2012年09月12日

一方通行「俺と契約して魔法少女になンねェか?」まどか「…え?」3

626 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:02:10.19 ID:eU5S+YHWo
まどか「風が止んだ……?」

見滝原市指定避難所である体育館内では、避難してきた近隣住民が不安気に肩を寄せ合っていた。
耳障りな風切り音と派手な雨音、折れた木や吹き飛ばされた小石が壁にぶつかる音。
それだけでも非日常をあおるには充分だというのに、時折地響きを伴って揺れが襲う。

これが友人達が戦っている魔女の起こす災害だと思うと、恐怖心と共に激しい焦燥感に襲われていたのだが。

まどか「ひょっとして、ほむらちゃん達が勝ったのかな…?」

よその街からきたという魔法少女達も加え、作戦会議まで開いて迎え討ったのだ。
いくら相手が桁外れの魔女とはいえ、魔法少女は希望の存在なのだから彼女達の思いが勝ったのだと思いたい。

たとえ行く末が絶望だとしても、今はまだ。

QB「そんなに何もかも簡単に進むとは思わないことだ」

まどか「キュゥべえ……!何しにきたの!?」

QB「ほむら達の様子を知りたいんじゃないかと思って来たのにその反応はひどいなあ」

まどか「……!ほむらちゃん達は、無事なの?」

QB「今のところはね」

まどか「……」

QB「信じられない?」

まどか「だって、あなたは…みんなにあんな酷いことしてるじゃない」

QB「酷いこと?なんの話だい?」

まどか「ふざけないで!魔法少女が魔女になるなんて、あんな…!」

QB「契約は合意に基づいたものだし、ボクが必要としているのは彼女達の死じゃない」

まどか「そんなの、信用できない」

QB「ボクが欲しいのは魔法少女の魔力なんだ。
  わざわざ彼女達を死に追い込んだり倒せないようなレベルの魔女にする意味があると思うかい?
  回収前に死んじゃったらただのロスじゃないか。そんなもったいないことするわけないだろ?」

627 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:02:36.29 ID:eU5S+YHWo
QB「『ワルプルギスの夜』はボク達にとってもイレギュラーな存在なんだ。
  他のことはさておき『ワルプルギスの夜』を排除したい、という点においては
  キミ達とボクの利害は一致しているはずさ」

まどか「……今は、その魔女はどうなってるの?」

QB「一時的にでも結界の中に逃走させるなんて彼女達はよくやったよ」

まどか「魔女が結界内に行ったんなら、もう街は大丈夫なのかな…」

QB「何言ってるんだい。マミもさやかも結界に乗り込んで魔女を倒してただろう?
  結界の中は魔女が最も効率よく自分の力を発揮できる場所なんだ。
  ほっといたら余計に大変なことになるよ」

まどか「で、でも、嵐は収まってきてるのに」

QB「結界内へ移動する為に一時的に大人しくなっただけさ。
  それに、また魔女が結界の外に出てきたら同じ事だよ」

避難指示が解除され人々が街に戻った後にまた魔女が現れたとしたら。
その被害は甚大なものとなってしまうだろう。

QB「暁美ほむらだってそれは解ってるだろう。魔女を倒すために結界の奥まで追っていくだろうね」

まどか「……結界の中って、魔女が強くなっちゃうんでしょ?」

QB「そうだね」

まどか「結界の外では、ほむらちゃん達の方が強かったから魔女は逃げたんだよね?」

QB「いや?魔女は傷一つついてなかったと思うよ」

まどか「えっ!?」

QB「あの魔女はボクでも全容が解らないんだ。でも、解る範囲で言えば『彼女達では倒せない』」

まどか「そんな!杏子ちゃんは二人がかりでなら倒せるって」

QB「倒せる『かも』だろ?一人じゃ絶望するしかないほどの力の差があるって意味だよ」

まどか「で、でも…さやかちゃんも、さやかちゃんを助けてくれた子達だって手伝ってくれるって…」

QB「そうだね。でも、あの魔女を倒すほどの魔力が残っていると思うかい?」

628 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:03:03.11 ID:eU5S+YHWo
QB「一度ソウルジェムが燃え尽きたさやかを元に戻すなんて、普通は不可能だよ」

まどか「でもキュゥべえが言ったんでしょ?『魔法少女は条理を覆す存在』だって」

QB「言ったさ。そして、彼女達はその通り条理を覆した。
  だけど、運命を変えるにはそれ相応の力がいる。キミだってそれは解るだろう?」

QB「さやかのソウルジェムを取り戻す為に彼女達は自身の魔力を振り絞ったんだ」

まどか「グリーフシードは?」

QB「魔女となったさやかの『穢れ』を分離するのに使いきってしまったよ。聞いてないのかい?」

まどか「……、」

QB「そして新たなグリーフシードを手に入れる事もできない」

まどか「どういうこと?」

QB「ワルプルギスの夜…あの巨大な魔女は、全ての魔女の集合体なんだ」

まどか「しゅうごうたい…?」

QB「この星の全ての魔女が一カ所に集まって具現化したのが『あれ』さ。
  今現在、魔女としての存在は『ワルプルギスの夜』しかいない」

まどか「そんな…!それじゃあ、どうしたらいいの?」

QB「さあ?それはボクの関与する問題じゃないからね。
  とにかく、ワルプルギスが現れた以上しばらく彼女達はグリーフシードを手に入れられない」

まどか「どうしよう…どうなっちゃうの…」

QB「戦いの最中に魔力がつきて魔女となってワルプルギスの一部となるか、
  戦闘後に魔女化して仲間を殺すことになるか……倒すまで粘れたらいいんだけどね、
  うまく行けば仲間内からグリーフシードを調達して何人かは生き延びることができるかも」

まどか「どうしてそうまでして戦わなきゃいけないの……?」

QB「魔法少女は希望の存在。希望を求める存在だ。
  希望を諦めること、立ち止まることは絶望に負けるということだよ」

まどか「魔法少女は絶望すると、魔女になる……
    このままワルプルギスと戦っても、魔力が尽きて魔女になる……どうしろっていうの?」

QB「勝ち目のあるなしにかかわらず、彼女達は戦うしかない」

まどか「希望を持つ限り、救われないって言うの?」

QB「選択肢なんてない。それが、戦いの運命を受け入れるということだよ」

まどか「でも…でも、」

QB「見届けてあげるといい。『ワルプルギス』を前にして、魔法少女がどこまでやれるか」

まどか「……」

629 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:03:29.53 ID:eU5S+YHWo
地上800km。
魔女が消えた座標に、背中に竜巻を接続した幼年通行とその足首にぶら下がったほむらは浮いていた。

幼年通行「ここだな」

ほむら「……ええ」

ソウルジェムが飾られた左手を宙にかざす。
ぐにゃり、と何もないはずの空間が揺らいだ。
不安定な湖面のようにゆらぐ結界の入り口をくぐり、現れた白黒のチェス盤のような地面に着地する。
幼年通行は酸素や宇宙線や気温の演算から解放されてはあ、と小さく息をついた。

ほむら「あなたの連れて来た……結標さん?がものっすごい文句言ってるわよ」

幼年通行「あァー念話出来なくなってて良かったァー」

ほむら「……あの子達を置いてきて良かったの?」

幼年通行「アイツら全員もう魔力の限界が近いだろォからな。つれてきても戦力にならねェ」

使い魔とはいえ、それぞれが武器を使い多彩な攻撃を繰り出す30体以上もの異形と戦ったのだ。
こちらも複数で迎え撃ったとはいえ、一人頭7体以上は多すぎる。
それでも目立った被害が出ていないのは綿密に連携を打ち合わせしたお陰だ。
連携無視した誰かさンがどつかれて墜落したのが唯一の被害だった。

ほむら「あなたは大丈夫なの?」

幼年通行「誰に訊いてンだ?オマエの方こそ大丈夫なのかよ」

ほむら「当たり前よ。ここにきて泣き言なんていってる暇はないわ」

『ワルプルギスの夜』を倒す。

その目的の為に戦ってきたほむらはきっぱりと言い切ったが
攻撃の要として開幕からフル参戦していた彼女の魔力は相当消耗されているだろう。

それでも。

幼年通行「ンじゃァふざけたデカブツの息の根を止めに行くとするかァ」

『何を犠牲にしてでも守りたいものを守る』という彼女の考えを止める道理は無かった。

630 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:04:01.74 ID:eU5S+YHWo
モノクロで構成された結界内を走る、走る。
チェス盤の様な床は変わらないが構成される風景はブロックごとに異なり、ステージ制のゲームのようだ。

幼年通行「1−2は地下ステージってか…」

ほむら「地下というより、これは…」

幼年通行「なンだ?」

ほむら「……いえ、」

『ワルプルギスの夜』の結界は見滝原市内の各所に酷似していた。
結界入り口近くは駅構内、今通過している箇所はほむらも入院していた病棟。
違うのは細長く伸びる廊下の窓から見えるのが灰色に塗りつぶされた風景だけ、というところだ。

同じドアがいくつも並ぶ廊下を走りぬけ、暗闇の中に浮かび上がる階段を駆け上がる。
幾何学模様の刻まれた両開きの扉を開けると、そこは建物の屋上のようだった。
ただし見渡す風景は住宅街やビル街ではなく半壊し水没した建物と宙を舞う瓦礫。
モノクロで構成された風景の中で、ひしゃげた道路灯だけが不気味なまでに赤い光を放っている。

駅の構内、市の中央病院、高速道路。

魔女の結界は、魔女の想いを現す鏡。

その風景は『ワルプルギスの魔女』となった魔法少女達の始まりと終わりの場所。
そこに存在するのは『ワルプルギスの魔女』を魔女たらしめた魔法少女の絶望の象徴。

重い灰色に塗り込められた空を切り裂くように巨大な木がそびえ立っていた。
根元も頂上も、霞んで見えないほど遠くにあるにも関わらず、視界を覆うほどの巨木。

そして、巨大な止まり木の中ほどには羽を休めているかのように魔女がたたずんでいた。

631 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:04:22.76 ID:eU5S+YHWo
ワルプル「――!!」

先ほどまでの現実世界とは比べ物にならない、空間をすべて埋め尽くしそうなほどの量の瓦礫が浮いている。
その瓦礫ひとつひとつが魔女の笑い声を合図に燃え上がった。
溶岩のように赤く輝く塊は容赦なく侵入者目掛け降り注ぐ。

幼年通行「結界内だと一層うぜェなクソ…!」

風を起こして燃える砲弾を押し戻し、それをすり抜けたものは反射で弾く。
しかし、弾いた瓦礫は目標とした魔女に命中はしなかった。
惑星の引力に捕まった彗星のように、魔女を周回する軌道へ乗ってゆるやかに浮遊するのみ。

幼年通行「チッ」

ほむら「結界は魔女の支配する世界よ。当然あの瓦礫も炎も魔女の支配下にあるわ」

幼年通行「メンドくせェな…!」

言葉を交わす間もひっきりなしに魔女の攻撃は続く。
瓦礫の火球、赤紫の炎、光を飲み込む黒い光線。
魔女から不自然に伸びた影が次々と分離し人型に近い形をとった。

人型の影の一部がにゅるりと伸び、武器の形となる。
それぞれ槍や剣を構えた影たちは一直線に『侵入者』へと殺到した。

幼年通行「ンーと」ゴソゴソ

ほむら「どうしたの小銭なんか出して…ここには自販機なんて無いわよ」

幼年通行「当たり前だろわかってるっての!クソ、ワンダの赤缶飲みたくなっちまったじゃねェか」

ほむら「微糖なんて邪道だわ」

幼年通行「たまにネタで飲みたくなるンだよ!」

言いながら、右手の親指と人差し指で十円玉を挟む。
その手を伸ばし、魔女の影から産まれた使い魔に照準を合わせ、

幼年通行「ンー…こう、かァ?」

ピン、と銅製のコインを弾いた。
バリバリバリバリ!と青緑色の火花を散らしながら、
コインは先陣をきって幼年通行に襲いかかろうとしていた使い魔に風穴を開けた。
その勢いのまま後続の使い魔も青緑の炎が蹴散していく。

632 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:04:51.26 ID:eU5S+YHWo



御坂「!?」キュピーン

結標「どしたの?」

御坂「なんか今、私のアイデンティティを奪われた気がしたんだけど」キョロキョロ

杏子「あいで…てぃ…?お茶かなんかか?」

御坂「違うわよ…」

さやか「ほらほら余所見しない!そこ、瓦礫が崩れて道ふさぎそうだよー」

御坂「ハイハイっと…」ビリビリ

結標「…あーくんに置いていかれてその上ゴミ掃除係なんて…納得できないわ…」ブツブツ


633 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:05:17.93 ID:eU5S+YHWo
ほむら「な、何よ今の…!?」

幼年通行「オマエが持ってた小銭なら魔法武器として使えンじゃねェかと思ったンだがビンゴだったな」

魔法少女の魔力と魔女の魔力は表と裏。プラスとマイナス。
魔女の魔力で満たされた結界と、その中にで存在する魔法少女の魔力は
発射準備を整えたレールガンの砲身とその弾体の関係に良く似ている。

結界内の魔女の魔力と、十円玉を覆うほむらの魔力の間で生じた磁場をコインの加速力に転じたのだ。

幼年通行「パクリ技だが上手くいったな」ムフー

ちなみにお金を故意に壊すと貨幣損傷等取締法違反にあたるのでよい子のみんなは真似しないようにね!

ほむら「すごい…これならあいつにも通用するかも!」

幼年通行「そうかもしれねェが」チャリン <123エン

ほむら「返したお金はもっとあったでしょう!?」ガーン

幼年通行「体がチビになって服もちっさくなってるせいでポケットもちっさくなってンだよ!
     知らねェうちにどっかで落としたンだよしょうがねェだろ!!」

ほむら「仕方ないわねいくらか貸してあげるわ」ゴソゴソ

幼年通行「だから今それどころじゃねェつってンだろォ!?」

バックラーの裏に手をつっこんで財布を探すほむらめがけて新たに影から産まれた使い魔が襲い掛かった。
慌ててベクトルキックで使い魔を遠くへ吹っ飛ばす。

ほむら「小銭持ってなかったわ、ごめんなさい。…どうしたの?」

幼年通行「オマエなァ……」ハァ

634 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:06:04.89 ID:eU5S+YHWo
ほむら「とりあえず、使い魔たちを何とかしないと魔女本体を叩けないわね」ハイ

幼年通行「そォだな、とりあえず雑魚掃除だな…ってなンでゴルフクラブなンだよ」

ほむらは宙に浮く瓦礫の上を跳躍しながら腰溜めに構えた軽機関銃を掃射し敵を蹴散らす。
マジカル☆ゴルフクラブを受け取った幼年通行はブツブツ言いながらも鈍器のようなものを振り回す。

互いに互いの攻撃の邪魔をしないよう適度に距離を取りつつほむらの撃ち漏らしをゴルフクラブでぶっ叩き、
遠方の敵が幼年通行を狙う前に銃撃で殲滅するという連携が自然と出来上がっていた。

雲霞のごとく空間を埋め尽くしていた瓦礫や火球や使い魔が、整然とした攻撃で徐々に排除されていく。
もう一息で魔女に直接攻撃を放てるというところまで来た時、

ワルプル「――!!」

甲高い笑い声と共に魔女がぐるりと回転した。
からくり仕掛けのネジを巻いたかのように、魔女の回転にあわせて地面から真っ黒いビル群が生えてくる。

ほむら「な……!?」

魔女とほむら達の間を柵のように隔てたビルは、尚も伸びながら中ほどでボキリと折れた。
次々に生えては千切れ巨大な砲弾となった瓦礫は魔女の起こす風に乗って二人に襲い掛かった。

幼年通行「!! 避けろ――!」

ほむら「く……!」

へたに魔女との距離をつめていた分だけ、回避できる余裕がない。
そう判断したほむらは時間停止の魔法を使うべく、左手のバックラーを掲げたのだが。

ほむら「……そんな!」

幼年通行「オイ!?」

635 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:06:31.62 ID:eU5S+YHWo
油断していた。
女子中学生のくせに遠距離に機関銃、近距離に手榴弾と使いこなしていたから。
なにより、暁美ほむらには『時間停止の魔法』があるから。

しかし何故かほむらは魔法を使わなかった。
ヤバイ、と思った時には真っ黒い塊が視界を横切り、そこにいたはずの魔法少女はいなかった。

ズウゥゥゥン……、と、下方から地響きが聞こえた。
ガラス貼りの大きなビルに黒い長方形が斜めに突き刺さっている。
土煙の舞う墜落地点には、わき腹から下の右半身を瓦礫に押しつぶされている暁美ほむらの姿が見えた。

幼年通行「なンで避けねェ…ってか、こういう時こそ時間止めろよ!」

ほむら「う…、ゲホ、」

何かを話そうとしたほむらの喉からは空気の漏れる音。
咳き込んだ拍子に血を吐いたところを見ると、肺の一部も押しつぶされてしまっている。
頭も打ったのだろう、額からも血を流し、まさに満身創痍だった。

幼年通行「今コレどけるからなァ!」

体を圧迫されている怪我の場合、急に原因を取り除くと血圧の急変で臓器不全等を起こすことがある。
だが、魔法少女の体は外付けのデバイス。
本体であるソウルジェムが無事であるなら死ぬことはない。

ぽい、と空き缶でも放るように軽々とビル5階分はありそうな直方体を投げ捨てると
押しつぶされてところどころ赤黒く変色した手足が現れた。

幼年通行「どォせ魔力も残り少ねェンだろ、とりあえずくっつけてやるからジッとしてろよ」

横たわるほむらはぐったりとはしているが、痛みを訴えたりはしない。
魔法とやらに麻酔効果でもあるのかと思いながら粉砕骨折した右腕に触れ血管や神経を繋ぐ操作をする。

636 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:06:58.79 ID:eU5S+YHWo
ほむら「……タイムリミットよ」

幼年通行「あン?」

ほむら「時間を止めなかったんじゃない。止めることができなかった」

幼年通行「そりゃァどォいう…」

ほむら「私の時間操作は万能じゃない。始点と終点が決まっていて、その間でしか力は使えないの」

暁美ほむらの魔法少女としての『始点』と『終点』。
それは、鹿目まどかと出会った日と、鹿目まどかと離別した日。
その約1ヶ月ほどの時間を砂時計として、砂が落ちきるまではそれを止めることができる。
だが、1ヶ月分の砂が落ちきってしまえば、あとはもう『ひっくり返す』しかないのだ。

ほむら「…どうしてなの?何度やっても、アイツに勝てない」

また最初から、鹿目まどかと出会うところから。
何度も、何度も繰り返してきた出会いからやり直さなくてはならない。でも。

ほむら「繰り返せば……それだけまどかの因果が増える。私のやってきたことは、結局…」

幼年通行「!?」

じわじわとほむらの左手甲にある紫色の宝石が黒く濁っていく。

幼年通行「オイ、しっかりしろ!このままじゃオマエまで魔女になっちまうぞ!」

ほむら「……うぅ、」

637 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:07:25.35 ID:eU5S+YHWo




まどか「ほむらちゃん、ごめんね」



638 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:08:04.38 ID:eU5S+YHWo
左手をやさしく包むぬくもり。
硬く瞑った目を開けると、そこにはほむらが守ると決めた少女の顔があった。

ほむら「……!?まどか?」

幼年通行「オマエ…どォやって来やがった」

まどか「キュゥべえが、戦いを見届ける気があるなら、って……」

幼年通行「あのヤロォ…」

まどか「ほむらちゃん、大丈夫?」

ほむら「まどか…」

幼年通行「ちょっと怪我してるが、今治してる。大丈夫だ」

まどか「そう…よかった。あーくんはすごいね」

幼年通行「あーくン…まァいい、もォいいわ」

変な箇所から妙な方向に曲がったほむらの手足が、小さな白い手の触れた所から元ある形へ戻っていく。
痛覚への配慮も見る者への配慮も何もない治療だったが、文句を言うものは無かった。
それどころではないという理由もあったが。

まどか「ほむらちゃんばっかり戦わせてごめんね」

ほむら「あなたが気にするような事じゃないわ。私が決めたことなんだから」

まどか「キュゥべえから聞いたの。あの魔女をやっつけたら、全部終わるんでしょう?」

ほむら「全部…?」

幼年通行「……」

639 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:08:38.29 ID:eU5S+YHWo
まどか「もういい。もういいんだよ、ほむらちゃん」

ほむら「まどか……? まさか、」

まどか「あーくん、『ワルプルギスの夜』は今いる魔女を全部集めたものっていうのは本当?」

幼年通行「…あァ」

ほむら「(何の話…!なんで?声が出ない…!)」パクパク

まどか「あれをやっつけちゃえば、魔女はいなくなる。魔法少女はもう戦わなくていい。そうだよね?」

幼年通行「……そォだな。だが、ほむらにはもう戦う為の魔力はねェ」

まどか「……うん」

幼年通行「魔女は魔法少女にしか倒せねェ。俺の攻撃は軌道を逸らす事くらいしかできなかった」

まどか「………」

幼年通行「アイツはまたすぐに結界の外に出るはずだ…そォなったらもう止められる奴はいねェ」

まどか「さやかちゃん達は…」

幼年通行「今は『外』で残った使い魔の片付けをしてるはずだ」

まどか「そっか…無事なんだね?」

幼年通行「まァギリギリって所だけどなァ。使い魔つっても流石に30以上連戦したからな…」

ほむら「(何でこんな話をまどかに…!!)」

640 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/16(金) 21:09:04.89 ID:eU5S+YHWo

幼年通行「鹿目まどか。俺と契約して魔法少女になンねェか?」

まどか「……え?」


648 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 00:29:37.99 ID:F1KdONUio
スレタイきたあああああああああああ
GJ!

651 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 16:09:23.87 ID:Mv7r/UUt0
乙!
今までみた中で一番ヤバいな
願わくば、ハッピーエンドを 

662 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:33:59.22 ID:FAP0uf97o
まどか「契約…あなたと…?」

幼年通行「オマエなら『ワルプルギスの夜』を倒せる。魔女の災害を止められる」

まどか「で、でも」

幼年通行「全員が死ぬ気で『ワルプルギスの夜』と戦った。だが、アレには勝てねェ。
     物理法則が通じねェ…もうオマエに頼るしかねェンだ」

まどか「……私が契約したらものすごい強い魔法少女になれるってキュゥべえに言われたよ」

幼年通行「あァ」

まどか「でも…でも、私も結局魔女になっちゃうんでしょ?
    魔女になって、ほむらちゃんもさやかちゃんも…この街の人も、みんな殺しちゃうんでしょ?」

幼年通行「そンなことはさせねェよ」

葛藤と恐怖に震えるまどかを支えるように白く小さな手を少女の手に重ねた。
緊張で冷え切ったその手は本当に弱弱しく柔らかで
そんな少女に『世界の為に死ね』と言うのはいかな一方通行でも罪悪感はあった。

だが、他に選択肢がなかった。
納得のいく理由や理屈をこねている暇もない。
だから、全部の残酷な選択肢の責任は自分がとる。



幼年通行「魔女になる前に俺が殺してやる」


663 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:34:31.25 ID:FAP0uf97o
まどか「魔女になる、前に…?」

幼年通行「オマエに誰かを殺させたりしねェ」

まどか「で、でも、あなた達は魔法少女の魔力…魔女になるときのエネルギーが目的なんでしょ」

幼年通行「それはキュゥべえの事だろ。俺はただこの世界を守りたいだけだ」

まどか「本当に!?本当に…、魔女になる前に私を殺して…みんなを助けてくれる?」

幼年通行「痛みを感じる暇もねェほど一瞬で殺してやるよ」

まどか「……あは。それじゃあ、お願いしちゃおうかな…」

幼年通行「まかせろ。謝って済む話じゃねェが……すまねェな」

まどか「ううん。私なんかにも、出来ることがあるってわかったから。
    何にもしないで、何にもできないでいるより役に立てる事があるってわかったから」

ほむら「(待ってまどか!そいつの言葉に耳を貸しちゃだめ!)」

まどか「ほむらちゃん、ごめんね。私、魔法少女になる」

横たわったまま必死の形相でまどかを止めようとするほむらに、静かな声がかけられた。
ソウルジェムの輝くほむらの左手に添えられた、まどかの手。
その手を握って引き止めることすら、できない。

ほむら「(そんな!!やめて!……どうして?今まで私は、何のために…っ!)」

離れていくぬくもりと共にかすかな望みすら消えていく。

まどか「ほむらちゃんが今日まで戦ってきたこと、無駄にしないから。信じて」

664 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:35:32.62 ID:FAP0uf97o
幼年通行「俺が言うのもなンだが…本当にいいのか?世界を救うために自分の命を使うなンざ……」

まどか「叶えたい願い事があるの。だからそのために、この命を使うって決めたの」

幼年通行「…そォか」

迷いなく立ち上がったまどかは、己の手にゆるく添えられた小さな手を力強く握り返して断言した。

オドオドしてぼんやりしたガキだと思っていた。
だが今、その少女はその目に鋭い光を宿している。

『願いの力』。

ソウルジェムを生成するのに必要だという、強い意志の力。
確かにその瞬間、まどかの魂は一つの願いの為にだけ存在した。


まどか「私、魔法少女になる」



   「戦いは私が全部引き受ける。
    だから、魔法少女のみんなを元の人間に…普通に暮らしていられる人間に戻してあげて!」


665 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:35:59.11 ID:FAP0uf97o



        「それが、キミの望みかい」



666 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:36:27.58 ID:FAP0uf97o
まどか「――、」

声の主を確認する前に、まどかの意識は遠くなっていった。
浮遊するような、体の中から何かが染み出して溶けていくような感覚。
手の中にある小さな子供の手の感触だけが、自分がまだ形あるものだと実感できる拠り所だった。
だが、それすらも意識できなくなるほどの浮遊感と、自らを中心点とした圧倒的な光の拡散。
異様なほどあたりが明るくなったかと思うと、急速に収縮していく。

気がつくと、手の中にコロンと丸い宝石があった。
見覚えのある……何度も見せてもらったことがある宝石。

それは、初めて見る自分の宝石。
淡くピンク色に輝くソウルジェム。

まどか「これが…私のソウルジェム…」

ほむら「まど…か…」

まどか「ほむらちゃん!」

ようやく搾り出したほむらの声はかすれていた。
ところどころ破けて血のついた見滝原中学の制服。
力なく横たわったほむらの周りには、多数の重火器・銃弾・手榴弾・メガネ・中学校のパンフetc…
バックラー裏の四次元収納にしまっていた雑多な物がごちゃごちゃと無造作に散らばっていた。

それはすなわち、

ほむら「なんで…!?変身が、勝手に…」

もうほむらには変身を維持する魔力も、時間に干渉する能力もない。
まどかの願いで『ただの人間』に戻ったのだから。

まどか「もう、戦わなくていいんだよ、ほむらちゃん」

言いながら、ほむらを抱き起こす。
固まりかけた血と、砂にまみれた手足。
それは、ほむらの戦いの跡。まどかを守ろうと戦ってきた証だった。

667 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:36:55.89 ID:FAP0uf97o
ほむら「なぜ契約してしまったの…? 私は、あなたを戦わせたくなくて、今まで…」

まどか「いいの。これでいいんだよ」

ほむら「いいわけないじゃない!私が今まで何の為に繰り返してきたと思ってるの!?
    全部まどかの為よ!まどかを魔法少女にさせないために、私は…!」

まどか「いいの。これが一番いい方法だよ。私は『最悪の魔女』になっちゃうって言われたけど…」


まどか「あーくんが、魔女になる前に私のこと殺してくれるって」


ひっ、と息を飲む音がほむらの喉からもれた。
静かに、微笑みさえ浮かべながら『殺される』ことを告げるまどか。
誰にも知られず同じ時間軸を繰り返していた時よりもまどかの存在を遠く感じた。

まどか「だから大丈夫。ワルプルギスの夜は私が倒すよ。ほむらちゃんは危ないから下がってて」

ほむら「そんなのだめ!だめに決まってるじゃない!」

まどか「このままじゃ、ほむらちゃんも私もみんな死んじゃう。
    でも、私には…私なら、みんなを守ることができる。
    あの魔女を倒せば、もう誰も戦わなくて言い。傷つかなくていい。それって素敵だと思わない?」

ほむら「駄目!行っちゃ駄目!行かないで!一人にしないで!」

まどか「ほむらちゃん…今まで私のこと守ってくれてありがとう。今度は私がほむらちゃんの事を守るから」

ほむら「……!」

668 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:37:23.26 ID:FAP0uf97o
そういうと、まどかはこの時間軸で初めての変身をした。
溢れ出る魔力が光となってあたりを照らす。
背中から放射状に伸びて瞬き、溶けるように消えた光は、ほむらの目には天使の羽のように映った。
奔流する光は胸元の宝石…ソウルジェムに収束し、大きなリボンで留められた髪がふわりと舞う。
柔らかく膨らんだピンクのスカートは蕾のようで、およそ戦いの為の衣装には見えない。

まどか「どうかな、似合ってる?」

おどけるようにスカートのすそをつまみ、くるりと廻ってほむらに衣装を見せるまどか。

ほむら「ええ…かっこいいわ」

素直に賞賛した。
思えば、ほむらはこの衣装に身をつつんだまどかに助けられ、守られ、ここまで来たのだ。
『一週目』で、自分を背中に庇い、魔女をやっつけた彼女は間違いなくかっこよかった。
病弱で近眼で運動神経が完全にOUTだった自分が魔法少女に憧れてしまう程かっこよかった。
たとえピンクのふわふわリボンで飾られたフリフリのレースの裾とペチコートで広がるスカートでも
それはほむらにとって『かっこいい』象徴だった。

まどか「あは。ありがとうほむらちゃん。それじゃあ、私、行くね」

ぐ、とまどかは両足に力をこめると上空へ向けて跳躍した。
崩れ落ちながら浮遊する瓦礫に着地し、また跳躍。
『魔法少女』となったまどかは信じられないほどの身体能力を得ていた。

まどか(体が、軽い)

宙に舞う瓦礫を次々蹴って飛び移り、巨大な魔女『ワルプルギスの夜』に近づいていく。

まどか(大丈夫…私は一人じゃない。いままでみんなが戦ってるところを見てきたんだから。
    マミさんみたいに、さやかちゃんみたいに、杏子ちゃんみたいに、
    ほむらちゃんみたいに、みんなを守る為に戦える!)

669 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:37:49.51 ID:FAP0uf97o
一方通行「あのタイミングで元のカッコに戻ったンなら結標も『人間』に戻ったつゥことだな」

ほむら「あなたって人は……!」

声を出すことだけはできるようになったほむらが悲痛な声を上げた。
やっと気付いた。
怪我の治療として白い少年に触れられていたときに、どういう仕組みか体をマヒさせられたのだ。

まどかに余計な事を言えないように。
まどかの契約を邪魔しないように。

今だうまく動かない体を支えながら、崩れかけた壁のつくる影の中を睨みつけた。
そこには、彼女が協力を取り付け、つい先ほどまで共闘していた人物の本来の姿。
灰色の世界の中でも一際淀んだ影の中、白く細く、なのに弱々しさを一切感じさせない人影があった。

契約の使者―― インキュベーターを肩にのせて。

QB「やるなあ百合子!もうまどかと契約するのは無理だと思ってたよ。
  でもなんでわざわざ隠れたんだい?」

一方通行「目の前でチビガキが今の俺にイキナリ変わったらビビるだろォが。
     オマエはがっつきすぎだ。人間ってなァ追い込むと反射的に逃げようとするもンだ。
     追い込むなら逃げ道を用意してやンねェとな」

ほむら「まどかと契約するなんて…キュゥべえとグルだったのね…!」

一方通行「俺ァただの人間だ、契約なンざ出来る訳ねェだろ。契約したのはコイツだ」

QB「オツカレーッス」

ほむら「……っ!そんなの解ってるわよ!そうじゃないわ!
    まどかを、私を、騙したのね!?あなたの仲間を元に戻す為に利用したのね!」

一方通行「オイオイ『元に戻った』のはオマエもだぜ?
     もォ時間を撒き戻して同じ絶望を繰り返さないで済むンだ、良かったじゃねェか」

ほむら「良くないわよ!あなたは知ってるはずでしょう?私は、まどかを助けたくて…!」

一方通行「あァ、そのためにオマエはわざわざ学園都市までコソドロに来たンだもンなァ」

ほむら「わかってて裏切ったのね……!」

一方通行「人聞きが悪ィなァ。俺が『協力する』つったのは『ワルプルギスの夜』を倒す事に関してだ。
     『鹿目まどかを守る』のはオマエだけの都合だろォが」

ほむら「……!」

670 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:38:17.09 ID:FAP0uf97o
一方通行「俺は学園都市を守る為に『ワルプルギスの夜』を倒したい。
     オマエは鹿目まどかを魔法少女にしない為に『ワルプルギスの夜』を倒したい。
     俺は最初の目的である『ワルプルギスの夜』を倒すための行動をしただけだぜ?」

ほむら「そんな…」

一方通行「まァ俺も、ガキを追い込む趣味はねェからな。何事も無けりゃほっとくつもりだったンだが
     仕方ねェよなァ?『ワルプルギスの夜』は鹿目まどかにしか倒せねェンだから」

ほむら「だから、まどかに頼らなくても倒せるように戦力を集めたんじゃないの…!」

一方通行「戦力の問題じゃねェ。戦術の問題だったンだ」

ほむら「戦術……?」

一方通行「あの魔女を消すのに必要なのは戦力じゃねェ。『鹿目まどか』という存在だ」

QB「あの魔女が『魔女となった理由』が『鹿目まどか』なのさ」

ほむら「……どういうこと?」

QB「ここまで言ってもわからないかい?ついさっき、キミの身に起こりかけたことなんだが」

ほむら「私……?」

QB「キミは『鹿目まどか』を守る為に魔法少女になったんだろう?
  そしてついさっき、『鹿目まどか』を救う道がないことに絶望しかかってたじゃないか」

ほむら「――!」

一方通行「『反射』は万全だったはずなのに直接ブン殴られたからおかしいと思ってたンだよ。
     でも理由が解りゃァ簡単な話だ。
     オマエと『ワルプルギスの夜』の魔力の質が同じだったから反射を通しちまったンだ」

ほむら「同じ、魔力……」

一方通行「味方まで反射したらマズイしな…オマエの魔力は反射しねェ設定にしてたンだ」

ほむら「それじゃあ、私は…」

一方通行「そォいうこった。あの魔女に攻撃が通用しねェのも道理だよなァ。
     『構成物質の時間を止めている』ンだから外部からの干渉は一切受けつけねェンだ」

『時間が止まった物質』。
あらゆる外的干渉を受け付けない。あらゆる攻撃が通じない。
原子レベルで『見て』も、運動が存在しない。『ベクトルが存在しない』。

何者にも邪魔されず、何物をも寄せ付けず、ただ破壊を撒き散らす存在としてあり続ける。

誰かが――『鹿目まどか』が、その歯車を動かさない限り。

671 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:38:47.83 ID:FAP0uf97o
ほむら「―――!!」

思い出した。
何度目のループか、何度目の敗戦か、まどかと共に『ワルプルギスの夜』に挑んで敗れたあの日。
あの時も街はめちゃくちゃにされて、二人とも魔力は尽きて、魔女になるのを待つばかりとなった時。

確かに、この世界を呪った。

『私たち、このまま二人で、怪物になって』
『こんな世界、何もかもメチャクチャにしちゃおっか』

雨の中、崩れた瓦礫に埋もれ、溢れた川の水に浸りながら吐き出した諦めと絶望と怨嗟の言葉。

『嫌なことも』
『悲しいことも』


『全部無かったことにしちゃえるぐらい』


   『壊して』

     『壊して』

   『壊しまくって』


『それはそれで、いいと思わない?』


呪うばかりか、その破壊衝動へまどかを誘った。

『ワルプルギスの夜』が『鹿目まどか』にだけ倒せるのは


          
      あの魔女がまどかを待っているから?



QB「ワルプルギスの夜はいくつもの魔女の集合体だからキミとイコールで結びつく訳ではないけどね。
  ボクが知らない間に現れた魔女。いつの間にか出現して、いつの間にか消える。いつの時代にもいる。
  これは、キミの特性『時間移動』そのものだろう?
  『魔女となった暁美ほむら』を取り込んで今のワルプルギスの夜が完成されたんだ」

ほむら「そんな……私がまどかを…何度も、殺してたの…?」

QB「自分を責める必要はないよ。お陰でまどかは最強の魔法少女になった。
  キミのお陰でエネルギー回収ノルマを達成できる。お礼を言いたいくらいさ」

ほむら「……!!」

QB「『あの時のボク』がそこまで考えてキミを魔法少女にしたのかはわからないけど、
  結果だけ見ると最高の選択肢だったな」

672 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:39:20.05 ID:FAP0uf97o
QB「だからここでキミに邪魔される訳にはいかないんだよ、一方通行」

愛らしいマスコットキャラらしく一方通行の肩に乗っていたキュゥべえは軽やかに地面へ飛び降りた。
前足をきっちりそろえてお行儀よく座り、剣呑な光をたたえる赤い目を見上げる。

QB「まどかを契約する気にさせた手腕は見事だった。助かったよ。
  でも、キミとの協力もここまでだ。エネルギーを回収する前にまどかを殺させる訳にはいかない」

一方通行「……フン、やっと『百合子』なンつゥふざけた呼び方止めやがったな」

QB「人間にとって名前で呼ぶっていうのは親愛の証だっていうから倣ってたんだけどね。
  どうやら、キミとは目的が対立しているようだから。残念だよ」

一方通行「オマエごときでこの俺を止められると思ってンのかァ?」

QB「さあ、どうかな」

ほむら「キュゥべえ!もう一度私と契約して!」

一方通行「あァ!?何言ってンだオマエ」

ほむら「まどかを殺すなんてさせないわ…!キュゥべえには無理でも、魔法少女の私なら…!」

QB「だが断る」

ほむら「ナニッ!!」

QB「キミはまた時間を戻すつもりだろう?また無限ループに入っちゃったらやっかいだからね」

ほむら「それでも、あなただって今ここでまどかを殺されるよりはいいはずよ!」

QB「うーん…確かにその点に於いては利害は一致してるんだが…」

またループに入ってまどかのエネルギー総量が増える利益と、
ループの収束を待つ手間を天秤にかけて思案するキュゥべえが結論を出す暇は無かった。

パン!と破裂音がしたかと思うと、白い毛並みに6つの風穴が開いた。
間をおかずパタリ、と契約の使者は臥すように倒れた。

673 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:39:46.68 ID:FAP0uf97o
ほむら「な……っ」

一方通行「アイツの願いを無駄にしよォってンのか?」

穴だらけのキュゥべえの死体の周りには小銭が数枚散らばっていた。
特に気負いもなく突っ立っている一方通行は、面倒そうに白く細い手をブラブラさせている。

硬貨の弾丸が標的に命中した音は一つしかなかった。少なくとも、ほむらにはそう聞こえた。
いつの間にか、どこからか、コインを取り出し、どうやってか拳銃と同等の威力で発射している。
しかも6枚の硬貨をほぼ同時にだ。

勝てない。

圧倒的な力の差。
ほむらはかつて、時間操作の魔法で時を止める戦術をとってきた。
その間に銃を連射することで解除時に同時に着弾させる手法もよく使った。
だが、これはそんな小手先の攻撃ではない。

人が感知できないほどのスピードと、アルミ製の小さなコインにさえ貫通力を持たせる威力。
さっきまでほんわかうさちゃんでぴこぴこしてたから忘れていたが、『学園都市第一位』なのだ。

圧倒的科学力をもつ学園都市の、その最新兵器が束になっても傷一つつけられないという最強兵器。

不意打ちで時間停止に巻き込めるならまだ勝算はあるが、今の彼女はただの中学生でしかない。
頼みの綱(不本意ながら)の契約の使者・キュゥべえは目の前で蜂の巣にされてしまった。

ほむら「……キュゥべえを殺したくらいで契約を止められると思ってるの?」

一方通行「そりゃァ無理だろォな。アイツにその気がありゃァスペアがすぐ現れるだろォし」

だが、

674 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:40:59.20 ID:FAP0uf97o
一方通行「キュゥべえ(new)が現れるのと、俺があのガキを殺すのと……どっちが早ェと思う?」

ほむら「――っ!」

一方通行「俺ァ聖人君子でも正義の味方でもねェ。
     言ったはずだ。守りたいものを守る為なら、世界を、守るべきもの本人を敵に回してでも守る」

ほむら「たった一人の為に全部を切り捨てる…あなたも、そういう信念で動いていたわけね…」

一方通行「そォいうこった。オマエと利害がズレた時点で結果は決まったンだ。残念だったな」

ほむら「く…っ」

埃と砂と自らの血で汚れた地面を掻くように、ほむらは両手に力をこめた。
ぽたぽたと水滴が落ちて薄汚れた地面に水玉模様ができていく。
たった一人ででも、誰にも理解されなくとも、まどかを救うと決めてからこらえてきた涙が溢れた。

『ワルプルギスの夜』がほむら自身から生まれたのならば、契約したこと自体が間違いだったのか。
いや、初めて会った時まどかはすでに魔法少女で、ワルプルギスと戦って命を落としてしまったから…
そこで、恐ろしい可能性に気がついてしまった。

まどかと出会わなければ、まどかは死ななかったのではないか?

魔法少女のまどかと出会って、ほむらは魔法少女になり『ワルプルギスの夜』となった。
ほむらが魔法少女という存在を知らずに過ごしていれば『ワルプルギスの夜』は生まれず、
まどかはずっと普通の魔法少女として暮らしていけたのではないのか?

いずれ魔女になる可能性があるとはいえ、
彼女と組んでいた魔法少女は戦い方・魔力の運用・全てにおいて安定したベテランだった。
事実、ワルプルギスの夜に殺されてしまうまで数年に渡り一人で魔女退治を勤めていたはずだ。

ほむら「私が、全ての元凶だったの…?」

めまいがした。
全身の力が抜けていく。力の入れ方がわからない。
へたり込むようにしてほむらはその場にうずくまった。

ほむら「……あ、」

絶望。
いつも、ずっと、何度も、希望を求めてきた。その分深く真っ暗な絶望。

ほむら「ああぁぁぁぁあああああああああああっ!」

まどかを死に追いやっていたのは自分。
まどかを死を振りまく最悪の魔女に仕立て上げたのは自分。
まどかを守る、だなんて思い上がったとんでもない勘違いだった。

675 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2011/12/20(火) 12:45:35.56 ID:FAP0uf97o
ほむほむを追い込むのが楽しくなってしまったのは内緒

ここで切るのは色々アレなんだけど次にキリいいところだと長すぎたので仕方ない
反応が怖いから話を逸らすために安価でもしとこうw

>>684
新年のご挨拶を着物でして欲しい禁書もしくはまどかキャラ2人まで
元旦に絵うpする

それでは

684 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 14:44:27.05 ID:8g4RfVfDO
>>1乙!
くそっ続きが気になる・・・!

せっかくクロスだし一方さんとQBとかどうよ

704 : ◆jhM3GDvYk. [sage]:2011/12/30(金) 02:39:19.20 ID:ZJ5Zjwo6o
>>684
把握
ほむほむとか美琴がくると思って着物のパンフとか貰ってきたのに野郎と淫獣が安価ゲトとはww
元旦は親戚の家にいくみたいなのでひょっとしたらうpは2日になるかもしれん


ということで今年最後のうp
スレ内に登場していないにも関わらず頻繁に話題にのぼるマミさん

http://wktk.vip2ch.com/vipper29829.jpg
k-127.jpg


ハワイで行ったハンバーガー屋の制服がこんなんだったんだけどさ
あ、フトモモばっかみてたからシャツとかは適当
短い腰みの?みたいなのをはいてるんよ
それが歩くたびにヒラヒラ揺れてたまらんのですわまあ下に短パンはいてたけどな!
テーブルについてくれたおねえちゃんが超いいフトモモ…かわいい子だったハワイ最高


それでは皆様よいお年を

707 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 11:30:39.08 ID:c3UANMJ80
滾った

708 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 13:24:53.54 ID:GPGNeuYDO
>>1のせいでハワイ行きたくなったぞどうしてくれる

マミぱい!マミぱい!

712 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 17:59:12.17 ID:IPfKoTIR0
あわきんのSGって何色?
そして>>1の絵何これすげーハワイ行きたくなったよどうしてくれる

713 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/01(日) 23:50:12.30 ID:B6R/wKuNo
元旦うp間に合ったぜ
皆様あけましておめでとうございます

>>684
QBと一方さんで新年のご挨拶
http://wktk.vip2ch.com/vipper30025.jpg
k-128.jpg


716 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 01:50:57.33 ID:5nzip+Voo
>>713
一方さんかっけえええええええええ!!
そして腕ほっせえwwモヤシわろたww

717 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 02:17:48.15 ID:mgnI+C+IO
こえぇぇぇぇえええぇぇぇえぇええぇえぇぇぇえええぇぇぇええええぇえぇ!

完全に喪中じゃねーか

720 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 08:48:10.02 ID:eaAph3Ux0
カラーだっていうのに驚きの白さ・・・

721 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 10:01:16.22 ID:yX5nQ295o
カラーだってのがスゲェな…驚きの白さ…だがカッケー。お年玉ありがとう


774 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:44:45.72 ID:myjr9YwIo

鹿目まどかを守る。

たった一つの願いがその手をすり抜けようとするのになす術もなく薄汚れた地面に這いつくばり、
絶望という闇に塗りつぶされようとしている暁美ほむら。
慟哭を上げながらうずくまる少女を、一方通行は静かに見下ろしていた。

覚えのある状況だった。
守るべきものを目の前にして、ただ絶望して打ちひしがれるしかなかった無力感。

一方通行「……、」

一方通行は誰かに『感情移入』などしたことがない。
することができない。
感情を共有するような人間関係を築こうとしたこともなく、
そもそも立場が特殊すぎて共感できるような立ち位置の人間に会う機会もなかった。
ゆえに、他人の感情の動きなんぞに気を回したことなどほとんどない。

いわばプロのぼっちである。

だから、暁美ほむらの絶望を目の当たりにして感じるのは感情移入による共感などではない。
かつての自分が絶望して、どん底まで突き落とされた時のリプレイを見るような。
精神の均衡を失うほどの真っ黒な闇で塗りつぶされた悪夢を突きつけられるような。

生々しすぎて吐き気がする程の、想像力など介入する余地もない実体験に基づく感情。
その真っ黒な感情が自身の中を埋め尽くし塗りつぶし溢れ出し、

一方通行「……クカ、」

ドバッ!と、背中から漆黒が噴き出した。
それは絶望の象徴。
あらゆる法則・あらゆるルールを無視し、どんな手を使ってでも絶望を叩き潰す、という信念。
際限なく周囲から押し寄せ、身の内から湧き出る無限のドス黒い感情を『エネルギーとした』力。

闇より黒いエネルギーの奔流は辺りの瓦礫も魔女の吐く炎も蹴散らして数十メートルに及んだ。

775 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:45:39.50 ID:myjr9YwIo
ほむら「な…に……?」

QB(new)「これは…!」

一方通行「hjkzxよォ……frgtyh早かったじゃねェか」

QB「……こんなこともあろうかと予備を結界内まで持って来てたんだよ」

ノイズ混じりの一方通行の言葉に、白い獣は明らかにたじろいだ。
感情の無い種族であるはずのキュゥべえの声色に驚愕が混じる。

QB「流石にそんな力を使うんじゃ、ボクも本気で阻止するしかないな」

ちょこんと鎮座した『お座り』の体勢から立ち上がると頭をすいと下げた。
すると、背中にあるグリーフシードを取り込んできた『口』が開き、そのまま

うらがえった。

ずるり、と引きずり出されたと真っ赤な内側は小山のようにつみあがり、
部分的にとがったり伸びたりしながら獣のような昆虫のような形となった。
禍々しい攻撃的な姿には元の『キュゥべえ』の面影はどこにも無い。

一方通行「それがオマエの本当の姿ってかァ…ずいぶンかわいこぶってやがったンだなァ」

QB(改)「キミだってついさっきまで子供の姿だったじゃないか。油断をさそうってのは基本だろう?」

一方通行「違いねェな」

QB(改)「残念だよ。キミは人間にしては合理的な考え方をするし気が合うと思ったんだけど」

一方通行「そりゃァ気のせいだ。俺は人間を使い捨てにするよォなやり方には虫唾が走るンだよ」

一方通行(……以前の俺を見てるよォでなァ…クソッタレが……)

QB(改)「話し合いは決裂だね。キミに勝つのは難しいかもしれないけど、
     まどかが魔力を使い切るまで足止めするだけならどうにでもなる」

776 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:48:02.04 ID:myjr9YwIo
にゅるり、とキュゥべえ(改)の喉元が開き、そこからカラカラと小さな物体が転がり出てきた。
一方通行達が回収してきた複数のグリーフシード。
その一つを前足のとがった爪でつつく。

QB(改)「これにはね、『絶望』のエネルギーが凝縮されてるんだよ」

爪で転がされたグリーフシードから真っ黒な雷がほとばしった。
凝縮されたエネルギーが解放されるのを感じた一方通行は、無言のまま地面をつま先で軽く蹴飛ばした。

ほむら「な……っ!?」

突如、ほむらの周りに転がっていたほむほむグッズが飛び上がるように一斉に宙に浮いた。
地面から弾き飛ばされた物のうち手榴弾などの爆発物だけが意志を持ったように巨大化した獣に突進する。
さほど離れていない位置からふいをついた形になった攻撃は何の問題もなく目標に命中し、爆発した。
だが、複数の爆発の直撃を受けたはずの獣はその場から一歩も動かず平然としている。

QB(改)「これは『魔力』の鎧さ。キミも知っての通り魔法で出来たものは魔法でしか攻撃できないよ」

いつもの姿ならさぞ腹の立つドヤ顔をしたであろう態度で言い放った。
昆虫のようなギザギザした前足から這い上がっていった黒い奔流は表面を覆いながら固形化していく。

一方通行「ふゥン」

気の無い返事と共に筋肉の少ない細い腕が無造作に差し出された。
いぶかしむキュゥべえに手のひらを向け、くい、とひねるように動かす。

QB(改)「!?」

とたんにキュゥべえの表面を這いずり広がっていた黒い『鎧』が巻き戻されたように面積を小さくした。
一方通行はその能力でグリーフシードからあふれ出した魔力の『移動』のベクトルを操ったのだ。

一方通行「勘違いしてねェかァ? 俺は『魔法には手も足も出ませン』なンて言った覚えはねェぞ?」

魔女を倒すにはプラスとマイナスの魔力を相殺させなければならない。
その前提があったから、サポート役としてマスコットうさちゃんもとい見守り役に徹していたのだ。

だが、キュゥべえは魔力で出来た魔女ではない。
貴重な魔力を消耗品であるインキュベーター(孵卵器)に使う訳がないのだ。
魔力の鎧を剥いでしまえば、その体はタンパク質を模した高分子化合物の塊でしかない。

一方通行「初対面でミンチにされたの忘れたのかァ? インキュベーターさンよォ」

ぐしゃり、と。
巨大化した体を支えていた足がひしゃげて潰れた。

QB(改)「な、何が……!?」

クワガタのアゴのように変形した、元は耳毛的なアレが根元からブチブチと千切られていく。
一方通行はただ静かに、緩やかに手を動かしただけ。
それだけで、『人間が自覚していない力すら操る高次元の知的生命体』を無力化した。

777 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:49:06.76 ID:myjr9YwIo
一方通行「未知の力で人間を翻弄してたオマエが、テメェの知らない力で潰される気分はどォだ?」

QB(改)「く…で、でも一息にミンチにしないなんて、ひょっとしてボクに愛着でも沸いたのかい?」

一方通行「アホか。潰してもどォせ新しいのが出てくるンだろ、俺ァ無駄な事はしねェンだよ」

QB「なかなか合理的な意見だけど、それはボクの妨害を甘んじて受けるって意味だよね」

一方通行「オマエのお遊びに付き合ってる暇ァねェンでな。アイツと遊ンでろ」

QB(改)「アイツ…?」

あごで示された先には結界入り口から魔女のいる空間に通じる扉。
その扉が転がる瓦礫を押しやりつつ重い音を上げながら開き、

御坂「ちょろっとー、勝手に話進めないでくれる?」

ごろごろと転がる石くれを蹴飛ばしながら御坂美琴が現れた。
その衣装は魔法少女としてのカエル着グルミ姿ではない。
見滝原遠征の為に選んだ、滅多に着る機会のない私服のワンピースの裾を跳ね上げながら近づいてくる。

QB(改)「美琴…!? どうやってここに?」

御坂「うわ、なにこのキモチワルイの」

一方通行「キュゥべえだ」

御坂「嘘でしょ何このデッカイカマドウマだかウデムシだかみたいなの…」

当然の事ながらドンビキである。

御坂「あとアンタもなんなのその羽厨ニ病にしてもたいがいでしょ…」

当然の事ながらドンビキである。

一方通行「うっせェ中ニに言われたくねェよ!それよりソイツは任せたぞ超電磁砲」

御坂「えぇ!?任せたって、どういう」

言うが早いか一方通行は黒い翼の噴射の勢いで魔女を目掛け飛んでいった。

778 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:49:46.02 ID:myjr9YwIo
御坂「コラー!状況くらい説明していきなさいよー!」

QB(改)「もうキミは魔法少女じゃなくなったはずだ。ただの人間がどうやって魔女の結界に…」

御坂「そうよ!いきなり変身とけて大変だったんだから!
   ラスボス倒してメデタシ展開なのかと思ったのに魔女はピンピンしてるしどうなってる訳?」

QB(改)「結界は完全に閉じてたはずだ。人間が結界を感知し、入ってくるなんて出来る訳がない」

御坂「アンタねえ、こーんな便利なもの人に預けたのを忘れてたワケ?」

ひょい、と御坂が指先でつまんで見せたのはキュゥべえの耳毛についてる輪だった。
念話送受信用として一方通行に渡された、ショタコン曰く『天使のわっか』である。
幼年通行がどつかれて墜落した際に紛失したものだが、
ショタコンレーダーであーくんスメルを察知した結標が川底から発見したのだショタコンおそるべし。

御坂「アイツらが結界に入った大体の位置は見てたから知ってるし、
   電磁波で空間のゆがみを特定してこの『わっか』を結界への入り口にしたのよ」

QB(改)「……本当に、キミたちは全く予定通りに動いてくれないね」

御坂「完全に悪役のセリフよね、それ。さてと、しばらく大人しくしてもらおうかしら」

QB(改)「やれやれ…このガワは魔法で出来てるんだよ。キミの電撃だって通じない。
     魔法少女として魔女と戦って、わかってることだと思うけど」


 「内側はどうなのかしら?」


779 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:50:54.37 ID:myjr9YwIo
QB(改)「?!」

御坂の手から金色の輪が突如消えたかと思うと、ドス、と黒光りする獣の内側から鈍い音が響いた。
メキリ、と内側から黒い装甲を貫いて顔を出したのはキュゥべえのわっかだった。

結標「この『わっか』は念話…魔力での会話を中継してた。魔力に干渉できる物質って事よね」

QB(改)「なるほど…それをボクの内側に座標移動させて鎧を破ったってわけか。
  キミ達にはこういうふうに力を発揮してもらう予定じゃなかったのに予定が狂いっぱなしだ」

御坂「そーんな余裕ぶっこいてる場合じゃないと思うんだけど?」

QB(改)「まあね、早く一方通行を止めないとね。キミ達には悪いけど相手してる暇はないんだよ」

御坂「って、ハイそうですかって行かせるわけないでしょ!」

バリバリバリバリ!と、雷が発生した。
御坂からキュゥべえへ、空気中を光の槍が切り裂いていく。

QB(改)「だから魔力の鎧には効かないttttあばばばばばばbbbbbbggg」ビリビリビリビリ

ごとりと鈍い音を響かせて、キュゥべえ(大)がひび割れた地面につっぷした。
表面を覆っていた黒い鎧は制御を失ってタールの様に赤い皮膚の上をどろどろと流れて落ちる。

御坂「魔法に能力は効かなかったけど、アンタ自身に電撃が効いてたのは知ってるってーの」

結標が開けた魔法の鎧の穴から高圧電流を容赦なく流し込んだのだ。
いくらガワが頑丈でも中身はかよわい()マスコット、ひとたまりもなくウェルダンである。

QB(炭)「」ビクンビクン

御坂結標「「見掛け倒し乙」」

780 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:51:17.17 ID:myjr9YwIo
ほむら「……あなた達…」

御坂「あ、やっぱりアンタも元に戻ってるのね……って、その格好どうしたのよ?」

結標「怪我してるじゃない!先に結界の外に出て病院に連れて行くわよ」

ほむらの泣きはらした顔と服の赤黒いシミを見比べて、二人は動揺したようだった。
慌てて言いつくろう。まだここから――まどかのいる空間から離れる訳にはいかない。

ほむら「大丈夫よ。治してもらったから…」

一方通行に、と言いかけて、ほむらは唇をかんだ。
一緒に魔女と戦った。傷を治してもらった。

ひたすら罪悪感を押し殺して時間を繰り返してきた事を認めてくれた。
そのせいでまどかを追い込んでしまったと知った時に迷わずに済んだのはあの一言のお陰だ。

『目的を思い出せ』と。
まどかを守る。たった一つの、何を犠牲にしてでも守ると決めた願い。

なのに、なぜ。

ほむら「あなた達は私の敵なの…?」

御坂「……どういう事?」

781 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:52:36.80 ID:myjr9YwIo


まどか「…こんな大きい身体なのに素早いなんて…!」

武器の弓矢が届きそうな距離まで魔女に近づいたまどかは、しかし攻撃の体勢に入れずにいた。
逆さの魔女が青いドレスの裾を優雅に揺らしながら回転するだけで、無数の炎が生み出される。
さらには突如空中に瓦礫のかたまりが現れたと思ったら猛スピードでつっこんでくるのだ。

まどか「だめ、避けきれない…!」

一方通行「チンタラやってくれたお陰で間に合ったぜクソがァ!」

轟!とまどかの目の前を黒い物が横切った瞬間、視界いっぱいに迫った影が消えた。

まどか「あ、あなたは…!?その白い髪と赤い目…あーくんに似てるけど…」

一方通行「似てるっつゥか本人だけどな…っつゥかよく解ったな」

まどか「え!?あーくんなの!?」

一方通行「まァ色々あって魔法でガキの格好になってただけでコッチが本当の姿だ」

まどか「えー…えぇー………エェー…」

一方通行「なンだよ文句あンのか言いたい事あンなら言えよ怖ェとか目付き悪ィとかよォ!」ウガァ

まどか「ふええ!?そんな事思ってないよぉ…そうじゃなくてえっと、その背中の…」

一方通行「細けェこたァいいンだよ!オイ、アレをぶっ殺すぞ。手を貸してやる」

まどか「で、でもなかなか近づけなくて…あぶない!」

会話している間にも攻撃は続いている。
魔女とまどかの間を遮る一方通行の背に魔女の放った光線が襲い掛かった。

が、

無造作に黒い翼が振るわれると一瞬にして光線が七色の光に分解されちりぢりに消えていった。

782 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:53:04.35 ID:myjr9YwIo
まどか「どうやったの今の…?」

一方通行「知る必要はねェ。それよりいいか。オマエがアレを倒さねェとこの街は壊滅だ」

まどか「!」

一方通行「魔女は俺がさばいてやる。オマエは自分の攻撃に集中しろ」

まどか「う……うん……」

一方通行「なンだ文句でもあンのか」

まどか「あの魔女も、元々魔法少女だったんだよね?人間に戻してあげられないのかなあって…」

一方通行「オマエは……、」

愕然とした。
あまりの能天気さに呆れたのもあるが、この状況で。
自分の住んでいる街を壊されかけ、命がけで戦っている状況で、敵の事を気遣う馬鹿げた感覚。

馬鹿げたまでの正義感。

一方通行「……オマエみてェなのが『ヒーロー』なンだろォな」

まどか「え?」

悪意に悪意を、殺意に殺意を『反射』してきたような者とは違う次元にいる。
クソ弱いはずの少女に、『絶対的なヒーロー像』の片鱗を見た気がした。

一方通行「なンでもねェよ」

まどか「??」

783 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:53:30.21 ID:myjr9YwIo
一方通行「オマエの武器は…弓か。さっさと構えて狙いをつけろ」

まどか「う…、」

一方通行「殺す訳じゃねェ。自分の願いを思い出せ」

まどか「え?願い…みんなを元にもどすって…」

一方通行「契約時の願いで魔法少女の魔法は決まる。
     オマエの魔法はアイツをあるべきところへ戻してやれるはずだ」

まどか「!」

一方通行「あの魔女だって、元はオマエと同じ何かを守ろうとして契約した魔法少女だ。
     こンな風に暴れまわって壊したり殺したりしたかった訳じゃねェはずだ」

まどか「……うん」

一方通行「オマエの手でこンな残酷な運命から解放してやれ」

まどか「うん!」

力強くうなづいたまどかの手に光が集まった。
柔らかなピンク色の光は凝縮され、一筋の矢となる。
ゆったりと弓を構え、淡く暖かな輝きをたたえる光の矢を番えた。

784 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:54:26.19 ID:myjr9YwIo
ぎり、と弦を引きながら、ワルプルギスの夜を視界の中央に納める。
次々と浴びせられる魔女の攻撃は、まどかの背後に移動した一方通行の黒い翼が打ち落としていた。

弦を引き絞る右手に、白い手が添えられる。
冷たい。

まどか「手、冷たいね」

一方通行「オマエもだろォが」

まどか「だって、緊張しちゃって…あったかいココア飲みたいな…」

一方通行「結構余裕あンじゃねェか。これが済ンだら学園都市で一番高ェの奢ってやンよ」

まどか「あはっ、楽しみにしてるね」

一方通行「よォし、力は入れなくていい。そのまま撃て!」

まどか「うん!!」

限界まで引き絞られた弓から光の矢が放たれた。
魔女に向かって飛んでいく一筋の光は、途中でシャワーのように分裂しながら速度を上げた。
『量子加速器』アクセラレータ。
一方通行はまどかの『魔力』を読み解き、向きを整え、標的めがけて加速させる。

地上から立ち上る花火のように、魔法の矢が『ワルプルギスの夜』に浴びせられた。
次々と命中した光は波紋のように着弾点から広がっていき、やがて魔女全体を淡い光で包み込む。

あるべき場所へ。
あるべきところへ。

まどか「もう誰も恨まなくていいの。誰も呪わなくていいんだよ」

まどかの願いに包まれて、『ワルプルギスの夜』の時間が再び動き出す。

ワルプル「――……、」

救済の光を受け、魔女のけたたましい笑い声も荒れ狂う攻撃も鳴りを潜めた。
瓦礫のバリアに守られ浮遊していたはるか上空から、空気の抜けた気球のようにゆっくりと高度を下げてゆく。

785 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:54:54.28 ID:myjr9YwIo
ワルプル「……、」

まどか「――え?」

何か、魔女に話しかけられた気がした。
が、まどかが聞き返す間も無く魔女は溶けるように形を崩していく。

一方通行「……これでいい」

ずっとまどかを待っていた『時間を止める魔女』が、まどかの願いによって再び時間の流れに戻った。
それにより、固定化されていた魔女達はあるべき姿へと変化していく。

ただのエネルギー体へ。
呪いと絶望と破壊を撒き散らす必要のない、暗くて静かで何もないところ。
最後の安息の地へ。

巨大な魔女はひとかたまりの大きな発光体へと変化した。
絡まった糸が解けるようにほろほろと崩れ、そのかけらは空へ溶けるように消えていった。
消える前の一瞬、人の形をとったかけら達が楽しげに踊っているように見えたのは気のせいだろうか。

まどか「…やったの?」

一方通行「だな」

最後のひとかけらの光が消えるのと同じくして、まわりのモノクロの世界が色を取り戻した。
魔女の消滅に伴い結界が消えたのだ。
空を覆っていた分厚い雲が蒸発するように消えていき、太陽の光が地上を照らす。
折れた木や崩れた建物などで雑然としているが、まどかにとって見慣れた見滝原の風景だった。

786 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/01/29(日) 18:55:20.73 ID:myjr9YwIo
まどか「……やった?」

一方通行「あァ」

まどか「もう、魔女はいなくなったの?」

一方通行「そォだな」

まどか「……やったあああ゛あううう〜〜」

一方通行「な…!?何いきなり泣いてやがンだ!」

まどか「だってえええううううぐううう〜」

一方通行「チッ…とりあえず地面のあるところに戻るぞ」

結界が消え足場にしていた浮遊する瓦礫も消えた今、墜落せずに済んでいるのは一方通行の能力のお陰だ。
しかし号泣する少女を後ろから羽交い絞めにして飛んでいる、というのはさすがに犯罪臭がはんぱない。

まどか「ううううんん゛ん〜」グスグス

返事なのか泣き声なのかよくわからない声を無視し、一方通行は手近なビルの屋上に着地した。
たった今強大な魔女を消し去った少女は気が抜けて今更怖くなったのか
地面に足がついたとたんに変身がとけ、その場にへたりこんで泣きじゃくり続けている。

だが、泣きやむまで暖かく見守ったりあまつさえ慰めるようなスキルなど一方通行は当然所持していない。
だから、単なる事実だけを告げる。

一方通行「……まだ全部終わった訳じゃねェ」

まどか「……!」

感極まっていたまどかにもその言葉の持つ意味が伝わったようだった。

すべての魔法少女を絶望させてきた元凶となる仕掛け――『魔法少女は、やがて魔女になる』。

その連鎖を断ち切る為には、魔女になる前に手を打つしかない。
魔女になる前に。世界の全てを呪い、破壊するだけの存在になる前に。


最後の魔法少女『鹿目まどか』は死ななくてはならない。


まどか「うん…わかってる」

787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2012/01/29(日) 19:01:58.38 ID:myjr9YwIo
ここまで本文

それにしても地の文難しすぎワロタwwww戦闘終わったから次から台本形式に戻れる嬉しい

落書きうp
>>775
QBさん本気出す
http://wktk.vip2ch.com/vipper32125.jpg
k-129.jpg


こんな感じの方がまだ信用できる
http://wktk.vip2ch.com/vipper32126.jpg
k-130.jpg

全く本文に関係ない落書き
http://wktk.vip2ch.com/vipper32127.jpg 黒子かわいいよ黒子

http://wktk.vip2ch.com/vipper32128.jpg 
 漫画禁書9巻扉のねーちんのおっぱ…かっこよかったよねーちん
ねーちんのかっこいい話読みたい

それでは

789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/29(日) 19:05:14.79 ID:YKQEhrrjo
QBカッコよすぎだろ

796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 23:25:37.97 ID:6+SSyLqDO
エロい黒子が好きな>>1が大好きです
乙乙!

798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/30(月) 00:37:09.49 ID:lRKfbIcS0

OBがカッコよく見えた俺は病気だな

809 :あってた [saga]:2012/02/19(日) 19:11:49.91 ID:GhUXepXqo
ほむら「まどか!」

突如空中に三つの人影が現れた。
着地するなり足を縺れさせながらまどかに駆け寄ったのは、元魔法少女の暁美ほむら。

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「まどか…まどかああ…!」

まどか「あは、痛いよほむらちゃん」

ほとんど体当たりの勢いでまどかに抱きついたほむらは激しく泣き出した。
何をするでもなくその様子を見ている一方通行に向かって、残り2人――結標と御坂が歩み寄った。

結標「良かったわ、座標移動できる範囲にいてくれて……ってあーくんがあああああ」ガックーーorz

一方通行「沸いて出てくるなりソレかよ!?」

結標「私が元に戻っちゃったから覚悟はしてた…してたけど一縷の望みを持っていたのに…」グスグスorz

御坂「淡希はしばらくほっときましょう。 ね、結界が消えたってことはあの魔女を倒したのよね?」

一方通行「あァ」

御坂「そっかー…ま、お疲れ」

一方通行「適当すぎンだろ」

御坂「で、聞きたいことがあるんだけど」

一方通行「後にしろ」

御坂「それじゃ遅いのよ。アンタ……その子を、鹿目さんを殺すって言ったのは本当?」

810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:12:17.02 ID:GhUXepXqo
一方通行「それがどォした」

御坂「魔女をやっつけて、私達も元に戻って、なのになんでアンタはまた…!」

まどか「違うの!私があーくんに殺してってお願いしたの!」

結標「あーくん(笑)」

一方通行「オマエにだけはその呼び方についてツッコまれたくねェンだが」

御坂「殺すとかどうとか、なんでそんな話になるのよ」

まどか「私が魔女になる前に死なないと全部無駄になっちゃうの」

一方通行「コイツの願いでオマエらを元に戻したンだ。コイツを始末すりゃァ魔法少女はいなくなる」

まどか「そうするって、私が決めたの。『ワルプルギスの夜』で魔女は全部いなくなった。
    私の願いで魔法少女を全員元に戻したら、もう誰もひどい目にあわなくてすむの」

ほむら「まどかが全部の絶望を背負うのを黙ってみてろっていうの?」

御坂「そうよ!きっと他に何か、魔女にならずにすむ方法が…」     

QB(小)「それは無理だよ」

御坂「キュゥべえ…!倒したはずなのに!?」

QB「大サイズを維持する力を確保できなくなっただけさ。この愛らしい小型サイズは燃費がいいんだ」

結標「自分で愛らしいとか」

811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:12:44.11 ID:GhUXepXqo
QB「魔法少女が魔女になるという運命は変えられない。キミは誰より良く知ってるはずだが?」

ほむら「……でも、だって、いままでとは違うわ!まどかには充分に魔力が残ってる」

QB「魔法少女の体は魔力で維持されてるんだ。
  生きてるだけで、徐々にソウルジェムは濁っていく。その運命には抗えないよ」

結標「今すぐどうにかしなきゃって訳じゃないでしょう?解決する方法が他に無いか探してからでも…」

一方通行「魔法少女を放っておけってのはそのヘンの人間が魔女に殺されてもイイって意味じゃねェのか」

ほむら「まどかが死んでしまうくらいなら、それでもかまわないわ!」

まどか「ほむらちゃんダメだよそんな事言っちゃ」

ほむら「だって……!」

御坂「アンタは…、鹿目さんはそれで良い訳?!こんな理不尽な事に自分の命をかけるなんて」

まどか「これしか方法は無い…これが、一番いい方法なの」

御坂「……!」

結標「私達を元に戻すためにこの子を犠牲にすることにした訳?」

一方通行「願い自体はこのガキの意志だ」

御坂「……、」

結標「だからって勝手にそんな……美琴?貴女も何か言ってやりなさいな」

御坂(……『自分が死ぬしか解決する方法がない』って事もある、か……)

QB「ボクとしてはまどかが魔女になるまでゆっくり待ってもいいんだが」

ほむら「そんな事はさせないって言ってるでしょう!」

一方通行「あーもォキリがねェ外野は黙ってろ」

黒翼が生き物のように波打ち、一方通行とまどかを中心とした竜巻が立ち上る。
天まで届く風の壁が二人と外界を遮断した。


812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:13:10.47 ID:GhUXepXqo



さやか「ったく〜みんなどこに行っちゃったんだろ」キョロキョロ

杏子「チョーノーリョクって奴でどっか行ったんだろ…あても無く走りまわるのやめようぜー…」ゼーハー

さやか「杏子ったら、元に戻ったら急に体力無くなったみたいね」

杏子「運動能力は魔力で補ってたから……」ハーハー

さやか「そういやいっつもお菓子ばっかり食べて栄養バランス悪そうな生活してたもんね〜」

杏子「うっせー!……んん?あそこのビルんトコなんか変じゃねーか?」

さやか「あれって病院の屋上よね。魔女が竜巻でも起こしてるのかな」

杏子「さっきまでの嵐は収まったんだし、もう魔女はほむら達が倒したんじゃねーのか?」

さやか「じゃああれは魔女は関係ないのかな……とにかく行ってみよう!」ダッ

杏子「(ぅええぇぇ〜!!)」ゼーハー



813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:13:37.46 ID:GhUXepXqo
見滝原市中央に位置する病院は、嵐での怪我人やパニックに陥った人への対処で混乱気味だった。
その為、屋上に突如出現した竜巻に気付く者も、電話の問い合わせに答える為わざわざ屋上に来る者も、
関係者以外立ち入り禁止の屋上への階段を駆け上る少女2人の姿をとがめる者もいなかった。

さやか「ってことで到着ー、ってみんないたー!」バーン

杏子「……、……、」ゼハゼハ

御坂「あっさやか!よかった無事で…ってかそれどころじゃないってゆーか」

さやか「むぅ、あたしの事なんてどーでもいいってか?」

御坂「そうじゃないわよ、でも今はあれが」

杏子「なんだよこれ…まだ魔女を倒した訳じゃないのか?」

ほむら「ワルプルギスの夜はもう倒したわ。この竜巻は魔女じゃない…あの中にいる超能力者のしわざよ」

さやか「あれ?ひょっとしてあそこにいるのまどか?一緒にいる人誰?何してるの?」

杏子「オイ、またテメエが何か企んでるんじゃねーだろーな?」ムギュ

QB「濡れ衣だよ」ワケガワカラナイヨ

さやか「まどかは避難してたんじゃないの?なんでこんなとこにいる訳?」

杏子「そういやあのチビもいねーし」キョロ

御坂「説明は後よ! 淡希、座標移動でアイツを無理矢理引っ張り出せない?」

結標「一方通行は11次元の干渉も跳ね返すのよ……ヘタしたら私達が愉オブよ」

さやか「おーいまどかー!あたし達元に戻ったんだよー!何してんのー?」

ほむら「何をのんきな事言ってるのよ!まどかを止めて!」

杏子「何ナニなんなのさー?」

814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:14:03.21 ID:GhUXepXqo
まどか「よかった、さやかちゃんと杏子ちゃんも戻れたんだ」ホッ

一方通行「ったく、ガキが集まるとうるっせェな」

まどか「あぅ…ごめんね」

一方通行「オマエが謝る事じゃねェだろ」

まどか「ううん、あーくんには一番嫌な役やらせちゃう訳だし」

一方通行「……それこそ、オマエが謝る必要はねェよ」

まどか「そ、そうかな…でも、あなたも誰かを守ろうとしてるのはわかってるから」

そう言って、まどかは笑みを浮かべた。
諦めや投げやりな感情からではなく、心底安堵し、満足し、達成感溢れる笑顔だった。

一方通行「ガキが、生意気な口ききやがって」

何かを守る為の戦いを終えた人間というのは、こんな風に穏やかなものなのだろうか。
ふ、とつられるように一方通行も表情を緩めた。

まどか「あーくん、怖い顔より笑ってるほうが似合うよ」

一方通行「バァーカ、俺が一人でニヤニヤしてどォすンだよ」

まどか「一人じゃないよ」

一方通行「あン?」

まどか「一緒に戦った仲間だもん。みんな友達だよっ」


815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:14:29.13 ID:GhUXepXqo
当然の事を告げるようなまどかの言葉に、一方通行は何ともいえない微妙な表情を作った。

一方通行はまどかを『殺す』
まどかは一方通行に『殺される』

そんな殺伐とした関係上ではありえないはずのやりとり。
恐怖で震えていてもおかしくない状況で向けられるホンワカ笑顔に返す言葉が思いつかない。

まどか「全部終わったらみんなにちゃんと説明してあげてね。きっとわかってくれるよ」

誤魔化せるレベルを超えて明らかに異質で異端である自分。
だが、だからといって何もかもから孤立していると思っているのは単なる青臭い勘違いだ。
まどかがいたから、
ほむら、さやか、杏子、結標、御坂がいたから守ると決めたものを守ることが出来た。

一方通行「……そォだな、『みンな』にな」

当たり前のように言われた言葉には一方通行が無意識に作り上げていた壁を突き崩す力があった。
身の内に凝って常に自らを苛んでいた強い感情が『外』へ向けられる。

反転した力は一方通行の内にとどまらず溢れ出した。
溢れ出した光は全てを飲み込むかのように辺りを真っ白く塗り潰していく。

QB「これはまさか……!?」

ほむら「なんなの!?」

QB「ワカラン」

杏子「えぇー!?」ガーン


816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:14:55.19 ID:GhUXepXqo
物理的な圧力すら感じさせる勢いで拡散する光。
二人を囲んでいた一同は、よろめきながらも視線を外すことの出来なかった人物の変化に目を見張った。

御坂「あれってまさか…『絶対能力(レベル6)』だっていうんじゃないでしょうね…!」

一方通行の背中から噴射されていた漆黒の翼が、根元から音を立てて純白に染め上げられていく。
人の形の器から溢れ出した思惟は頭上に光の円を描き、白い髪をいっそう白く輝かせる。

結標「……一方通行マジ天使」



まどか「あーくんて天使だったの?」

一方通行「あン?」

外観の変化に頓着のない一方通行は突然のメルヘンな問いかけに首を傾げた。

まどか「なんだか納得できちゃった。じゃあこれ、お願い」

差し出された両手には、大事に握られていたソウルジェム。
まどかの魂を抜き取って形成された、あたたかい色を放つ宝石。

一方通行はまどかの両手ごとソウルジェムを握りこんだ。
『本体』であるそれを壊せば、鹿目まどかは死ぬ事になる。

一方通行「苦痛は与えねェつもりだが、一応目ェつぶっとけ」

まどか「……うん」


817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:15:21.85 ID:GhUXepXqo
暴風の中心からさらなる光が爆発した。
目をつぶっていてもまぶしいくらいの白い光の中に、ほのかに色が混ざる。

ほむら「――っ!」

一瞬後にはまぶたの裏にうす赤い残像を残して光の洪水は止んだ。
恐る恐る目を開けたほむらのチカチカする視界に飛び込んできたのは、

光の翼も輪も無くなり、ただの白く細い人影として立ち尽くす一方通行と
糸が切れたマリオネットのように膝から崩れ落ちようとしているまどかの姿。

ほむら「まどかっ…!」

慌ててまどかの身体を抱きとめたほむらはバランスを崩してその場に倒れかける。
ほむらに続くようにまどかに駆け寄っていたさやかと杏子が二人を支えた。
意識の無い人間の身体というのは予想外に重たい。
三人はよろめきながらもほむらにもたれかからせるようにまどかをその場に座らせた。
かくり、と力なくまどかの首が垂れる。
投げ出された手足はぴくりとも動かない。

杏子「オイ…どういう事だよ」

さやか「まどか!?なに…なんなの!?」

御坂「アンタ……まさか、本当に」

一方通行「これで全部終わりだ」


818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:15:52.74 ID:GhUXepXqo
ほむら「キュゥべえお願い!もう一度私と契約して!」

QB「……」

ほむら「利害は一致してるでしょう?」

QB「キミと再契約はしないよ。またループされたらやっかいだし別の回収手段に移行するさ」

ほむら「……今まで散々私達を利用しといて……っ!」

思わず身を乗り出した拍子にまどかの身体が傾いだ。
抱きとめて支えた身体はまだ温かいのに、力の抜けきった四肢は指先一つ動くことは無い。

ほむら「まどか……ごめんね」

ほむら「私は、結局何もできなかった……」

力を込めて反応のない身体を抱きしめながら、弱々しく震える声で呼びかける。
当然ながら、返事はない。

一方通行「ソイツの後始末はコッチでつける」

極めて事務的な声に反駁する気力すらほむらにはもう無かった。
状況を理解することを拒否するように、少女達は呆然と立ち尽くしていた。


819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:16:43.70 ID:GhUXepXqo
 〜〜 数日後 〜〜

杏子「さーやか〜!」ブンブン

さやか「やっと来たー!遅い!」

杏子「だってさー前より足遅くなっちゃって」ハァハァ

さやか「魔法少女の能力に頼りっぱなしだったってことだな!これからキッツイぞ〜!」

杏子「うっぜー!……でもキツイのもさ、人間に戻れたからって考えるとイイもんだよな」

さやか「そうだね」

杏子「んで、他のやつらはまだなのかよ今日は魔法少女同窓会するんだろ?」キョロ

ほむら「もういるわよ」

杏子「うおわ!?びびったあ」

ほむら「そんなに驚くことないでしょう」

杏子「おまえももう魔法は使えないんだよな?」

ほむら「当たり前でしょう。まどかの願いで魔法少女はみんな元に戻ったのだから」

杏子「わかってるけどさ、急に出てきたから時間を止める魔法を使ったのかと思ったんだよ」

ほむら「それは私の影がうすいって事かしら」           ■■…キャラカブリハユルサナイ

820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:17:09.97 ID:GhUXepXqo
杏子「急にメガネ掛けはじめるしガリ勉キャラにでもなるのか?」

ほむら「元々魔力で視力を補っていたのよ」クイ

さやか「そういやあんたも杏子と一緒に検査入院したんだもんね。どっか悪いの?」

杏子「アタシは病気とかじゃなくて栄養指導されただけなんだけどな」ビョウインショクハモウイヤ

ほむら「私は魔法少女になる前は心臓が弱かったから」

さやか「転校してくる前まで入院してたんだっけ」

ほむら「ええ。でも、学園都市での治療を受けたしもう何も問題はないそうよ」

杏子「なんかさ、こうやって元の人間に戻ってのんきに暮らしてるなんて夢みたいだな」

さやか「本当にね。あとは、まどかがいたらみんな元通りだよね…」

ほむら「そうね……」


 <オーイ


ほむら「お迎えが来たわよ」

結標「久しぶりね」スタスタ

さやか「姐さんちーっす」

杏子「よお、元気か?」

結標「元気よ、ありがとう。どうして?」

杏子「いやー、あのガキがいなくなってすげー落ち込んでたからさあ」

結標「…………」|||orz|||


821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:17:36.08 ID:GhUXepXqo
杏子「あ……」

さやか「ちょっと、傷口つつくのはやめたげてよ」

結標「フフ…いいのよ、いいの…あーくんのキラメキは一瞬のものだからこそ愛でる価値があったのよ…」

ほむら「末期ね」

杏子「わ、悪かったよ」

結標「大丈夫よ…本職の案内人としての仕事はきちんとまっとうするから」

さやか「案内人て仕事なの?」

ほむら「さあ?」

結標「それじゃあ『飛ぶ』わよー!」ヒュン

さやか「えっ」ヒュン

杏子「飛ぶってなn」ヒュン

ほむら(座標移動とかいうやつね…魔法は無くなったのに、この人達はまだ魔法の世界みたいね)ヒュン

822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:18:07.88 ID:GhUXepXqo

結標「到着〜!」スタッ

さやか「おっと」スタヨロ

杏子「きゃん!」ドテ

ほむら「……」スタ

結標「あら、大丈夫?ちょっと出現位置が高かったかしら」

さやか「あ〜、大丈夫大丈夫この子魔力が無くなったせいでドン臭くなってるだけなんで」アハハ

杏子「さやかー!」プンスコ

さやか「怒ったかー?捕まえてみなさーい!……ってうわーすっごい立派なホテル!」スタタタ

結標「ここの最上階のスイーツバイキングに行くのよ」

杏子「すげえ!食べ放題なんだよな!?」スタタタ

ほむら「私達だけで来てしまったけどいいの?」

結標「美琴は先に来てるはずよ」

823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:18:43.71 ID:GhUXepXqo
さやか「おおー…ロビーからも高級感が溢れ出まくりんぐ…」

結標「一応第三学区でもトップクラスのホテルですもの」

杏子「はわわ…」コソコソ

さやか「何後ろに隠れてるのよ」

杏子「だ、だってこんな高そうなとこのお金払えない」プルプル

結標「大丈夫よ、ここは超能力者様のおごりだから」

御坂「あー、おっそーい何してんのよー」スタスタ

杏子「ゴメン、アタシが足遅くて…」

御坂「足?って、病院から走って来たの?タクシー代貰わなかった?」

ほむら「ああ、そういえば私がまとめてもらってたんだったわ。ごめんなさい」

一方通行「オマエなァ…俺がわざわざ金出してやってンのにボケンのもたいがいにしろよ」カツカツ

結標「あら一方通行いたの」

一方通行「誰がここの金払ったと思ってンだ」

ほむら「久しぶりね……まどかは、」

一方通行「オマエはソレばっかりだなァ」


824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:19:12.08 ID:GhUXepXqo
まどか「ほむらちゃんでば、もうそんなに心配しなくても大丈夫だよ」トコトコ

御坂「私も信頼してる病院できちっと検査してもらったし、何も問題はないわよ」

ほむら「まどか、検査結果はどうだったの?」

まどか「前屈が平均よりちょっと下だったよ〜」テヘヘ

さやか「うわーマジで問題なさすぎるわ」

ほむら「願いの力も使わずに魔法少女から元に戻れただけでも信じがたいのに…」

一方通行「当たり前だろォが俺をなンだと思ってやがる」

ほむら「ペテン師?」

一方通行「ブッ殺されてェのか」


『契約の使者』を装った一方通行は、まどかとキュゥべえの契約を後押しした。
それは、まどかがキュゥべえを信用していなかったせいというのもあったが、
一番の理由は間近で契約の様子を観察する為。

契約時に魂が抜き取られソウルジェムに変化するという現象を観察する為だった。

未知の力である『魂を物質化する方法』を探る為にキュゥべえを利用し、
魔女という存在を根絶する為にまどかの願いを利用した訳だ、ペテン師といわれても無理はない。


杏子「だってさ、あーんなチビの本当の姿がコレってほとんど詐欺じゃんかよ」

一方通行「好きであンな醜態さらしてた訳じゃねェ!」


しかし実際、結標の魔法で脳を損傷する以前の姿になっていたことで
まどかの警戒心を解くことはもちろん、時間制限なしで『感情エネルギー』とやらを観測できたのは大きい。

契約時にまどかに触れていられたことで体内で起こるエネルギーの流れを把握することが出来た。
そして間近で身体から抜き取られた魂がソウルジェムとなる現象も見ることができた。
そこまで解れば一旦取り出したものを元の位置に戻すことなど一方通行にとって大して難しいことではない。


825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:19:46.22 ID:GhUXepXqo
ほむら「元に戻す事ができるなら予め言ってくれれば良かったのに」

一方通行「『願い』っつゥのは『後でどうせ戻れるから大丈夫』みてェな覚悟で叶うもンなのかよ」


一度契約の仕組みを見れば魔法少女を元に戻す方法は解る。
それを当人に告げずに契約させたのは一方通行がコミュ障だからではない。
『願い』が魔法少女の魔力や魔法の質に関わる以上、余計な思考を排除する必要があったのだ。


まどか「後で元に戻れるってわかってたら、きっとあんなに強く願えなかったよ」

ほむら「それならそれで、まどかが契約した後にでも教えて欲しかったわ」

一方通行「言ってなかったか?」

ほむら「……きいてないわよ」※コミュ障ゆえに自分の考えを他者に周知するという発想がなかったのである。

まどか「ま、まあまあそういうのはとりあえずいいじゃない」

杏子「そうそうせっかく旨いモン食わせてくれるっていうんだし文句はその後にしようぜ」

さやか「それじゃーそろったところで行きますかー!あーくんよろしくっす」

一方通行「だからその呼び方はヤメロ」

御坂「後で妹達も来るって言ってたわよ、よろしくねあーくん(笑)」

一方通行「だからヤメロつってンだろ」

さやか「えー、美琴って妹いるんだーいくつ?」

御坂「同い年、かな?」

キャッキャウフフ

ほむら「はぁ、まったく……」

まどか「ほむらちゃん、行こっ!」

ほむら「ええ」


魔法少女から元の人間に戻った面々は、学園都市のとある病院で身体に異常がないかのチェックを受けた。

長い野良魔法少女生活により主に食方面がガタガタで内臓機能が弱っていた杏子と、
魔力で虚弱体質を補っていたほむらは数日間の入院となった。
もっとも、グンマーから通える距離ではない為宿泊施設代わりの入院のようなものだったが。

ソウルジェム化した魂を一方通行の能力で無理矢理元に戻されたまどかは一層精密な検査となった。
一方通行自ら各部位の活動状況をチェックしたり、
遺伝子工学の専門家である某ニートに精密な遺伝子検査の仕事が舞い込んだり、
運動機能検査として体力測定のようなことまでしたりと、まどかは入院生活をそれなりに慌しく過ごした。

そして今日、異常無しで退院となったまどかを待って元魔法少女達の慰労会を開催する事になったのだった。


826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2012/02/19(日) 19:22:28.61 ID:GhUXepXqo
一方さんなら…
一方さんならきっとなんとかしてくれる…!AA(ry

ということで次回で本編は完結つーことになる予定
ラストのJCキャッキャウフフを書くために続けてきたので感慨深い
よろしければ最後までおつきあいください

それでは

827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/02/19(日) 19:32:18.45 ID:ZQqPHBC2o
乙!

流石一方さんだ!

828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/02/19(日) 19:56:13.58 ID:yQJhBgUAO


だがQBがこのまま引き上げるとは思えないな

829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 19:57:29.71 ID:AE9YEibDO

マミさんが惜しいわ…仕方ないけど、もっと早く来ていれば!と思わずにはいられまてん

910 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:36:29.27 ID:fTmReHcgo
 〜〜 最上階・スイーツバイキング 〜〜

店員「高級ホテルは客層がいいなー」

店員「やはり中高生のたまり場ファミレスは駄目だ壁殴り代行の頼みすぎでバイト代が消えてしまう」

店員「今日は貸切か…こんなところ貸し切るなんてどんな金持ちだよ」

ホテルマン「いらっしゃったぞ、ご案内差し上げて」

店員「ハイハイっと…いらっしゃいませ………!?」


一方通行「おォ、予約してたンだが」

ホテルマン「お待ちしておりました」フカブカー


店員(ファミレスの白いリア充!?リア充の上に超金持ちとか超絶リア充じゃねえか爆発しろ!)


御坂「へえ、初めて来たけどなかなかいいところじゃない」スタスタ

結標「学園都市が一望できるし『外』からのお客様をもてなすにはいいかもね」スタスタ

杏子「オイ見ろっ靴が!廊下のジュウタンに靴が埋まるぞ!」モフモフ

さやか「ちょっと、杏子ったらはしゃぎすぎだってば」

ほむら「まどかは退院したばかりなのに食べ放題なんて大丈夫なの?」

まどか「平気だよっ病院でもいっぱい食べるね?って言われてたし」ティヒヒ

一方通行「コイツ病院食じゃ足りねェってンで途中から食堂でも食ってたし心配する必要ねェよ」


店員(今日も美少女てんこもり…つーか前より増えてんじゃねえか!くっそ!リア充くっそ!)


まどか「あーくんそんな事バラさないでよぉ…」カァァ

御坂「あーくん(笑)」

一方通行「いちいちツッコむンじゃねェよクソ……」


店員(俺もjcにアダ名で呼ばれてえええええeeeeee)ゴロンゴロン

ホテルマン「おい君、何してるんだ!落ち着け!」


911 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:36:55.78 ID:fTmReHcgo
ホテルマン「こちらのお席へどうぞ」

一方通行「おォ……っこらしょォっとォ」ドサッ

結標「じじくさっ」ポス

杏子「うわあソファが滅茶苦茶やわらか座り心地いい!」モッフモッフ

さやか「落ち着きなさいってーの!」

御坂「あはは、私達しかいないから多少は騒いでも平気よ」

店員「お飲み物はメニューからお選び下さい。スイーツ・軽食類はあちらのテーブルにご用意しております」

ほむら「テーブルのガラスにメニューが映るようになってるのね、さすが学園都市…まどか、何飲む?」

まどか「えーっと…」ストン

一方通行「とりあえずコーヒー!全員分なァ」

店員「かしこまりました」ペコ

御坂「ちょ…何勝手に注文してんのよ!」

結標「とりあえずビールみたいな言い方してんじゃないわよ」

QB「まあまあいいじゃないか、ケーキにコーヒーは定番だし後から好きなものを頼めばいい」

御坂「ん?」

結標「え?」

912 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:37:27.44 ID:fTmReHcgo
QB「やあ、みんな久しぶりだね。元気そうでなによりだよ」

さやか「キュゥべえ!」

杏子「てめぇどのツラ下げてアタシ達の前に…」ガタッ

ほむら「まどかに手出しはさせないわよ」スッ

まどか「ほ、ほむらちゃん」

一方通行「せめてコーヒー飲ンで一服するまで待っとけよ」

QB「待ちくたびれちゃったんだよ仕方ないじゃないか」ピョン

キュゥべえは軽やかにジャンプすると、ソファに深く腰掛けた一方通行の膝の上に着地した。
足場にされた一方通行は、体勢を整えようともぞもぞするキュゥべえを払い落とそうともしない。

QB「うーん…やっぱり座り心地悪いなあ、骨ばっかで」

一方通行「ブチ殺すぞ」

御坂「アンタ何か企んでるんじゃないでしょうね」

一方通行「オマエらみてェな三下相手に俺がいちいち回りくどいマネすると思うかァ?」カチ

結標「何をするつもり!?」ガタッ

数々の絶望の元凶ともいえる白い獣の出現により、和やかな空気は消えさっている。
そして一人だけキュゥべえの出現に驚く事の無かった一方通行が能力を解放する『スイッチを入れた』。
その行動に警戒心をむき出しにした結標の動揺が周囲にも伝播する。

一方通行「いいねェその表情!いかにも幸せの絶頂から叩き落されましたって感じじゃねェか!」

ほむら「……っ!」

913 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:37:53.59 ID:fTmReHcgo
御坂「ふざけないでよ……っ!」

怒りと共に御坂の額から紫電が弾ける。

一方通行「おっとォ、こンな所で電撃放つンじゃねェぞ」

御坂「く…!」

『一方通行』に向かって攻撃をしかける。
御坂はその意味を痛いほど理解していた。
うかつに電撃を浴びせても反射されてしまう。
それどころかベクトル操作で反射先の標的を周りの少女達にされでもしたら……。

一方通行「そンな身構えンなよ」

言いながら、一方通行はおもむろに片手を前に差し出した。
それだけで空調によるかすかな空気の動きしかなかった室内に風が起こる。

さやか「な、なにこれ……?」

いや、風ではない。
壁一面の窓の端に寄せられたカーテンも、繊細なガラス細工で彩られたシャンデリアも動いていない。

御坂「なによこれ…アンタは、何を操ってるっていうの…?」

一方通行「さァなァ」

空気は動いていない。
なのに、あたりを『何か』が吹き荒れ、周囲をかすめて巻き上げられているのを少女達は感じていた。

914 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:38:20.24 ID:fTmReHcgo
一方通行のとぼけた返事に激昂した御坂は、状況を忘れて怒鳴りつけようと口を開く。
が、急に空中の一点を凝視するとぽかんと開いた口を閉じるのも忘れ、目をゴシゴシをこすりだした。

結標「美琴、どうしたの?」

御坂「なんか……黒いのが見えない?」

ほむら「え?」

差し出された一方通行の手の平の上。
巻き起こされた風(のようなもの)はそこに集められているようで、黒ずんだ渦を作っていた。
シミのようにジワリと空中に滲み出た『何か』は黒い粒子となり、それ自体が引き合うように渦を巻き
やがて一つの四角い結晶となってコロンと白い手の平の中に転がった。

QB「すごいや、さすが百合子!」

一方通行「百合子言うな」

さやか「なに…なんなの?」

QB「まさかソウルジェムを経由せずに感情エネルギーを集められるなんて思わなかったよ」

御坂「感情……エネルギー?」

一方通行「この黒いのはオマエらの感情を固形化したモノだ」カチ <OFF

QB「いやーまさかボクが姿を現しただけでキミ達がそれほど嫌がるとは思わなかったよ…」チョットショック

ほむら「当たり前よ、自分をマスコットキャラと勘違いしてるんじゃないでしょうねこの淫獣」チッ

さやか「結構言うねぇ」

915 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:38:47.55 ID:fTmReHcgo
結標「そういえば感情エネルギーとやらを集めるのがキュゥべえの目的なんだっけ」

QB「そう。感情の動き。中でも最も効率的な『思春期の少女』の『希望と絶望の相転移』のエネルギー。
  ボク達はそれを手に入れるためにキミ達少女の『魂』を契約の魔法で抽出して
  『ソウルジェム』という固形燃料に変え『グリーフシード』へ育てていた訳だけど」

ほむら「よくもあっさりと『燃料』だなんていってくれるじゃない」

QB「事実だからね」

杏子「ホンットむかつくなあ」

QB「ソウルジェムという形を経由せずに『感情エネルギー』を集めるとなるとロスが多すぎるんだ。
  辺りに放出されたものを集めようとしても、利用できるレベルに集約する前に多くは霧散してしまう。
  エントロピーを覆す存在である『感情エネルギー』も、それじゃあ意味がない」

さやか「日本語でおk」

QB「うーんと、溶けた蝋に芯を挿して燃やしても、蝋が流れていってしまったら炎はすぐ消えちゃうよね?
  エネルギーとして利用するには、使うとき以外は流動性が無い方が扱いやすいんだ」

一方通行「もしくはその流動性を一定範囲内に限定する…つまり入れ物に入れる。それがソウルジェムだ」

QB「感情という不定形なものを生み出す魂を容器に入れて、その中にエネルギーを蓄積させるわけさ」

結標「ちょっと待って、貴方の手にあるそれ…『感情エネルギー』だって言ったわよね?」

一方通行「あァ」

御坂「じゃあその『ソウルジェムを経由しないエネルギー化』ってのを一方通行がやってのけたって事?」

QB「そうなるね。ボクもそんな事が出来るなんて信じられなかったけど」

一方通行「さンざン見てきたからな。ソウルジェムの精製もそれがグリーフシードになるところも、その逆も」

ほむら「見たって……そんな、何回か見たくらいでそんな簡単に」

916 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:39:34.34 ID:fTmReHcgo
店員「お待たせしました、こちらコーヒーでございます」カチャカチャ

一方通行「いいタイミングだ一息つこうぜ」

ほむら「……なんだかはぐらかされた気がするのだけど」

一方通行「一から十まで説明する義理もねェンだが、知りたいことがあるなら言ってみろ」

御坂「アンタがそのエネルギー結晶みたいなのを作る目的はなんなのよ」

店員「(ムツカシイ話してんなあ…頭のいいリア充集団なんて嫌いだチクショウ)ごゆっくりどうぞ」ペコ

一方通行「俺の目的、っつゥかピョン吉の頼みを聞いてやってるだけだ」

結標「頼みを聞いてやってる〜?貴方が無償でそんなことするとは思えないわ。はい、コーヒー」コト

一方通行「おォ、悪ィな。別に無償じゃねェよ。一応報酬も貰ったしなァ……うめェ」グビ

ほむら「私もコーヒーいただくわ。報酬って?まさかまた契約とか」

QB「ボクはもう魔法少女の契約をするつもりはないよ。その必要も無いしね」

さやか「必要はないってどういうことなのさ。あ、あたしお砂糖3つとミルク入りで!」

QB「百合子がキミ達の感情の動きから結晶を作ったのを見ただろう?
  あれと百合子自身の能力でボク達のエネルギー情勢がかなり大きく変わったんだ」

杏子「百合子って…ええー!?アンタ女だったのー!!」

一方通行「違っげェェェ何回このやり取り繰り返せば気が済むンだクソがァ!」

917 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:40:12.82 ID:fTmReHcgo
御坂「私はミルク多めで砂糖無しで…あ、このコーヒーおいしい。一方通行の能力って、ベクトル操作?」

QB「そもそもボク達が人類の感情エネルギーに着目したのはエントロピーを覆す必要があったからだ。
  目減りするエネルギー総量をなんとかしないと宇宙は立ち行かなくなる」

結標「私も最初は砂糖ぬきにしようかしら…ベクトル操作でエントロピーを覆せるって事?」

QB「物体にある運動をさせようとした場合、用意したエネルギー全てが目的の運動に消費される訳じゃない。
  だが、ベクトル操作を使えばエネルギー配分を自由に設定できる。
  今まで10のエネルギーのうち8が目的の運動に、2が利用できずに捨てられていたとして
  エネルギーの『向き』を操れれば10のエネルギー全てを効率よく利用できるようになる」

さやか「??」

杏子「利用できずに捨てる分ってのがまずわかんねぇ。最初からちゃんと使えよ」

一方通行「使おうと思って使えるモンならな。たとえば、オマエは魔法少女の時に槍を使ってただろ。
     アレで魔女をブン殴ったとする。すると、槍に手ごたえを感じるだろ?」

杏子「そりゃーそうだろ」

一方通行「その手ごたえが『捨てた』分だ。攻撃に10の力を使っても、10全部が魔女に伝わる訳じゃねェ。
     相手の硬さや攻撃の速度・角度によっても与えるダメージは違ってくるだろ」

杏子「うん……?」

一方通行「本来なら手ごたえとして返ってくるエネルギー分を向きを操って攻撃に振り分けるって事だ」

杏子「すげー!それってすげーんじゃね?」キラキラ

御坂「うん、だからね、コイツこれでも学園都市で一番すごい能力者なんだって……」 

結標「貴方がよくやる地面チョイって小突いて爆発させるアレなんか相当エネルギー効率良さそうだものね」

QB「百合子の能力を解析して実用化すれば宇宙の寿命を延ばす為のエネルギー総量はかなり節約できるんだ」

まどか「でも、そんなことに協力なんて……大丈夫なの?」

一方通行「宇宙に出張する訳じゃねェし心配されるよォな要素はねェよ」

918 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:40:34.89 ID:fTmReHcgo
QB「そうだね〜できれば脳みそを取り出して複製でもできれば効率が上がりそうなんだけど」

まどか「……うぇえ」

QB「能力の『演算』は脳で行われてるだろうけど、発現時の効率なんかは魂や感情が関わってそうだしね。
  ヘタな手を打ったら取り返しがつかないから大人しくしてるよ」

ほむら「胡散臭さすぎる…脳や魂をコピーするなんてさらっと言い出す奴の事を信用出来る訳ないでしょう」

QB「そこは信用してよ。魂をコピーできるなら、あんなにまどかに粘着する前にサクっとコピるってば」

ほむら「それもそうね」

さやか「キュゥべえもう少し言い方考えろ」

まどか「それじゃあ、もう誰も魔法少女になったり魔女になったりしなくてすむの」

一方通行「これ以上ふざけた真似はさせねェよ」

まどか「そっか…よかった」

ほむら「まどかの願いで魔法少女はいなくなって、魔女もいなくなった。本当に全部終わったんだわ…」

さやか「そう、だね……あとはマミさんがいれば」

御坂「まみさん?」

まどか「……」

一方通行「オラ、さっさと散って食いモン取ってこいオマエら」シッシッ

まどか「う、うん!ほむらちゃん行こう」タタッ

ほむら「ええ」スタスタ

杏子「うわーすごい!これ全部食っていいのかあ〜」

さやか「このケーキかわいい!」

919 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:41:00.75 ID:fTmReHcgo
結標「良かったわ、みんな年相応に元気になって」フフ

一方通行「ババァかオマエは」

結標「失礼ね!貴方も何か食べる?ついでに持って来てあげるわ」

一方通行「甘くないヤツ」

結標「何その適当な指定…サンドイッチとかでいい?」スタスタ

御坂「……」

一方通行「オマエは行かねェのか?」

御坂「アンタはそれでいいの?」

一方通行「あン?」

御坂「キュゥべえの話じゃ、ソウルジェム以外でエネルギーを集めるのって効率が悪いっていうじゃない。
   そんな方法で宇宙を救うほどのエネルギーを一人で集めるなんて、負担になるんじゃないの?」

一方通行「なンだそりゃァ……まさか俺を心配してくださるってかァ?」

御坂「なによその言い方!そんなんじゃなくて、アンタ一人に面倒押し付けるみたいで、なんか…」

一方通行「べっつにィ、四六時中演算してる訳じゃねェし大した事ねェよ」

御坂「能力を研究だか解析だかされるって、何されるかアンタはわかってるの?」

一方通行「さァなァ。まァモルモットは慣れてるし」

御坂「何言ってんのよ!」

一方通行「……慣れてる、が、俺が大人しく好き勝手される訳ねェだろ」

御坂「あ、……そう、よね」

一方通行「ったく、つまんねェことグダグダ言ってねェでオマエも食いモン取ってこい」ポン

御坂「……!そ、そうね!」ガタッ


一方通行(アレ?俺今オリジナルの頭撫でてたか?)

御坂(ひ〜私ってば何言ってんのアイツってば何してくれちゃってんの〜!!)スタスタスタ


920 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:41:26.32 ID:fTmReHcgo
一方通行「……やっぱオリジナルだもンなァたまーに打ち止めと似てンだよなァ」シミジミ

御坂妹「見ーちゃった〜見ーちゃった〜上司に言うてやろ〜、とミサカは白髪頭をつつきます」

一方通行「いつの間に背後取りやがった!?」ガタッ

御坂妹「どうもちーっすお招きサンクスコ、とミサカは主催者へ敬意を表します」ヨッス

一方通行「ミジンコほども敬意を感じねェンだが」

御坂妹「そうですか?この度はこのような望外の席をご用意いただきまして…やっぱマンドクセ」

一方通行「望外つーかオマエがこの第三学区のホテルのバイキング行きてェって指定したンだけどな?」

御坂妹「まぁまぁそんな瑣末な事はいいとして、しかし複数の第三者がいるとは思いませんでしたが」

一方通行「瑣末かよ……いいけどよォ……」

御坂妹「妹達の存在を知る者がこんなに増えて大丈夫でしょうか、とミサカは疑問を投げかけます」

一方通行「アイツらは外部のなンも知らねェただのガキだ。普通の姉妹って事にしときゃァいいだろ」

御坂妹「そうかもしれませんが、超電磁砲の双子がいるなどと口外されたら面倒では?と、ミサカは」

一方通行「余計なオシャベリしねェよォにキチンと『お願い』しとくから問題ねェよ」ニ ヤ リ

御坂妹「……ハイソウデスネ、とミサカは周囲の気温が5度ほど下がったような心地で答えを返します」

御坂「あーっ!アンタ、私達より先に出掛ける用意してたのに遅かったじゃない」

御坂妹「少々用意に手間取りまして、とミサカは新品のワンピースを見せ付けます」クルリ

さやか「うわー美琴って双子だったんだ〜すごいソックリじゃん!」

御坂妹「いえ、双子というかにまn」モゴモゴ

さやか「?」

御坂「ウフフフアラヤダナンデモナイワヨ」ギュウウウウ

921 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:42:17.72 ID:fTmReHcgo
御坂妹「(口と鼻両方塞がれてます窒息します、とミサカはギブアップを宣言します)」タップタップ

御坂「(余計な事話すんじゃないわよ!)なんでわざわざ服買ってから来たのよ?」

御坂妹「約一名規定の服が入らなかったもので…と、ミサカは嫉妬と屈辱のあまり唇を噛みます」グヌヌ

御坂「はあ?」

ミサカ??「ひどいです10032号なんで一人でさっさと行っちゃうんですか!とミサカは憤慨します」

ほむら「いちまん…何?」

御坂「あははははいやいやナンデモナイなんでもないわよ」

さやか「三つ子!?」

杏子「すげえそっくり!」

御坂妹「エレベーターから直線距離30mのどこに迷う要素があるんですか、とミサカは19090号を見下します」

19090号「お姉さんがまだ本調子ではないと忘れたのですか、とミサカは気遣いのない10032号を非難します」

御坂「お姉さん?って私は別に普通に元気だけど…?」

御坂妹「ああ、『お姉さま』と『お姉さん』はベツモノです、とミサカは説明します」

御坂「説明になってないわよ何よそれ」


 「あら、ずいぶんにぎやかなのね」


控えめに御坂妹に文句をつけているミサカ19090号に続き、もう一人の少女が入り口のドアを開け現れた。
御坂妹と19090号と色違いのお揃いのワンピースに身をつつんではいるが、印象は全く違う。
その原因は圧倒的ボリューム感の違いであった。( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!

明るい色の髪を二つに分け、くるりと巻いた毛先がゆっくりとした歩みと共に揺れる。
春物の薄手の生地を凶暴に押し上げる存在感を見せ付けながら登場したのは、


  「久しぶりね、鹿目さん」


まどか「…………マミさん?」

まどかとさやかの魔法少女としての先輩であり、見滝原中の先輩でもある巴マミだった。

922 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:42:43.63 ID:fTmReHcgo
さやか「ほ、ほんとに?本当にマミさん……?」

マミ「そうよ?美樹さんも元気そうで良かったわ」

まどか「……ま、マミさん〜〜〜!!」ガバッ

さやか「マミさーーーーん!!」ガシッ

マミ「きゃっ?……もう、泣かないの」

まどか「だって、だって〜〜」ウェェェェ

さやか「マミさん、あたしバカだったー!」ビエェェエェ

御坂「誰?」ヒソ

一方通行「コイツらの先輩魔法少女だった奴だ」ヒソ

杏子「どうなってんだ?マミの奴死んだんじゃなかったのかよ」

一方通行「あァ、だからアレは正確には巴マミのクローンだな」

杏子「くろーん??」

御坂「またクローンを利用するようなマネして……っ!」

一方通行「魂があるンだから入れ物をつくってやった方がいいだろ」

御坂「へ?魂って…」

一方通行「コイツが巴マミのソウルジェムを持ってたンだ」

ほむら「……まさか生き返るなんて思ってなかったけど」


925 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:43:46.85 ID:fTmReHcgo
 〜〜 某日・見滝原市内某マンション 〜〜

一方通行「ここか」

ほむら「ええ」

結標「ちょっと説明くらいしなさいよなんで私はイキナリ拉致された訳?」

一方通行「いいからこの中に俺を飛ばせ」

結標「ええー…説明なし?スルー?まあやるけど」ヒュン

ほむら「中から鍵を開けてちょうだい」

一方通行「おォ入れや」ガチャッ

結標「ちょ…人の家でしょここ…」スタスタ ←といいつつ普通に入る

ほむら「今は家主がいないから大丈夫よ」スタスタ

一方通行「そォだなァ…とりあえず髪の毛でも集めるかァ」カチッ

結標「え」

ほむら「私はヘアブラシでも探してくるわ」スタスタ

一方通行「ダイソン式圧縮圧縮ゥ!」ゴォォォ

結標(なにこれ…髪の毛フェチ?変態?)gkbr

926 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:44:14.40 ID:fTmReHcgo
結標「あーよかった女子中学生の抜け毛でナニしてんのかと思って通報しようか悩んでたのよ」

一方通行「ブチ殺すぞ」

御坂「体細胞クローンを作ってそこに魂を入れて、って…そんなにすんなり行くもんなの?」

一方通行「ソウルジェムを体内に戻すのは鹿目まどかで実行済だし後はタイミングの問題だった訳だ」

御坂妹「そこで全妹達大アンケートを実施しまして、とミサカは口を挟んでみます」

一方通行「コイツらが『意識』や『感情』を自覚したタイミングの統計をとったンだ」

キュゥべえの話によると『魂』は『感情』と同義かそれに近いもののようだ。
それなら、感情が生まれる前の人体に『魂』を入れてやれば、ほぼ元の人間として機能するのではないか。
幸いな事にヒマな遺伝子研究者が身近にいた事もあって、仮説を実行に移すのも容易かった。

19090号「妹達の協力の元『巴マミ』は復活しました。故に彼女は姉妹のようなものだとミサカは主張します」

一方通行「俺は本人を知らねェから何とも言えねェがうまくいったみたいだな」

ほむら「ええ……見る限り、以前の巴マミと変わりはないわ」

杏子「よくわかんねーけどあれは本物のマミって事か?」

一方通行「そのはずだ」

杏子「………………マミ………」グスッ

マミ「佐倉さんも久しぶり」ニコッ

杏子「このやろー心配かけやがって〜」ガシッ

さやか「え?杏子とマミさん知り合い?」

杏子「ワルプルギスの夜っつー魔女がいるって話を他の魔法少女に聞いたことがあるって言ったろ」

まどか「その魔法少女がマミさんだったんだね!」

マミ「あなた達でワルプルギスの夜を倒したんですってね?」

杏子「そうさ!……っても、アタシはちょっと手伝ったってくらいだけどさ」エヘ

マミ「いいえ、あなただって立派に戦った……理<ことわり>を乗り越えし者よ」キリ

さや杏まど(((完全に本物のマミさんだ……!)))

927 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:44:46.21 ID:fTmReHcgo
御坂「アンタは行かないの?」

ほむら「私は……彼女とはあまりいい関係とは言えなかったから」

一方通行「それなのにソウルジェムを持ち歩いてたのか?物好きだなァ」

ほむら「『以前』は世話になったから」

一方通行「……そォか」

マミ「暁美さん」

ほむら「……何かしら」

マミ「あなたが私を生かしてくれたのでしょう?ありがとう」

ほむら「なんで、」

マミ「しばらく自分の状態を理解できなかったけど、あなたが守ってくれてるのはわかったわ」

ほむら「私は、別に」

マミ「時々グリーフシードで浄化してくれてたのも覚えてる。
   あなたの盾の中で守られながら混沌と調和の狭間にある安寧を感じていたわ」キリ

御坂妹「さすがマミお姉さんバリバリ厨ニっすかっけーっす、っとミサカは身を震わせます」ゾクゾク

マミ「暁美さんの事一方的に敵視してしまってたけど、あなたのお陰でこうして生きてる」

ほむら「それは…私が、歩み寄ろうとしてなかったから」

マミ「それは私も同じよ。きちんと謝らせて…そしてお礼を言わせてくれる?」

ほむら「……巴さん」

マミ「私を助けてくれて…美樹さんや鹿目さんも助けてくれてありがとう」

ほむら「……」グス

928 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:45:08.25 ID:fTmReHcgo
御坂妹「イイハナシダナー、とミサカは次はティラミスを食してみます…うめェ」モギュモギュ

19090号「そう頬張るから太るんですよ、とミサカはフルーツを食べ…いひゃいほっぺつねらないで」

御坂「アンタらほんと腹立つくらいマイペースね」

御坂妹「せっかく来たんですから食べとかないと、とミサカはチーズタルトをほおばりまふ」モグモグ

御坂「あの巴マミさんて、生まれ(?)がアンタ達と似てるから姉妹みたいなものってのはわかるけど
   どうして『お姉さん』な訳?アンタ達より後に生まれたんだから妹なんじゃないの?」

19090号「それはですね……」

御坂妹「あ、それ聞いちゃいますかお姉さま……と、ミサカは事実説明をためらいます」

御坂「なんでよ」

マミ「ちょっと取り込んじゃったわ。ミサカちゃん達ごめんね、そちらがあなた達の『お姉さま』?」

御坂妹「はいそうです、とミサカは誇らしげに無い胸を張ってお姉さまを紹介します」

マミ「初めまして、ミサカちゃん達にはお世話になってます」ペコプルン

御坂「こ、これは……!?」ガタッ

マミ「?」ボイーン

御坂「失礼ですけど今おいくつですか……?」ペターン

マミ「え?鹿目さんたちの1つ上の中三だけど」ポヨーン

御坂「なん……だと……?」ストーン

御坂妹「お分かりですかお姉さま…この圧倒的戦力差、とミサカは息をのみます」ゴクリ

19090号「この物量の前ではお姉さんと呼ばざるを得ません、とミサカは非情な現実を直視します」グス

929 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:45:39.50 ID:fTmReHcgo
マミ「え?何の話?」

御坂妹「実は服を買いに行ったのは彼女に妹達用の制服が合わなかった為です、とミサカは暴露します」

19090号「ブラウスのボタンがはじけ飛ぶ以前に留められないという事実、とミサカは戦慄します」

御坂「ぐぬぬ…1歳しか違わないのにこの格差……巴さん!」クワッ

マミ「は、はいっ!?」

御坂「私も弟子に…いえ、あなたのことお姉さんって呼ばせてもらえない?」ガシ

マミ「……はい?」

御坂「まずそのワガママ暴力ボディの秘訣を」

御坂妹「お姉さま抜け駆けは許しませんよ、とミサカは」

19090号「体型にメリハリつけるコツとかあるんでしょうか、とミサカは」

マミ「え、ちょt」


タメシニイッカイモマセテ ナイスアイディアデストミサカハ ミサカモ

結標「……話の内容は別として、あっと言う間に打ち解けたみたいでよかったわね」

一方通行「そォだな、話題は別としてな」

ほむら「……」

一方通行「オマエも話に混ざってきたらどォだ」

ほむら「どういう意味かしら」ペターン

一方通行「別にィ?あーコーヒーうめェ」ゴクゴク

ほむら「なんだか引っかかる言い方だけど確かにここのコーヒーはおいしいわ」コク

930 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:46:01.30 ID:fTmReHcgo
結標「よくブラックなんて飲めるわね……私は他の頼むわ」

さやか「あ、私もー!オレンジジュースにしよっと」

一方通行「コーヒーの旨さがわからねェよォなガキは大人しくミルクでも舐めてろってこった」フン

ほむら「この深い味わいが理解できないなんてかわいそうな人達ね」フッ

さやか「なにさーその言い方。ブラックコーヒー飲めるのがカッコイイとか思ってる訳?」

結標「言っとくけど気取ってブラック飲む奴なんて厨二病のガキにしか見えないわよ」

ほむ通「「!!!???」」ガーン

まどか「そ、そうかな私はブラックコーヒーおいしく飲める人ってすごいなって思うけど…」

ほむ通「「!!」」

まどか「なんか大人の味覚って感じでかっこいいよね」エヘ

ほむ通「「……」」パァァァ

結標「無理にフォロー入れる必要なんて無いのよ?」

ほむら「まどかが解ってくれたら充分よ。解る人だけ解ればいいのよこういう事は」フッ

一方通行「チビのクセに見所あるじゃねェか」フッ

まどか「身長は関係ないじゃない〜」ムゥ

杏子「おいしく食えればそれでいいだろ!マミも何か飲み物頼めよ」

マミ「そうね、私は紅茶をいただくわ」

さやか「はいはーい。シュガーポットは…」

マミ「いらないわ」

結標「ストレートティーでいいの?」

マミ「本当に上質の素材なら砂糖もミルクも必要はない……そうでしょう?」キラリ

ほむら「その通りよ」フッ

一方通行「ほォ……なかなか話せそォだな」ニヤ

さやか「ハイパー厨二トリオ結成キタコレ」

931 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:46:27.90 ID:fTmReHcgo
まどか「それにしても……美琴ちゃんたち、すごいねそっくりだね」

杏子「マジで見分けつかないよなー」

さやか「服が違うから美琴はわかるけどさ、妹さん達はムツカシイわ」

御坂「そ、そう?」アセ

一方通行「そォかァ?よく見りゃ全然違ェだろ」

ほむら「よく見ても同じに見えるのだけど、どこで区別したらいいのかしら」

一方通行「簡単だろォ?クソ生意気なツラしてンのがオリジナル」

御坂「なっ!」

一方通行「ふてぶてしいのが10032号」

御坂妹「あ?」

一方通行「一番細くてスタイルがいいのが19090号だろ」

 「「ちぇいさー!」」ドゴッ

一方通行「いってェェ何すンだこらァ!」

御坂「うっさいうっさいうっさい!」

御坂妹「生意気でふてぶてしい代表格にディスられる覚えはありません、とミサカは憤慨します」

19090号「さすがです!さすが第一位の頭脳です!とミサカは手放しで賞賛します!」パァァァ

結標「まあ普通は怒るわよね」

さやか「あーくんて実はあんまり頭良く無さそうだよね」アハハ

まどか「そんな事言っちゃ悪いよさやかちゃん」←でも否定しない

杏子「ガキんちょの時なら許せるんだけどなー」

932 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:46:59.31 ID:fTmReHcgo
一方通行「…さっきからずいぶン気安く呼ンでやがるが一応オマエらより1つ2つ上なンだからな?」

御坂「何を突然先輩ぶってんのよ」

さやか「そんじゃー『あーくん先輩』で!」

一方通行「だからソレはやめろってェの『アクセラレータ』と呼べ」

まどか「あくせら…?あーくんて外国の人なの?」

一方通行「大雑把メリケンにも一目で判別されるレベルで日本人だ」フシギナコトニ

杏子「あくせる……れーだー?」

一方通行「あァー…オマエは無理すンな」ウン

杏子「アタシの事馬鹿だと思ってんのかー!?」

一方通行「馬鹿じゃねェと思ってンのか?」

杏子「なんだよー!」プンスコ

一方通行「これからは戦う必要もねェンだからちゃンと学校いって馬鹿脱出に励むンだなァ」ワシワシ

杏子「あう」ビクッ

さやか「あーくんが小さくなってた時はオネーチャンぶってたのにすっかり子供扱いだねー」アハハ

杏子「ちぇー……わかったよ…………に、にーちゃん……」カァァ

一方通行「あァ?」

さやか「ぶはっ!?」

御坂妹「ロリに続き妹属性まで嗜好に加えるとは……と、ミサカはえんがちょを切ります」

一方通行「おいィ!?何を勝手に人に性癖植え付けてンだこらァ!」

まどか「妹さんとあーくん仲良しだねえ」アハハ

御坂「やっぱり仲良さげに見えるわよねー本人達は否定するんだけど」

933 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:47:40.85 ID:fTmReHcgo
結標「ケンカするほどナントカって奴よねぇ…あ、飲み物来たわよ」

店員「なん……だと……?」

19090号「紅茶はこちらです、とミサカは……なんだかウェイターさんの様子がおかしいですね」

マミ「あ、私達があとから加わったのだめだったのかしら」

御坂妹「追加料金が発生してもあの白いのが払いますよ、とミサカはマカロンをほおばります」モグモグ

店員「…………」

俺の目の前に広がる光景が理解できなかった。理解したくなかった。
ファミレスバイトから高級ホテルでの給仕のバイトに移って満足していた俺のいかに卑小なことか。
世の中に格差はある。それはもう仕方ない。
だからといってあまりにもあんまりではないのか。

かたやバイト先のまかない(正規メニューの半額が給料から天引き)と吉牛で食いつなぐ俺。
プライベートでの女子との最後の会話は『10円足りません』『あ、スイマセン』の俺。
惨事に望みはなく二次嫁ペロペロを心の支えに生きる俺。鳴ちゃんは俺の嫁。

かたや大卒サラリーマン月給三ヶ月分を超える貸切料金をポンと払ってコーヒーしか飲まないイケメン。
エロ系お姉さん(巨乳)・ツンデレ(貧乳)・黒髪クール(無乳)とタイプ別(乳サイズ別)にハーレム作ってやがる

と思ったらムチムチ(爆乳)・ボーイッシュ(美乳)・猫系(微乳)・小動物系(貧乳)とさらにバリエーション豊富

に取り揃えた挙句に 双子 三つ子 まで完備だと………!?

店員「…………」プルプル

一方通行「なンだ文句あンのかコラ」

店員「弟子にしてください!!!!」ドゲザッ

一方通行「……はァァ!?」

店員「あんたみたいな超絶ハイスペックリア充ハーレム王になりてーんだ!」

一方通行「何言ってんだコイツ」

店員「兄貴!頼む!兄貴ィィィイイ!!」ガシ

一方通行「足掴むンじゃねェ気持ちわりィィィイイ!!」

御坂「さすが第一位男にもモテモテね〜(笑)」

御坂妹「あ、11801号から画像データ要請がきてますね……」

934 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:48:07.40 ID:fTmReHcgo

※弟子希望店員は騒ぎを聞きつけたホテルマン達によって強制排除されました※


一方通行「……なンだっつゥンだクソが……」ゼーハー

結標「一般人が慕ってくれるなんてよかったじゃない(笑)」

一方通行「慕っ…?気持ち悪さしか感じなかったわクソが」

御坂「アンタでもあんな恐慌状態みたくなるのね〜髪の毛が威嚇中のネコみたいにボッサボサよ」アハハ

一方通行「いきなり知らねェ奴に足首捕まれたら誰でもびびるわクソ」ナデツケ

さやか「あ、あたしクシ持ってるし梳かしてあげよう」スッ

一方通行「いらねェし自分でやるし」

さやか「いいっていいって遠慮はいりませんて一回触ってみたかったんだ〜……うおおお!!」

杏子「うあっ!?びっくりした急にでかい声出すなよ」

さやか「いやだってマジすごいサラッサラのふわっふわ手触りやばい超気持ちいい」サラサラ

一方通行「もォいいから触ンな」

杏子「へえ?……うわ、ほんとだチビの時から髪の質変わってねーのな」モフモフ

一方通行「やめろ」

まどか「わ、私も触ってみていいかな……うわ、たっくんみたい」サラサラ

19090号「たっくんとは?」ナデナデ

まどか「弟だよ!今年3歳になったんだ〜」

御坂妹「どれどれ…ガキんちょの時と感触変わりませんね、とミサカは白髪頭をモフモフします」モフモフ

一方通行「マジでやめろ」

結標(3さいの男の子みたいな髪質ですって…?あーくんの時と髪質一緒ですって…!?)プルプル

御坂「よくそんな軽々しくコイツに触れるわね…あっほんとだすごいやらかい仔猫みたい!」モフモフ

935 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:48:34.21 ID:fTmReHcgo
結標「わ、私も」ナデナデ

一方通行「触ンなやめろ」

結標「サラッサラね…よくみたら肌も無駄にキレイだし……」ナデナデサラサラナデナデ

一方通行「オマエは触りすぎだいい加減にしろ」

結標「……よく見たら手足も華奢だし……」ナデナデサワサワスベスベ

一方通行「……マジでやめろ触ンな」ゾワワ

結標「ね、一方通行……いえ、『あーくん』」ガシ

一方通行「やめ…あァ!?」

結標「淡希おねえちゃん、って言ってみてくれない?」ズイ

一方通行「」

結標「一回だけでいいから!さきっぽだけでいいから!」ハァハァ

一方通行「なァァあにトチ狂ってやがンだボケ離せクソがァ!」ベシベシ

結標「お願…あ、首筋のニオイもあーくんのままだわ!」クンカクンカ

一方通行「帰る!俺帰るから!」ジタバタ

結標「やぁね照れなくていいのよあーくん☆」ペロペロ

一方通行「ぎゃああァァ!?」ビクーッ

御坂「アンタ達こんなところで恥ずかしい真似してんじゃないわよ!」

一方通行「理不尽すぎンだろ俺は悪くねェ!」

結標「やーねちょっとしたスキンシップじゃないハァハァ恥ずかしいことなんて何もないのよペロペロ」

さやか「ま、まあ後は若い者同士にお任せということで…」

まどか「はわわわわ」

ほむら「まどか、見ちゃダメよ」

936 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:49:04.67 ID:fTmReHcgo
マミ「ふふ、みんな仲良くて楽しそうで良かったわ」

QB「今は確執も悩みも全部解決したからね」

マミ「……久しぶりね、キュゥべえ」

QB「また会えるとは思わなかったよ、マミ」

マミ「そうね。何せ私ったら死んでたんですもの」

QB「ボクを責めるかい?」

マミ「なぜ?魔法少女が危険な仕事だってことは最初から解ってたことよ」

QB「マミには契約前に説明できなかったからね」

マミ「契約しなかったら私はあの時の事故で死んで終わりだったわ」

QB「でも結局魔女と戦って死んだ訳だ。ほんの少し先延ばししただけだったね」

マミ「あなたにとっては『ほんの少し』かも知れないわね。
   けど、私はその『ほんの少し』の間に色々考え、経験し、変わったわ。
   その時間をくれたキュゥべえにはお礼を言わないといけないわね」

QB「マミは珍しいタイプだね。普通の子は危険を承知の上で契約しても死ぬ間際にはボクを責めるのに」

マミ「キュゥべえは一人ぼっちになった私のそばにいてくれた。
   ……だから、余計な事を知ってあなたの事を嫌ったり憎んだりしたくないの」

QB「……キミと過ごした時間はなかなか楽しかったよ。じゃあね、マミ。元気で」

マミ「さよなら。キュゥべえ」

937 : ◆jhM3GDvYk. [saga]:2012/05/04(金) 00:52:21.47 ID:fTmReHcgo
挿絵的なもの
『妹達』の前に立ちはだかる格差という名の壁
http://wktk.vip2ch.com/vipper1290.jpg
k-135.jpg

今回の投下はこれで終わり

ハッピーエンドだって言うたやろが!どや!
次回で本当の本当に完結予定
もうこんなに間が開かないようにします

それでは

941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/05/04(金) 01:06:57.00 ID:uWcabZjdo
ノノノノーブラやてぇ!?

944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/04(金) 01:50:29.96 ID:zNjGXmJVo
うっ、ふぅ……


妹達との格差www
いや着せる前に気付こうぜw

945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/04(金) 04:39:26.15 ID:sSVL+wImo
あゝ素晴らしき大団円
妹達とマミさんの絡みが面白いww
挿絵の妹達の敗北感というか死屍累々な感じが面白すぎるww
しかし、一方さんマジでチートだな
魂やら感情エネルギーやら……レベル上がってそうな勢い

946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/05/04(金) 04:45:50.89 ID:FBkeAOg/0
>>937格差社会の具現化に感謝、

そして>>1乙、あと少しでゴ−ル


※スレ落ちしました。




posted by JOY at 02:06| Comment(9) | TrackBack(0) | 禁書クロスSS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
感動のラスト
Posted by at 2012年09月13日 00:51
グンマーwwwそして店員wwww
Posted by at 2012年09月13日 16:49
最初から最後まで安定して面白かった。まどマギクロスものでは一番の良作。
Posted by at 2012年09月13日 18:59
まとめありがとうございます!
しかし完結をずっと待ってたのに残念だ。
Posted by at 2012年09月14日 01:47
まとめお疲れ様です
Posted by at 2012年09月15日 12:31
アニメ化してくれ・・・
Posted by at 2012年10月10日 01:42
続き期待
Posted by 名無し at 2012年10月10日 16:59
あ、続きと言うより完結を期待。
Posted by 7 at 2012年12月06日 01:12
寸前で落ちてるけどラス1だったことも合って十分エンド迎えてる感じでいいね
Posted by at 2013年03月05日 23:55
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