:10.36 ID:4ibKk1gQo
御坂「ソウルジェムを元に戻すのってアンタでもそんなに大変なのね」

幼年通行「複数の予備演算しながらだったってのもあるけどな」

御坂「じゃあ、魔法少女を元に戻すのなんてもっと大変じゃないの?」

幼年通行「かもなァ」

御坂「かも…って、そんな曖昧な」

幼年通行「まだ仮説の段階だからな。じっくり仮説をツメて事前準備しとけば心理的には余裕があンだろ」

御坂「そう、ならいいけど……ねえ、アンタはどうやったら元に戻れると思ってるの?」

幼年通行「……」

御坂「ソウルジェムが体内に戻れば戻れたことになるんだろうけど抜き取られた時の事よく覚えてないのよ」

幼年通行「……」

御坂「せめてどういう流れで物質に形成されたかがわかればいいんだけど……きいてる?」

幼年通行「ンあ?あァワリィ寝てた」ハッ

御坂「アンタねえええ!!!」

結標「まあまあ、あーくんはまだ5歳なのよ。このくらいの子は夜8時には眠くなっちゃうもんなんだから」ネー

幼年通行「……誰が5さい…」ウトウト

御坂「もう…。まあ、しょうがないか。今日一日で群馬まで移動して膨大な演算して、って
   虚弱体質のコイツには負担だったろうし」

274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/31(日) 19:36:46.84 ID:4ibKk1gQo
幼年通行「……」スピー

結標「寝ちゃったわね…」ニ ヤ リ

御坂「一応言っとくけど私もいるんだから変な事は考えないようにね?」ニッコリ

結標「やあね、変な事なんてナァンにも考えてないわよ」チッ

御坂「ちょっと今舌打ちしたでしょ」

杏子「難しい事ばっか言ってたけどやっぱりガキんちょなんだな〜。
   寝てると白いところばっかでホントまっしろウサギみてーだな」ツンツン

幼年通行「ン〜……」キュッ

杏子「! ゆ、ゆび!指握られた!」ハワワ

結標「にゃああああうらやまかわいいいい」パシャパシャ

御坂「ちょ…どこからそんなゴツイ一眼レフカメラ持ってきたのよ…」

杏子「……」

御坂「杏子も、コイツは寝ぼけてるだけなんだから手放してもいいのよ?」

杏子「ん?あ、ああそうだな」パッ

結標「変わりに私の指ニギニギしてくれないかしら」ツンツン

杏子「コイツが寝てちゃあ先の話はできないだろうし、一度さやかの様子を見てくるよ」

御坂「そうね、そろそろ電話も済んでそうだし」

杏子「食い物ちょっと貰っていっていいか?アイツも腹減ってると思うんだ」

御坂「もちろん。足りないようだったらこっちに連れて来たらいいわ。追加頼むから」

杏子「ありがとな。じゃ、行ってくる」スタスタ

275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/31(日) 19:37:13.58 ID:4ibKk1gQo
結標「……美琴は行かないの?」ニコ

御坂「行かないわよ。私のいない間に何するつもりかしら?」ニコ

結標「だから何にもしないってば」チッ

御坂「舌打ち聞こえてるんだってば…ところで淡希はいつまで変身したままでいるの?」

結標「あーくんがいる限りよ」キリッ

御坂「真面目に答えて」

結標「……さあね。一方通行が『いい』って言うまでかしら」

御坂「やっぱり、さやかのソウルジェムは淡希の魔法であの形を保ってるだけなのね?」

結標「そういうことでしょうね」

御坂「淡希はそれでいいの?変身したままってことは魔力も少しずつ消耗していってるってことでしょう」

結標「だから大丈夫だって。あーくんがいるだけで穢れが浄化されていくのよ」キラキラ

御坂「大げさな……でも、絶望でソウルジェムが濁るのなら希望で浄化されるのかしら?」

幼年通行「それはねェだろォな。抽象的な言い方をするなら『希望』はソウルジェム自体だ。
     濁りにくくなることはあってもその事で穢れが消えることはねェ筈だ」

結標「ごめんなさい、起こしちゃったわね」

幼年通行「ン…いや、少し寝たらスッキリした」ムクッ

御坂「寝てからまだ10分も経ってないわよ?体は子供なんだからきちんと寝た方がいいんじゃないの?」

幼年通行「ガキ扱いすンなっつゥの。それより、オマエらには一応言っといた方がいいかと思ってな」

御坂「さやかのソウルジェムは完全に『元に戻った』訳ではないのね?」

幼年通行「厳密には『元に戻せねェ』ンだ」

276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/31(日) 19:37:54.17 ID:4ibKk1gQo
御坂「どうして?魔女になる原因の穢れは全部分離させたんでしょう?」

幼年通行「ソウルジェムは『燃え尽きて』グリーフシードに変わる。
     絶望で濁り切った時点で燃料として消費されているンだ。
     結標の魔法は『時間を遡る』だけで『無くなったものを復元』できる訳じゃねェ」

御坂「それじゃあどうやってソウルジェムを取り戻したのよ」

幼年通行「そこがメンドクセェとこなンだが…魔女を限界まで遡らせるとグリーフシードになる。
     グリーフシードを遡らせると『絶望』を主成分とした魔力の固まりになる」

結標「魔法の連発が必要だったのは段階的に作用させる為だったのね」

幼年通行「で、そこから『絶望』を分離してやったらケシズミみてェなソウルジェムの残りカスがあった訳だ」

御坂「その、残りカスを『遡らせた』って事ね…」

幼年通行「そォいうこった。ここで魔法を解いたら霧みてェに消えるのか、魔女になるかはわからねェがな」

御坂「あの子たちすごく喜んでたのにぬか喜びだったのね」

幼年通行「あと数日もしたらその『残りカス』すら消費し切って無くなってただろォよ。
     『さやかの心』が残ってるギリギリで間に合ったンだ、充分にラッキーだと思うぜ?」

御坂「どこが?それじゃあ淡希は絶対に変身を解けないし、さやかもただの人間に戻るなんて不可能じゃない!」

杏子「……どういうことだ」

御坂「杏子!?」

幼年通行「……アホ」ハァ

杏子「さやかは人間に戻れない!?なんでだよ!」

美琴「あ、えーっと、さやかはどうしてた?ごはんは?」

杏子「まだどっかと電話してたからメシだけ置いてきたんだよ!さっさと説明しろよ!」

幼年通行「聞いたのはそこだけか」

杏子「あぁ!?充分だろ!」

幼年通行「そォだな」

杏子「えっらそうにもっともらしい事言ってたくせに……!」

277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/31(日) 19:38:20.94 ID:4ibKk1gQo
幼年通行「落ち着け」

杏子「落ち着いてられっかよ!」

幼年通行「これでも食って落ち着け」ポイ

杏子「うわっ、なんだよこれ」キャッチ

御坂「あー!これ一週間に一回しか販売しない上朝イチで並んでも買えない事もあるという
   幻のお菓子『ゲコ太のほっぺ』じゃない!どうやって手に入れたのよ」

幼年通行「たまたま知り合いが先頭に並ンでたンだよ」

御坂「えーいいなあ…」

幼年通行「まだあるぞ。オマエらも食うか?」ホレ

御坂「え、いいの?うわーこんなところで食べられるなんて…!」

結標「ありがとー!……でも夜食べたら太るわ…」グヌヌ

杏子「こんなモンで誤魔化そうったって…!」バッ

幼年通行「……」ジー

杏子「……!」グググ

幼年通行「………」ジー

杏子「………クソッ、食いモンは粗末にしたらいけねェからな!」モグモグ「…んまい」

幼年通行「どォだグンマー原住民との交流用に持ってきた荷物が役にたったぞ」ドヤ

御坂「ブハッ!食べてる時に言わないでよ!」ゲホゲホ

杏子「?」モグモグ

278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/31(日) 19:38:49.11 ID:4ibKk1gQo
結標「結局食べちゃった…明日調整しなきゃ…」モグモグ

御坂「これが噂のゲコゲコクリームかー!なるほどー!」モグモグ

杏子「……」モグモグ

杏子「……」ゴクン

杏子「で、どういう事なんだよ!」

幼年通行「覚えてたか」

杏子「当たり前だろー!バカにしてんなあ?」

幼年通行「まァ茶でも飲めよ」スッ

杏子「あ、ありがと」ゴクゴク

御坂「完全に餌付けされてる…」

幼年通行「さやかを人間には戻せねェのは本当だ」

杏子「ゲホッ、お茶飲んでる最中に言うなよ!」ゲホゴホ

幼年通行「黙って聞いてろ。さやかは元の『ただの人間』には戻せねェ」

杏子「……!」

幼年通行「ただし『今はまだ』だ」

杏子「今は?どういうことだ?」

幼年通行「もうすぐ『ワルプルギスの夜』が来るのは知ってるか?」

御坂「ワルプル…なにそれ?」

杏子「超ド級の魔女さ。そいつが現れたら街一つくらい楽に消し飛ぶらしいぜ」

結標「そんな強力な魔女がいるの?だからあーくんは見滝原へ来たわけ?」

幼年通行「まァな」

279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/31(日) 19:39:17.56 ID:4ibKk1gQo
御坂「なによ、なら最初から言いなさいよ」

幼年通行「言ったら首突っ込もうとするだろォが」

御坂「当たり前でしょ、魔女退治は魔法少女の役目なんだから」

幼年通行「ホラな……だから嫌なンだよ」ハァ

杏子「何言ってんだ、いくら超能力者だからって『ワルプルギスの夜』に一人で挑むなんて自殺行為だぞ」

幼年通行「一人じゃねェよ。そもそも暁美ほむらに要請を受けて来たンだからな」

杏子「じゃあアタシにも口出す権利はあるな。アタシだってアイツに共同戦線持ち掛けられたんだから」

幼年通行「……まァいいか、オマエはかなり魔力を使いこなせてるみてェだし」

杏子「フフン」エヘン

御坂「ちょっとー!何なのよこの扱いの差はー!」

幼年通行「埋めようもねェ経験の差ってやつだろォが」

杏子「でも戦力はいくらでもあった方がいいぜ。あっちの攻撃力も形態もわかんねーんだし」

幼年通行「オマエは『ワルプルギスの夜』がどンなもンか知らねェのか?」

杏子「知るわけないさぁそんなモン。アレはほとんど伝説みてえなモンなんだよ」

結標「伝説?そんなあやふやなものが実在してるの?」

杏子「信じるかどうかは自由さ。でも、魔法少女の間では第一級警戒レベルの敵として扱われてる」

御坂「杏子は誰から聞いたの?」

杏子「アタシは別の魔法少女から…まあ、ソイツはもう死んじまったんだけどな」

御坂「あ…ごめん…」

杏子「かまわねえよ。それが魔法少女ってことだ」

280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/31(日) 19:39:44.27 ID:4ibKk1gQo
結標「情報のまるでない、強敵だってことだけしかわからない相手と戦うってこと?」

幼年通行「いや、暁美ほむらは何度かソイツと相対したことがあるらしい」

御坂「何度も?じゃあ少なくとも撤退する隙を突く余裕はあるってことか…」

幼年通行「それはどォだろォな、アイツの逃げ足は規格外だからなァ」

結標「どう戦うにせよ、その子が詳しいなら情報を提供してもらってきちんと作戦をたてるべきよ」

幼年通行「こォなったらしょうがねェか…大人数での連携なンざ苦手なンだよなァ」

御坂「苦手とか言ってる場合じゃないでしょ」

幼年通行「まァ、戦略は明日にでもアイツを交えて練るとするか…魔法少女を元に戻すのはその後だ」

杏子「アタシは元々戦うつもりだからいいけどさ、さやかは先に戻してやれねーかな」

幼年通行「元に戻すにもそれなりに消耗するンでな。
     疲弊してる時に襲われて街ごと消えちまったら元も子もねェだろ」

杏子「そういうことなら仕方ないか…さやかにはアタシから伝えとくよ」

幼年通行「そォか、頼ンだ」

杏子「うん。……チビのくせに、あんまり無理すんなよ」ナデナデ

幼年通行「」

結標「んなっ…」

御坂「な…なに、どうしたのよ急に」

杏子「アタシの妹よりも小さいチビがこんな事に関わってると思うとさ…」シンミリ

幼年通行「……そりゃァどォも…」

御坂(実は杏子より年上なんだけどね…)

杏子「いくら超能力者だからって、全部一人でやらなくったっていいんだからな!」

幼年通行「あ、うン(どこでスイッチ入ったンだ…?)」

281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/31(日) 19:40:11.83 ID:4ibKk1gQo
杏子「しんどい時はちゃんとねーちゃんに頼るんだぞ!」ドン

幼年通行「ね…、はァア?」

結標「……!!!」パクパク

杏子「じゃあな!おやすみ!」ダッ

御坂「あ、うんオヤスミ…」

幼年通行「なンだったンだ」

結標「なああに言ってるのあの子!!あーくんのお姉ちゃんは私だけで充分よおお」キー

御坂「……杏子には誤魔化してたみたいだけど、元に戻せないってのはどうするのよ」

幼年通行「誤魔化した訳じゃねェよ、『ワルプルギスの夜』を倒した後じゃねェと処置できねェのは本当だ」

御坂「だって、あの子のソウルジェムはほとんど尽きてて、淡希の魔法で形を保ってるんでしょう?」

幼年通行「ソウルジェムが魂…人間の体の一部なら、回復もするンじゃねェかと思ってな」

御坂「回復?魂って治癒するものなのかしら…」

幼年通行「魂だか感情だかわかンねェが、一応生命活動は継続されてンだ。何かしらの動きはあるだろ」

御坂「でも、ほとんど燃えつきたような状態からの回復なんてどれだけかかるかわからないじゃない」

幼年通行「回復のメカニズムさえわかりゃァ回復促進くれェ朝飯前なンだよ」

御坂「そうなの?アンタの能力ってほんと滅茶苦茶ねえ」

幼年通行「万能と言え」

結標「私達の絆を見せ付けてやるわ!!あーくん今日はお姉ちゃんと一緒に寝(ry」

幼年通行「じゃァそーいうことでコイツ引っぱり出して持ってってくれ頼む」

御坂「はいはい淡希私達の部屋に戻るわよ!」グイグイ

結標「やだああああ添い寝するうううう」ズルズルズルバタン



幼年通行「……俺の言うことなンざ簡単に信じていいのかァ?超電磁砲よォ…」

282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/31(日) 19:41:43.91 ID:4ibKk1gQo
あーくんをめぐる戦いが勃発しそうだけどしません
外見に騙されちゃダメだぜェ…?

それでは

283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/07/31(日) 19:55:27.82 ID:DhpJSdgRo

一通さんの口先がさえまくってる件

284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 20:31:44.29 ID:n2u6q5x50
外見は可愛いショタだけど中身はイケメンってことですね、わかります

285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/07/31(日) 20:35:35.31 ID:xotKTqVvo

一方さんが年上だって知ったら杏子はどんな反応するんだろうな
お姉さん風吹かせてしまったし今から楽しみだ

301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/01(月) 19:32:41.55 ID:BLN5JTfao
外編 >>277のたまたま先頭に並んでた知り合いの話



一方通行「グンマーでは物々交換が主流ってもなァ…何持っていけばいいンだか」カツカツ

一方通行「言葉が通じねェ相手には…食い物かヒカリ物かァ?」カツカツ

一方通行「食い物…肉を持って行くのもなァ…腐りそうだし…そォいや原始的動物は甘いもンが好きだよな」

一方通行「………余計に何がいいのかわからねェ…甘いもン…?」カツカツ

「あっ」

一方通行「あン?……おォ、誰かと思ったら下っ端…チンピラ…雑魚…馬面だっけェ?」エート

馬面「浜面だよ!」

一方通行「どォでもよすぎて忘れてたわ悪ィなァ。何してンだこンなとこで」

浜面「ちっとも悪いと思ってねえだろ…。見ての通り、店に並んでんだよ」

一方通行「まだ開店してねェじゃねェか」

浜面「開店直後に売り切れる菓子を買う為に並んでるんだ」

一方通行「へェェ…オマエそンなに甘いもン好きなのか」

302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/01(月) 19:33:08.93 ID:BLN5JTfao
浜面「……いや、俺じゃなくて麦野が…」

一方通行「麦野?第四位か?」

浜面「週一販売ですぐ売り切れる菓子があるって聞いたらしくてよ、興味持っちまって…」ハァ

一方通行「わざわざ並んでやってンのかよ」

浜面「『並ばされて』るんだよ!!先頭キープする為におとといの夜からここにいるんだぞ!!」

一方通行「うっわ…まじでェ…」

浜面「ううう…早く座ってメシ食いたい…布団で寝たい…」シクシク

一方通行「流石に同情するわ……あ、さっき買ったコーヒー飲むか?」

浜面「やさしさが身に染みる…」ゴクゴク

一方通行「お、開店するみてェだぞ」

浜面「やっと家に帰れるぜー!ありがとうな!」ダッシュ

303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/01(月) 19:33:35.59 ID:BLN5JTfao
浜面「無事ノルマ達成できた…これで浜/面は回避できる…」ヨタヨタ

一方通行「よォお疲れェ」

浜面「どうしたんだ待っててくれたのか?」

一方通行「いやァ2日徹夜してまで買う菓子がどンなもンか気になってよォ」

浜面「それは言えるな、ホラこれだよ」ガサ

一方通行「なンだこれカエルかァ?食いモンがカエルの形ってどォなンだ?」ゴソゴソ

浜面「食うなよ麦野にボコられるからな!俺もカエルの何がそんなに人気なのかわからねえよ」

一方通行「食うかよ甘いもンは好きじゃねェンだ。じゃァな」クルッ

浜面「おいコラ待てェ!」ガシ

一方通行「チッ…なンだよ何の用だァ?」

浜面「何の用だじゃねえよ!返せ!」

一方通行「えェ〜」

浜面「えーじゃねえええ!!」

304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/01(月) 19:34:04.00 ID:BLN5JTfao
一方通行「しょうがねェなァ…ホラよ」スッ

浜面「こ、これは諭吉様…!麦野は購入代金くれなかったから助かるぜ…じゃなくって!」

一方通行「あン?それじゃ足りねェか?」

浜面「足りますよお釣りも出ますよそういう問題じゃねえんだよ!」

一方通行「訳わかンねェな…もっと簡潔にまとめろよ」ハァ

浜面「わかんねー方がどうかしてるだろ!それが無いと人生強制終了なんだよ!」

一方通行「オマエ…そこまでコレが食いてェのか…」

浜面「ちげええええええ!俺はそんなモンどーでもいいんだよ!!」

一方通行「じゃァ問題ねェじゃねェか」

浜面「だからそれを持って帰らねーと麦野に全殺しされるんだよ!」

一方通行「なンだよそれなら最初に言えっつゥの俺が話つけるから」

浜面「最初から言ってましたよねえ!?…って話つけるって…お前麦野と知り合いなのか?」

一方通行「ガキの頃は同じ研究所で育った『あっちゃン』『しずりン』と呼び合う仲だからなァ」

浜面「し、しずりん…(ひょっとして滅茶苦茶仲いいのか…?しかも数少ない麦野より上位の存在…)」

305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/01(月) 19:34:30.16 ID:BLN5JTfao
浜面「なあ、ひょっとしてお前からならお願い事聞いてくれたりするのか?」

一方通行「お願い?……まァ、細かい事ならお互いチョイチョイ融通しあう事くれェならあるかな」

浜面「融通!?あの麦野が!!!???」

一方通行「この間はアイツの観たがってた映画のプレミア招待券足りねェってンで俺のをやったし」

浜面「ひょっとしてアイテム全員で映画館行って俺だけ入り口で待機させられたアレかよ!」

一方通行「その代わり俺が買いづらいもンを代わりに買ってきてもらったり」

浜面「この間買いに行かされた女児用オシャレセットお前発注かよ!どんだけ肩身狭い思いしたと思ってんだ!」

一方通行「そンな感じだ」ウン

浜面「結果的に俺が全面的にババ引いてるじゃねーか!」

一方通行「それがオマエの役目なンだろ?俺の知ったこっちゃねェよ」

浜面「なにこの理不尽!……な、なあその『役目』についてちょ〜っと一言麦野に言ってくれねえかな」

一方通行「役目?下っ端やめてェってか?」

浜面「辞めたら無職になっちまうからそれはナシで…もうちっと人間扱いして欲しいというか…」ウーン

一方通行「そンくれェならまァ…」

浜面「ま、マジっすか?!おなしゃす!」スッ つ携帯

一方通行「オイもう通話繋がってンじゃねェか!……もしもォし」

麦野『オイこら浜面ァァァ!!…あん?誰だてめえ』

306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/01(月) 19:34:56.88 ID:BLN5JTfao
浜面(ガツンとお願いします一方通行さん!)ドキドキ

一方通行「よォ三下を具現した三下の第四位さンよォ…相変わらず柄悪ィなァ」

麦野『あァ!?てめえ第一位か?悪い悪い気がつかなかったわーあんまりにも三流チンピラ臭くて』

一方通行「あ?クソビッチがナメた口きいてンなよ?」

麦野『童貞がイキってんじゃねえぞ白モヤシが。あ、ナメた口って舐めて欲しいって意味かにゃ〜ん?』

一方通行「練馬大根相手にする程落ちぶれてませェン。俺より●kgも多い体重はその後いかがですかァ?」

浜面「……え?ちょっと…なに?めちゃくちゃ険悪じゃねえ?」

麦野『モヤシと比較されても痛くも痒くもねえなあ。てめえこそ愛しのロリにもうすぐ体重抜かされるんじゃねえ?』

一方通行「どっかの豚と一緒にしてンじゃねェぞコラ」

麦野『よくそんな骨格標本みたいな体で呼吸できるわね〜。
   童貞こじらせてるからってロリ襲っちゃだめよ?かえりうちにあって複雑骨折がオチだからな』

一方通行「さすが蜘蛛の巣張ってる奴は言うことがイチイチ違うよなァ。もちろん悪い意味で」

麦野『てめえチ○カスで尿道塞がってんだろ?電話口から腐った魚介の臭いがするんだけど』

一方通行「義眼から雑菌が脳に入ったンじゃねェ?代わりに豚のキ○玉でも入れとけよ」

浜面「おいいい頼むよこれ以上麦野を怒らせるようなことは言わないでくれ俺の生命の危機が…」

307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/01(月) 19:35:25.31 ID:BLN5JTfao
一方通行「最近はかまってくれる人間がいなさすぎて野猿一歩手前の雑魚コヅくのがストレス解消らしいなァ」

麦野『なにが野猿一歩手前だって?猿に失礼なこと言ってんじゃねえぞ?』クスクス

一方通行「あァそりゃァそォだな、猿は賢いもンなァ」クックック

浜面「おい俺の悪口言ってるだろ!なあ!」

一方通行「その猿以下の下っ端野郎がメスゴリラの横暴恐怖政治でハゲそうだって泣きついて来てなァ」

浜面「うわあああ何言ってんだてめえふざけんなあああ!あ、麦野?なんでもないぞ!」バッ

一方通行「勝手に電話取るンじゃねェよ」

麦野『ああ!?浜面か?てめえ何してんだ』

浜面「いやあのな、さっきの一方通行の発言は誇張をきかせたアメリカンジョークと言いますか…」

麦野『せっかく話弾んでたのに急にしゃしゃり出て来てんじゃねーぞクソが』

浜面「………はい?」

麦野『前にチケット貰った時はお互い立て込んでてろくに話せなかったからなあ…オイさっさと変われ』

浜面「ア、ハイ」バトンタッチ

308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/01(月) 19:35:53.39 ID:BLN5JTfao
一方通行「おう。……よォしずりンオマエンとこの下っ端は教育なってねェなァ」

麦野『あんなの躾ける義理なんざねえんだよ。でも話の腰折って悪かったわねあっくん』

一方通行「まァゆっくり話すのはまた今度でいいわ。ちょうど今度オープンのレストランあっただろ」

麦野『ああ、ウチも招待来てるよ。またこっちとあんたのとこと一緒に行く?』

一方通行「そォだなァ打ち止めもオマエにファッションの事で聞きてェ事があるって言ってたしな」

浜面「え?なにそれお前らちょくちょく会ってるの?」

一方通行「気持ち悪ィからくっついて聞き耳たてンなよ…アイテムが裏じゃなくなったから交流解禁になったンだ」

麦野『浜面コレ聞いてんのか?あっくんとアイテムはたまに一緒にごはん行ったりしてるのよ』

浜面「え?まじで?知らなかったの俺だけ?なんで?」

一方通行「オマエの格好じゃ入れねェよォな店ばっかだからじゃねェ?」

麦野『てめえの格好じゃドレスコードに引っかかるんだよ!いつもいつもくたびれた格好してんじゃねえぞ』

浜面「ドレスコードのある店って高級店じゃないか!くそー俺をハブって旨いもの食べやがって…」orz

一方通行「なンか馬のポーズしてンぞ」クカカ

麦野『やだー馬面だからって体張ったギャクかましてー』アハハ

浜面「馬のポーズじゃねえよ!うなだれてんだよ!」

309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/01(月) 19:36:19.54 ID:BLN5JTfao
一方通行「そォいや馬が人間扱いして欲しいみてェだぞ」

浜面「馬!? 馬面ですらねえのかよ完全に人間じゃねえ扱いかよ」

麦野『はあ?人間扱い〜?人間の仕事するようになってからほざけって言ってやって』

一方通行「だとよ」

浜面「デスヨネー わかってた、わかってたんです麦野さんはこういう方です…」

一方通行「でもまァ平凡な哺乳類に2日徹夜はキツイだろ。せめて寝袋くらい支給してやれよ」

浜面「哺乳類!?さらに分類が大雑把に…!寝袋とかいう次元じゃねえんだよ論点はそこじゃねえんだよ」

麦野『チッ…あいつも贅沢になったもんだわ、最初の頃はコンビニの廃棄弁当に目ぇ輝かせて働いてたのによ」

浜面「確かに廃棄弁当には世話になってるけど喜んでねえよ!いつの話だよ!」

一方通行「ツッコミ頑張るなァ…」

麦野『そこは私も認めざるを得ないわね』

浜面「ハァ…ハァ…お前らの話はツッコミ所しかねーんだよチクショウ…」ゼーゼー

一方通行「まァそンな感じだ、下っ端で生き残れる奴ァ貴重なンだ。それなりに扱ってやれってこった」

麦野『わーかってるわよ。しょうがない、浜面に変わってくれる?』

一方通行「ン」ハイ

浜面「……モシモシ」オソルオソル

麦野『いつもの所でミーティングするからさっさと来な。遅れたらメシ代自腹だからな?』

浜面「お、おう!じゃあ後で」ピッ

310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/01(月) 19:36:46.57 ID:BLN5JTfao
一方通行「なンだって?」

浜面「麦野がメシ奢ってくれるって…天変地異が起こるぞ…」

一方通行「良かったじゃねェか」

浜面「おう!流石第一位、あんたに頼って本当に良かったぜ!」

一方通行「まァな」フンス

浜面「こんな良くわかんねえお菓子で話つけてもらえるなら安いもんだったなー本当ありがとうな」

一方通行「別にィ、普通に話しただけだから気にすンなよ」

浜面「器のデカさを感じるぜ…!」

一方通行「アイツより遅れたら自腹だって言われるンじゃねェか?さっさと行けよ」シッシッ

浜面「よくわかったな…本当に麦野の性格掴んでるんだな。じゃあ行くから!」ダッシュ

一方通行「おォ。さてと、グンマーへの手土産も調達したし一旦帰るか」カツカツ



311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/01(月) 19:37:22.33 ID:BLN5JTfao



麦野「で?頼んでたものはどうしたのかにゃーん?」

絹旗「お使いも超満足にできないなんて浜面はやっぱり浜面ですね」

浜面「あれ?いやだって一方通行が貰うって麦野に…」

麦野「あっくんとはそんな話してないわよ」

絹旗「一方通行は甘い物には超興味ないはずです。嘘ついて超言い逃れしようとするとは最悪ですね」

浜面「いやいや嘘じゃないんだって」

滝壺「楽しみにしていたゲコ太のほっぺを忘れてくるはまづらは応援できない…」

浜面「た、滝壺…」ガーン

麦野「はァァまづらァァァ…」

浜面「」

麦野「オ・シ・オ・キ・か・く・て・い・ね」ニヤリ

浜面「ふ…不幸だああああああああああああああ!!!!」



一方通行「あー良い事した後のコーヒーはうめェ」グビ

312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/01(月) 19:38:54.88 ID:BLN5JTfao
一方さんとむぎのんの口の悪さの方向って似てると思わん?
ちびっこ時代一緒に口の悪さを磨いてたんじゃねーかという妄想が止まらない

313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/01(月) 19:42:11.31 ID:tAYQZ6C2o
仲の良いあっくんと麦野たんかわいいよーう

315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/01(月) 19:55:56.32 ID:UVDkm2GAO
むしろ心地よくなるほどの罵詈雑言のオンパレードだな
この組み合わせ、嫌いじゃないぜ

316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/01(月) 20:00:31.59 ID:Cr2wZJ6AO
仲良さすぎてにやにやしてしまったw
こんな会話は生半可な仲じゃできねえw

それにしても一万貰って半殺しはちょっとわりに合わん、念のため余分に買っておけば……結局全部もってかれるかw

317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/08/01(月) 20:06:01.21 ID:Kb3x/9aTo
両者可愛すぎてニヤニヤしちまうじゃねぇか……
あっくんとしずりんの関係がイイ!!

馬面君突っ込み頑張って!
ついでに爆発しろ。

328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:15:29.25 ID:iQTmOj7oo


「「「おじゃましまーす」」」


さやか「へえ〜結構いいとこに住んでるんだ」キョロキョロ

幼年通行「……なンだこの部屋は」

作戦会議をする為、一同は唯一『ワルプルギスの夜』の情報を持つ暁美ほむらの家に来ていた。
通されたリビングはだだっ広く、部屋の真ん中にローテーブルとそれを囲むようにソファが配置されている。
壁一面に魔女の記述や図解がホログラムのように映し出されていて、住人の生活の中心を伺わせる。

さやか「うわ、なにこれどうなってるの?」

ほむら「この最新鋭のプロジェクタをソコとソッチに配置して2方向から投影してるのよ。それにより立体感が(ry」

さやか「ふ、ふーん。何か意味あるの?」

ほむら「かっこいいでしょう」キリッ

御坂(黒子と気が合いそうね…)

結標「これ全部魔女の情報?すごいわね」

杏子「ほんっと訳わかんねー部屋だよ。買ってきたケーキ冷蔵庫に入れとくからなー」スタスタ

さやか「杏子は来た事あるんだ?」スタスタ

御坂「喉渇いたな〜なんか飲み物もらえない?」スタスタ

ほむら「冷蔵庫には水とブラックコーヒーが…」スタスタ

幼年通行「じゃァ俺はコーヒーで…ってなァにノンキに茶ァしばこうとしてンだ!」

さやか「まあまあいいじゃないの、はいコーヒー」コト

幼年通行「……」

329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:15:58.33 ID:iQTmOj7oo
ほむら「えーそれでは…」コホン

さやか「第一回『悪いワルプルちゃんはプルプルさせちゃうぞ』会議を始めまーす!」

幼年通行「(なンでコイツがいるンだよ…!)」ヒソ

杏子「なんかマズかったか?」

幼年通行「オマエなァ…」

結標「病み上がり(?)に超級魔女との戦いに参加させるなんてありえないわ。
   そんなんであーくんのおねーちゃんポジ狙うなんてずーずーしいのよ」イライラ

御坂「まあいいじゃない、何かしてた方が余計な事を考えずにすむって事もあるし」

ほむら(ワルプルをプルプル…寒くなる攻撃をするってこと…?効くかしら…)

さやか「じゃあまずソイツの特徴からかな!先生お願いします!」

ほむら「せ、先生?」

結標「だいたい何なのおねーちゃんって!」

杏子「コイツ妹と年が近いんだよ!だからアタシのがねーちゃんで間違って無いだろ!」

幼年通行(俺の意見はいらねェのかよ…どォでもいいけど)

結標「ぐぬぬ…一つ言っておくけどあーくんは男の子ですからね!妹ごっこはできないわよ!」

杏子「ええー!?おまえ男なのぉ!?」ガーン

幼年通行「見てわかるだろォが!」

御坂「わからないわよ」

杏子「わかんねーよ」

幼年通行「ぐぬぬ…」

結標「ふふん、そんな事も見抜けないなんてショタコンの風上にも置けないわね」

杏子「しょたこんって何だ?」

御坂「知らなくていいのよ」

結標「こんなかわいいこが女の子の筈がないでしょう!」キリッ

幼年通行「オマエはいい加減黙れェ!」

さやか「……この人たち、あんたがプルプル退治の為につれてきたんだよね?」

ほむら「……」ハヤクホンダイニハイリタイ

330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:16:25.03 ID:iQTmOj7oo
幼年通行「まず敵の戦力だ。それがわかンねェと作戦の立てようがねェからな」

ほむら「戦力と言われても見当がつかないわ」

御坂「なんで?何度か戦った事があるんでしょう?」

ほむら「ええ…そして毎回攻撃が全く通用しなかったの」

幼年通行「アサルトライフル、迫撃砲、SSMあたりは効かなかったつってたなァ」

さやか「な、なにそれ?」

幼年通行「自衛隊やアメリカ軍も使ってる兵器だ。威力もそれなりにある」

杏子「それでも倒せねえのかよ」

幼年通行「俺が聞きてェのはそこからだ。倒せなくとも傷はつけられたのか。ダメージは与えられたのか」

ほむら「どうかしら…爆風で吹き飛んではいたけど、目に見えての傷は無かったように思うわ」

幼年通行「なら、単純に貫通力が足りねェって事か…?」

結標「こっちの攻撃力に関してはあーくんがいれば何とかなるわよ。むこうの攻撃はどんなものなの?」

ほむら「炎や光線のようなものを吐いたり、そこらの建造物を投げつけてきたり」

御坂「結構多彩な攻撃があるのね」

ほむら「あたりのものを手当たり次第攻撃に使ってくるわ。
    それに瓦礫なんかを周りを囲むように浮かせていて、こちらの攻撃を防ぐ役割も果たしている」

御坂「火にレーザー光に重力か風を使うって事かしら。多重能力者みたいでやっかいね」

結標「ちょっと待って、結界の中に建物があるの?」

ほむら「こいつは結界に隠れて身を守る必要なんてない。ただ一度具現しただけで街は壊滅状態になるわ」

さやか「そんな!街に来る前になんとかできないかな。それこそ自衛隊とか…」

ほむら「無理ね。魔女も使い魔もふつうの人には見えないのだから」

さやか「あ、そっか…あたし達でなんとかするしかないよね…」

331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:16:55.64 ID:iQTmOj7oo
ほむら「そして、手下がかなり出現するけど…数が多いのと攻撃の種類がそれぞれ違うというだけね」

幼年通行「こっちも人数はそこそこいるからなンとかなるだろ」

ほむら「そうね。『今まで』で一番戦力は充実してるわ」

杏子「今まで?」

ほむら「……それと、出現ポイントなんだけど」

杏子の疑問を無視して、ほむらはローテーブルの上に見滝原の市街地図を広げた。
市内を横切る川沿いにいくつかの赤いマークがされている。

ほむら「統計では、この橋の付近に出現する可能性が高いわ」

御坂「統計?そんなに何度もこの街に来てるの?」

ほむら「……」

杏子「無駄だぜ、コイツは言いたくない事はだんまりだからな」

さやか「一緒に戦おうってんだから教えてくれてもいいじゃない」

幼年通行「なンだ、コイツらには話してねェのか?」

御坂「何?アンタは知ってるの?」

ほむら「……」

幼年通行「フン、まァいい。詮索する趣味はねェからな」

結標「なによー余計気になるじゃないの」

幼年通行「必要なことなら話すだろ」

杏子「まあいいけどよー…そのうち話せよな」

ほむら「そのうち、ね」

332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:17:28.08 ID:iQTmOj7oo
幼年通行「本体への攻撃は主に俺とほむらでやる」

「あーくんと「足手まと「アタシの方が「ちゃんと戦「同時にしゃべンなうるっせェ!」

幼年通行「オマエらが戦力になンねェからって訳じゃねェよ。今から各自の役割を話す」

御坂「役割?」

幼年通行「地図をよく見てみろ。周りには何がある」

さやか「何って…このあたりは普通の住宅地しか……、!」

幼年通行「そォだ。このあたりで戦闘になるって事は、周辺の家やビルを巻き込む事になる」

結標「マンションや学校もあるし…結構な人数がいそうね」

ほむら「魔女の影響で自然災害のような現象が起きるから、避難警報が発令されるはずよ」

幼年通行「そォは言ってもこういう時に避難しねェ奴ってのは絶対いるもンだ…で、結標と御坂」

結標「『座標移動』で避難させるの?」

幼年通行「ンな事いちいちやってたらもたねェだろ。
     ビルがぶっ壊されるよォな事があったら、それを磁力で誘導して民家に落ちねェようにするンだ」

御坂「なるほど、まーかせて!」

幼年通行「余裕があったら中に人間がいるかソナーで確認して、生存者がいたら座標移動で飛ばしてやれ」

結標「了解」

幼年通行「杏子は使い魔の相手だ。多対一の経験はあるか?」

杏子「余裕だよ、まかせな。雑魚相手ってのは気にいらねーけどな」

さやか「大丈夫だよ、あたしだっているし」

幼年通行「オマエは杏子のサポートに徹しろ。出しゃばンなよ」

333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:17:58.72 ID:iQTmOj7oo
さやか「むっ…ちゃんと戦えるってば」

幼年通行「そォじゃねェ。オマエは癒しの祈りで魔法少女になったンだろ?回復系が得意な筈だ」

杏子「確かにさやかの回復力はすごかったぜ、全治三ヶ月ってくらいのケガが数秒で直るんだもん」

幼年通行「相手が相手だ、こっちも相当のダメージを食らう可能性がある」

さやか「それをあたしが魔法で癒すんだね」

幼年通行「オマエにしかできねェ役だ。やれるな?」

さやか「わかった!あたしが戦闘不能になっちゃったら全員に迷惑かかるもんね…慎重にいくよ」

杏子「心配すんなよ、ちゃんとアタシが守ってやるから」

さやか「へへ、ありがと」

幼年通行「攻撃は俺とほむらでやる訳だが…結標にはあらかじめ魔法武器をいくつか出してもらう」

結標「了解」

幼年通行「魔女には魔法武器しか使えねェからな。それを地上からブン投げる」

杏子「ブン投げるって…ずいぶん適当な作戦だな…」

さやか「武器なら、あたしも剣を出せるよ。敵に投げつけて使った事もあるし」

幼年通行「じゃァオマエも頼む」

ほむら「私は勝手にやるわよ」

幼年通行「オマエはある程度対策を立ててるだろォし好きにしろ。フォローはしてやる」

結標「うぎぎぎ…」

御坂「落ちつけ」

334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:18:40.81 ID:iQTmOj7oo
幼年通行「全体の把握、指揮は俺がやる」

結標「全体把握は後衛の私達の方がしやすいんじゃない?」

幼年通行「空気の流れや磁気の反射なンかで探れるから大丈夫だ。指示は念話で行う」スッ

結標「にゃああああ天使あーくんktkr!!!!!」ガシッ

幼年通行「離れろォオうっとおしい!!」ジタバタ

杏子「ざっくりした作戦だなぁ…こんなんで巧くいくのかよ?」

幼年通行「作戦なンざ細かく決めたって、その通り進行するとは限らねェンだ。
     行動指針だけ決めといて後は各自で随時判断するのが一番いい」

さやか「確かに何が起こるか全部予想するなんてできないもんね」

幼年通行「だが、各自で判断するのと一人で背負い込むのは意味が違うからな。
     手に負えねェと思ったらすぐに報告しろ。
     一人で何とかしようとした結果、他の奴らまで窮地に追い込む可能性があることを忘れるな」

「「「「わかった」」」」

幼年通行「そっちの細かい連携はオマエらで決めろよ」

御坂「おっけー。それじゃまずポジション取りでも決めましょうか」

杏子「その前にメシ食いたいんだけど」

さやか「そうだねお腹減った」

御坂「じゃあ何か買ってきましょうか」

さやか「あたしも行くよ」

結標「貴女は行かないの?」ニコ

ほむら「私はいいわ」

結標「いってらっしゃいな、私とあーくんで留守番しててあげるから」ニコニコ

幼年通行「オマエも行けよ」

結標「一緒にお留守番するからムリ」キリッ

幼年通行「……俺のコーヒーを任せられるのはオマエだけだ」

結標「私だけ…!?わかったわ任せてあーくん!ホラみんな行くわよ!」ヒュン

御坂「ちょっと『外』で能力使っ」ヒュン

335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:19:10.26 ID:iQTmOj7oo
ほむら「消えた!?」

幼年通行「この間も見ただろ、アイツはテレポーターだからな」

ほむら「へえ…本当に超能力者っているのね。漫画みたい」

幼年通行「それを言ったら魔法少女だってたいがいだろォが」

ほむら「…こんなにぎやかな作戦会議になるとは思わなかったわ」

幼年通行「で?どォなンだ?」

ほむら「どう、とは?」

幼年通行「勝算はありそうか?実際に戦った事があるのはオマエしかいねェ訳だからな」

ほむら「さあ…どうかしらね」

幼年通行「おいおい」

ほむら「少なくとも、『今まで』で最大人数よ。これで勝てないなら……、」

幼年通行「『鹿目まどか』しかねェってか」

ほむら「それだけは避けなければならないわ」

幼年通行「またダメだったらリセットするつもりなンだろ?その分の魔力は残しとけよ」

ほむら「今回こそ決着をつけるわ。『次』もまたあなた達の協力を得られるとは限らないし」

幼年通行「もし『次』の俺の協力が必要そうだったら直接コンタクトをとって洗いざらいしゃべるンだな」

ほむら「戦う前に『次』の話なんて…ひょっとして勝算が薄いと思っているの?」

幼年通行「あらゆるパターンの対処法を考えとくのが『戦略』って奴だろォが」

ほむら「そう…」

336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:19:36.56 ID:iQTmOj7oo




QB「なるほどね。だからこんなにしつこくボクの邪魔をする訳だ」




337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:20:32.55 ID:iQTmOj7oo
ほむら「……キュゥべえ…!」

幼年通行「何の用だ」

QB「ちょっと世間話に来ただけさ。時間遡行者・暁美ほむら」

ほむら「……」

QB「過去の可能性を切り替えることで幾多の並行世界を横断し
  キミが望む結末を求めてこの一ヶ月間を繰り返してきたんだね」

QB「君の存在が、一つの疑問に答えを出してくれた。


  『何故、鹿目まどかが、魔法少女として、あれほど破格の素質を備えていたのか』」


QB「今なら納得いく仮説が立てられる。
  魔法少女としての潜在力は背負い込んだ因果の量で決まるんだ」

QB「一国の女王や救世主なら兎も角、ごく平凡な人生だけを与えられてきたまどかに
  どうしてあれほど膨大な因果の糸が集中してしまったのか不可解だった」

QB「だが――ねえ、ほむら」


「ひょっとしてまどかはキミが同じ時間を繰り返す毎に強力な魔法少女になっていったんじゃないのかい」


ほむら「……!」

338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:21:01.72 ID:iQTmOj7oo
QB「やっぱりね、原因は君にあったんだ。正しくは、キミの魔法の副作用と言うべきかな?」

ほむら「どういう事…?」

QB「君が時間を巻き戻してきた理由はただ一つ。鹿目まどかの安否だ」

QB「同じ理由と目的で何度も時間を遡るうちに、キミは幾つもの並行世界を螺旋状に束ねてしまったんだろう。
  鹿目まどかの存在を中心軸にしてね」

QB「その結果、決して絡まるはずのなかった平行世界の因果線が全て
  今の時間軸のまどかに連結されてしまったとしたら、彼女のあの途方もない魔力係数にも納得がいく」

QB「キミが繰り返してきた時間…その中で循環した因果の全てが鹿目まどかに繋がってしまったんだ」



QB「あらゆる出来事の 元 凶 としてね」


339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:21:42.50 ID:iQTmOj7oo
ほむら「――っ」

QB「お手柄だよ、ほむら。キミがまどかを最強の魔女に育ててくれたんだ」

幼年通行「調子に乗ってくっちゃべってンなよ…これ以上無駄口叩いたらひねり潰すぞ」

QB「これがボクの仕事なんだから大目に見てよ。なんなら、キミが契約してくれてもいいんだけど」

幼年通行「俺ァ男だつってンだろ。本格的に潰されてェのか」

QB「契約は別に女の子じゃないと出来ないわけじゃないよ。
  『第二次性徴期の少女』が最も効率的ってだけで、同等以上の効率があげられるなら性別なんて瑣末な事だ」

幼年通行「オマエの言い方はいちいち人をイラつかせるンだよ…」チッ

ほむら「あなたは…どれだけ私たちを翻弄したら気が済むの」

QB「百合子に契約を持ちかけたのは割と本気なんだけどな」

ほむら「……あなた、本名はユリコっていうの?」

幼年通行「違ェ!」

QB「最初にキミに声をかけた時は勘違いかと思ったけど」

ほむら「……やっぱり」

幼年通行「違ェつってンだろォが!」

QB「さっき言ったよね、魔法少女の力量は因果の量で決まるって。
  百合子…いや、『一方通行』。キミは多くの人の運命を背負ってるね」

幼年通行「!」

QB「何千……ひょっとしたら数万人かな?ともかく多くの人間の思念がキミに集まっているのは確かだ」

幼年通行「……」

QB「しかもその人間達にとってキミの存在は相当大きな存在なんだろう。
  世が世ならキミは一国の独裁者か世界規模の宗教の教祖様にでもなれたんじゃないかな」

幼年通行(大きな存在だァ?そりゃァそォだろォよ……
     俺の為に作られて、俺の為に死ンで、今も俺に能力のリソースを解放してンだからな)

340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:22:19.51 ID:iQTmOj7oo
QB「キミなら鹿目まどかに匹敵するくらいの魔法少女になれるよ。ああ、男だから魔法少年かな?」

幼年通行「寝言は寝て言えクソが」

QB「まあ、キミの場合はその身に抱えた絶望が濃すぎるみたいだからね。
  契約したとたん魔女(?)になりそうだけどボクとしては願ったりさ。すぐエネルギーを回収できるし」

QB「百合子が契約してくれるなら回収ノルマはほぼ達成できるだろう。新たな契約の必要はなくなる」

ほむら「……!」

QB「ただ、魔女としての力に加えてあらゆる攻撃を『反射』する、誰にもどうやっても倒せない
  正真正銘最悪の存在になるだろうね。そうなったら3日もあればこの星は壊滅しちゃうんじゃないかな」

幼年通行「俺が本気で暴れたら3分もかかンねェよ」

QB「脱出する時間がないのは困るなぁ。やっぱりまどがの方がいいな、ローリスクハイリターンで」

ほむら「お前は…!どこまで人の神経を逆なでしたら気が済むの…!」

QB「そんなつもりは無いんだが。どうだい百合子、ボクと契約(ry」

幼年通行「しねェよ!」ブン

QB「あいたたた、何するんだい」ビシビシビシビシビシ

幼年通行「使用済みのグリーフシードだ。それを持って今すぐ消えろ!」

QB「武器としての用途を想定していないものを投げつけるなんてひどいよトゲの部分が刺さってるし…」

ほむら「ぶつかった跡が赤くなって変な病気みたいになってるわよ」キモッ

QB「き、キモい!?歴代魔法少女の嗜好を分析してとびきり愛らしい形態をとってるはずなんだけど」

幼年通行「これ以上俺の目の前でグダグダぬかすよォなら残機尽きるまでミンチにしてやる」

QB「それは困るなあ、あんまり経費かけるとボクの立場が悪くなっちゃう」

幼年通行「感情がねェクセに立場なンざ気にかける機微はあるのかよ」

QB「コミュニティを運用する為のプロトコルの一種さ。じゃあね、連絡待ってるよ『一方通行』」

341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:22:46.07 ID:iQTmOj7oo
幼年通行「チッ…」

ほむら「……私のせいで、まどかが…?」

幼年通行「今回でキッチリ『ワルプルギスの夜』を倒せば済む」

ほむら「……」

御坂「ただいまー。見て見て群馬名物だるま弁当買ってきちゃったー!……何、なんかあった?」

幼年通行「……なンにもねェよ」

結標「何この空気…ハッ!?私のいない間に何が…」ヨロ

幼年通行「何言ってンだオマエは」

さやか「ただいまあー!さっさと食べてデザートのケーキに行こう!」

杏子「こんな大勢でメシ食うのなんてすげー久しぶりだな…」ソワソワ

幼年通行「……メシだとよ」

ほむら「……」

幼年通行「決戦を前に余計な事に気を取られるのは三流のする事だ。目的を思い出せ」

ほむら「目的…まどかを、守る…」

幼年通行「その目的はオマエがグラグラしてても達成できるよォなヌルいもンなのか?」

ほむら「いえ…そうね、悩むのは『ワルプルギスの夜』を倒した後で充分よ」

幼年通行「……」チョイチョイ

ほむら「? しゃがめばいいの?」スッ

幼年通行「ン」ナデナデ

ほむら「!!??な、なに?」

342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:23:11.96 ID:iQTmOj7oo
幼年通行「オマエみてェなガキがなンでもかンでも背負い込もうとすンなよ」

ほむら「ガキって…あなたの方がちびっこじゃない」プッ

幼年通行「俺だって好きでこンな醜態晒してる訳じゃねェよ!」

ほむら「ふふ…お陰で目が覚めたわ。ありがとう」

幼年通行「フン…」

結標「……」ジー

幼年通行「……なンで物陰から覗き見してンだよ気持ち悪ィな……」

結標「……浮気者…」

幼年通行「はァ?」

結標「私というものがありながらあqwせdrftgyふじこlp;@」

幼年通行「うるっせェェ!そンなに撫でられてェなら全力で撫でてやるから黙れェ!」ガシガシガシガシ

結標「痛い痛い痛い」ウヘヘ

ほむら「本当騒がしい人達ね」


ほむら(…でも、『ワルプルギスの夜』との戦いを前にこんな落ち着いた気分でいられるのは初めてだわ)

ほむら(今度こそ…今度こそ、決着をつける)

343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:23:40.96 ID:iQTmOj7oo
御坂「何モタモタしてんのー早く座る座る!」

幼年通行「ヘイヘイ…」ポス

さやか「じゃー食べよっか!いただきまーす!」


「「「「いただきまー  ピンポーン >


御坂「あら?お客さん?」

杏子「ヘンな家なのにチャイムは普通だな」

さやか「はいはーい今出まーす」パタパタ

ほむら「美樹さん、ほっといていいわよ」スタスタ

さやか「いいっていいって」

ほむら「平日の昼間なんてどうせ新聞の勧誘よ」

さやか「はーいお待たせー」ガチャッ

まどか「さやかちゃん!」

さやか「まどかー!久し振りー!」ガバッ

ほむら「な…ま…」パクパク(訳:何でまどかがここにいるの?)

まどか「久し振り、じゃないよもう…」グス

さやか「だからゴメンって〜。ま、玄関先で話し込むのもなんだし入って入って」

ほむら「ここは私の家なんだけど!?」

まどか「あ…急に来ちゃ迷惑だよね、ごめんね…」

ほむら「そんな事ないわどうぞ入ってスリッパはこれを使って」ササッ

344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:24:06.91 ID:iQTmOj7oo
まどか「お、おじゃましま〜す…」トテトテ

杏子「何してんだよー全員揃わないとメシ食えねーじゃ…あれ、まどかじゃん」オッスー

まどか「杏子ちゃん!良かった、杏子ちゃんも無事だったんだね」

御坂「さやかの結界にいた子よね」コンチハ

まどか「えっと……?」

幼年通行「カエルだ」

まどか「あっ!カエルの子!」

御坂「その説明はどうなのよ…カエルじゃないもんゲコ太だもん…」ブツブツ

さやか「今みんなで『ワルプルギスの夜』を倒す作戦会議をしてたんだよ」

ほむら「まどかに余計な事を言うのはやめてちょうだい」

結標「結界にいたんだし、貴女も魔法少女なんでしょう?」

まどか「あ…私は、」

幼年通行「違ェよ。コイツはキュゥべえにストーカーされてンだ」

御坂「ああ……」

結標「なるほどね……」

まどか(一気に哀れみの目に…!)

345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:24:43.52 ID:iQTmOj7oo
杏子「まどかも一緒に食うかい?」

まどか「私は学校でお弁当食べてきたから」

さやか「学校…あたしもコレが片付いたら行かないとなあ…何て言い訳しよう」

御坂「お弁当済んでるならデザートは? 学園都市謹製『ゲコ太のぽっぺ』は超オススメよ!」

結標「それはあーくんが持ってきたお土産でしょー!すなわち全部私の(ry」

ほむら「まどかは飲み物何がいいかしら。コーヒーあるわよコーヒー」ソワソワ

幼年通行「目的を思い出せェェェ!!」

まどか「そ、そういえばみんな集まって何してるの?…二人は、昨日さやかちゃんの結界にいた子だよね?」

御坂「そうよ。私は御坂美琴。学園都市から来たの」

結標「超愛らしいマジ天使あーくんに守護される魔法少女☆あわきんよ!」

幼年通行「何言ってンだオマエは…」

まどか「あーくん!本当にさやかちゃんを助けてくれたんだね!ありがとう!」

幼年通行「あーく…、もォいいわどォでも…」

杏子「新戦力も加えての作戦会議中なのさ」

まどか「その、『ワルプルギスの夜』って強いんでしょ?大丈夫なの?」

杏子「さあな。そもそも倒せるのか?ってレベルだしな」

346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/08/19(金) 19:25:20.65 ID:iQTmOj7oo
まどか「あのね、私にも何か手伝えることがあったら…」

ほむら「あなたには関係のない事よ」

まどか「……っ」

さやか「戦力的には充分なんだろうけどさ、もう少し言い方考えなよ」

まどか「確かに私がいても邪魔なだけだもんね」テヘヘ

ほむら「……違うわ」

まどか「いいの、本当の事だもん」

ほむら「あなたを救う。その答えだけを探して、私は何度も始めからやり直してきたのよ」

まどか「……え?」

さやか「何の話?」

ほむら「わからなくてもいい。何も伝わらなくてもいい。それでもどうか、お願いだから」


ほむら「あなたを私に守らせて」


350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/19(金) 19:39:25.66 ID:J+2BvqT8o
乙!次回はついに最終決戦か!

352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/19(金) 19:53:45.38 ID:GWTVryPIO

順調すぎるのがかえって不安に感じるな

565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/11/27(日) 19:38:36.73 ID:rllFTFZ/o
その日、見滝原市は朝から緊張した空気に包まれていた。

発達した低気圧に対しての警戒を県の気象台が呼びかけていたほぼ同時刻、
『科学の街』学園都市から進路・被害予測データと共に避難勧告を出すよう進言があったからだ。
見滝原市開発黎明期に風力発電やいくつかの建築物で協力を得た事はあるが、
それ以来特に交流があった訳ではない学園都市からの勧告は市の職員を混乱に陥れるのに充分だった。


『スーパーセル』。


観測史上類を見ないほどの嵐が見滝原市を直撃するという。

566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/11/27(日) 19:38:59.71 ID:rllFTFZ/o
御坂「かなり風が強くなってきたわね」

幼年通行「そろそろか」

一同は『ワルプルギスの夜』出現予測ポイント近くの川にかかる橋の上にいた。
正しくは、川面を見渡す橋梁を支える柱の上。

さやか「た、高い…風で落ちそうだよ〜」

杏子「縁起でもないこと言うなよなー!」

ほむら「こんな不安定な場所で迎え撃つなんて不利よ」

幼年通行「ここでおっぱじめるつもりはねェよ」

言いながら、あたりを睥睨する。
地形、建物の配置、川の流れ、それらを考慮し空気の流れや自然界の電磁波の流れを観測。
デフォルトの状態を把握しておくことにより、これから現れる魔女や手下の動きをつかむ為だ。

杏子「空が雲で覆われて完全にまっくらだよ…夜みたいだ」

さやか「そろそろ雨も降ってきそうだね。街は大丈夫かな」

結標「大丈夫よ、学園都市から詳細データを送るよう手配しといたから。避難命令が出てるはずよ」

ほむら「市の車が避難を呼びかけてるわ。なるべく遠くに避難してくれるといいんだけど」

ますます強くなる風、湿度をはらんで重くなる空気。
空を写して真っ暗な川を濃いもやが覆う。

御坂「何?霧が…」

幼年通行「来たな」

ほむら「ええ」

567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/11/27(日) 19:39:27.19 ID:rllFTFZ/o
地上を白く覆った霧の中からオモチャのような動物達がわらわらと出現した。
ピエロの衣装をまとった小さなサル、派手な装飾を施された熊、空に連なる万国旗を持った象。
まるでサーカスのようだった。


そう、『ワルプギスの夜』は魔女の為のサーカス。

絶望しか許されない魔女に数年に一度訪れる狂乱の宴。


幼年通行「結標!」

座標移動で事前に決めた配置へ移動する。

御坂「……!? あれ、見て!」

杏子「なんだありゃあ…」

御坂が指差したのは厚い雲に覆われていた空。
しかし、今はどこからか突如出現した巨大な垂れ幕が雲の代わりに太陽の光を遮っていた。

さやか「何これ?どこから…!?」

ほむら「……『ワルプルギスの夜』」

幼年通行「わざわざ自分で舞台をあつらえるたァ気が利いてるじゃねェか」

どっしりとした緞帳が左右に引かれ幕が開いた。
舞台装置のように地面から真っ黒なビルがにょきにょきと生えては途中で崩れ瓦礫と化す。
巨大な瓦礫は宙に浮いて衛星のように『主役』を取り巻く。

空を渦巻く黒い雲を集めるようにして登場した主役は青いドレスの逆さの魔女。
真っ黒な空を背景に、自身の発する魔法陣の光が主演女優を照らすスポットライトのようだ。
全長が川幅を軽く超える程の質量をものともせず軽やかに宙に浮く『主役』は『観客』と相対する。

ワルプル「――!!」

カンに障る笑い声をあげながら、魔女は楽しげにくるくる廻る。
付近のビルのガラスが音波でビリビリと震えた。

568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/11/27(日) 19:39:54.12 ID:rllFTFZ/o
ほむら「……いくわ」

カチ、とほむらの装備する盾から機械音が響くとあたりの時が止まった。
盾の裏の四次元ポケットからありったけのRPG-7を取り出し次々発射。
魔女を取り囲むように空中で停止した弾は、時間停止の魔法解除とほぼ同時に標的に着弾する。

幼年通行「手を緩めるな!」

『一方通行』は爆発し、あたりに飛散しようとするエネルギーすべてをかき集め、RPGー7の着弾点にブチ込む。
ほむらの先制攻撃で体制を崩しかけていた魔女は、その衝撃で地面へたたきつけられた。

さやか「なーんだ楽勝じゃん」

ほむら「……まだよ」

幼年通行「良かったなァオマエらも出番があるぞォ!」

魔女の落下地点、もうもうと土煙が舞い上がる中から黒い影が走り出る。
影は小さな人型をとると、『敵』の殲滅の為に手に武器を出現させた。

御坂「こいつ…!使い魔のくせに武器を使うの!?」

結標「今まで戦った中では初めてね。それだけ知的レベルが高いという事かしら」

杏子「どうでもいいさ、倒せばいいだけなんだから!」

さやか「ケガしてもあたしが治すけど、無茶すんなよ!」

御坂「まあ正直、この程度じゃ無茶する必要もないわね」

結標「あーくん達があのデカブツに専念できるようにしないと」

雷撃のように不定形に延びる御坂の剣と、
現出させた端から座標移動でとばされる結標の鈍器は次々と使い魔達を屠っていく。

杏子「ちょっとはアタシにも活躍させろっての」

御坂「これだけ次々と使い魔が沸いてくるんだし焦らなくても出番はたくさんあるわよ」

結標「そうね…あの二人の戦いも長引きそうだしね」

569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/11/27(日) 19:40:21.44 ID:rllFTFZ/o
結標の言葉どおり、ほむら・幼年通行のワルプル爆撃チームは苦戦していた。
先の携帯型対戦車砲PRG-7に続き、数十発の地対空ロケットや山程のプラスチック爆弾
はてはガソリンを満載したタンクローリーをブン投げて(自転3秒分使用)みたが、未だ無傷なのだ。

魔女は爆発や衝撃にはね飛ばされ地面を転がりはするが、
爆煙が晴れる間もなく再び空に浮かび、けたたましい笑い声と共に紫色の炎を吐き出す。

幼年通行「クソが…思ったより頑丈だなァオイ」

目の前に迫った炎を反射する。
科学でも自然現象でもない炎は、魔女の斜め上を虹色の帯を引きながら通過した。

幼年通行「『感触』は普通の魔女の魔法と変わンねェな。無駄にデカくて堅いだけか…?」

ほむら「ちっ…前回より地帯空ミサイル増量したのに効かないなんて」

幼年通行「爆発でふっ飛ンでンだしダメージは蓄積されている筈だ」

言いながらも、『一方通行』は疑問を感じていた。


本当にダメージは通っているのか?


その観測能力を以て、『ワルプルギスの夜』出現時からその挙動を注意深く観察しているが
ここまで移動速度・高度・攻撃の威力等にダメージの影響らしきものは見られない。

幼年通行(そォいや魔女と魔法少女の魔力を相殺させて倒してるンだったか…
     魔女のサイズと魔力の総量が比例してるとしたらやっかいだな)

魔女は相変わらず輝く魔法陣をまといながらけたたましく笑う。
その度に現実世界には強風が吹き荒れ、街路樹が吹き飛ばされ、建物を軋ませる。

570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/11/27(日) 19:40:49.68 ID:rllFTFZ/o
幼年通行「いい加減そのカンに障る笑い方やめやがれ!」

周辺の風の力をまとめ上げ、持っていた剣(byさやさや)の投擲にエネルギーを乗せる。
音速を越える早さで飛んでいく剣は、
切っ先から空気の摩擦によるオレンジ色の火花をまき散らしながら真っ赤に塗られた魔女の口に命中した。

ガッキィィイン!と、硬質な激突音を響かせ、剣が粉微塵に砕け散った。
激しい一撃を食らった魔女は、無傷。

幼年通行「な……?」

ほむら「……効いてないわね」

はい、と盾の裏から取り出した新しい剣を手渡す。
戦闘開始前にさやかと結標とがそれぞれ100本程度現出させたものだ。
そのさやかの剣を受け取り、小さい手のひらできゅっと柄を握りしめると、

幼年通行「直接ぶっった切ってやンよォ!!」

ほむら「えええ!?作戦はどうなったのよ!?」ガーン

ここまで割と冷静に事を運んできたが、元来彼は短気である。
地面を蹴ると同時に背中に4本の竜巻を発生させ、接続。
そのまま真っ直ぐ空中の魔女に向かって飛んでいった。

ほむら「……人にさんざん慎重に行けとか言ってたくせに……」

571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/11/27(日) 19:41:16.94 ID:rllFTFZ/o
幼年通行「喰らえクソヤロォオ!」

周辺のありとあらゆるベクトルをかき集め剣の威力に乗せて降り下ろす。
構造的に弱そうな首の間接にあたる部分に命中した剣はまたもや派手な音をたてて砕け散った。
跳ね返った刀身のかけらは一方通行の反射膜に当たって再び魔女にぶつかり、カン、と乾いた音をたてた。

幼年通行(……!!)

その時、目の前の虫を払うように魔女が腕を振り回した。
たっぷりとした袖に覆われた全長50メートルを超える腕が風切り音をあげて幼年通行を巻き込む。

幼年通行「ぐァっ!?」

巨大な腕による攻撃は小さな体に到達した。
直撃した瞬間に10本近い骨が砕かれたのがわかる。

幼年通行(クソが…!)

激痛にくらみそうになる思考をギリギリで繋ぎとめ演算を継続する。
魔女に払われた勢いのまま地面に激突などしようものならトマトより簡単に潰れかねない。
落下速度を調整し、やっとの事で着地したが、それが精一杯だった。
あちこち骨が折れているせいで体勢を保つことが出来ずその場にくずおれる。

幼年通行(肺に肋骨が刺さってンな…まず位置を戻さねェと…)

けほ、と軽く咳き込むと泡立った血が散った。

杏子「そっちに使い魔行ったぞ!逃げろ!」

やや離れた所からせっぱつまった杏子の声が聞こえた。
反撃するか回避するか、どちらにしろ弱った体に負担がかかるし傷を治す演算に支障がでる。
敵を確認しようとやっとの思いで目を開けても、視界はただの暗闇だった。

幼年通行(やべェな、ブラックアウト起こすほど出血してンのか…?)

572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/11/27(日) 19:41:45.10 ID:rllFTFZ/o
結標「あーくん!」

幼年通行「………あン?」

見えなかったのは結標の胸に顔をうずめていたからだったうらやま死刑
座標移動で結標の手元に引き寄せられたらしい。

結標「もおおお危なくなったら言えって自分で言ってたくせにいいい」ギュゥゥゥ

幼年通行「イデデデデ!力いれンな骨が」

結標「たいへん!衛生兵はやくー!」

さやか「誰が衛生兵よっ!……うわ、痛そう今治すからね」

そう言って手をかざすと、さやかの周りに青く輝く魔法陣が浮き上がった。
ぐったりと力の抜けた小さな体が光に包まれ、傷ついた箇所に小さな魔法陣が次々と浮かぶ。

結標「どう?治ってる?」

幼年通行「あァ…すげェな、あっという間に治っていってる。これが魔法か…」

さやか「へへ、照れるなあ。魔法なんてそっちの二人組も使ってるでしょ」

幼年通行「……ウチのはどっちかっつゥと万国ビックリショー的な色物だからな」

結標「どういう意味よ!?」

杏子「大丈夫かよ?だからチビは引っ込んでろつったのによー」タタタ

御坂「アンタあれだけデカイ口叩いてたのに一番最初に怪我しちゃったわね」スタスタ

幼年通行「……うっせェ」

573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/11/27(日) 19:42:12.12 ID:rllFTFZ/o
墜落した一方通行と地上組がのんきにダベってる間、ほむらは一人奮闘していた。
とは言っても、炎やビームや瓦礫投擲などの猛烈な攻撃をかわすのに精一杯で、
合間に行う自動小銃での攻撃が通用している気配は全く無いのだが。

ほむら「ちっ…やはり生半可な攻撃は通用しないわね」

ここまでは想定内。予め解っていた事だ。
魔女の口から吐き出された炎を左腕のバックラーで弾きつつ高層ビルの上に着地した。
体勢を整える間もなく次の攻撃が襲い掛かる。

ワルプル「――!!」

魔女が甲高い笑い声と共にくるりと廻ると猛烈な空気の渦が発生した。
周辺の建造物がミシミシを悲鳴を上げる。
頑丈そうなビルも、ねじるような圧力には抵抗できず、コンクリートが音を立てて崩壊していく。

ほむら「く…!」

ミシミシを嫌な音を上げ続けるビルから他の足場へと跳躍する。
次の瞬間、ビルの歪みは限界を超えた。
鉄骨が火花を散らしながらねじ切られ、魔女の新たな武器として宙へ巻き上げられる。

魔女の浮遊する高度まで持ち上げられたビル5階分の塊は、衛星のように魔女の周囲を経由すると
加速度をつけて砲弾のように発射された。

ほむら「本当に滅茶苦茶ね…」

猛スピードで迫り来るバカでかい物体を避けるのは難しいと判断してバックラーに手を掛けくるりと回す。
カチリ、と歯車の音と共に周囲の時間も止まった。

574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/11/27(日) 19:42:38.02 ID:rllFTFZ/o
幼年通行「いきなり時間停止は使うなつっただろォが」

ほむら「あなたには効かないんだからかまわないでしょう」

幼年通行「オマエの動向見て反射設定したンだよ!
     今はオマエらに関しては反射切ってンだ。混戦でぶつかりでもしてケガさせたらアホらしいだろ」

ほむら「あなたはふつうに魔女にやられてケガしたみたいだけれどね」

幼年通行「チッ、うるせェな」

ほむら「魔女にどつかれて墜落したみたいだったから心配したのよ」

幼年通行「……ほっとけ」

ほむら「第一位(笑)」

幼年通行「あァハイハイ調子に乗ってましたァスイマセンねェ!」

ほむら「やっぱりアイツは他の魔女と勝手が違うということかしら」

幼年通行「そォだな。桁が違う…というより、根本的な何かが違うよォな…」

ほむら「……『あれ』は私達では倒せないのかしら…」

幼年通行「……オマエは一旦下がれ」

ほむら「いやよ!私はあきらめないわ」

幼年通行「そォじゃねェ。周りを気にするのもだりィからな」

ほむら「何をする気?」

幼年通行「加減なしでブチかましてやる。他の奴らにも離れとくように言っておけ」

ほむら「あなたも念話が使えるでしょう?自分で言えばいいじゃないの」

幼年通行「……ブン殴られて墜落したときにわっかがどっか行った」

ほむら「……第一位(笑)」

幼年通行「うるっせェェェ!オラさっさと散れ!」シッシッ

ほむら「はいはい…時間停止を解除したらあのビル(上半分)こっちへ飛んでくるわよ」

幼年通行「問題ねェ。そっくりそのままお返ししてやる」

575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/11/27(日) 19:43:04.56 ID:rllFTFZ/o
軽やかに瓦礫を飛び移って行くほむらの背中を見ながら、ふう、と小さく息をつく。
彼にとって『訳の分からない敵』は初めてではない。

が、『信じ難い敵』というのは初めてだった。

幼年通行(いや、もう一度……今度はデータを集めるつもりで行かねェと)

ほむらの時間停止がとけ、宙に静止していたビル(上半分)の運動が再開された。
巨大なかたまりは一直線に標的に激突、粉砕
…しなかった。

幼年通行「ビル砲は俺の専売特許なンだよクソッタレがァ!」

勢いをそのまま逆方向に変えられたビルは自重にきしみをあげながら空中の魔女めがけてすっとんでいった。

幼年通行「これだけじゃァ物足りねェだろォしな」

ビルを追いかけるように飛び上がりながら、周囲の空気の流れを操る。
宙を舞う瓦礫、ほむらの使用済RPG7砲身、へし折られたビルの下半分も
ついでに根こそぎ引っこ抜ぬいて一塊に圧縮し、さらに巨大な弾丸を形成する。

ワルプルギス「――!!」

幼年通行「ンなチンケな攻撃が効くと思ってンのかァ!?」

逆さの魔女が真っ赤な口から吐き出した炎はあっさりとビル砲にけちらされた。

幼年通行「単純な物理攻撃は利かねェとしても、これならどォだ!」

数百トンに及ぶ質量が魔女に直撃した。
普通なら鼓膜が破れるほどの衝撃が起こるはずだが
発生したエネルギーすべてを操り魔女にぶつけた為、着弾に於いては至って静かなものだった。

576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/11/27(日) 19:43:35.69 ID:rllFTFZ/o
ワルプルギス「――!」

当たり前の物理法則に則って、魔女は吹っ飛ばされた。
巨大な水しぶきを上げ川に落下し、地響きを立てて転がりながら橋や土手をなぎ倒していく。
こういう二次被害のこと全く考えないのが一方さんのチャームポイントだよねwww

幼年通行「本家ビル砲の味はどォだったよワルプルさンよォ」

比較的無事だった川縁の道路に降り立ち、返事がないとわかっている揶揄を投げかける。

魔女に一般的な物理攻撃は利かない。
だが、ほむらは銃やミサイル等の通常兵器を魔力で覆うことで魔法武器として使っていた。
一方通行はそれに倣って、ほむらが打ち捨てた無数のPRG-7の砲身を外殻とした巨大な弾丸を形成したのだ。

単純な質量だけでも、この一帯を何も残らない平原にできる程の威力を持った攻撃だ。
そこに魔女を駆逐する条件である『魔力』をのせてぶつけてやったのだ、無傷であるはずがない。

そのはずだ。

幼年通行「……クソが……!!」

視界を覆う土煙と水煙を切り裂いて鮮やかな青が現れる。
まっさらなドレスを翻して魔女は定位置である空中へ、文字通り舞い上がっていった。

幼年通行「あれで無傷だとォ…!?どォなってやがる…!!」


QB「そりゃあそうさ。『ワルプルギスの夜』は特別な存在だからね」



584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(奈良県) [sage]:2011/11/27(日) 21:40:39.29 ID:mJLTx3sd0
おいwwww
地の文に愛が漏れてるぞwwww

594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県) [sage]:2011/11/28(月) 17:53:07.38 ID:S/5oHCiYo
ワルプルさんはやっぱり物理無効でももってるのか?
こっちもチートなはずなのに、ラスボス感が半端無い。

600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/12/06(火) 01:32:41.02 ID:+eWP4NRAo
さやか「うわっ!? 地震!?」

御坂「魔女って地震攻撃までできるの?」

ほむら「違うわ。おそらく魔女が攻撃を喰らって墜落した衝撃でしょう」

杏子「マジかよ!? 何の音もしなかったんだけど!」

結標「おそらく周辺の空気の流れも操作して真空状態になってたとか
   衝撃音の空気の振動も攻撃に転嫁したとかそんなところだと思うわ。流石あーくん!」

御坂「攻撃した後のことも考えなさいよねー!周りの事まったく気にしてないわねアイツは」

ほむら「そう、巻き込むかもしれないから離れてろって言ってたわ」

さやか「そーいう事は早く言ってよー!?」ガーン

結標「あーくん念話で言ってくれればいいのに頭に直接ショタボイスが響くとかたまんねえだろjk」ハァハァ

御坂「おちつけ」

杏子「あのチビ、念話も使えないほどヤバイのか?」

ほむら「いえ…念話に使うわっか?を無くしたと言っていたわ」

結標「あーくんの天使の輪が!?今すぐ捜索に行かないと!!!11」

御坂「おちつけ」

さやか「しっかし、あのでっかい魔女をあんな小さい子一人でたたき落とすなんて…」

御坂「まあ、アイツはあれでも全能力者の頂点だし」

結標「その上あの最強カワイイアルビノショタだもんあーくんマジ天使よね」

御坂「おちつけ」

杏子「魔女のヤツ元通り空飛んでるぞ。話には聞いてたけど、本当にとんでもねーな」

さやか「でも攻撃は効いてるみたいじゃん!このままいけば倒せるよね!?」

ほむら「……そう、ね…」

さやか「……どしたの?」

ほむら(……あれは…?)

601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/12/06(火) 01:33:12.35 ID:+eWP4NRAo
幼年通行「よくもノコノコと現れやがったなこの野郎」

QB「相変わらずつれないな」

幼年通行「オマエに愛想振りまく必要はねェだろォが。何の用だ」

QB「キミはやることが派手すぎる。あやうくボクまで吹き飛ばされるところだったよ」

幼年通行「文句垂れるくれェなら出てくンじゃねェ目障りなンだよ」

QB「ボクの役目は魔法少女たちを見守る事なんだからキミ達の無事を確認する義務があるのさ」

幼年通行「嘘つけこのペテン師め…どォせアイツ等の生み出すエネルギーが目的だろォが」

QB「そりゃあそうさ。ボクにとっては魔法少女とエネルギーは同義だからね」

幼年通行「チッ…悪びれもしねェのかよ」

QB「ところでどうだい?戦況は」

幼年通行「……見りゃ解ンだろ」

QB「残念だけどこのままじゃキミ達に勝ち目はないと思うよ」

幼年通行「どォいう意味だ」

QB「キミにはもう解ってるんじゃないのかい?」

幼年通行「……なンだと?」

QB「空に浮いてる魔女を囲む光…あれは魔法陣だよ。魔法陣は魔法の発動中に現れる。
  彼女は常に何らかの魔法を使っているということさ。何の魔法だと思う?」

602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/12/06(火) 01:33:46.84 ID:+eWP4NRAo
幼年通行「空を飛ぶ魔法を…いや、」

いままで戦った魔女の中には飛行するものもいたが、魔法陣のようなものは見たことがなかった。
飛行能力は魔法を使うまでもなく備えていると考えるべきだ。
だとすると……、

幼年通行「……まさか……」

なぜ魔女の攻撃は反射膜をすり抜けたのか。
戦闘が始まる前にこの戦いに備えた反射リストを構築したのではなかったか。

混戦で味方に反射でダメージを与えるようなことが起きてしまったらやっかいだからと。


 
一緒にいる魔法少女達を反射リストから外したのではなかったか。



あの巨大な魔女が使っている魔法。
それは、ともに戦う魔法少女達が使うものと同質の魔力を使った――

幼年通行「……!」


QB「さしずめ『時計の魔女』ってところかな?」



時計の魔女。

その性質は拒絶。

もう戻ることはできない。
進むこともできない。
過去を振り返ることも、未来を望むことも呪い、すべての流れを切り離す。

いつか彼女の大切な人が迎えに来てくれる日をただひたすら待っている。


603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/12/06(火) 01:34:13.58 ID:+eWP4NRAo
幼年通行「アレは……『ワルプルギスの夜』は、暁美ほむらが魔女になった姿だというのか…!?」

QB「正確には違うけどね。そもそも、『ワルプルギスの夜』は魔女の名前じゃない」

幼年通行「…何?」

QB「数年に一度、魔女をリセットするシステム…それが『ワルプルギスの夜』なのさ」

幼年通行「リセットだと?」

QB「魔女はどうやって増えるのかは知ってるよね?
  魔女から分離した使い魔は成長して魔女になる。その新たな魔女から分離した使い魔も魔女になる。
  そうやって無限に魔女が増えてしまったら困るだろう?」

幼年通行「テメェで作った仕組みの欠陥をあっさり認めやがったな」

QB「だからこそ問題を解決するフローを用意したのさ。
  魔女が増えすぎると魔法少女の消耗が激しくなっちゃうからね。
  ”ギリギリ倒せるレベル”でないとエネルギー回収前に死ぬ事になる。たいへんなロスだ」

QB「全ての魔女を回収して一旦勢力図をリセットするほうが効率よくシステムを運用できるんだ。
  一時的に魔女が足りなくなるけど、グリーフシードを手に入れられなくなった魔法少女は
  じきに魔女化するからバランスはすぐに元に戻るしね」

幼年通行「安心のクズっぷりだな」

QB「だからボク達は『ワルプルギスの夜』を構築した。全ての魔女を集めて処理するシステムをね」

幼年通行「どこが処理だァ?あれじゃァ魔女単体よりよっぽど魔法少女を大量に殺すだろ」

QB「それが理解できないところだったんだ。
  仕様書では、定期的に魔女を一地点に集約して
  『負の魔力』…エネルギーとして分解するもののはずだったんだ」

QB「だが、出来上がったプログラムをコンパイルして現れたのは多数の魔女を一体に集約し、
  結界すら必要とせず大規模な破壊をもたらす、魔法少女…エネルギーシステムを脅かす存在だった」

幼年通行「バグにしても豪快すぎンだろ」

QB「暁美ほむらの能力を見てやっとバグの原因がわかったよ」

幼年通行「…アイツのせいだってのか」

QB「彼女の『時間停止』が、『ワルプルギスの夜』を一体の強大な魔女たらしめているんだ」

604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/12/06(火) 01:35:05.76 ID:+eWP4NRAo
QBの構築したシステム『ワルプルギスの夜』。
本来なら地上の魔女をかき集め、一掃する仕組みだった。

それが『魔女化した暁美ほむら』を取り込んだ瞬間、
時間操作の力を獲得し巨大な一体の魔女としての形を保つこととなったのだ。

構成物の時間を止める事によって『ワルプルギスの夜』はあらゆる外的干渉を受け付けなくなり、
時間を移動する能力を得てあらゆる時代・あらゆる世界に存在することが可能となった。

QB「『ワルプルギスの夜』の構築ミスじゃない。
  元々の時間軸ではおそらく正常に動作していたんだろう。暁美ほむらが回収される前まではね。
  彼女の能力で『ワルプルギスの夜』は起動の瞬間から現在、未来までの
  あらゆる時代をいったりきたりする力を持つようになったんだ」

幼年通行「……なるほどなァ」

以前、土御門から聞いた『ワルプルギスの夜』の伝承。
魔女が集まり宴を開き、死者と生者の境が弱くなるというおとぎ話。

幼年通行(おとぎ話でもなンでもねェ…そのまんま、ありのままの事実だって事かよ)

世界中によくある、自然現象から発生した伝承の一つだと思っていた。
ブロッケン現象が科学的に解明される前、
山頂に輝く虹の輪をみた人々が魔女の魔法だと騒いだある種ほほえましい昔話だと。

しかし実態は違ったのだ。

生者とも死者ともいえない魔女達が集まり、混乱と破壊を繰り返してきた事実。
その当時の魔法少女か、その関係者か
おそらく『ワルプルギスの夜』の現出を見た者から後世への必死の口伝だったのだろう。

幼年通行「『物質の時間を止め』て『あらゆる干渉を拒否』たァ気合の入った引きこもりぶりだな」

QB「長年の疑問がやっと解明したよ。……さて、キミはどうするつもりだい?」

幼年通行「あン?」

605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/12/06(火) 01:35:34.14 ID:+eWP4NRAo
QB「ワルプルギスの夜はキミ達には止められない。時間停止を超えて魔女を打ち消す術があると思うかい?」

幼年通行「……何か手はあるはずだ」

QB「そうだね、例えば」


QB「暁美ほむらを殺すとか」


幼年通行「な……!?」

QB「『時間を止める力』は彼女のものだからね。
  それさえ無くなればただの魔女の集まりにすぎない。キミ達の戦力でも楽に撃破できるだろう。
  それ以前に魔女を回収するシステムとして正常に動くようになるはずだ」

幼年通行「……」

QB「もっとも、今の暁美ほむらと魔女の暁美ほむらが同じ時間軸の存在とは限らないけどね」

幼年通行「どォいう意味だ」

QB「彼女を『今』殺すことによって、
  この『ワルプルギスの夜』の中にいる魔女の暁美ほむらが消えるとは限らないってことさ。
 『魔女の暁美ほむら』が別の時間軸の存在だとしたら、彼女達は同質でありながら別の存在だからね」

幼年通行「じゃァ殺しても意味がねェってことかよ」

QB「殺して済むならためらい無く殺す、って口振りだね」

幼年通行「……」

QB「睨まないでよ。これでも誉めてるんだよ?キミみたいに合理的な思考を持った子はなかなかいない」

幼年通行「嫌みにしか聞こえねェンだよクソが」

QB「じゃあ魔法の使者らしくヒントをあげよう。魔女にはそれぞれ特徴があるのは知ってるかい?」

幼年通行「どいつもこいつも特徴だらけすぎて逆に特徴とかわかンねェレベルじゃねェか」

QB「まあ…キミ達は火力がありすぎていつもいつもゴリ押し勝利だったみたいだしね」

幼年通行「脳筋みてェな言い方すンな」

QB「キミの場合は脳に筋肉つけてる暇があったら体につけろって話だよね(笑)」

幼年通行「ブっ殺すぞコラァ!」

606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/12/06(火) 01:36:00.62 ID:+eWP4NRAo
QB「例えばさやかの結界。生演奏付きなんてずいぶんラグジュアリーな空間だと思わなかったかい?」

幼年通行「まァな、本人見たらキャラに合ってねェにも程があると思ったが、
     アレはアイツが契約したきっかけっつゥキョウスケってヤツの影響…」ハッ

QB「気づいたかい?すべての魔法少女・すべての魔女には契約の理由がある」

QB「さやかにとってはある少年のバイオリン。
  だから結界内では彼女の執着が具現してコンサートが開催された」

QB「大事に育てた薔薇の為に契約した子もいた。
  魔女になってからもせっかくの『エサ』を自身の魔力ではなく薔薇に使ってたよ。
  また別の子の場合は、病気で食べることのできなかったお菓子。
  魔法少女になってお菓子を好きなだけ食べられる体を手に入れ、
  魔女になって無限にお菓子を生み出せるようになったんだ」

幼年通行(お菓子…?そォいや超電磁砲の足を噛みちぎった魔女の結界は
     病院みてェな空間にケーキやら飴やらがまき散らされてたな…)

QB「でも願い方が『お菓子を食べられる元気な体』だったからね〜
  一番の好物のチーズは出せなくて、使い魔にチーズを探させてたんだ。
  チーズを持っていけばそっちに気を取られて楽に倒せる魔女って有名だったんだよ」

幼年通行「そォいう事は先に教えろよ!」

QB「だって聞かれなかったし。……そういう、魔女にとっての『すべての始まり』は抗えないものなのさ」

さやかにとってのバイオリンの演奏。
お菓子の魔女にとってのチーズ。
ある魔女は光を渇望し光を恐れ、ある魔女は自分の作品の評価を欲し批評を恐れた。

魔法少女の願いは魔女となっても願いのまま。
絶望の存在となってより遠く、届かなくなった願いは、彼女たちを追いつめる弱点となったのだ。

QB「暁美ほむらの『すべての始まり』は何だと思う?」

607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/12/06(火) 01:36:37.80 ID:+eWP4NRAo
ほむら「動かないで」

幼年通行の足元に立て続けに銃弾が打ち込まれた。
銃弾をかわした白い獣はふわりとしっぽを翻し、半壊したブロック塀の上に陣取る。

ほむら「何をしに来たの」

QB「相変わらずキミは物騒だなあ」

崩れた壁に座る獣にM92の照準を合わせたまま、ほむらは幼年通行を背にかばうように着地した。

ほむら「こいつは何を?」

幼年通行「……さァな。いつもの胸糞悪ィ戯れ言を垂れ流しに来ただけだろ」

QB「やれやれ…平和的に話し合いに来たんだけど2対1じゃあ分が悪いかな」

ほむら「おまえと話す事なんて何もないわ」

QB「しょうがない、一旦引くとするよ。……それじゃあ百合子、またあとでね」

幼年通行「……」

608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/12/06(火) 01:37:06.69 ID:+eWP4NRAo
ほむら「あいつは何か言っていた?」

幼年通行「わざわざ『ワルプルギスの夜』は俺達には倒せねェってな…精神攻撃のつもりかもなァ」

ほむら「そう…」

幼年通行「……」

ほむら「ひょっとして、…本当に、倒せないとしたら…」

幼年通行「そォかもしれねェな」

ほむら「!!」

幼年通行「だが、馬鹿正直に延々相手してやる必要もねェ」

ほむら「……どういう事?」

幼年通行「ところでオマエってワープとか出来ンのか?」

ほむら「わ、わーぷ?そんなの出来るわけないでしょう」

幼年通行「だよなァ…出来るンならわざわざ学園都市からタクシー乗らねェよな」

ほむら「あっ、そういえばタクシー代のお釣り返すわ」ゴソゴソ

幼年通行「今それどころじゃねェだろォ!?」

バックラーの裏に手をつっこんで財布を探すほむらめがけて魔女の放った赤紫の炎が飛んできた。
慌てて手を延ばし反射する。

ほむら「はい、助かったわ。…どうしたの?」

幼年通行「はァ…なンでもねェよ。なンだよ小銭多いなァ…」ジャラジャラ

609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/12/06(火) 01:37:54.00 ID:+eWP4NRAo
幼年通行「オイ、持ってる魔法武器を全部だせ」

ほむら「全部?何をする気?」

幼年通行「焼却できねェ邪魔な粗大ゴミは埋め立て地へってなァ!」

ほむらの四次元ポケットから、道具箱をひっくり返したようにゾロゾロと得物が出てくる。
その何十もの剣、何十もの杖を束ね圧縮して出来たのはややいびつな円錐型の物体だった。

ほむら「なんなの、これ?」

幼年通行「豪華宇宙旅行プレゼントだ、感謝しろよォ!」

言いながら、できあがった円錐…手作りロケットを空中の魔女めがけて投擲した。

速度にして音速の33倍、重力圏を突破する威力を計算して放たれたロケットは
あっという間に上空の魔女に命中し、魔女を押し上げながら成層圏を突破。
ベクトル操作しそびれた衝撃波はソニックブームを巻き起こし、
辛うじて耐え残った建造物の窓や壁を叩き壊していった。

魔女は時間移動は可能だが、通常の移動速度は常識的な範囲だ。
宇宙の彼方へ放り出すことができれは数年から数十年の猶予ができる。

『ワルプルギスの夜』を構成している魔女の中に空間移動できる個体がいないとはいえないが、
そうであれば攻撃回避に使っていてもおかしくないし、
使ってくれれば攻略法を考える為の確定要素が一つ増えるということだ。

どちらにしろ損はない、と判断しての攻撃だった。

ワルプル「――!!」

大気圏を抜けようかという瞬間、ひときわ甲高い笑い声を響かせたかと思うと魔女は姿を消した。

ほむら「!? 消えた!!」

幼年通行「どっからオペラグラスなンて持ってきたンだ」

ほむら「こんなこともあろうかと杏子に借りておいたのよ」キリ

幼年通行「どンだけ用意周到だよ」

言いながら、上空を睨む赤い目は魔女の動向を捉えていた。

幼年通行「目障りなゴミは遠くに捨ててやろォと思ったンだが…まァいい」

610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/12/06(火) 01:38:20.64 ID:+eWP4NRAo
あらゆるベクトルを観測する一方通行は、上空800kmの電離層で起こった電磁波の動きを捉えていた。
それは何度も目撃し、何度もその中へと入った魔女の結界への時空のゆがみ。

真空を嫌ったのか、大気との摩擦を嫌ったのか、何にせよ魔女は結界の中へ逃げ込んでいったのだ。

幼年通行「一息つくにはちょうどいいかァ」

少々予定とは違うがこの展開は悪くない。
魔女の挙動一つで街が破壊されていく、という状況からは逃れられたことになる。
もっとも、いつまた魔女が結界の外へでてくるかわからないが。

『ワルプルギスの夜』が現実世界でも容易に現出し、存分に破壊活動を行う力がある以上
結界の中に押し込めたからと言って安心するわけにはいかなかった。

ほむら「あいつを倒した訳じゃないのよね?」

幼年通行「あァ…結界の中に逃げやがった」

ほむら「そう…」

幼年通行「オマエはアイツの結界に行った事あンのか?」

ほむら「一度だけ」

幼年通行「……追撃をかける余力はあるか?」

ほむら「そんなもの、たとえ限界を超えていたとしてもあれを見逃すつもりはないわ」

幼年通行「そォか…じゃァ、引導渡しに行ってやるとするかァ」

611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga]:2011/12/06(火) 01:40:47.79 ID:+eWP4NRAo
本文ここまで

>>609 がらくた状態ロケット的なもの
推進力は例によって頑丈は地球様の自転パワーーー!を拝借してたりしてなかったり
QBがたくさんしゃべる回はしんどいぜ

>>609
http://wktk.vip2ch.com/vipper27841.jpg
k-126.jpg


それではイカちゃんペロペロしてくる

614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県) [sage]:2011/12/06(火) 01:47:15.45 ID:r3qK2tiXo
乙!!
あいかわらずの絵の上手さだ……いかしてるぜ

616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) [sage]:2011/12/06(火) 03:17:54.09 ID:oW0xmzFAO
QBの脳筋発言と天然さ爆発のほむほむにクソワロタww

617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県) [sage]:2011/12/06(火) 03:40:08.21 ID:DKvSxXmM0
>>1乙そして面白い

ほむ通会話、ク−ルな大人の関係だな…


一方通行「俺と契約して魔法少女になンねェか?」まどか「…え?」3




posted by JOY at 02:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 禁書クロスSS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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